東京国際大学が第103回箱根駅伝予選会に出場したのは、2026年10月17日。東京都立川市の陸上自衛隊立川駐屯地をスタートし、市街地を経由して国営昭和記念公園に至るコースで、各大学が本戦出場を争いました。
東京国際大学は10時間45分04秒で総合15位。本戦出場枠は上位10校までだったため、2027年1月2日・3日の箱根駅伝には進めませんでした。大学公式サイトも10月23日付で予選会の結果を公表しています。
予選会の順位と通過ラインを比較2026年10月17日の最終結果は次のとおりです。
| 順位 | 大学 | 総合タイム |
|---|---|---|
| 1位 | 東洋大学 | 10時間31分30秒 |
| 2位 | 中央学院大学 | 10時間33分31秒 |
| 3位 | 東海大学 | 10時間33分41秒 |
| 4位 | 専修大学 | 10時間33分42秒 |
| 5位 | 東京農業大学 | 10時間34分33秒 |
| 6位 | 山梨学院大学 | 10時間35分18秒 |
| 7位 | 大東文化大学 | 10時間35分23秒 |
| 8位 | 神奈川大学 | 10時間36分48秒 |
| 9位 | 日本体育大学 | 10時間39分52秒 |
| 10位 | 法政大学 | 10時間40分08秒 |
| 11位 | 国士舘大学 | 10時間41分54秒 |
| 12位 | 武蔵野学院大学 | 10時間43分54秒 |
| 13位 | 立教大学 | 10時間44分01秒 |
| 14位 | 明治大学 | 10時間44分06秒 |
| 15位 | 東京国際大学 | 10時間45分04秒 |
出典:日本テレビ箱根駅伝番組公式サイト、月刊陸上競技の大会結果。
本戦出場を決めた10位の法政大学とのタイム差は4分56秒。上位10人の合計タイムで争う予選会では、単純計算で1人当たり約29.6秒の改善が必要だったことになります。
ここで注目したいのは、東京国際大学が単純にエースの不調で敗れたわけではない点です。リチャード・エティーリ選手は個人2位という優秀な成績を残しています。それでもチーム順位は15位でした。
つまり、課題はエースの走力だけでは説明できません。上位10人の合計で競う大会において、複数の選手が安定して高い水準のタイムを出せるかどうかが、結果を大きく左右したと考えられます。
予選会敗退までの経緯大学が公表した情報と大会結果を時系列で整理すると、次のようになります。
- 2026年10月16日:予選会に登録する16人のメンバーが発表される。
- 2026年10月17日:予選会を実施。12人が出走し、上位10人の合計タイムで順位が決まる。
- 2026年10月17日:東京国際大学は総合15位、10時間45分04秒でフィニッシュ。
- 2026年10月23日:大学公式サイトが本戦出場を逃したことを発表。
予選会の仕組みで見落としやすいのが、登録メンバー16人全員の記録を合算するわけではないという点です。実際に出走するのは12人で、チーム順位には上位10人のタイムが採用されます。
したがって、エースが好記録を出しても、残る9人の成績が十分でなければ上位10校に入ることはできません。東京国際大学の15位という結果は、個人の能力とチーム全体の総合力を分けて評価する必要性を示しています。
【注目選手】リチャード・エティーリの日本学生新記録と箱根予選会の快走

59分07秒
2026年2月1日・香川丸亀国際ハーフマラソン
2026年の東京国際大学駅伝部を語るうえで欠かせないのが、リチャード・エティーリ選手です。
エティーリ選手は2026年2月1日に開催された第78回香川丸亀国際ハーフマラソンに出場。59分07秒で優勝し、日本学生新記録と大会新記録を同時に樹立しました。
大学公式発表によれば、この記録は従来の日本学生記録を更新するものでした。世界水準に迫るタイムを持つ選手が大学駅伝部に所属していることは、東京国際大学の大きな強みです。
エティーリの2026年主要実績| 大会・時期 | 記録・順位 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 2026年2月1日・丸亀ハーフ | 59分07秒・優勝 | 日本学生新記録 |
| 2026年10月17日・箱根予選会 | 1時間00分59秒・個人2位 | チーム内外でトップクラスの走り |
| 第102回箱根駅伝 | 2区7位・1時間06分14秒 | エース区間で上位の成績 |
特に注目したいのは、2026年10月17日の箱根駅伝予選会です。エティーリ選手は1時間00分59秒で個人2位に入り、優勝した山梨学院大学のブライアン・キピエゴ選手とは11秒差でした。
つまり、箱根予選会でもエースとしての役割を果たしていたことが分かります。
なぜエースがいても箱根駅伝に出場できなかったのか駅伝は個人競技とは異なり、1人の突出した選手だけでは勝てません。
箱根駅伝予選会の場合、上位10人の合計タイムが評価対象です。エティーリ選手が個人2位という結果を残しても、残り9人が他大学の主力選手と互角以上に戦えなければ、チームとしての順位は伸びません。
この構造を考えると、東京国際大学が今後取り組むべきなのは、エティーリ選手のような突出した能力を持つ選手を育成することだけではありません。個人順位で上位に入る選手を複数確保し、10番手までの走力を底上げすることが必要です。
また、2026年7月時点の大学公式メンバー表ではエティーリ選手は4年生です。2027年春の卒業を控える学年であり、2027年秋の予選会を見据えると、エースの後継となる選手の育成も大きなテーマになります。
【メンバー一覧】東京国際大学駅伝部の2026年主力選手とエントリーメンバー
東京国際大学駅伝部は、2026年7月時点で大学公式サイトに監督・コーチ・選手の情報を掲載しています。箱根駅伝予選会に向けた登録メンバーも別途発表されました。
2026年の主力選手とチーム構成大学公式の部員紹介によると、2026年7月時点の主将は久保遼人選手、副主将は菱田紘翔選手と政仁斗選手です。
主力として注目したい選手は次のとおりです。
- 久保遼人:主将。2026年7月時点で4年生。
- 菱田紘翔:副主将。長距離選手としてチームを支える4年生。
- 政仁斗:副主将。3年生としてチームの中核を担う。
- リチャード・エティーリ:ハーフマラソン日本学生新記録保持者。
- アモス・ベット:4年生の留学生ランナー。
- 小柴裕士郎:3年生。2026年の全日本大学駅伝では日本学連選抜に選出。
- 荒谷俊輔:2年生。第102回箱根駅伝では5区を担当。
- 久保茉潤:2年生。第102回箱根駅伝では10区を担当。
2026年10月16日、東京国際大学は第103回箱根駅伝予選会に登録する16人を発表しました。大学公式の選手紹介画像に掲載されたメンバーは次のとおりです。
予選会エントリー16人
{#each ["アモス・ベット","久保遼人","菱田紘翔","岩本偲遠","小柴裕士郎","久保茉潤","佐藤柊輔","松浦央汰","欠端陽翔","登松大和","リチャード・エティーリ","木戸珀斗","政仁斗","齋藤康太郎","永井大晟","渡邊颯汰"] as n}
{n}
{/each}
出典:東京国際大学「第103回箱根駅伝予選会エントリーメンバー決定!」2026年10月16日。
ここで大切なのは、予選会のエントリーメンバーと実際に出走した選手を混同しないことです。大学の発表では16人が登録され、当日は12人が出走する方式でした。
また、7月時点の部員紹介と10月の予選会エントリーは、掲載時点も目的も異なります。前者は部員・スタッフの一覧、後者は特定の大会に向けた登録メンバーです。
【指導体制】中村勇太監督代行と小柴裕士郎の全日本大学駅伝での挑戦
2017年コーチ就任、2024年ヘッドコーチ・監督代行就任
東京国際大学の指導体制を理解するうえで重要なのが、中村勇太監督代行の存在です。
大学公式プロフィールによると、中村監督代行は2017年に東京国際大学のコーチに就任。2024年にヘッドコーチとなり、同年から監督代行を務めています。
選手時代は時習館高校を経て中京大学でマネージャーを経験。その後、トヨタ紡織や豊川高校での指導経験を積んでいます。
2026年11月1日・全日本大学駅伝での新たな動き箱根駅伝予選会で本戦出場を逃した東京国際大学ですが、10月末には別の大きなニュースが発表されました。
2026年10月31日、大学は小柴裕士郎選手が第58回全日本大学駅伝の日本学連選抜チームにエントリーされたと発表しました。同時に、中村勇太監督代行が日本学連選抜チームの監督を務めることも公表されています。
そして11月1日に全日本大学駅伝が開催されました。小柴選手は日本学連選抜の1区を担当し、9.5キロを28分15秒で走っています。区間順位は22位という記録でした。日本学連選抜は総合16位、5時間23分41秒で大会を終えました。
ここで押さえておきたいポイント
小柴選手の出場は、東京国際大学の大学単独チームとしての出場ではありません。日本学連選抜の一員としての出場です。大学チームの大会成績と、個人が選抜チームで出場した実績は区別する必要があります。
それでも、東京国際大学の選手が日本学連選抜に選ばれたことには意味があります。箱根予選会でのチーム順位とは別に、個人の実力が評価されていることを示す材料だからです。
加えて、大学の指導者が選抜チームの監督を務めたことも、2026年秋の東京国際大学駅伝部に関する重要な出来事です。チームとしての箱根出場は逃しましたが、選手と指導者が大学の枠を超えて全国大会に関わる機会を得ました。
【歴代成績と2027年展望】東京国際大学は箱根駅伝に復帰できるのか
東京国際大学は、箱根駅伝で上位進出を経験してきた大学です。2026年の総合16位、続く予選会15位という結果だけを見ると低迷が続いている印象を受けますが、歴代成績を確認すると、過去には総合5位や8位という実績も残しています。
東京国際大学の箱根駅伝・歴代成績東京箱根間往復大学駅伝競走の公式記録に掲載されている主な成績は次のとおりです。
| 大会 | 開催年 | 総合順位 | 総合タイム |
|---|---|---|---|
| 第94回 | 2018年 | 17位 | 11時間22分59秒 |
| 第95回 | 2019年 | 15位 | 11時間14分42秒 |
| 第96回 | 2020年 | 5位 | 10時間54分27秒 |
| 第97回 | 2021年 | 10位 | 11時間05分49秒 |
| 第98回 | 2022年 | 5位 | 10時間55分14秒 |
| 第99回 | 2023年 | 11位 | 10時間59分58秒 |
| 第101回 | 2025年 | 8位 | 10時間54分55秒 |
| 第102回 | 2026年 | 16位 | 10時間58分16秒 |
出典:東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト・大学別過去の記録。
特筆すべきは、第96回大会と第98回大会で総合5位に入っていることです。東京国際大学には、箱根駅伝でシード権争いだけでなく上位進出を狙えるチームをつくった実績があります。
一方、第101回大会の8位から第102回大会の16位へと順位を落とし、2026年秋の予選会でも15位となりました。過去の実績と直近の結果を比較すると、チームとしての競争力をもう一度高めることが必要な段階にあります。
第102回箱根駅伝の16位は何が課題だったのか2026年1月2日・3日に開催された第102回箱根駅伝では、東京国際大学は総合16位、10時間58分16秒でした。内訳は往路19位、復路11位です。
大学公式の区間記録を見ると、2区のエティーリ選手が7位、3区の菅野裕二郎選手が11位、8区の前田寛明選手が8位と、区間上位に入った選手もいました。
また、復路は総合11位相当の5時間27分31秒。往路の19位から復路で順位を上げており、後半に巻き返す力も見せています。
ただし、往路19位という結果は、前半から主導権を握る難しさを示しています。箱根駅伝では、序盤の流れが後半の順位にも影響します。各区間で大きな遅れを防ぎ、往路から安定したレースを展開できるかが課題です。
2027年の箱根駅伝出場状況は?2027年1月2日・3日に開催される第103回箱根駅伝については、東京国際大学の本戦出場はありません。
理由は明確で、2026年10月17日の予選会で総合15位となり、出場権を獲得できなかったためです。上位10校が本戦へ進む制度なので、予選会での敗退によって2027年の箱根路への道は閉ざされました。
次の箱根駅伝本戦を目指す場合、ターゲットとなるのは2028年1月開催の第104回大会です。その出場権を得るためには、2027年秋に予定される予選会で上位10校に入る必要があります。
2027年秋に向けた3つの注目ポイント1. エティーリ選手に続くエースの育成
2026年の大学公式メンバー表では、エティーリ選手とアモス・ベット選手が4年生として掲載されています。2027年春の卒業学年を迎える選手たちの後を、誰が担うのかが重要です。
小柴裕士郎選手や政仁斗選手など、2026年時点で下級生だった選手の成長が、チームの競争力を左右する可能性があります。
2. 10番手までの選手層を強化する
予選会では上位10人の合計タイムが勝敗を決めます。エースの個人順位だけでなく、10番手の選手がどの水準で走れるかが重要です。
今回の15位という結果から考えると、主力数人の強化に偏らず、チーム全体で安定したタイムを出せる選手を増やすことが必要です。
3. 指導体制と若手の成長を結び付ける
中村勇太監督代行のもとで、個々の能力を駅伝のチーム力に変換できるかも注目点です。小柴選手の日本学連選抜入りは、若手選手の競技力を考えるうえで明るい材料です。
今後は、個人の記録向上だけでなく、予選会のような複数人の合計タイムで争う大会に対応できるチームづくりが大切です。
【東京国際大学駅伝のよくある質問(FAQ)】
Q1:東京国際大学は2027年の箱根駅伝に出場しますか?
A1:出場しません。2026年10月17日の第103回箱根駅伝予選会で総合15位、10時間45分04秒となり、上位10校に入れなかったためです。
Q2:東京国際大学の箱根駅伝予選会での注目選手は誰ですか?
A2:リチャード・エティーリ選手です。2026年10月17日の予選会では1時間00分59秒で個人2位に入りました。また、同年2月の香川丸亀国際ハーフマラソンでは59分07秒の日本学生新記録を樹立しています。
Q3:東京国際大学駅伝部の2026年の監督は誰ですか?
A3:大学公式サイトでは中村勇太氏が監督代行として掲載されています。2024年に監督代行に就任し、2026年11月1日の全日本大学駅伝では日本学連選抜チームの監督を務めました。
Q4:小柴裕士郎選手は全日本大学駅伝に東京国際大学代表として出場したのですか?
A4:2026年11月1日の第58回大会では、日本学連選抜チームのメンバーとして出場しました。大学単独チームではなく、複数大学の選手で構成される選抜チームの一員です。
Q5:東京国際大学の箱根駅伝での最高順位は何位ですか?
A5:公式記録に掲載された成績では、第96回大会(2020年)と第98回大会(2022年)の総合5位が最高順位です。
Q6:東京国際大学が次に箱根駅伝へ出場するチャンスはいつですか?
A6:次の目標は2028年1月開催の第104回箱根駅伝です。2027年秋の予選会で上位10校に入る必要があります。
まとめ:【プロの結論】東京国際大学駅伝部の再建は選手層の強化が鍵
2026年の東京国際大学駅伝部は、第102回箱根駅伝で総合16位、第103回箱根駅伝予選会で総合15位という厳しい結果に終わりました。2027年1月の箱根駅伝本戦出場は実現していません。
しかし、チームの競技力を評価するうえでは、リチャード・エティーリ選手のハーフマラソン59分07秒という日本学生新記録や、予選会個人2位という実績も見逃せません。小柴裕士郎選手の日本学連選抜入り、中村勇太監督代行の選抜チーム監督就任も、2026年秋の重要な出来事です。
今回の結果から見える最大の課題は、突出した選手の存在をチーム全体の成績に結び付けることです。箱根駅伝予選会は10人の合計タイムで争われるため、上位数人だけでなく、10番手までの実力を引き上げる必要があります。
今後の東京国際大学駅伝部を評価する際は、次の3点を確認すると、チームの成長をより正確に判断できます。
- エース級の選手が複数育っているか。
- 予選会で上位10人のタイムが安定しているか。
- 下級生が主力へ成長し、卒業する4年生の穴を埋められているか。
東京国際大学には過去に箱根駅伝総合5位を達成した実績があります。2026年の予選会敗退を単なる順位の問題として終わらせず、選手層の再構築につなげられるか。2027年秋の予選会こそ、チームの再出発を測る大きな舞台になりそうです。