大学駅伝では、選手個人の能力だけでなく、日々の練習環境や生活面のサポートも競技力を左右する。
立教大学は、箱根駅伝への復帰を目指した強化事業のなかで、専用寮の整備や監督の招聘など、競技環境への投資を進めてきた。
紫聖寮は2020年3月に完成男子駅伝チームの練習拠点となっているのが、紫聖寮(しせいりょう)だ。
2020年3月、新座キャンパスの隣に完成した施設で、次のような設備を備えている。
- 2人部屋20室
- 選手専用トレーニングルーム
- 身体のケアに使用する治療室
- 朝食・夕食やミーティングに使う食堂
- 浴室・水風呂
- 洗濯室
選手は同学年同士で2人1部屋を利用する生活スタイルを採用している。
特に注目したいのは、トレーニングだけでなく、身体のメンテナンスや食事、選手同士のコミュニケーションまで考えられた施設であることだ。
施設が整っていても競技結果につながるとは限らない紫聖寮の整備は、立教大学の駅伝強化における大きな基盤だ。
ただし、施設の充実と大会成績は別の問題でもある。
2026年の予選会では、原田と西澤が個人40位以内に入った一方、3番手以降には個人順位で大きな差が生じた。
この結果を踏まえると、今後は次のような取り組みが重要になる。
- 上位選手のコンディション維持
- 3番手から10番手までの選手の走力向上
- 長距離を走るための持久力強化
- 疲労回復や身体のケアの徹底
- 学年を超えた練習意識の共有
紫聖寮という設備を、選手一人ひとりの成長とチーム全体の底上げに結び付けられるかが問われている。
2026年10月にアイティフォーとのスポンサー契約を締結2026年10月8日には、新たな強化支援に関する発表もあった。
立教学院は、ITサービス企業の株式会社アイティフォーと男子駅伝チームのスポンサー契約を締結した。
契約期間は2026年10月1日から2027年3月31日まで。
主な支援内容は次のとおり。
- 男子駅伝チームの活動支援
- Tシャツへの企業ロゴ掲出
- ウォームパーカーへのロゴ掲出
- ウィンドブレーカーへのロゴ掲出
- プロジェクトPhase2の推進支援
支援の目的には、選手がより良い環境でトレーニングに励める体制の構築も含まれている。
髙林監督も公式発表で支援への感謝を述べ、Phase2でのさらなる飛躍に向けて取り組む姿勢を示した。
立教大学箱根駅伝プロジェクトPhase2の現在地Phase2は、箱根駅伝に出場することだけを目標にした事業ではない。
2024年に発表された第2段階の目標は、箱根駅伝本大会でのシード権獲得、すなわち総合10位以内だった。
55年ぶりの復帰という最初の目標を達成した後、さらに強いチームをつくるための継続的な強化事業として位置付けられている。
2026年の予選会では13位となったものの、プロジェクトそのものが終了したわけではない。
大学公式サイトでは2026年10月9日に妙高高原での夏合宿に密着した動画を公開し、11月2日には第103回予選会を振り返る「涙と再起への誓い」をテーマにした動画も公開している。
こうした発信からも、大学が駅伝チームの活動と再挑戦を継続的に支えていることが分かる。
【今後の展望】立教大学駅伝部が箱根路に戻るための3つの課題

2026年の予選会13位は、立教大学にとって苦い結果となった。
しかし、復帰後の4大会連続出場や全日本大学駅伝でのシード獲得など、これまでに積み重ねた経験まで失われるわけではない。
次の箱根路復帰に向けて、特に重要になるのは以下の3点だ。
1. 10人の総合力を高めること最も大きな課題は、予選会で上位10人に入る選手全員の走力を引き上げることだ。
2026年の予選会では、原田が32位、西澤が39位と好走した。
しかし、3番手の山下は130位だった。
予選会では上位10人のタイムが合計されるため、エース2人だけで順位を押し上げることには限界がある。
今後は、上位選手の安定した走りに加えて、3番手から10番手までの選手がどれだけ記録を縮められるかが重要になる。
2. 1・2年生を中心に次世代を育てること原田をはじめとする4年生は、2026年度をもって卒業する。
次のチームづくりでは、西澤匡哉ら2年生や、2026年に入学した1年生の成長が大きな意味を持つ。
特に予選会で得点対象となった添田倖斗、北川寛人、安藤槙悟は、すでに長距離の大舞台を経験している。
こうした経験を翌年度以降の成績につなげられるかが注目点だ。
また、上級生が卒業した後のリーダーシップを誰が担うかも重要になる。
3. Phase2を継続し、強化体制を充実させること立教大学は、監督の招聘、紫聖寮の整備、スポンサー支援など、長期的な競技力向上に向けた基盤を築いてきた。
2026年10月のアイティフォーとの契約も、その取り組みの一つだ。
今後は、こうした支援を日々の練習や選手育成に生かし、予選会を突破できる実力を定着させる必要がある。
箱根駅伝のシード権獲得という目標に対しては、まず予選会を安定して通過することが最初の関門となる。
【プロの結論】立教大学駅伝部の再建は「エース強化」から「チーム全体の底上げ」へ立教大学駅伝部の2026年の結果を分析すると、再建に必要なのは単純なエースの補強ではないことが分かる。
原田と西澤のように、個人上位で戦える選手は存在する。
一方、箱根駅伝予選会は10人の合計タイムで競うため、チーム全体の平均的な走力が結果を左右する。
今後、立教大学の競技力を評価する際には、次の4点に注目したい。
1. 予選会の上位10人の平均タイム: 特定の選手に依存しない走力が育っているか。
2. 新入生の成長: 大学1年目の選手が2年目以降も主力として活躍できるか。
3. 上級生のリーダーシップ: 髙林監督の掲げる学生主体の組織づくりが継承されるか。
4. 競技環境の活用: 紫聖寮やスポンサー支援が実際の競技成績に結び付いているか。
55年ぶりの箱根復帰を実現した大学だからこそ、次に求められるのは一時的な復活ではなく、継続して本大会に出場できるチーム力だ。
【立教大学駅伝部】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:立教大学駅伝部は2026年の箱根駅伝予選会で何位でしたか?
A1:2026年10月17日に開催された第103回箱根駅伝予選会で13位でした。総合タイムは10時間44分01秒で、本大会出場ラインの10位には3分53秒届きませんでした。
Q2:立教大学の箱根駅伝出場は2027年も決まっていますか?
A2:決まっていません。2026年10月の予選会で13位となったため、2027年1月の第103回箱根駅伝本大会には出場できません。
Q3:立教大学駅伝部の監督は誰ですか?
A3:2026年度の男子駅伝監督は髙林祐介氏です。2024年4月に就任し、学生主体のチームづくりと箱根駅伝の上位進出を目指しています。
Q4:2026年度の駅伝主将は誰ですか?
A4:原田颯大です。スポーツウエルネス学部スポーツウエルネス学科の4年生で、2026年の箱根駅伝予選会ではチームトップの個人32位でした。
Q5:立教大学駅伝部の新入生は何人ですか?
A5:2026年度の公式選手紹介には13人の1年生が掲載されています。予選会では添田倖斗、北川寛人、安藤槙悟がチームの上位10人に入りました。
Q6:立教大学の駅伝部には専用寮がありますか?
A6:あります。紫聖寮という専用施設が新座キャンパス隣にあり、2020年3月に完成しました。トレーニングルーム、治療室、食堂などを備えています。
Q7:立教大学は全日本大学駅伝に出場したことがありますか?
A7:あります。2024年の第56回大会で初出場し、シード権を獲得しました。2025年の第57回大会では総合14位でした。
まとめ:立教大学駅伝部は13位から箱根路再挑戦へ
2026年の立教大学駅伝部は、第103回箱根駅伝予選会で13位となり、5年連続の本大会出場を逃した。
しかし、チームには原田颯大や西澤匡哉のような個人上位で戦える選手がおり、添田倖斗や北川寛人など若い選手も予選会で経験を積んでいる。
髙林祐介監督の指導方針、紫聖寮を中心とした練習環境、アイティフォーとのスポンサー契約、そして立教大学箱根駅伝プロジェクトPhase2という強化基盤も存在する。
これからの焦点は、個人の力をチーム全体の力に変えられるかどうかだ。
立教大学駅伝部にとって、2026年の13位は箱根駅伝復帰への挑戦を改めて考える節目となった。 55年ぶりの復活を実現した伝統校が、次の世代とともにどのようなチームを築くのか。今後の予選会での巻き返しに注目したい。