大牟田高校駅伝部の再建を考えるうえで、忘れてはならないのが、その圧倒的な歴史です。
OB・OG会の公式記録によると、同部は1958年(昭和33年)に創部。翌1959年には全国高校駅伝に初出場し、いきなり準優勝を果たしました。その後も全国の強豪として実績を積み重ねています。
全国高校駅伝で優勝した5大会| 優勝年度 | 西暦 | 大会記録 |
|---|---|---|
| 昭和50年 | 1975年 | 2時間09分11秒 |
| 昭和51年 | 1976年 | 2時間09分57秒 |
| 昭和63年 | 1988年 | 2時間05分53秒 |
| 平成3年 | 1991年 | 2時間06分47秒 |
| 平成12年 | 2000年 | 2時間04分48秒 |
1975年と1976年には連続優勝を達成。1988年、1991年にも全国の頂点に立ち、2000年には5度目の優勝を飾りました。
加えて、優勝だけでなく準優勝も10回記録しています。特に2013年には2時間3分54秒で準優勝し、2024年には2時間1分57秒という県・九州高校最高記録で再び準優勝しました。
2024年大会は、佐久長聖との優勝争いが最後まで続いた大会でした。大牟田は6区終了時点で先頭に立ちましたが、最終7区で逆転を許し、24秒差の2位。24年ぶりの全国制覇には届かなかったものの、名門の競争力を改めて示しました。
駅伝以外でも活躍するOB・OG大牟田高校駅伝部の伝統は、全国高校駅伝の優勝回数だけではありません。卒業後に大学や実業団へ進み、陸上界で活躍する選手を数多く輩出してきました。
代表的な実績として、OBの古賀友太選手は2024年パリオリンピックの男子20km競歩に出場し、8位入賞を果たしています。また、谷本昂士郎選手は2023年の全国高校総体1500mで優勝しました。
こうした卒業生の実績は、長距離走だけに限定されない育成の歴史を物語っています。競技力の向上だけでなく、大学・実業団へ進む選手を育てる環境も、大牟田の伝統を支えてきた要素です。
【新体制と再建状況】大牟田高校駅伝部は名門復活を果たせるのか

2026年の大牟田高校駅伝部を評価する際には、過去の優勝回数だけでなく、現在の選手層、指導体制、競技結果を分けて見る必要があります。
2025年の11位から2026年の7位への上昇は、チームが再び競争力を取り戻すための一歩です。ただし、全国高校駅伝に出場する水準へ戻ったわけではありません。
再建を支える3つの要素1.若い選手が中心となるチーム構成
2026年度の現役選手14人は、1年生と2年生が各7人です。2026年の県予選でも1年生4人が出走しており、今後の成長がチームの競争力を左右します。
特に、現時点で1年生として主要区間を経験した選手が、次年度以降どの程度成長するかは要点です。駅伝では個人の持ちタイムだけでなく、長距離のレース経験、ペース配分、たすきを受け渡す際の安定感も求められます。
2.磯松監督と植木コーチによる継続的な指導
磯松監督は大牟田の卒業生であり、全国優勝を経験した人物です。加えて、実業団での選手経験や監督経験もあります。
2026年に植木真コーチが加わったことで、監督とコーチが役割を分担する体制も整いつつあります。新しい選手を育成するには、指導者が短期的な結果だけを追うのではなく、複数年にわたって選手の成長を支えることが欠かせません。
3.OB・OG会による継続的な支援
大牟田高校駅伝部OB・OG会は、部の歴史や現役選手の情報を公開するだけでなく、協賛や寄付の受付も行っています。
会長の川波貴臣氏は、現役選手に対して物心両面で支援していく考えを示しています。こうした卒業生とのつながりは、選手の募集や競技環境の維持、伝統の継承という面で大きな意味を持ちます。
名門復活を判断するための具体的な基準今後、大牟田高校駅伝部が全国優勝を狙えるチームに戻るかどうかは、次のような指標で判断できます。
- 選手層の充実: 14人からさらに部員が増え、故障や体調不良にも対応できる層の厚さが生まれるか。
- 県大会での順位: 7位から上位3校、さらに優勝争いへ進めるか。
- チームの継続性: 監督・コーチと選手の信頼関係が安定し、複数年にわたる育成が実現するか。
- 個人記録の向上: 主要選手が全国水準のタイムに近づき、各区間で安定した走りを見せられるか。
- 新入生の獲得: 地元福岡や九州各県から、継続的に有力な選手が入部するか。
2026年の7位という結果は、再建の進展を示す一方で、全国大会への出場権を得るにはまだ改善の余地があることも示しています。
特に、優勝した自由ケ丘とのタイム差は5分33秒です。全国優勝5回という歴史を持つ学校であっても、現在の競技力は現在の選手たちの結果で評価する必要があります。
【プロの結論】名門復活の鍵は過去の栄光よりも組織の安定大牟田高校駅伝部が再び全国の頂点を狙うために必要なのは、かつての強さを懐かしむことではありません。
2025年の騒動で失われた選手層を補い、指導者と選手が同じ方向を向いて練習できる環境をつくること。そして、1年生から3年生まで継続して競技力を伸ばせる仕組みを整えることです。
2026年の福岡県予選で7位まで順位を戻したことは、再建の兆しとして評価できます。しかし、全国優勝5回の名門という看板だけで、全国レベルの競争力が戻ったと判断するのは早計です。
今後の注目点は、2026年に主要区間を経験した1年生が成長し、翌年度以降のチームを支えられるかどうかです。そこに磯松監督の経験と植木コーチの指導がかみ合えば、全国大会への復帰、さらに上位進出を目指す道筋が見えてきます。
大牟田高校駅伝部に関するよくある質問(FAQ)
Q1:大牟田高校駅伝部は2026年の福岡県予選で何位でしたか?
2026年11月1日に開催された第77回福岡県高校男子駅伝では、2時間13分23秒で7位でした。11位という記録は2025年11月2日の第76回大会のもので、2時間16分44秒です。
Q2:2026年現在の大牟田高校駅伝部の部員は何人ですか?
大牟田高校駅伝部OB・OG会の現役選手名簿では14人です。内訳は2年生7人、1年生7人で、2年生の吉田唯人選手が主将を務めています。
Q3:大牟田高校駅伝部の現在の監督とコーチは誰ですか?
2026年度の名簿では、監督が磯松大輔氏、コーチが植木真氏です。顧問は徳永保氏と野口天音氏です。
Q4:赤池健氏は現在も大牟田高校の駅伝部を指導していますか?
いいえ。赤池氏は2025年3月末に大牟田高校を退職し、同年4月から鳥取城北高校へ移りました。鳥取城北高校では監督に就任し、元大牟田の選手18人と新たなチームを形成しました。
Q5:大牟田高校駅伝部は全国高校駅伝で何回優勝していますか?
男子の全国高校駅伝で5回優勝しています。優勝年度は1975年、1976年、1988年、1991年、2000年です。準優勝も10回記録しています。
Q6:大牟田高校駅伝部は全国大会に復帰できそうですか?
2026年の県予選7位は、前年の11位から順位を上げた結果です。若い選手が多く、今後の成長が期待されます。ただし、全国大会出場には福岡県予選で代表校となる必要があり、現時点で復帰が確定しているわけではありません。
まとめ:大牟田高校駅伝部は再建の途上、2027年以降の成長に注目
大牟田高校駅伝部は、2025年春に18人が鳥取城北高校へ転校するという大きな転換期を経験しました。赤池健氏の退職と監督交代をめぐる問題は、名門チームの組織運営に大きな影響を与えました。
しかし、駅伝部は消滅していません。2026年現在は磯松大輔監督と植木真コーチを中心に、14人の選手が活動しています。
2026年11月1日の福岡県予選では7位、2時間13分23秒。2025年の11位から4つ順位を上げたことは、新体制の前進を示す結果です。
全国高校駅伝で5回の優勝を誇る伝統は、今も大牟田高校の大きな財産です。ただし、名門復活を実現するには、選手の育成、安定した指導体制、OB・OG会の支援、そして継続的な新入生の獲得が欠かせません。
大牟田高校駅伝部の本当の勝負は、2026年の7位から、次の世代でどこまで順位を上げられるかにあります。全国優勝5回の歴史を次の時代につなげられるか。2027年以降のチームづくりと競技成績が、名門復活の可能性を判断する大きな材料になりそうです。
主な参考資料
- 大牟田高校駅伝部OB・OG会:現役選手名簿、部史・歴代記録、2026年度コーチ就任あいさつ
- 学校法人 大牟田学園:部活動紹介、2025年福岡県予選結果
- 福岡県高等学校体育連盟:2025年度・2026年度大会情報
- 福岡陸上競技協会:第77回福岡県高校男子駅伝競走大会結果
- 日刊スポーツ:2025年3月の集団転校報道
- スポニチ:2025年12月の鳥取城北・赤池監督の取材記事
- 月刊陸上競技:磯松大輔氏の競技歴・指導歴
記事基準日:2026年11月2日