最新状況:2026年11月2日
2026年11月場所を前にした朝乃山の状態は、復帰への期待と慎重な調整が同居している。
共同通信の11月1日付報道によると、朝乃山は福岡市中央区の高砂部屋宿舎で稽古を行った。数日前に痛めた左足首については不安が消えたと説明し、翌2日から出稽古を始める意向を示している。
この日の稽古では、押しの確認やてっぽうなど基礎的な動きを中心に調整した。九州場所は11月8日に初日を迎えるため、残された調整期間で実戦的な稽古をどこまで積めるかが焦点になる。
現在の左足首は完治したのか報道上は、本人が足首の不安が消えたと説明している。ただし、これは本人の感覚に関する情報であり、医療機関による完治の診断が公表されたわけではない。
また、2026年5月の左足リスフラン靱帯損傷と、今回の左足首の痛みは分けて考える必要がある。
5月の負傷については日本相撲協会に診断書が提出され、約4週間の治療期間が必要とされた。一方、11月直前の足首については、同じ靱帯を再び損傷したという診断発表は確認されていない。
したがって、現状を整理すると次のようになる。
- 左膝:2024年の大けがから復帰し、幕内上位まで番付を回復。
- 左足甲:2026年5月のリスフラン靱帯損傷から、7月場所への復帰を果たした。
- 左足首:2026年10月下旬に痛めたと報じられたが、11月1日時点で本人は不安が消えたと説明。
日本相撲協会が発表した2026年九州場所の新番付では、朝乃山は東前頭筆頭に位置している。
秋場所は東前頭6枚目で10勝5敗。再入幕後、初めての2桁勝利を記録し、終盤まで優勝争いに加わった。
九州場所で横綱・大関陣との対戦が見込まれる位置まで戻ったことは、復活を測るうえで大きな意味を持つ。
【2024年名古屋場所】左膝前十字靱帯断裂はなぜ起きたのか

朝乃山の相撲人生を大きく変えたのが、2024年7月の名古屋場所である。
当時30歳。大関経験者として幕内で再び存在感を示そうとしていた朝乃山は、東前頭12枚目で場所に臨んだ。
初日から3連勝と好スタートを切ったが、4日目の一山本戦で左膝を負傷する。
一山本戦で何が起きたのか2024年7月17日の取組で、朝乃山は一山本に押し込まれた際、踏ん張ろうとして左膝を痛めた。
報道によると、左膝が内側に入るように折れ曲がる形で倒れ、自力で立ち上がることができなかった。
取組後は車いすで会場を後にし、名古屋市内の病院に搬送された。
翌18日、師匠の高砂親方(元関脇・朝赤龍)が負傷の程度を説明。日本相撲協会に提出された診断書には、次の3つの傷病名が記載されていた。
- 左膝前十字靱帯断裂
- 左膝内側側副靱帯損傷
- 左大腿骨骨挫傷
加療期間は約2か月の見込みとされたが、競技復帰にはさらに長い期間を要することになった。
前十字靱帯断裂が相撲に与える影響前十字靱帯は、膝関節の安定性を支える重要な組織だ。
相撲では、立ち合いの衝撃、四股、踏ん張り、回転動作、相手を寄り切る際の荷重など、膝に強い負担がかかる。
特に朝乃山の得意とする右四つからの寄りでは、相手の抵抗を受けながら下半身で力を伝え続ける必要がある。
前十字靱帯を断裂すると、膝の不安定性が残り、競技中の方向転換や踏ん張りに影響する可能性がある。
日本スポーツ整形外科学会の解説では、靱帯再建後のスポーツ復帰には一般に6〜9か月以上を要し、復帰後も筋力やバランスを含めたリハビリが重要とされている。
朝乃山の場合は、前十字靱帯だけでなく内側側副靱帯と大腿骨にも損傷が及んでいた。単純に痛みが引けば土俵に戻れるという状態ではなかったのである。
【2026年夏場所】左足リスフラン靱帯損傷で再び休場した理由
2026年5月の夏場所では、幕内東前頭10枚目として出場していた朝乃山に再び負傷が発生した。
5月21日の12日目から休場。今度の負傷箇所は左膝ではなく、左足の甲だった。
翔猿戦で負傷した経緯負傷したのは11日目の翔猿戦。
朝乃山は右を差して寄ろうとした際、相手に密着を避けられ、足が体の動きについていかなくなったという。
日刊スポーツのインタビュー記事では、本人が負傷した場面を振り返っている。
翌朝、左足の腫れが目立ち、四股を踏めない状態だった。
師匠の高砂親方も患部の腫れについて説明し、朝乃山は日本相撲協会に診断書を提出した。
診断されたリスフラン靱帯損傷とは?リスフラン靱帯は、足の中央部にある中足部の関節を安定させる靱帯である。
日本足の外科学会によると、リスフラン関節損傷は、第1楔状骨と第2中足骨の間にある靱帯を含む複合的な損傷を指す。
この部分は、歩行や走行だけでなく、立ち上がる、踏み込む、体重を支えるといった動作にも関係する。
相撲では、土俵をつかむように足裏で踏ん張り、相手の体重や押し込みに耐える必要がある。そのため、中足部の安定性は取り口にも関わる。
今回の診断書に記された内容は、次のとおりだった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 負傷日 | 2026年5月20日(夏場所11日目) |
| 対戦相手 | 翔猿 |
| 負傷箇所 | 左足の甲 |
| 診断名 | 左足リスフラン靱帯損傷 |
| 別称・補足 | 左足甲捻挫 |
| 休場開始 | 2026年5月21日 |
| 治療期間 | 約4週間の見込み |
| 休場時の成績 | 7勝5敗3休 |
夏場所を途中休場した後、朝乃山は2026年6月13、14日に予定されていたパリ公演にも参加しなかった。
5月28日付のデイリースポーツ報道によると、師匠は患部の腫れがなかなか引かないことを説明していた。
当時は稽古再開の見通しも定まっていなかった。
つまり、夏場所の休場は一時的な痛みへの対応だけではなく、海外公演を見送って回復を優先する判断につながったのである。
【怪我からの復帰】2025年から2026年までの番付回復を時系列で整理
朝乃山の復帰過程で注目すべきなのは、単に土俵へ戻ったことではない。
三段目まで番付を落としながら、幕内へ再び上がり、2026年秋場所には10勝を挙げて九州場所の東前頭筆頭まで戻した点にある。
235日ぶりの復帰と三段目優勝2024年7月の名古屋場所で負傷した朝乃山は、その後、2024年9月場所と11月場所、2025年1月場所も休場した。
2025年3月の春場所で、西三段目21枚目として土俵に復帰。
結果は7戦全勝。三段目優勝を果たした。
富山県知事も2025年3月21日付のコメントで、235日ぶりの土俵復帰と、長い治療・リハビリを経ての全勝優勝をたたえている。
2025年から2026年の復帰過程2025年5月場所は幕下14枚目で6勝1敗。7月場所には幕下筆頭まで番付を戻した。
同年9月、11月の十両場所では2場所連続12勝3敗を記録。2026年1月場所には東前頭16枚目で幕内に復帰した。
日本相撲協会の公式プロフィールと番付記録を整理すると、次のようになる。
| 年・場所 | 番付 | 成績・出来事 |
|---|---|---|
| 2024年7月 | 東前頭12枚目 | 3勝2敗10休。左膝を負傷 |
| 2024年9月 | 西十両3枚目 | 全休 |
| 2024年11月 | 東幕下筆頭 | 全休 |
| 2025年1月 | 西幕下41枚目 | 全休 |
| 2025年3月 | 西三段目21枚目 | 7勝0敗・三段目優勝 |
| 2025年5月 | 西幕下14枚目 | 6勝1敗 |
| 2025年7月 | 西幕下筆頭 | 5勝2敗 |
| 2025年9月 | 西十両13枚目 | 12勝3敗 |
| 2025年11月 | 西十両4枚目 | 12勝3敗 |
| 2026年1月 | 東前頭16枚目 | 9勝6敗・幕内復帰 |
| 2026年3月 | 西前頭12枚目 | 8勝7敗 |
| 2026年5月 | 東前頭10枚目 | 7勝5敗3休・左足甲負傷 |
| 2026年7月 | 東前頭10枚目 | 9勝6敗 |
| 2026年9月 | 東前頭6枚目 | 10勝5敗 |
| 2026年11月 | 東前頭筆頭 | 九州場所前・0勝0敗 |
※2026年11月場所の成績は、11月2日時点で本場所が始まっていないため0勝0敗。
2026年7月場所での再起5月の左足甲負傷で再び休場した朝乃山だが、7月の名古屋場所には出場した。
7月6日のデイリースポーツ報道では、本人が左足の回復について「だいぶ良くなってきている」と説明。名古屋入り後には相撲を取る稽古も再開していた。
結果は9勝6敗。
2桁勝利には届かなかったものの、夏場所の負傷から本場所に戻り、勝ち越しを達成したことは大きい。
2026年秋場所で10勝を達成さらに9月場所では10勝5敗。
東前頭6枚目から5枚上昇し、11月の九州場所では東前頭筆頭となった。
2024年の負傷によって三段目まで下がった力士が、約2年後に再び幕内上位へ戻ってきたのである。
この番付回復は、朝乃山が単に過去の実績で評価されているのではなく、実際の本場所の勝ち星を積み重ねてきた結果だ。
【怪我の原因と休場の理由】朝乃山を苦しめる負傷の連鎖とは
朝乃山の負傷歴を振り返ると、左膝、左足甲、左足首と、下半身に複数の問題が生じている。
ただし、それぞれの負傷は発生した時期も診断名も異なる。
2つの大きな負傷に共通する相撲の動き2024年の左膝負傷は、一山本に押し込まれて踏ん張った際に発生した。
2026年の左足甲負傷は、翔猿を寄ろうとした際に相手の動きに足がついていかなくなったことが発端だった。
どちらも、相手の動きに対応しながら自分の体重を支える場面で起きている。
相撲では、相手を押す力だけでなく、自分の体勢を維持するための反力も必要になる。相手の動きと自分の足の位置がずれれば、関節や靱帯に大きな負荷がかかる可能性がある。
ただし、2つの負傷が同じ原因で発生したと断定できる医学的資料は公表されていない。
怪我が再発したという見方は正しいのかここで整理しておきたいのが、再発と新たな負傷の違いだ。
2024年は左膝前十字靱帯などの損傷。2026年5月は左足のリスフラン靱帯損傷である。
2026年11月直前の左足首についても、5月の診断と同じ傷病名が公表されたわけではない。
したがって、朝乃山が同じ場所を何度も再負傷しているという理解は正確ではない。
一方、下半身の負傷が続いていることは、今後のコンディション管理を考えるうえで見逃せない問題である。
リハビリと治療で重視されるポイント朝乃山の2024年の大けがからの復帰では、手術とリハビリが大きな役割を果たした。
2025年7月の朝乃山後援会の報告によると、5月場所までは膝の横ブレを防ぐ金具付きの装具を使用していた。5月場所後には装具を外し、より強度の高いサポーターに切り替えて稽古を行っていたという。
ここから分かるのは、土俵に戻った時点で治療がすべて終わったわけではなかったということだ。
リハビリでは、一般に次のような能力の回復が重視される。
- 膝関節の安定性と可動域
- 太ももや臀部の筋力
- 左右の脚のバランス
- 踏み込みや方向転換の動作
- 相手の力を受け止める際の下半身の安定性
日本スポーツ整形外科学会も、前十字靱帯再建後は筋力だけでなく、脚の使い方やバランスを含めたリハビリの重要性を指摘している。
朝乃山にとって、日常生活で問題なく歩けることと、15日間の本場所で全力の相撲を取り続けられることは別の課題なのである。
【大関復帰への展望】2026年九州場所が重要な理由
朝乃山は2026年11月1日、九州場所を前に大関復帰への意欲を示した。
共同通信の報道では、東前頭筆頭まで戻った現状を踏まえ、上位陣を倒して番付を上げることを目標にしている。
大関復帰を目指すうえで、今回の九州場所が重要なのは、対戦相手のレベルが上がるためだ。
九州場所で注目すべき3つのポイント1. 横綱・大関との対戦でどこまで通用するか
東前頭筆頭は、幕内上位の力士と対戦する位置だ。
これまでのように下位の力士から白星を積み重ねるだけではなく、上位陣との直接対決で実力を示す必要がある。
2. 15日間を通じて下半身の状態を維持できるか
2026年夏場所では、7勝4敗と勝ち越しに王手をかけた段階で左足甲を負傷した。
九州場所では、序盤の好調さだけでなく、終盤まで安定した相撲を取れるかが大きな評価材料になる。
3. 2桁勝利を継続できるか
2026年秋場所の10勝5敗は、幕内上位での実力を示す結果だった。
九州場所でも勝ち越し、できれば2桁勝利を達成できれば、三役復帰に向けた足場がさらに固まる。
大関復帰は現実的なのか朝乃山は2020年7月場所に大関へ昇進し、2021年7月場所まで大関を務めた。
つまり、大関として相撲を取った経験があり、上位陣と戦うための技術や実績を持っている。
日本相撲協会の公式記録でも、幕内優勝1回、殊勲賞2回、敢闘賞3回、技能賞1回という実績が確認できる。
ただし、大関復帰は過去の実績だけで決まるものではない。
まずは幕内上位で勝ち越しを続け、三役に復帰することが現実的な第一段階になる。そのうえで、三役として安定した好成績を残し、相撲内容も含めて大関昇進にふさわしい力を示す必要がある。
朝乃山にとって最大の課題は、実力そのものよりも、負傷を抱えずに継続して本場所を戦える状態を維持することにある。
【朝乃山の怪我に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:朝乃山の怪我は現在どうなっていますか?
A1:2026年11月2日時点では、2024年に負った左膝の大けがから復帰し、幕内東前頭筆頭まで番付を戻しています。2026年5月の左足リスフラン靱帯損傷からも復帰済みです。九州場所直前の左足首については、11月1日に本人が不安は消えたと説明しています。
Q2:朝乃山は2024年名古屋場所で何の怪我をしましたか?
A2:左膝前十字靱帯断裂、左膝内側側副靱帯損傷、左大腿骨骨挫傷です。4日目の一山本戦で負傷し、翌5日目から休場しました。
Q3:朝乃山の2026年夏場所の怪我は何ですか?
A3:左足リスフラン靱帯損傷です。左足甲の捻挫とも説明され、約4週間の治療期間を要する見込みと診断されました。翔猿戦で負傷し、7勝5敗3休で途中休場しています。
Q4:朝乃山はいつ土俵に復帰しましたか?
A4:2024年7月の大けがから235日後にあたる2025年3月の春場所です。西三段目21枚目で7戦全勝し、三段目優勝を果たしました。
Q5:朝乃山は2026年九州場所に出場しますか?
A5:2026年11月1日の報道では、左足首の不安は消えたと本人が説明し、出稽古を再開する意向を示しています。九州場所は11月8日初日で、番付は東前頭筆頭です。ただし、最終的な出場や当日のコンディションは本場所の公式情報で確認する必要があります。
Q6:朝乃山の現在の番付と成績は?
A6:2026年11月場所の番付は東前頭筆頭です。直近の秋場所は10勝5敗でした。九州場所は11月2日時点でまだ始まっていません。
Q7:朝乃山は大関に復帰できますか?
A7:可能性はあります。2026年秋場所で10勝5敗を記録し、九州場所では東前頭筆頭まで戻っています。ただし、まず三役復帰を実現し、その後も継続して好成績を残す必要があります。特に下半身のコンディション維持が重要です。
まとめ:朝乃山の復活を左右するのは怪我を乗り越える継続力
2026年11月2日現在、朝乃山は2024年の左膝前十字靱帯断裂という大きな壁を乗り越え、幕内上位への復帰を果たしている。
2026年5月には左足リスフラン靱帯損傷で途中休場したが、7月場所で9勝6敗、9月場所で10勝5敗を記録。九州場所では東前頭筆頭まで番付を上げた。
今回の歩みを振り返ると、注目すべき転換点は3つある。
- 2025年3月: 235日ぶりに復帰し、三段目で全勝優勝。
- 2026年7月: 左足甲の負傷から復帰し、9勝6敗。
- 2026年11月: 東前頭筆頭に復帰し、大関再昇進を目標に掲げる。
一方、九州場所直前には左足首の負傷も報じられた。本人は不安が消えたと説明しているが、15日間を通じた状態の維持が問われる。
朝乃山は、すでに一度、大関の座を経験している力士だ。だからこそ、ファンが期待するのは単なる幕内復帰ではなく、再び上位陣と互角に渡り合う姿だろう。
2026年九州場所の最大の見どころは、朝乃山が健康な状態で15日間を戦い抜き、大関復帰への具体的な足掛かりをつかめるかどうか。
長期離脱、三段目からの再起、幕内上位への返り咲き。その歩みの先にある大関復帰への挑戦は、今場所も大きな注目を集めそうだ。