2026年の日本シリーズを投手運用の観点から振り返ると、最大の特徴はソフトバンクの先発陣と救援陣が、それぞれ異なる役割を高い水準で果たしたことにある。
先発投手の勝ち星は4試合すべてゼロソフトバンクの4試合の勝利投手は、第1戦がオスナ、第2戦がヘルナンデス、第3戦が杉山一樹、第4戦が再びヘルナンデスだった。つまり、先発投手に勝ち星が一度もつかないまま4連勝したのである。
日刊スポーツの2026年10月28日付の記録記事によると、先発投手が勝ち星ゼロで日本一になったのは、1982年の西武、2016年の日本ハムに続いて史上3度目。加えて、第1戦から4試合連続で救援投手だけが勝利投手となる形での4連勝は、史上初と報じられた。
日本シリーズの先発投手防御率を比較すると見える実力ここで誤解してはいけないのが、先発投手に勝ち星がつかなかったことと、先発投手が不調だったことは別問題だという点だ。
実際の4試合の先発投手の自責点と投球回を合算すると、次のようになる。
- DeNA先発陣:22回、6自責点、合算防御率2.45
- ソフトバンク先発陣:24回2/3、3自責点、合算防御率1.09
これは各試合の先発投手だけを対象にした計算であり、救援投手の成績は含まない。ソフトバンクの先発陣は4試合でわずか3自責点に抑えていた。勝ち星こそつかなかったものの、試合を優位に進める土台をつくっていたことが数字から分かる。
延長戦3試合を勝ち切った救援陣第1戦は延長11回、第2戦は延長10回、第3戦も延長10回までもつれ込んだ。日本シリーズの開幕3試合が連続して延長戦となったのは史上初の出来事だった。
特に第1戦では、上沢が7回無失点で降板した後、松本裕樹、ヘルナンデス、オスナ、杉山一樹とつなぎ、延長11回の勝利を手にした。
第2戦もモイネロが7回無失点、91球8奪三振という内容で役割を果たし、終盤の同点劇を経てヘルナンデスが勝利投手となった。第3戦では松本晴が6回1失点、東も7回無失点と互いに譲らず、救援陣の踏ん張りと正木智也のサヨナラ本塁打が決着をつけた。
第4戦では前田悠伍が5回途中で降板した後、鈴木豪太、ヘルナンデス、オスナ、松本裕樹、杉山一樹と継投。小久保監督は7回から勝利の方程式を投入し、DeNAの反撃を封じた。
第2戦で失点した松本裕樹を第3戦では休ませ、第4戦で再び重要な場面に投入した点も見逃せない。短期決戦では、投手の能力だけでなく、失敗後にどのような形で再起の機会を与えるかも監督の腕の見せどころとなる。
DeNAとの差は先発の能力よりも終盤の勝負強さDeNAも先発投手が一方的に打ち込まれたシリーズではなかった。石田は1失点、東は7回無失点。尾形も5回途中2失点で、前田やモイネロに比べて大きく見劣りする投球だったとはいえない。
しかし、DeNAは第1戦と第2戦をいずれも終盤の競り合いで落とした。第1戦では牧秀悟の同点本塁打で追いついたものの、延長11回に勝ち越された。第2戦では筒香嘉智の逆転3ランが飛び出したにもかかわらず、その後に再逆転を許している。
第3戦も東が好投しながら延長サヨナラ負け。先発がつくった接戦を勝ち切れなかったことが、4連敗につながった。
シリーズMVPは4試合で7安打、打率.438、2本塁打、2打点を記録した正木智也。救援陣の安定感に加え、重要な場面で得点を生み出した打線の働きも、日本一を支えた大きな要素だった。
【日本シリーズの予告先発とローテーション】知っておきたい仕組み

2026年の日本シリーズでは、全試合で予告先発制度が採用された。NPBの開催要項でも、全試合で予告先発を行うことが定められている。
予告先発とは、試合前に両チームの先発投手を発表する制度だ。観戦する側にとっては対戦カードを事前に把握できる一方、監督にとっては相手の先発に応じた打線の組み立てや、代打・継投の判断を考える材料になる。
予告先発発表前の予想と公式発表は別物今回のシリーズで分かりやすかったのが、開幕前の解説者による先発予想と、NPBが発表した予告先発の違いだ。
例えば、東克樹はシーズン12勝の実績から開幕投手候補として予想された。しかし、相川監督は石田裕太郎を選択。ソフトバンクもシーズン防御率0.76のモイネロではなく、上沢を初戦に起用した。
予想記事やテレビ解説は、あくまで情報を基にした見通しである。正式な先発投手を知りたい場合は、前日のNPB公式発表や球団の試合情報を確認するのが確実だ。
先発ローテーションは固定されるとは限らない日本シリーズは通常のレギュラーシーズンと違い、相手チームとの対戦が続く短期決戦だ。先発投手の順番は、前回登板からの日数、疲労、球場の違い、相手打線との相性、救援陣の負担などを考慮して決められる。
2026年のソフトバンクも、CSでの登板順をそのまま日本シリーズに持ち込んだわけではない。上沢を初戦、モイネロを第2戦に配置し、第3戦にはCS未登板だった松本晴を投入。第4戦には前田悠伍を送り出した。
DeNAも石田、尾形、東、平良という順番で、エース格を必ずしも先に並べるのではなく、登板履歴や準備状況を踏まえた起用を行った。これが今回のローテーションを理解する要点だ。
【日本シリーズ先発予想2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本シリーズ2026の第1戦の先発投手は誰でしたか?
A1:DeNAが石田裕太郎、ソフトバンクが上沢直之でした。2026年10月23日に予告先発が発表され、翌24日に横浜スタジアムで対戦。試合はソフトバンクが延長11回の末に3対1で勝利しました。
Q2:日本シリーズ2026の全4戦の先発投手は誰でしたか?
A2:DeNAは石田裕太郎、尾形崇斗、東克樹、平良拳太郎。ソフトバンクは上沢直之、モイネロ、松本晴、前田悠伍でした。ソフトバンクが全4試合に勝利しています。
Q3:ソフトバンクはなぜ先発投手に勝ち星がなくても4連勝できたのですか?
A3:上沢やモイネロらが長いイニングを無失点で抑え、試合をつくったうえで、ヘルナンデス、オスナ、杉山一樹らの救援陣が終盤を締めたためです。4試合すべての勝利投手が救援投手でした。
Q4:東克樹が日本シリーズ第1戦に先発しなかったのはなぜですか?
A4:相川監督が石田裕太郎の年間を通じた投球内容とコンディションを評価したためです。東は第3戦に登板し、7回無失点の好投を見せました。
Q5:モイネロの2026年シーズンの防御率はいくつでしたか?
A5:レギュラーシーズンは7試合に先発して6勝1敗、防御率0.76でした。日本シリーズ第2戦では7回無失点、8奪三振と好投しました。
Q6:日本シリーズの予告先発はいつ発表されますか?
A6:2026年は全試合で予告先発制度が採用され、各試合の前日に翌日の先発投手が発表されました。公式の発表を確認すれば、解説者による予想と確定情報を区別できます。
Q7:日本シリーズ2026は第5戦まで行われましたか?
A7:行われていません。ソフトバンクが10月28日の第4戦に勝利し、4勝0敗で日本一を決めたため、第5戦以降は開催されませんでした。
まとめ:2026年の先発予想から見えた短期決戦の勝ち方
2026年の日本シリーズは、ソフトバンクがDeNAを4勝0敗で破り、2年連続13度目の日本一を達成した。先発予想の段階では東克樹やモイネロを中心としたローテーションが注目されたが、実際には石田裕太郎と上沢直之が開幕を任され、その後も両監督の判断によって先発順が調整された。
特に注目すべきは、ソフトバンクの先発投手が4試合で合計3自責点に抑えながら、勝利投手はすべて救援陣だったという事実だ。先発投手が勝ち星を得ることだけが、チームの勝利に直結するわけではない。
石田の開幕起用、モイネロの第2戦での復調、東の第3戦での7回無失点、松本晴の十分な登板間隔、前田悠伍の第4戦での粘り。こうした個々の投手の働きを組み合わせた結果が、ソフトバンクの4連勝につながった。
【プロの結論】 日本シリーズの先発予想を見極める際は、シーズンの勝利数や防御率だけで判断しないことが大切だ。前回登板日、CSでの投球内容、休養日数、相手打線との相性、そして救援陣の状態まで確認する必要がある。2026年の対戦は、短期決戦では先発ローテーションとブルペン運用を一体で考えることが、優勝への大きな鍵になると示したシリーズだった。
今後の日本シリーズを予想する際も、公式の予告先発と直近の登板履歴を照らし合わせることが、精度の高い試合分析につながる。
主な参考資料:日本野球機構(NPB)2026年度日本シリーズ公式記録・デイリーリポート、横浜DeNAベイスターズ公式選手成績、パ・リーグ公式メディア、BASEBALL KING、日刊スポーツ、日テレNEWS NNN。