日本シリーズでは、優勝チームの中からシリーズを通じて最も活躍した選手に「最高殊勲選手賞(MVP)」が贈られる。
レギュラーシーズンの成績だけでは測れない、短期決戦ならではの勝負強さが評価される賞だ。
時代を代表する歴代MVP| 年 | MVP受賞選手 | 所属球団 |
|---|---|---|
| 1950 | 別当薫 | 毎日 |
| 1958 | 稲尾和久 | 西鉄 |
| 1959 | 杉浦忠 | 南海 |
| 1963 | 長嶋茂雄 | 巨人 |
| 1964 | ジョー・スタンカ | 南海 |
| 1965 | 長嶋茂雄 | 巨人 |
| 1975 | 山口高志 | 阪急 |
| 1985 | ランディ・バース | 阪神 |
| 1990 | オレステス・デストラーデ | 西武 |
| 2013 | 美馬学 | 楽天 |
| 2024 | 桑原将志 | DeNA |
| 2025 | 山川穂高 | ソフトバンク |
| 2026 | 正木智也 | ソフトバンク |
代表的な受賞者を抜粋。歴代記録はNPB年度別結果、ベースボールチャンネルなどを参照。
2026年MVPはソフトバンクの正木智也打率 .438

4試合・2本塁打・2打点
2026年のMVPには、福岡ソフトバンクホークスの正木智也が選出された。
全4試合で安打を放ち、打率4割3分8厘、2本塁打、2打点を記録。特に注目されたのが10月27日の第3戦だ。
延長10回、正木がサヨナラ本塁打を放ち、チームを3連勝に導いた。これでソフトバンクは日本一に王手をかけ、翌28日の第4戦にも勝利してシリーズを終えた。
正木は2025年に左肩の亜脱臼で手術を受けた経験もある。故障から復帰した翌年に日本シリーズMVPを獲得したことは、2026年の優勝を象徴する出来事となった。
2026年のその他の表彰選手NPB公式発表による主な表彰選手は次のとおり。
- 最高殊勲選手賞:正木智也(ソフトバンク)
- 敢闘選手賞:東克樹(DeNA)
- 優秀選手賞:杉山一樹(ソフトバンク)
- 優秀選手賞:山本祐大(ソフトバンク)
- 優秀選手賞:庄子雄大(ソフトバンク)
- SMBCみんなの声援賞:柳田悠岐(ソフトバンク)
優勝球団の選手がMVPを獲得する一方、敗れた球団からも敢闘選手賞が選出される。シリーズ全体を通してチームに貢献した選手を評価する仕組みになっている。
【日本シリーズの歴史的記録】V9・4勝0敗・第8戦・最長試合
日本シリーズには、優勝回数だけでは語り尽くせない記録が残されている。特に注目したいのが、巨人のV9、西武の大逆転劇、ストレート優勝、そして延長戦の記録だ。
巨人のV9:1965〜1973年の9年連続日本一日本プロ野球の歴史で、最も有名な黄金時代の一つが巨人のV9である。
1965年から1973年まで、巨人は9年連続で日本シリーズを制覇した。
この時代の中心にいたのが、監督の川上哲治と、打線の柱だった王貞治、長嶋茂雄だ。
V9を支えた要素は、スター選手の個人能力だけではない。
- 王貞治と長嶋茂雄を中心とした強力打線
- 堀内恒夫らを中心とした投手陣
- 勝利を重ねることで培われたチームの一体感
- 日本シリーズでも崩れない試合運び
1965年から1973年までの9大会をすべて制した実績は、現在の球団にも残る大きな壁となっている。
日本シリーズ4勝0敗のストレート優勝日本シリーズは先に4勝したチームが日本一となるため、4勝0敗で決着すれば最短で優勝が決まる。
歴代の代表的な4勝0敗優勝には次の例がある。
| 年 | 優勝チーム | 敗れたチーム |
|---|---|---|
| 1959 | 南海 | 巨人 |
| 1960 | 大洋 | 大毎 |
| 1990 | 西武 | 巨人 |
| 2002 | 巨人 | 西武 |
| 2005 | ロッテ | 阪神 |
| 2019 | ソフトバンク | 巨人 |
| 2020 | ソフトバンク | 巨人 |
| 2026 | ソフトバンク | DeNA |
特に2019年と2020年は、ソフトバンクが2年連続で巨人を4連勝で破った。
2026年もDeNAを相手に4連勝を達成している。
なお、1957年の西鉄や1975年の阪急も4勝無敗で優勝しているが、シリーズ中に引き分けがあった。したがって、4勝0敗と4勝0敗1分・4勝0敗2分は区別する必要がある。
日本シリーズ史上初の第8戦:1986年の西武対広島日本シリーズの歴史を語るうえで欠かせないのが、1986年の西武ライオンズと広島東洋カープの対決だ。
この大会では、第1戦が引き分けとなった後、西武が3連敗。シリーズの流れは広島に大きく傾いた。
しかし、西武はそこから4連勝を達成。最終成績4勝3敗1分で日本一を獲得した。
このシリーズでは、第1戦の引き分けによって通常の7試合では決着がつかず、日本シリーズ史上初めて第8戦が開催された。
3連敗からの4連勝という逆転劇は、1958年、1989年にも記録されている。
日本シリーズの最長試合は5時間43分日本シリーズには、延長戦が続いた末に決着がつかない試合もある。
最長試合時間の記録は、2010年11月6日に行われた中日ドラゴンズ対千葉ロッテマリーンズの第6戦だ。
- 開催日:2010年11月6日
- 対戦:中日対ロッテ
- 試合結果:2対2
- 延長:15回
- 試合時間:5時間43分
両チームが最後まで譲らず、15回まで戦って引き分けとなった。
この試合は、日本シリーズの最長試合時間記録として知られている。
一方、最短時間試合は1952年第5戦の南海対巨人で、1時間35分だった。
【2024〜2026年】DeNAの下克上からソフトバンク連覇まで
直近3大会の結果は、現代の日本シリーズの勢力図を理解するうえで興味深い。
2024年:横浜DeNAベイスターズ
4勝2敗
対戦相手:ソフトバンク
26年ぶり3度目の日本一。レギュラーシーズン3位から頂点に立った。
2025年:福岡ソフトバンクホークス
4勝1敗
対戦相手:阪神タイガース
阪神を破り、5年ぶりの日本一を獲得。
2026年:福岡ソフトバンクホークス
4勝0敗
対戦相手:横浜DeNAベイスターズ
2年連続13度目の日本一。正木智也がシリーズMVPを受賞。
2024年:DeNAがシーズン3位から日本一へ
が2024年に成し遂げた優勝は、日本シリーズの歴史でも印象的な出来事だった。
レギュラーシーズンでは3位だったDeNAが、クライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズに進出。
相手は、圧倒的な強さを誇っていたソフトバンクだった。
DeNAは最初の2試合で連敗したものの、その後4連勝。最終的に4勝2敗で日本一を決めた。
MVPは桑原将志。短期決戦での勝負強さを示した優勝だった。
2025年:ソフトバンクが阪神を破って日本一2025年はソフトバンクと阪神タイガースが対戦した。
ソフトバンクは第1戦を落としたものの、第2戦以降に巻き返し、4勝1敗で日本一を獲得した。
シリーズMVPには山川穂高が選ばれた。
この優勝によってソフトバンクは通算12回の日本一となり、2026年に向けて再び球団の黄金期を築く足掛かりを得た。
2026年:ソフトバンクがDeNAに4連勝して連覇2026年の日本シリーズは、10月24日に開幕。福岡ソフトバンクホークスと横浜DeNAベイスターズが対戦した。
試合結果は次のとおり。
- 第1戦・10月24日:ソフトバンク 3-1 DeNA
- 第2戦・10月25日:ソフトバンク 4-3 DeNA
- 第3戦・10月27日:ソフトバンク 2-1 DeNA
- 第4戦・10月28日:ソフトバンク 4-2 DeNA
特筆すべきは、開幕から3試合連続で延長戦となったことだ。
第1戦は延長11回、第2戦と第3戦はそれぞれ延長10回までもつれ込んだ。日本シリーズ史上初の開幕3試合連続延長という記録も生まれている。
それでもソフトバンクはすべての試合を制し、第4戦で日本一を決定した。
2026年の優勝によって、ソフトバンクは通算13度目の日本一となり、西武と並ぶ歴代2位に浮上した。
2025年に続く連覇であり、2026年のプロ野球を締めくくる大きな実績となった。
【日本シリーズの歴史と優勝の経緯】知っておきたい仕組みと記録の見方
日本シリーズの結果を正確に理解するには、レギュラーシーズン、クライマックスシリーズ、日本シリーズの違いを押さえる必要がある。
日本シリーズが始まったのは1950年日本シリーズの正式な位置付けは、セ・リーグとパ・リーグの代表球団が日本一を決める日本選手権シリーズである。
1950年の第1回大会では毎日オリオンズが優勝した。
その後、2リーグ制の定着とともに大会の歴史が積み重なり、現在まで77大会が開催されている。
日本シリーズは何勝すれば優勝できる?原則として、先に4勝したチームが日本一となる。
- 通常は最大7試合。
- 先に4勝した時点でシリーズ終了。
- 7試合終了時に4勝するチームがなければ、規定に従って追加試合を行う。
- 引き分けが発生すると、第8戦が行われる場合もある。
このため、シリーズの試合数は必ずしも4勝したチームの勝敗数の合計と一致しない。
リーグ優勝と日本一は同じではないここは混同されやすいポイントだ。
レギュラーシーズンのリーグ優勝は、年間を通じたリーグ戦の成績で決まる。一方、日本一は日本シリーズを制した球団に与えられる称号だ。
2024年のDeNAは、レギュラーシーズン3位からクライマックスシリーズを勝ち抜き、日本シリーズも制覇した。
つまり、レギュラーシーズンの順位と日本一の称号は別のものなのである。
日本シリーズの記録を比較するときの3つの判断基準歴代データを調べる際は、次の点に注意したい。
1. 前身球団の記録を含むか: 南海・ダイエー・ソフトバンク、西鉄・西武などは球団の系譜を踏まえて集計する。
2. 優勝回数と試合勝利数を区別する: シリーズ単位の日本一回数と、全試合の勝利数は異なる数字である。
3. 引き分けを省略しない: 1953年、1957年、1986年などは引き分けが歴史的な結果に関係している。
日本シリーズの過去を振り返ると、巨人のV9、西武の黄金時代、ソフトバンクの連続優勝など、強い球団が長期にわたって日本プロ野球を牽引してきたことがわかる。
一方で、1986年の西武や2024年のDeNAのように、劣勢から巻き返したチームもある。
歴代優勝回数だけで球団の実力を判断するのではなく、対戦相手、シリーズの試合数、引き分け、MVPなどを組み合わせて見ることが大切だ。
特に2026年のソフトバンクは、2025年に続く日本一と、13回目の優勝という二つの成果を残した。歴代最多22回の巨人を追う球団として、今後の記録更新にも期待が集まる。
【日本シリーズの過去】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本シリーズで日本一の回数が最も多い球団はどこ?
A1:読売ジャイアンツで、2026年終了時点で通算22回。2位は埼玉西武ライオンズと福岡ソフトバンクホークスの13回となっている。
Q2:2026年の日本シリーズで優勝した球団は?
A2:福岡ソフトバンクホークス。横浜DeNAベイスターズに4勝0敗で勝利し、2年連続13度目の日本一を達成した。
Q3:日本シリーズは何勝すれば日本一になる?
A3:先に4勝したチームが優勝する。通常は最大7試合だが、引き分けが発生した場合は第8戦が開催されるケースもある。
Q4:日本シリーズで最も長かった試合は何時間?
A4:2010年11月6日の中日対ロッテ第6戦で、5時間43分。延長15回、2対2の引き分けだった。
Q5:日本シリーズの歴代MVPで2026年の受賞者は誰?
A5:福岡ソフトバンクホークスの正木智也。打率.438、2本塁打、2打点を記録し、最高殊勲選手賞に選ばれた。
Q6:巨人のV9とは何を意味する?
A6:1965年から1973年まで、読売ジャイアンツが9年連続で日本シリーズを制覇した記録を指す。川上哲治監督時代の黄金期を象徴する実績である。
Q7:2024年と2026年の日本シリーズ優勝チームは?
A7:2024年は横浜DeNAベイスターズ、2026年は福岡ソフトバンクホークス。DeNAは2024年にソフトバンクを破り、2026年にはソフトバンクがDeNAを破っている。
まとめ:1950年から2026年までの日本シリーズは新たな黄金時代へ
1950年の毎日オリオンズによる初優勝から2026年のソフトバンク連覇まで、日本シリーズは77大会にわたって数々の名勝負を生み出してきた。
球団別の日本一回数では巨人が22回で首位を維持。西武とソフトバンクが13回で続き、セ・リーグとパ・リーグの通算日本一回数は39対38でパ・リーグが上回っている。
2024年のDeNAによる下克上、2025年のソフトバンク復活、2026年の連覇と、近年も新たな歴史が刻まれた。
今後の日本シリーズを見る際には、優勝球団だけでなく、歴代対戦成績、MVP、ストレート優勝、延長戦などにも注目したい。過去の記録を知ることで、次の日本一を懸けた戦いがさらに興味深くなるはずだ。