2026年シーズンの戸郷翔征は、苦しんだ2025年からどこまで復活したのか。読売ジャイアンツの背番号20を背負う右腕は、2026年に14試合登板、5勝3敗、防御率2.48、82奪三振、WHIP1.03を記録した。前年の防御率4.14、WHIP1.53と比較すると、投球内容には明確な改善が表れている。
復調の背景には、投球フォームの修正、股関節の使い方の見直し、ストレートとフォークを軸にした投球の再構築がある。2024年には12勝、防御率1.95を記録し、ノーヒットノーランも達成した実力者だけに、2026年の数字は再浮上を感じさせる。一方、登板数や投球回数には課題も残った。2025年の不調から現在までの経緯を、年度別成績や球種別データ、経歴、年俸とともに検証する。
【2026年最新成績】戸郷翔征は本当に復調した?2025年との比較

2026年の戸郷翔征を評価するうえで、最も注目したいのは防御率だけではない。被安打、与四球、奪三振率など、投球の中身を示す数字にも改善が見られる。
NPB公式の年度別成績によると、2026年シーズン終了時点の主な記録は次のとおり。
| 項目 | 2026年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 登板数 | 14試合 | 21試合 |
| 先発 | 14試合 | 20試合 |
| 勝敗 | 5勝3敗 | 8勝9敗 |
| 防御率 | 2.48 | 4.14 |
| 投球回 | 80回 | 111回 |
| 奪三振 | 82 | 87 |
| 被安打 | 58 | 124 |
| 与四球 | 24 | 46 |
| WHIP | 約1.03 | 約1.53 |
| 奪三振率 | 9.23 | 7.05 |
※WHIPと奪三振率は年度別データからの算出・集計値。WHIPは被安打と与四球の合計を投球回で割った数値。
防御率は4.14から2.48へ大幅改善2025年は21試合に登板して8勝9敗、防御率4.14。エースとして期待される数字には届かず、プロ入り後でも特に苦しいシーズンとなった。
しかし、2026年は防御率が2.48まで改善した。
前年との差は1.66。単なる微調整では説明できないほどの変化だ。
特に注目したいのが被安打数である。
2025年は111イニングで124安打を許したのに対し、2026年は80イニングで58安打。登板数が少なくなっただけでなく、投球回あたりの被安打も減少している。
打者に簡単に出塁を許さなくなったことが、防御率の改善につながっている。
WHIP1.03は復調を示す重要な指標WHIPとは、1イニングあたりに何人の走者を安打と四球で出したかを示す指標だ。
2025年の戸郷は1.53。打者を出塁させる場面が多く、守備側にも負担がかかる状態だった。
それが2026年には約1.03まで改善している。
この数字は、単に失点を減らしただけではなく、走者をためにくい投球ができるようになったことを示している。
加えて、奪三振率も7.05から9.23に上昇した。80イニングで82三振という数字は、前年の111イニング87奪三振と比較しても、三振を奪う能力が戻ってきたことを裏付ける。
ただし完全復活と判断するには投球回数が足りない見逃せないのは登板数だ。
2026年は14試合、80イニング。2022年から2024年にかけては、毎年170イニング以上を投げていた。
| 年度 | 勝敗 | 防御率 | 投球回 |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 12勝8敗 | 2.62 | 171回2/3 |
| 2023年 | 12勝5敗 | 2.38 | 170回 |
| 2024年 | 12勝8敗 | 1.95 | 180回 |
| 2025年 | 8勝9敗 | 4.14 | 111回 |
| 2026年 | 5勝3敗 | 2.48 | 80回 |
2026年は投球の質が改善した一方、かつてのような年間を通じた稼働には戻っていない。
したがって、現段階での評価は投球内容の復調は明確だが、シーズンを通してエースの役割を担えるかは今後の課題というものになる。
【不調の原因を検証】2025年に戸郷翔征の投球はなぜ崩れたのか
2025年の戸郷を苦しめた原因は、単純な球速低下だけではなかった。
テレビ朝日のスポーツ番組「GET SPORTS」が2026年2月27日に公開した取材記事では、戸郷本人や桑田真澄氏の説明を通じて、不調に陥った経緯が詳しく紹介されている。
投球フォームの変更が裏目に出たきっかけの一つは、フォームの改造だった。
戸郷は新しい投球動作の再現性を高めるため、セットポジションを基本とするフォームに取り組んでいた。
足を後ろに引く動作を省くことで、投球動作をシンプルにし、制球力を向上させようとしたのである。
しかし、実戦に向けて従来のフォームへ戻そうとしたことで、動作の安定性を失っていった。
本人も、ストレートがばらつきやすくなり、フォームのずれや身体への影響が大きくなったことを振り返っている。
2025年の開幕戦では5回4失点。さらにシーズン3戦目には自己ワーストとなる10失点を喫した。
その後、二軍降格を経験。復帰後も本来の投球を取り戻せず、再び二軍での調整を余儀なくされた。
桑田真澄氏が指摘した「体の開き」不調の核心として浮かび上がったのが、投球時に上半身が早く開いてしまう問題だった。
戸郷は二度目の二軍調整時、当時二軍監督を務めていた桑田真澄氏と話し合い、自分の投球動作を見直した。
桑田氏が指摘したのは、踏み出した左足が着地するタイミングで上半身が開いてしまうこと。
上半身と下半身が同時に動くことで、打者からボールが見えやすくなり、タイミングを合わせられやすくなるという問題だった。
映像ではわずかな違いでも、プロの打者にとっては打ちやすさを左右する。
さらに戸郷は、2025年開幕前のドジャース戦をきっかけに体の開きが早くなったことにも言及している。
本来の最速154キロを誇るストレートが140キロ前半まで落ち込み、球速を取り戻そうとすることで上半身に力が入り、投球動作がさらに不安定になる悪循環に陥った。
2026年は股関節の使い方を重点的に修正2026年1月の自主トレーニングでは、戸郷は股関節の使い方を重点的に見直していた。
テレビ朝日の取材によれば、サイドジャンプなどを取り入れ、軸足から踏み出す足への体重移動を意識したトレーニングを実施していた。
股関節を適切なタイミングで使えれば、下半身から生み出した力を効率よく上半身へ伝えられる。
その結果、腕や肩だけに頼らず、身体全体を使った投球が可能になる。
ここで重要なのは、単に筋力を強化したわけではないことだ。
戸郷が取り組んだのは、投球フォームの再現性を高め、身体の動きとボールのリリースを一致させるための修正だった。
2026年のWHIPや奪三振率の改善を見ると、この取り組みが実戦で一定の成果を上げたことがうかがえる。
【球種・球速を分析】最速154キロのストレートとフォークが武器
戸郷翔征の投球を支えるのは、最速154キロのストレートと、打者の空振りを誘うフォークだ。
2026年の球種別データでは、ストレートが投球全体の約53.8%、フォークが約24.3%を占めている。
主要球種の特徴| 球種 | 平均球速 | 最速 | 投球割合 | 奪三振 |
|---|---|---|---|---|
| ストレート | 147.1km/h | 154km/h | 53.8% | 46 |
| フォーク | 134.3km/h | 141km/h | 24.3% | 27 |
| スライダー | 約131km/h | 140km/h | 約16.4% | 9 |
| カーブ | 約125km/h | 132km/h | 約5.0% | 0 |
| カットボール | 約137km/h | 140km/h | 約0.4% | 0 |
※2026年の球種別集計データ。集計方法によって割合や表示値に若干の差が生じる場合がある。
ストレートは投球の軸となる決め球戸郷のストレートは、単純な球速だけでなく、フォークとの組み合わせによって効果を発揮する。
2026年は平均147.1キロ、最速154キロを記録。ストレートで46奪三振を奪っている。
投球全体の半分以上を占めることからも、打者との勝負における中心的な球種であることがわかる。
2025年に問題となった球速低下と制球のばらつきが改善されたことは、2026年の復調を考えるうえで重要だ。
ただし、154キロは最速記録であり、すべてのストレートが同じ球速で投げられているわけではない。
平均球速との違いも含めて評価する必要がある。
フォークは27奪三振を記録した重要な武器戸郷のフォークは、ストレートと並ぶ重要な決め球だ。
平均球速は134.3キロ、最速141キロ。2026年の球種別データでは27奪三振を記録している。
特に注目したいのは空振り率だ。
ストレートの空振り率が約8.2%なのに対し、フォークは約19.5%。打者のバットに当たりにくい球種として機能している。
速球を意識させた後にフォークを使うことで、打者はタイミングを合わせにくくなる。
この緩急と高低の組み合わせが、戸郷の奪三振能力を支えている。
スライダーが投球の幅を広げるスライダーも見逃せない球種だ。
2026年は約16.4%の割合で使用され、9奪三振を記録した。
ストレートとフォークだけでは、打者に配球を読まれる可能性がある。
そこでスライダーを組み合わせることにより、左右への投げ分けが可能になる。
戸郷の投球は、単純な速球派ではなく、複数の球種を使い分けて打者を攻略するスタイルだ。
【プロフィール・経歴】聖心ウルスラ学園高校から巨人のエースへ
戸郷翔征は2000年4月4日生まれ、宮崎県出身のプロ野球選手だ。
187センチの長身を生かしたダイナミックな投球フォームが特徴で、右投右打の投手として読売ジャイアンツでプレーしている。
高校時代から注目され、2018年のドラフト6位で巨人に入団した。
戸郷翔征の基本プロフィール| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 戸郷翔征 |
| 読み方 | とごう・しょうせい |
| 生年月日 | 2000年4月4日 |
| 年齢 | 26歳(2026年11月時点) |
| 出身地 | 宮崎県 |
| 身長 | 187cm |
| 体重 | 85kg |
| 投打 | 右投右打 |
| 所属球団 | 読売ジャイアンツ |
| 背番号 | 20 |
| 出身高校 | 聖心ウルスラ学園高校 |
| ドラフト | 2018年・6位 |
| ポジション | 投手 |
戸郷が高校時代に所属していたのは、宮崎県の聖心ウルスラ学園高校だ。
高校2年時には夏の甲子園に出場。高校3年時には宮崎県選抜の一員として、高校日本代表との練習試合にも参加した。
その試合では、藤原恭大、根尾昂、吉田輝星ら当時の有力選手が集まる打線を相手に好投し、評価を高めた。
2018年のドラフトでは巨人から6位指名を受け、プロ入りを果たしている。
プロ入り後の主な転換点戸郷のキャリアを振り返ると、2019年の一軍デビューから2024年のノーヒットノーラン達成まで、着実に実績を積み重ねてきたことがわかる。
| 時期 | 人物・組織との関係 | 主な出来事・実績 |
|---|---|---|
| 高校時代 | 聖心ウルスラ学園高校 | 2年夏に甲子園出場 |
| 2018年 | 読売ジャイアンツ | ドラフト6位で入団 |
| 2019年 | 巨人 | 一軍初登板・初先発 |
| 2022年 | 巨人 | 12勝、154奪三振で最多奪三振を獲得 |
| 2023年 | 侍ジャパン | WBC日本代表に選出 |
| 2024年5月24日 | 阪神タイガース戦 | 甲子園でノーヒットノーラン達成 |
| 2024年 | 巨人 | 12勝、防御率1.95、156奪三振 |
| 2025年 | 巨人・桑田真澄氏 | 不調と二度の二軍調整を経験 |
| 2026年 | 巨人 | 5勝3敗、防御率2.48まで改善 |
戸郷の代表的な実績として挙げられるのが、最多奪三振のタイトルだ。
2022年には154奪三振を記録し、初めて最多奪三振を獲得。
2024年にも156奪三振を記録し、2度目のタイトルを手にした。
さらに2024年5月24日の阪神戦では、甲子園球場でノーヒットノーランを達成した。
これは巨人投手としても歴史的な記録であり、戸郷がチームの中心的な先発投手として評価される大きな理由となっている。
2023年にはWBC日本代表にも選ばれ、アメリカとの決勝戦ではマイク・トラウトから三振を奪った。
国内だけでなく国際舞台でも実績を残している点は、戸郷のキャリアを語るうえで欠かせない。
【年俸2億4000万円】背番号20を背負う戸郷の評価と現在地
戸郷翔征の2026年推定年俸は2億4000万円だ。
この金額は、2025年シーズン終了後の契約更改で決まったもの。2025年の推定年俸3億円から6000万円の減額となった。
スポニチの2025年11月26日の報道によると、戸郷は契約更改で2億4000万円にサインしている。
年俸推移から見る球団の評価| 年度 | 推定年俸 |
|---|---|
| 2019年 | 500万円 |
| 2020年 | 650万円 |
| 2021年 | 2600万円 |
| 2022年 | 4000万円 |
| 2023年 | 9000万円 |
| 2024年 | 1億8000万円 |
| 2025年 | 3億円 |
| 2026年 | 2億4000万円 |
※金額は報道・選手データに基づく推定額。
プロ入り時の500万円から、2025年には3億円にまで上昇した。
その背景には、複数年にわたる二桁勝利、最多奪三振2回、ノーヒットノーランなどの実績がある。
一方、2025年の成績悪化によって6000万円の減額となった。
これは、前年までの実績を否定するものではなく、エースとして期待される成績と実際の結果に差が生まれたことを反映した契約と考えられる。
背番号20は巨人の中心投手としての象徴戸郷の背番号は20。
プロ入り時の2019年は68番、2020年は13番を着用し、2021年から20番を背負っている。
巨人の先発陣を支える投手として、背番号20は戸郷を象徴する番号となった。
2026年の成績改善は、球団にとっても大きな意味を持つ。
ただし、年俸や背番号だけで現在の実力を判断するのは適切ではない。実際の評価では、勝敗、防御率、投球回、奪三振率、WHIPなどを総合的に見る必要がある。
【プロの結論】2026年の戸郷翔征は復活への道筋をつかんだ
2026年の戸郷翔征について、最も妥当な評価は「投球の質は復調したが、年間を通じた安定稼働はまだ課題が残る」というものだ。
数字を見ると、2025年からの改善は明らかである。
防御率は4.14から2.48へ、WHIPは1.53から約1.03へ改善。奪三振率も7.05から9.23に上がった。
特に、2026年6月10日の楽天戦は復調を象徴する登板だった。
戸郷は9回を投げ切り、被安打5、無失点、14奪三振で完封勝利を記録した。自己最多の14奪三振を達成し、2024年以来となる完封勝利を挙げている。
さらに9月29日の広島戦では8回2/3を2安打1失点に抑え、シーズン5勝目を記録した。
一方、9月15日のDeNA戦では2イニングで9失点を喫しており、シーズンを通して完全に安定していたわけではない。
ここから見えてくる評価基準は3つある。
第一に、ストレートの質。
最速154キロという数字だけでなく、平均球速と制球の安定性が重要になる。2025年に崩れた速球の質を維持できるかが、今後の大きなポイントだ。
第二に、フォークによる奪三振能力。
2026年はフォークで27奪三振を記録した。ストレートとの組み合わせを維持できれば、打者に的を絞らせない投球が期待できる。
第三に、年間を通した投球回数。
2022年から2024年までの戸郷は、170〜180イニングを投げる先発投手だった。2026年の80イニングという数字は、投球内容が改善した一方で、かつての稼働量には届いていないことを示している。
したがって、2026年は単なる復活宣言の年ではなく、2025年の失敗から投球を再構築したシーズンとして評価できる。
戸郷翔征に関するよくある質問(FAQ)
Q1:戸郷翔征の2026年の成績は?
A1:2026年シーズンは14試合に登板し、5勝3敗、防御率2.48、82奪三振、WHIP約1.03を記録した。2025年と比べて投球内容は大きく改善している。
Q2:戸郷翔征の2025年の成績は?
A2:2025年は21試合に登板して8勝9敗、防御率4.14、111投球回、87奪三振だった。フォームの変更や制球の乱れなどに苦しみ、二度の二軍調整を経験した。
Q3:戸郷翔征のストレートは何キロ?
A3:最速154キロ。2026年の球種別データでは平均球速147.1キロだった。ストレートは投球全体の約53.8%を占める中心的な球種だ。
Q4:戸郷翔征の決め球は何?
A4:代表的な決め球はフォーク。2026年は平均134.3キロ、最速141キロで、球種別データでは27奪三振を記録した。ストレートとの緩急が特徴だ。
Q5:戸郷翔征の年俸はいくら?
A5:2026年の推定年俸は2億4000万円。2025年11月の契約更改で、前年の3億円から6000万円減額となった。
Q6:戸郷翔征はどこの高校出身?
A6:宮崎県の聖心ウルスラ学園高校出身。高校2年時に夏の甲子園へ出場し、2018年のドラフト6位で読売ジャイアンツに入団した。
Q7:戸郷翔征は最多奪三振を何回獲得している?
A7:2022年と2024年の2回。2022年は154奪三振、2024年は156奪三振を記録した。
まとめ:戸郷翔征の今後は年間を通した安定感が鍵
戸郷翔征の2026年は、2025年の不調から投球内容を立て直したシーズンだった。
5勝3敗、防御率2.48、82奪三振、WHIP約1.03という成績は、巨人の先発エースとしての能力が戻りつつあることを示している。
桑田真澄氏との対話を通じた投球フォームの見直しや、股関節を意識したトレーニングも復調を支えた要素だ。
一方で、14試合、80投球回という登板数・投球量は、2022〜2024年の実績と比べると物足りない。
今後の注目点は、ストレートの威力、フォークの決定力、そして年間を通したコンディションの安定だ。
2026年は復活への確かな手応えを得た年。かつての二桁勝利、最多奪三振、ノーヒットノーランを経験した右腕が、再び巨人の先発陣をけん引できるか。その答えは、次のシーズンの投球回数と安定感に表れてくる。
主な参照資料:NPB公式年度別成績、テレビ朝日「GET SPORTS」の2026年2月27日付取材記事、スポーツナビの球種別データ、日刊スポーツの2026年6月10日付試合報道、スポニチの2025年11月26日付契約更改報道。