大相撲の力士は、優勝するといくらもらえるのでしょうか。取組前に土俵を回る懸賞旗や、勝ち名乗りの際に行司から手渡される分厚い懸賞袋を見て、賞金の金額や実際の取り分が気になった人も多いはずです。
2026年10月現在、幕内最高優勝賞金は1,000万円、懸賞金は1本7万円です。ただし、懸賞金は全額が力士の手元に渡るわけではありません。協会の手数料を差し引いた6万円が勝ち力士の獲得額となり、そのうち土俵上で受け取る現金は1万円、残り5万円は本人名義の口座に振り込まれる仕組みです。
加えて、2026年7月30日には日本相撲協会が2027年初場所からの優勝賞金改定を発表しました。幕内優勝賞金は従来の2倍となる2,000万円に増額されます。十両以下や三賞の賞金も引き上げられるため、力士の収入構造を理解するうえで見逃せない変更です。
【まず結論】相撲の賞金はいくら?2026年の優勝賞金を一覧で紹介

大相撲の賞金は、幕内だけでなく十両、幕下、三段目、序二段、序ノ口にも設定されています。それぞれの番付で優勝した力士に賞金が授与される仕組みです。
2026年12月まで適用される賞金額は、幕内最高優勝が1,000万円、十両優勝が200万円、幕下優勝が50万円です。
幕内優勝と十両優勝では800万円もの差があります。番付によって賞金額が大きく異なることが、大相撲の収入構造の特徴です。
2026年の各段優勝賞金- 幕内最高優勝:1,000万円
- 十両優勝:200万円
- 幕下優勝:50万円
- 三段目優勝:30万円
- 序二段優勝:20万円
- 序ノ口優勝:10万円
これらは本場所で各段の優勝を果たした際に授与される賞金です。幕内最高優勝の場合は賜杯や優勝旗などの表彰もあり、賞金以外にも名誉ある記念品や副賞が用意されます。
幕内優勝賞金1,000万円は毎場所もらえる?大相撲の本場所は年間6回開催されます。幕内最高優勝賞金は、優勝した場所ごとに支給されるため、年間6場所すべてで優勝すれば、単純計算で6,000万円になります。
ただし、優勝賞金は固定給ではありません。優勝した力士だけが獲得できる成果報酬であり、優勝できなければ受け取れません。
また、力士には協会から支給される月給や各種手当もあります。優勝賞金はそれらとは別に発生する収入です。
【懸賞金の秘密】1本7万円の内訳と力士の手取り6万円を解説
大相撲のテレビ中継で特に目を引くのが、幕内の取組前に呼出しが掲げる懸賞旗です。
懸賞旗はスポンサー企業や団体が提供する広告の役割を持ち、対象の取組に勝利した力士には懸賞金が支給されます。
日本相撲協会の公式案内によると、懸賞金は1本7万円(税込み)。ただし、7万円すべてが勝ち力士の取り分になるわけではありません。
懸賞金7万円の内訳- スポンサー提供額:7万円
- 日本相撲協会の手数料:1万円
- 勝ち力士の獲得額:6万円
協会が受け取る1万円は、取組表へのスポンサー名掲載料や場内放送料などに充てられます。
残った6万円が勝利した力士の取り分です。つまり、懸賞旗が10本回った取組に勝てば、力士の獲得額は60万円になります。
土俵上の現金が3万円から1万円になった理由懸賞金の受け取り方法には、2025年5月場所から大きな変更が加えられました。
日本相撲協会は2025年5月9日、勝ち力士が土俵上で受け取る懸賞袋の現金を、従来の3万円から1万円に変更すると発表しました。
背景にあったのは、多額の現金を持ち歩くことへの防犯上の懸念です。力士会から盗難などのリスクが指摘され、一部ではキャッシュレス化も提案されていました。
この変更によって、勝ち力士の獲得額6万円そのものは変わらず、現金と口座振込の配分が変更されています。
- 土俵上で受け取る現金:1万円
- 本人名義の口座への振込:5万円
- 力士の獲得額合計:6万円
以前は土俵上の現金が3万円、口座への振込が3万円でした。現在は現金が1万円になり、口座への振込が5万円に増えています。
つまり、懸賞袋の中身が減ったからといって、力士の懸賞金収入が減額されたわけではありません。
懸賞金の1万円・5万円積立制度とは?口座に振り込まれる5万円は、単純に協会が没収するお金ではありません。力士本人名義で管理される預り金であり、税金の支払いや引退後の生活に備える役割があります。
年度末などに必要な税金の支払いに充てられ、残額は積み立てられます。所定の手続きをすれば引き出すことも可能で、引退後に必要となる費用への備えにもなっています。
具体例として、1場所で懸賞金を50本獲得した場合を考えてみましょう。
- スポンサー提供総額:350万円
- 協会手数料:50万円
- 力士の獲得額:300万円
- 土俵上で受け取る現金:50万円
- 本人名義の口座への振込:250万円
このように、懸賞金の獲得額と、その場で現金として受け取る金額は別物です。テレビで見る懸賞袋の厚みだけでは、実際の獲得額や受け取り方法を判断できません。
【スポンサー企業との関係】懸賞旗の仕組みと懸賞金を出す方法
懸賞金は、日本相撲協会が独自に用意している賞金ではありません。企業や団体、力士の後援団体などがスポンサーとなり、特定の取組に対して提供する広告宣伝費を原資としています。
懸賞旗が土俵を回る理由懸賞が設定された取組では、勝負の直前に呼出しが懸賞旗を掲げて土俵を一周します。
懸賞旗にはスポンサーの社名や広告デザインが表示されます。加えて、スポンサー名は当日の取組表に掲載され、取組直前には場内放送でも読み上げられます。
企業にとっては、会場内の観客だけでなく、テレビやインターネットの中継を通じて多くの視聴者に名前を知ってもらえる機会です。
懸賞を申し込むための条件日本相撲協会の公式案内では、懸賞を申し込めるのは幕内の取組に限られています。
- 1日につき1本以上の申し込みが必要
- 1場所につき15本以上の申し込みが必要
- 追加申し込みは1本単位で可能
- 懸賞旗はスポンサー側が制作して持ち込む
- 提供者名は取組表への掲載や場内放送で紹介される
懸賞旗の寸法は横70cm、縦120cmです。土俵上で掲げるため、デザインには一定の制限があります。
懸賞を出す企業は、単に力士を応援するだけでなく、企業名の認知度向上や商品・サービスの宣伝といった目的も持っています。
懸賞金は人気力士ほど多くなる?懸賞金の本数は、力士の番付だけで決まるものではありません。スポンサーがどの取組に懸賞を設定するかによって変わります。
人気力士や注目度の高い対戦カードには、複数の企業が懸賞を申し込むことがあります。
そのため、横綱や大関の取組では懸賞旗が何十本も回る光景が見られます。一方、幕内力士でも懸賞の少ない取組はあります。
懸賞金は、優勝賞金のように番付や優勝結果だけで決まるものではなく、企業の広告戦略や力士の人気、対戦カードへの注目度が反映される収入なのです。
【十両・幕下・三賞も比較】賞金の仕組みと力士の収入格差
幕内優勝賞金1,000万円は大きな金額ですが、すべての力士が同じ賞金を獲得できるわけではありません。
十両以下にも各段の優勝賞金が設定されているほか、幕内では殊勲賞・敢闘賞・技能賞という三賞があります。
それぞれの賞金がどのような関係にあるのか、2026年と2027年の改定後の金額を整理します。
優勝賞金・三賞・懸賞金の関係一覧| 種類・関係者 | 2026年の金額 | 2027年初場所から | 受け取る対象 |
|---|---|---|---|
| 幕内最高優勝賞金 | 1,000万円 | 2,000万円 | 幕内優勝力士 |
| 十両優勝賞金 | 200万円 | 300万円 | 十両優勝力士 |
| 幕下優勝賞金 | 50万円 | 70万円 | 幕下優勝力士 |
| 三段目優勝賞金 | 30万円 | 50万円 | 三段目優勝力士 |
| 序二段優勝賞金 | 20万円 | 30万円 | 序二段優勝力士 |
| 序ノ口優勝賞金 | 10万円 | 20万円 | 序ノ口優勝力士 |
| 殊勲賞・敢闘賞・技能賞 | 各200万円 | 各300万円 | 三賞受賞力士 |
| 懸賞金1本 | 7万円 | 今回の改定対象外 | 指定取組の勝ち力士に6万円 |
この表から分かるように、2027年の賞金改定は各段の優勝賞金と三賞が対象です。懸賞金については別の制度であり、今回発表された優勝賞金改定とは区別する必要があります。
殊勲賞・敢闘賞・技能賞の賞金はいくら?三賞は、本場所で活躍した関脇以下の幕内力士を対象とする表彰制度です。日本相撲協会の説明でも、三つの賞はそれぞれ異なる活躍を評価するものとされています。
- 殊勲賞:横綱・大関や優勝争いに関わる力士を破るなど、殊勲を挙げた力士に贈られる。
- 敢闘賞:旺盛な敢闘精神を発揮し、本場所を盛り上げた力士に贈られる。
- 技能賞:特に優れた相撲の技術を披露した力士に贈られる。
2026年現在の賞金は、1賞につき200万円です。複数の賞を受賞することもあり、例えば殊勲賞と技能賞を同時に受賞すれば、合計400万円になります。
2027年初場所からは、各賞の賞金が300万円に増額されます。三賞すべてを受賞した場合、賞金合計は900万円です。
十両・幕下以下にも優勝賞金がある幕内だけが優勝賞金を獲得できるわけではありません。十両以下にも各段の優勝制度が設けられています。
十両優勝は2026年時点で200万円、幕下優勝は50万円です。幕下以下は月給制度の対象となる関取とは待遇が異なりますが、各段の優勝は大きな実績となります。
2027年からは十両が300万円、幕下が70万円に増額されるため、上位への昇進を目指す力士にとっても賞金面の待遇改善となります。
優勝賞金と懸賞金は何が違う?混同されやすい二つの賞金ですが、支給の仕組みはまったく異なります。
優勝賞金は、本場所で最も優れた成績を収めて優勝した力士に日本相撲協会から支給されます。
一方、懸賞金はスポンサー企業などが指定した取組に対して提供し、その取組に勝った力士が獲得するものです。
つまり、優勝しなくても懸賞金を獲得することは可能です。逆に、優勝した力士でも、懸賞の付いていない取組に勝っただけでは懸賞金は発生しません。
【2027年に大幅増額】幕内優勝賞金が2,000万円になる理由と歴代比較
2026年の相撲界で大きな話題となったのが、2027年初場所から実施される賞金制度の改定です。
日本相撲協会は2026年7月30日の理事会で優勝賞金や三賞の増額を決定しました。幕内最高優勝賞金は1,000万円から2,000万円へと倍増します。
33年ぶりの賞金改定今回の改定が注目される理由は、幕内優勝賞金が33年ぶりに見直されるためです。
前回の改定は1994年。幕内最高優勝賞金は500万円から1,000万円に引き上げられ、その後長期間にわたって同額が維持されてきました。
今回の変更では、物価上昇や力士の待遇改善などを背景に、幕内優勝賞金が再び倍増します。
2027年からの変更は優勝賞金だけではない今回の改定は、幕内優勝賞金だけにとどまりません。十両以下の各段優勝賞金や三賞も増額されます。
日刊スポーツなどの報道によると、日本相撲協会は力士全体の待遇改善を目的としており、賞金のほかに関取の月額給与や幕下以下の手当についても改定を発表しています。
つまり、今回の変更は優勝者だけを対象とした一時的な増額ではなく、力士全体の待遇を見直す動きの一環です。
2026年と2027年の賞金事情で注意したいこと2026年10月時点では、年内の本場所には従来の賞金額が適用されます。2027年初場所から新しい金額に切り替わるため、2026年の優勝賞金を2,000万円と紹介するのは誤りです。
また、懸賞金1本7万円という制度と、幕内優勝賞金の増額は別の話です。スポンサー企業が提供する懸賞金の仕組みまで一緒に変更されたわけではありません。
今後の相撲ニュースや賞金ランキングを見る際には、優勝賞金の改定時期と懸賞金の制度を分けて確認することが大切です。
【よくある質問】相撲の賞金に関する疑問(FAQ)
Q1:大相撲の幕内優勝賞金は2026年現在いくらですか?
A1:2026年12月までの幕内最高優勝賞金は1,000万円です。2027年初場所からは2倍の2,000万円に増額されます。
Q2:相撲の懸賞金は1本いくらですか?
A2:1本7万円です。日本相撲協会の手数料1万円を差し引いた6万円が勝ち力士の獲得額となります。
Q3:懸賞金の袋には本当に1万円しか入っていないのですか?
A3:2025年5月場所から、土俵上で渡される懸賞袋の現金は1本1万円になりました。残り5万円は本人名義の口座に振り込まれます。
Q4:十両や幕下の優勝賞金はいくらですか?
A4:2026年現在、十両は200万円、幕下は50万円です。2027年初場所からは十両300万円、幕下70万円に増額されます。
Q5:殊勲賞・敢闘賞・技能賞の賞金はいくらですか?
A5:2026年現在は各200万円です。2027年初場所からは各300万円に増額されます。複数の賞を受賞した場合は、それぞれの賞金が加算されます。
Q6:懸賞金や優勝賞金には税金がかかりますか?
A6:はい。力士の懸賞金は事業所得、優勝時の表彰金や三賞の賞金は一時所得として扱われる整理があります。懸賞金の6万円は税金をすべて差し引いた最終的な手取り額ではありません。実際の税額は所得や経費などによって異なります。
Q7:優勝しなくても懸賞金をもらえますか?
A7:はい。懸賞が設定された取組で勝利すれば、優勝できなくても懸賞金を獲得できます。優勝賞金と懸賞金は別々の制度です。
まとめ:【プロの結論】相撲の賞金は優勝賞金と懸賞金を分けて理解する
大相撲の賞金を理解するうえで、最も大切なのは優勝賞金と懸賞金を混同しないことです。
2026年現在、幕内最高優勝賞金は1,000万円。十両は200万円、幕下は50万円で、三賞は各200万円です。一方、懸賞金は1本7万円で、協会手数料を差し引いた6万円が勝ち力士の獲得額になります。
また、2025年5月から懸賞金の受け取り方法が変更され、土俵上の現金は1万円、本人名義の口座への振込は5万円となりました。懸賞金の獲得額自体は変わっていません。
そして2027年初場所からは、幕内優勝賞金が2,000万円に倍増。十両以下や三賞の賞金も引き上げられます。33年ぶりとなる大規模な改定は、力士の待遇改善という点でも重要な転換点です。
相撲中継を見るときは、優勝争いだけでなく、懸賞旗の本数やスポンサー企業にも注目してみてください。力士の勝負に懸けられた賞金と、企業の広告活動が交差する土俵のもう一つの見どころが見えてきます。
主な根拠資料: 日本相撲協会公式「懸賞について」、2025年5月の懸賞金支給方法変更に関する報道、2026年7月30日の賞金改定発表に関する報道、国税庁の所得区分資料および税理士による解説。