2026年10月31日現在、阪神タイガースの西純矢は、投手から外野手へ転向した1年目を終え、新たな契約先が注目される状況にある。2025年2月の右肘手術を経て、同年10月に野手転向を決断。育成契約を結び、背番号120で再出発した。
2026年はファームで61試合に出場し、打率.228、37安打、0本塁打、10打点を記録。一軍公式戦への出場はなかった。さらに10月30日にはNPBの自由契約選手(育成選手)として公示されており、阪神との2027年の契約は現時点で確定していない。西純矢に何が起きたのか。投手時代の実績、野手転向の理由、2026年の成績、そして今後の可能性を時系列で整理する。
【プロフィール】西純矢とは?創志学園から阪神ドラフト1位で入団した右腕

西純矢(にし・じゅんや)は、2001年9月13日生まれ、広島県出身の野球選手。2026年時点で25歳となる。身長184センチ、体重99キロ、右投右打。2019年ドラフト1位で阪神タイガースに入団した。
出身校は岡山県の創志学園高校。高校時代から投手として高い評価を受け、甲子園でも存在感を示した。2年夏の甲子園では創成館との1回戦で16奪三振の完封勝利を記録。U-18日本代表にも選出され、将来を期待される本格派右腕として注目された。
一方、投球だけでなく打撃にも才能を見せていた。高校通算25本塁打を記録し、U-18ワールドカップでも本塁打を放っている。投手としてプロ入りしたものの、打者としての能力も以前から評価されていたことが、後の野手転向につながる重要な背景となった。
西純矢の基本プロフィール- 名前:西純矢
- 生年月日:2001年9月13日
- 出身地:広島県
- 身長・体重:184センチ・99キロ
- 投打:右投右打
- 出身高校:創志学園高校
- プロ入り:2019年ドラフト1位
- 所属球団:阪神タイガース(2026年シーズンまで)
- 2026年の登録ポジション:外野手
- 2026年の背番号:120
特に注目したいのは、野手転向が単なる急場しのぎではなかった点だ。高校時代から打撃能力を持ち、プロ入り後も投手として打席に立つなかで長打を記録していた。球団が新しい可能性に期待した背景には、こうした過去の実績がある。
【投手時代の成績】阪神で通算12勝を挙げた西純矢の実力
西純矢のプロ野球人生を振り返るうえで欠かせないのが、2022年と2023年の活躍だ。
2021年5月19日のヤクルト戦でプロ初登板・初先発を果たし、初勝利を記録。高卒2年目から一軍で結果を残し、将来の先発ローテーション候補として期待された。
2022年には14試合に登板して6勝3敗、防御率2.68を記録。77回1/3を投げ、60奪三振をマークした。先発投手として存在感を高めたシーズンである。
翌2023年も17試合に登板して5勝2敗、防御率3.86。2年連続で5勝以上を挙げ、阪神の若手投手のなかでも実績を積み重ねていた。
NPB公式記録に基づく投手成績| 年度 | 登板 | 勝敗 | 防御率 | 投球回 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 2試合 | 1勝1敗 | 3.38 | 8回 |
| 2022年 | 14試合 | 6勝3敗 | 2.68 | 77回1/3 |
| 2023年 | 17試合 | 5勝2敗 | 3.86 | 72回1/3 |
| 2024年 | 4試合 | 0勝1敗 | 2.70 | 6回2/3 |
| 通算 | 37試合 | 12勝7敗 | 3.23 | 164回1/3 |
※NPB個人年度別成績に基づく。
数字を見ると、2022年から2023年にかけて先発投手として一定の実績を残したことが分かる。特に2022年の防御率2.68は、当時の西純矢が持っていた投手としての能力を示す数字だ。
しかし、2024年はわずか4試合の登板にとどまった。防御率は2.70だったものの、投球回は6回2/3。登板機会そのものが減少し、再び先発として定着するための道筋が見えにくくなっていた。
2025年には右肘の手術を受け、投手としての実戦復帰も果たせなかった。こうして、順調に見えたキャリアは大きな転換点を迎えることになる。
【転向の理由】右肘手術から外野手転向、育成契約・背番号120までの経緯
2025年2月28日、右肘の関節鏡視下手術最初の大きな転機は2025年2月だった。春季キャンプ中に右肘の違和感が生じ、2月28日に「右肘関節鏡視下関節鼠摘出術」を受けた。
阪神球団は同日、手術を終えて大阪府内の病院を退院したことを公式発表している。
「今年こそは、なんとかチームの力になりたいと思っていたので、悔しい気持ちがあります。これからしっかりリハビリをして、もう一度マウンドに戻って、タイガースファンの皆様の前で投げることができるように頑張ります」
これは手術後に球団を通じて発表された西純矢本人のコメントだ。当初は投手として復帰する意欲を明確に示していた。
しかし、2025年シーズン中に実戦復帰することはできなかった。投手としての再起を目指していたものの、リハビリ期間が長期化し、チームに貢献する機会を失った。
2025年10月10日、球団からの打診を受けて野手転向状況が大きく変わったのは2025年10月10日だ。
阪神の竹内球団副本部長が取材対応し、西純矢が投手から野手へ転向することを明らかにした。球団側からの打診を本人が受け入れ、翌11日から野手としての練習を始めることになった。
転向の背景には、右肘の手術と実戦復帰の遅れに加え、打撃能力への評価があった。
創志学園時代の高校通算25本塁打という実績に加え、プロでも投手として打席に立ちながら、通算49打数11安打、打率.224、1本塁打を記録していた。
特に2022年5月18日のヤクルト戦では、プロ初完投勝利を挙げた試合で本塁打も放っている。投球だけでなく打撃でも印象を残していたことは、転向を判断するうえで無視できない材料だった。
当時、竹内副本部長は打撃面の潜在能力を評価し、本人も意欲を見せていると説明した。一方で、野手として成功することの難しさも強調していた。
2025年11月14日、育成契約で再スタート野手転向に続いて決まったのが契約形態の変更だ。
阪神は2025年11月14日、西純矢との育成選手契約に合意したと公式発表。背番号は従来の15から120へ変更された。
報道によると、契約更改時の年俸は推定1500万円。前年の推定3000万円から1500万円減となった。
この変更は、投手としての実績をいったんリセットし、野手として一から競争するための再出発を意味していた。
本人も当時、まずはファームの試合でスタメン出場することを目標に掲げていた。2026年はその目標に向けた最初の本格的なシーズンとなった。
【2026年最新成績】一軍出場なし、ファーム61試合・打率.228の現実
西純矢が野手として迎えた2026年シーズン。最大の注目点は、一軍昇格を果たせるだけの打撃力を身につけられるかどうかだった。
NPB公式の2026年度ファーム・リーグ成績によると、レギュラーシーズンの最終成績は以下のとおりだ。
- 出場試合数:61試合
- 打席数:174打席
- 打数:162打数
- 安打:37本
- 打率:.228
- 二塁打:7本
- 三塁打:0本
- 本塁打:0本
- 打点:10
- 三振:52
- 四球:6
- 出塁率:.270
- 長打率:.272
- OPS:.542
西純矢の2026年成績については、59試合・打率.231という数字が紹介されることもある。しかし、シーズン途中の集計と全日程終了後の最終成績は区別する必要がある。
NPB公式記録の最終値は61試合、打率.228だ。162打数37安打で、長打は二塁打7本。ホームランは記録していない。
この数字から見えてくるのは、野手転向後に試合経験を積めた一方で、打撃面ではまだ発展途上にあるという現実だ。
特に課題となったのは三振と選球眼注目したいのは52三振という数字だ。174打席に対して約29.9%が三振となっており、プロの投手が投げる球への対応に苦戦していることがうかがえる。
四球も6個にとどまった。打席数に対する割合は約3.4%で、出塁率も.270だった。
また、長打率.272、OPS.542という数字からは、打率だけでなく長打力や出塁能力の向上も必要であることが分かる。
ただし、野手転向から本格的なシーズンを経験したのは2026年が初めてだ。投手として積み上げてきた技術や身体感覚を、打者としての動作に置き換える作業には時間が必要になる。
2026年8月19日付のFull-Countの取材記事では、西純矢自身が打撃の難しさや、投手時代とは異なる野手の体力的負担について語っている。特に、先発投手として週1回の登板に備える生活と、野手として週6試合に出場する生活には大きな違いがあるという。
同記事では、守備や走塁については徐々に理解が進んでいる一方、打撃についてはまだ成長の途上であることも紹介された。
なお、阪神球団の選手プロフィールでは、2026年の一軍公式戦出場はなしと記録されている。ファームで61試合に出場したことと、一軍での出場実績は分けて考えたい。
【フェニックスリーグ】2026年秋の実戦と10月30日の自由契約を検証
10月17日、久しぶりの実戦で中前打2026年のフェニックス・リーグでも、西純矢は野手として実戦経験を積んだ。
10月17日の中日戦が今季のフェニックス・リーグ初出場となった。9月25日以来の実戦で、阪神の1番打者として出場。第1打席で中前打を放った。
ただし、その後の打席では三振を2つ記録。試合後には、直球を待つなかで変化球に対応する難しさを課題として挙げていた。
「真っすぐを待つ中での変化球の対応ですね」
デイリースポーツの2026年10月18日付報道で紹介された本人の言葉だ。単純にバットを振る力だけでなく、投手の配球を読み、変化球に対応する技術が必要になっている。
10月19日の日本ハム戦では右翼手として先発出場。頭部付近への死球を受ける場面もあったが、その後は右翼の守備に復帰した。10月28日のオリックス戦にも出場しており、秋の実戦を通じて外野手としての経験を積んだ。
2026年10月30日、NPB公示で自由契約選手にそして、2026年10月31日時点で最も重要な最新情報が、10月30日に公示された育成選手の契約保留者名簿と自由契約選手の一覧だ。
NPBは10月30日、2027年度の育成選手保留者名簿を公示した。この名簿は、球団が翌シーズンも引き続き契約を結ぶ予定の育成選手を掲載するものだ。
NPBの説明では、名簿に記載されなかった育成選手は自由契約選手となる。
西純矢は2027年度の阪神の育成選手保留者名簿に掲載されず、同日付の「2026年度自由契約選手(育成選手)」に西純矢・外野手・背番号120として掲載された。
このため、2026年10月31日時点では、阪神との2027年契約が確定した状態ではない。
ただし、自由契約という言葉だけで現役引退や野球人生の終了と判断するのは早い。自由契約は選手が他球団とも契約できる状態を意味する。今後、阪神との再契約や他球団との契約が成立する可能性も残されている。
現時点で確認できるのは自由契約選手として公示されたという事実であり、その後の契約先や現役続行については、今後の正式発表が焦点となる。
【プロの結論】西純矢の今後を左右する3つの課題
西純矢の野手転向1年目を評価する際、打率.228という数字だけで可能性を判断するのは適切ではない。一方、ドラフト1位という過去の評価だけで将来を楽観することもできない。
今後のキャリアを左右する要点は、大きく3つある。
1. 変化球への対応とコンタクト能力最優先の課題は、プロの投手が投げる変化球への対応だ。
2026年のフェニックス・リーグで本人が語ったように、直球を意識しながら変化球にも対応することは、打者として避けて通れない技術である。
三振52、四球6というファーム成績も踏まえると、強く振るだけでなく、ストライクとボールを見極め、打席で粘る能力を磨く必要がある。
2. 外野守備と長打力の両立西純矢は投手から外野手に転向したため、守備面でも経験の蓄積が必要だ。
外野手として試合に出続けるには、打球判断、捕球、送球、打球への入り方など、投手時代とは異なる技術を身につけなければならない。
加えて、2026年は本塁打0本だった。高校時代の長打力や投手時代に見せた力強いスイングを、プロの野手としてどこまで再現できるかが重要になる。
単にホームランを増やすだけではなく、二塁打を含む長打を増やし、相手バッテリーが警戒する打者へ成長できるかが評価のポイントだ。
3. 契約先と支配下登録への道筋もう一つの重要な問題は契約面だ。
2026年10月30日の自由契約公示によって、翌シーズンの所属先は改めて注目されることになった。
阪神が再契約するのか、別の球団が打撃の潜在能力に関心を示すのか。どのような形であっても、プロ野球選手としてプレーを続けるには、新しい契約を結ぶことが必要になる。
西純矢には、投手時代の12勝という実績がある。しかし、野手として評価されるためには、現在の打撃力と守備力でチームに貢献できることを示さなければならない。
2026年8月のFull-Countの取材では、本人が「今は単純に力がないだけ」と現状を受け止める姿勢も紹介された。過去の実績に頼らず、技術を身につけようとする姿勢は、野手転向という大きな挑戦を理解するうえで要点だ。
今後の評価基準は、打率の改善、三振率の低下、出塁率の向上、長打の増加、外野守備の安定性という5つに整理できる。これらを継続して改善できるかが、次の契約や一軍復帰への可能性を左右する。
【よくある質問】阪神・西純矢の現在に関するFAQ
Q1:西純矢は2026年現在、阪神タイガースに所属している?
A1:2026年シーズンは阪神の育成選手としてプレーしたが、10月30日付でNPBの自由契約選手(育成選手)として公示された。10月31日時点で2027年の阪神との契約は確定していない。
Q2:西純矢が投手から外野手に転向した理由は?
A2:2025年2月の右肘手術後、実戦復帰できなかったことに加え、球団が以前から評価していた打撃能力や潜在的なパワーが背景にある。2025年10月10日に球団からの打診を本人が受け入れ、野手転向が決まった。
Q3:西純矢の2026年ファーム成績は?
A3:NPB公式記録による最終成績は61試合、174打席、162打数37安打、打率.228、0本塁打、10打点。出塁率.270、長打率.272、OPS.542だった。一軍公式戦への出場はない。
Q4:西純矢の背番号120は何を意味する?
A4:2025年11月に育成選手契約を結んだ際、背番号15から120に変更された。3桁の背番号は育成選手として再出発したことを示している。
Q5:西純矢は現役引退した?
A5:2026年10月31日時点で、現役引退が発表された事実は確認できない。自由契約選手として公示されているため、今後の再契約や移籍など、新たな動向が注目される。
まとめ:西純矢の野手転向は第二の野球人生の重要な分岐点
阪神・西純矢は、2019年ドラフト1位で入団し、2022年に6勝、2023年に5勝を挙げた実績を持つ投手だった。しかし、2025年2月の右肘手術と実戦復帰の遅れを経て、同年10月に野手転向を決断。育成契約と背番号120で新しい挑戦を始めた。
2026年のファーム成績は61試合、打率.228、0本塁打、10打点。一軍出場はなく、変化球への対応や選球眼、長打力など、野手として乗り越えるべき課題が残った。一方、フェニックス・リーグにも出場し、外野手として実戦経験を積んでいる。
そして10月30日には自由契約選手として公示された。2027年の所属先はまだ確定していないが、これは現役引退を意味するものではない。
西純矢の今後を判断するうえで大切なのは、投手時代の実績ではなく、野手としてどこまで成長できたか、そして次の契約につながる実力を示せるかという点だ。
ドラフト1位右腕から外野手への転身。その挑戦は、2026年の成績だけで完結するものではない。新たな契約と次のシーズンに向けた動きこそ、今後の最大の注目点となる。
主な確認資料:阪神タイガース公式発表、NPB公式個人成績・公示、スポーツニッポン、日刊スポーツ、デイリースポーツ、Full-Count。