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自己肯定感が低いのはなぜ?特徴・原因と高める方法を2026年調査から徹底解説

黒田 亮 黒田 亮 • 更新: • 公開: • 読了約 27 分
目次

「自分には何の取り柄もない」「人から嫌われている気がする」「誰かと比べるたびに、自分が劣っているように感じる」。こうした気持ちが続いているなら、自己肯定感が低くなっている可能性があります。自己肯定感とは、自分の能力や実績だけでなく、自分という存在そのものを認め、大切にできる感覚です。失敗したときにも、自分の価値まで否定しないための心の土台といえます。

2026年には、日本財団が日本・アメリカ・イギリス・中国・韓国・インドの6カ国で実施した17~19歳対象の意識調査が公表され、日本の若者が自分自身を肯定的に捉える割合の低さが改めて浮き彫りになりました。背景には、他人との比較、失敗への不安、完璧主義、親子関係、社会的な評価への敏感さなど、複数の要因が関係しています。自分を責めるのではなく、原因を理解し、日常生活の中で自己評価を育てる方法を考えていきます。

【基本知識】自己肯定感が低い人の特徴とは?自己効力感との違いも解説

自己肯定感が低い

自己肯定感が低い状態を理解するには、まず「自分をどう評価しているか」と「自分に何ができると思っているか」を分けて考える必要があります。この2つは似ていますが、心理学的には異なる概念です。

自己肯定感とは自分の存在価値を認める感覚

厚生労働省のメンタルヘルス情報サイト「こころの耳」では、セルフエスティームを自己肯定感あるいは自尊感情とし、自分自身を価値あるものとして尊重する感覚と説明しています。

例えば、仕事で失敗した場合、自己肯定感が安定している人は「今回はうまくいかなかった。次は改善しよう」と考えられます。一方、自己肯定感が低い状態では「失敗した自分には価値がない」「自分は何をやっても駄目だ」と、出来事から人格全体へ評価を広げてしまうことがあります。

重要なのは、自己肯定感が高いことは、自分を特別に優秀だと思い込むことではないという点です。得意なことも苦手なことも認め、完璧でなくても自分を尊重できる状態が一つの目安になります。

自己肯定感と自己効力感の違い

自己肯定感と混同されやすい言葉に「自己効力感」があります。自己効力感は英語でセルフ・エフィカシーと呼ばれ、特定の課題や行動を自分なら実行できるという見通しや確信を指します。

厚生労働省の「こころの耳」や健康情報サイト「e-ヘルスネット」でも、自己効力感は目標達成に向けた行動や努力を支える感覚として説明されています。

例えば、次のような違いがあります。

  • 自己肯定感:仕事で失敗しても、自分には人としての価値があると思える。
  • 自己効力感:難しい仕事でも、必要な準備をすれば自分で対応できると思える。
  • 自信:これまでの経験や能力を踏まえ、自分の判断や行動を信頼できる。

自己肯定感があっても、未経験の仕事に対して自己効力感が低いことはあります。反対に、仕事の能力には自信があるのに、自分自身を好きになれない人もいます。

両者を区別すると、自分に必要なのが「存在そのものを否定しない練習」なのか、「できるという経験を増やすこと」なのかが見えやすくなります。

自己肯定感セルフチェック:自分に当てはまる項目はある?

以下は、自分の考え方の傾向を振り返るための簡易チェックです。医学的な診断や、標準化された心理尺度ではありません。

  • 他人から褒められても、素直に受け取れない。
  • 小さな失敗でも、自分の人格や能力全体を否定してしまう。
  • 他人の成功を見ると、自分の人生が劣っているように感じる。
  • 自分の意見を言うと嫌われるのではないかと不安になる。
  • 誰かの期待に応えられないと、強い罪悪感を覚える。
  • 自分の希望より、周囲からどう評価されるかを優先してしまう。
  • 成功しても偶然や運のおかげだと思い、自分の努力を認められない。
  • 失敗する可能性があることには、最初から挑戦しないことが多い。

複数の項目が繰り返し当てはまり、日常生活にも苦しさがあるなら、自分の思考パターンを見直すきっかけにしてください。該当数だけで自己肯定感の高低を決める必要はありません。

【原因を徹底分析】自己肯定感が低い理由と育った環境・親子関係の影響

自己肯定感が低くなる原因は一つではありません。生まれ持った気質、家庭での経験、学校や職場での人間関係、社会的な評価、過去の失敗などが重なり、少しずつ自己評価の仕方が形成されます。

1. 親子関係や育った環境が影響している

幼少期は、自分がどのような存在なのかを周囲との関係から学ぶ時期です。特に、身近な大人からどのような言葉をかけられ、どのように接してもらったかは、自分への評価に関係します。

例えば、次のような経験が繰り返されると、自分を否定的に捉える考え方が身につく場合があります。

  • 兄弟姉妹や友人と頻繁に比較される。
  • 成果を出したときだけ褒められ、失敗すると強く叱られる。
  • 自分の感情や意見を聞いてもらえない。
  • 親の期待に応えられないと、愛情を失うように感じる。
  • 外見や成績、運動能力などについて否定的な言葉を繰り返し受ける。

こうした環境では「そのままの自分では認めてもらえない」「期待に応えなければ価値がない」という考え方が形成される可能性があります。

一方、親子関係だけで人生の自己肯定感が決まるわけではありません。学校での経験、友人との関係、仕事での評価、成人後のパートナーシップなども影響します。育った環境を振り返ることは大切ですが、過去の親子関係だけに原因を求める必要はありません。

2. 他人と比較してしまう心理

他人と自分を比較することは、人間にとって自然な心理です。自分の立ち位置を確認したり、目標を見つけたりするために、他人の能力や成果を参考にすることがあります。

問題になるのは、比較対象が常に自分より優れているように見える相手になってしまうことです。

SNSでは、旅行、結婚、昇進、収入、容姿、充実した日常など、他人の生活の目立つ部分が繰り返し表示されます。その結果、相手の成功した場面と、自分の何気ない日常を比較しやすくなります。

2021年に『Journal of Personality and Social Psychology』に掲載された研究では、4つの研究、合計798人を対象に、SNS上の社会的比較と自己評価の関係が検討されました。自分より優れていると感じる相手との上方比較が増えるほど、自己評価や気分、生活満足度が低下する傾向が確認されています。もともと自己肯定感が低い人ほど、こうした比較の影響を受けやすいことも報告されました。

他人の幸せを見て落ち込むのは、性格が悪いからではありません。比較する対象や情報に接する頻度、比較したときの受け止め方が関係しています。

3. 完璧主義と失敗への恐怖

完璧主義も、自己肯定感を不安定にする要因の一つです。

「100点でなければ意味がない」「失敗したら評価が下がる」「人に弱みを見せてはいけない」といった考え方が強いと、成功しても安心できません。少しでも不足があれば、自分を責めてしまうからです。

2024年に公表された完璧主義と自尊感情に関する系統的レビュー・メタ分析では、83論文、合計32,304人のデータが検討されました。その結果、失敗や他者からの評価を過度に心配する完璧主義の側面は、自己肯定感の低さと中程度の負の関連を示しました。

つまり、目標に向かって努力すること自体が問題なのではありません。自分の価値を、常に高い成果を出せるかどうかに結びつけてしまうことが問題なのです。

自己肯定感を左右する主な要素と心理的な関係

原因を整理すると、自己肯定感は複数の心理的要素が関係する構造になっています。

関連する要素 心理的な関係 表れやすい行動 見直すポイント
親子関係・家庭環境 条件付きで認められるという感覚 期待に応えようと無理をする 成果と自分の価値を切り離す
他人との比較・SNS 自分より優れた相手を基準にする 他人の成功で落ち込む 比較する情報や時間を減らす
完璧主義 失敗を自己否定と結びつける 挑戦を避ける、過度に反省する 合格点や現実的な目標を設定する
失敗経験・否定的評価 次も失敗するという予測が強まる 新しいことに消極的になる 小さな成功経験を積み重ねる
自己効力感 自分には対処できないという予測 行動する前から諦める 達成可能な課題から取り組む

これらは互いに影響し合います。例えば、家庭で失敗を厳しく責められた経験がある人は、成人後も他人の評価に敏感になり、失敗を避けるために完璧主義的な行動を取ることがあります。

一つの原因を探し当てるよりも、自分がどのような場面で自分を否定しやすいのかを理解することが、改善への第一歩です。

【男女別・恋愛編】自己肯定感が低い女性・男性に見られる傾向と人間関係

自己肯定感の低さは、恋愛、友人関係、職場など、さまざまな対人関係に影響します。ただし、女性と男性で心理的な特徴が完全に分かれるわけではありません。性別による決めつけではなく、周囲から期待される役割や個人の経験に注目することが大切です。

自己肯定感が低い女性に見られることがある傾向

女性の場合、外見、年齢、恋愛、結婚、出産、仕事と家庭の両立など、周囲からの評価にさらされる場面が自己評価に影響することがあります。

例えば、次のような傾向です。

  • 容姿や体型を他人と比較して、自分を否定する。
  • 相手の希望を優先し、自分の気持ちを後回しにする。
  • 周囲の期待に応えようとして、必要以上に頑張る。
  • 人からの評価や恋人の反応によって気分が大きく変わる。
  • 仕事と家庭など複数の役割を完璧にこなそうとする。

ただし、こうした行動は女性だけに見られるものではありません。本人の性格だけでなく、職場や家庭で求められる役割、周囲の価値観なども関係します。

自己肯定感が低い男性に見られることがある傾向

男性の場合も、社会的な期待や成功へのプレッシャーが自己評価に影響することがあります。

  • 仕事の成果や収入によって自分の価値を判断する。
  • 弱音を吐くことや人に相談することに抵抗がある。
  • 他人に負けることを極端に恐れる。
  • 失敗を知られることを避け、挑戦そのものを控える。
  • 自分の感情をうまく表現できず、距離を置いてしまう。

「男性だから強くなければならない」「仕事で成功しなければならない」という固定観念が、自分を追い込むこともあります。弱さを認めたり、他人の助けを借りたりすることは、能力不足を意味しません。

自己肯定感が低い人の恋愛傾向

恋愛では、相手からの愛情や評価が自己肯定感を左右することがあります。特に、自分の価値を他人の反応で確認しようとすると、恋愛関係が不安定になりやすくなります。

代表的な傾向は次のとおりです。

  • 嫌われることへの恐怖:本当は嫌でも、相手に合わせてしまう。
  • 愛情確認の繰り返し:相手の返信が遅いだけで、気持ちが冷めたのではないかと不安になる。
  • 過度な我慢:相手の問題行動を指摘できず、自分が悪いと考える。
  • 依存的な関係:恋人がいないと自分には価値がないように感じる。
  • 自己防衛的な別れ:傷つく前に自分から関係を終わらせようとする。

ただし、これらは自己肯定感が低い人全員に当てはまるものではありません。恋愛における不安には、過去の交際経験、愛着スタイル、現在の相手との関係性なども影響します。

自己肯定感が低い人との接し方

身近な人の自己肯定感が低いと感じた場合、無理に自信を持たせようとするより、安心して話せる関係をつくることが大切です。

  • 「そんなことで悩まなくていい」と気持ちを否定しない。
  • 他人と比較して励ますのではなく、本人の努力や行動を具体的に認める。
  • 本人が話したいときに、結論を急がず話を聞く。
  • 過度な自己犠牲を求めず、本人の意思や境界線を尊重する。
  • 必要であれば、専門家に相談する選択肢を一緒に考える。

「もっと自信を持って」と言うだけでは、本人の苦しさは解消されないことがあります。「何が一番つらい?」「今、何を手伝えばいい?」と具体的に尋ねるほうが、支えにつながりやすくなります。

【2026年最新調査】日本の若者はなぜ自己肯定感が低い?6カ国比較で見えた実態

2026年の注目データが、日本財団による第78回18歳意識調査です。テーマは「国や社会に対する意識」。2026年2月に日本、アメリカ、イギリス、中国、韓国、インドの6カ国で実施され、各国の17~19歳の若者1,000人、合計6,000人が回答しました。

日本財団が2026年4月6日に公表した調査結果では、自分自身に関する複数の項目で、日本の若者の肯定的な回答率が他国より低いことが明らかになっています。

日本の若者は「自分の個性」や「回復する力」をどう評価している?

各質問について「同意する」と「どちらかといえば同意する」を合わせた割合は、次のとおりです。

  • 日々の生活が楽しい:日本63.7%。イギリスは78.6%。
  • 将来の夢を持っている:日本62.4%。インドは86.3%。
  • 人に誇れる個性がある:日本58.6%。イギリスは82.6%。
  • 他人から必要とされている:日本57.2%。中国は72.9%。
  • 困難があっても前向きに回復できる:日本56.8%。インドは81.4%。

特に注目したいのが、困難から回復できるという感覚です。日本は56.8%で、比較対象となった5カ国はいずれも70%を超えています。

これは単に「自分が好きかどうか」という問題ではありません。失敗したときに立ち直れるか、自分の将来に期待できるか、他人や社会の中で自分の存在意義を感じられるかという、より広い自己認識にも関係しています。

10項目の比較で日本の若者に見えた課題

2026年9月28日に公開された日本財団ジャーナルの調査解説では、自分自身について尋ねた10項目のうち、「日々の生活で不安やゆううつを感じる」を除くすべてで、日本の回答が6カ国中最下位だったと紹介されています。

同記事では、文教大学人間科学部の青山鉄兵氏が、調査結果について社会教育・青少年教育の視点から解説しています。

「自己肯定感は、高ければいいというものでもない」

青山氏は、成功体験の少なさや自分を好きになれないことだけでなく、謙遜する文化の影響も考えられると説明しています。また、経験を通じて自分の課題を認識することで、一時的に自己肯定感が下がる場合もあると指摘しています。

特に興味深いのは、失敗を許容する社会環境との関係です。失敗した人が再挑戦しにくい環境では、一度の挫折が大きな自己否定につながる可能性があります。

同調圧力が強く、学歴や偏差値など限られた基準で人が評価されると、自分の得意分野や個性を肯定する機会も限られてしまいます。

調査結果をどう受け止めるべきか

この調査は17~19歳を対象とした意識調査であり、日本人全体の自己肯定感を測定したものではありません。また、質問への回答率は心理検査による自己肯定感の診断スコアとも異なります。

国ごとの文化や回答傾向の違いも考慮する必要があります。日本では謙遜が肯定的な回答を控える方向に働く可能性もあり、数値だけで日本の若者が他国より劣っていると判断することはできません。

それでも、困難から回復できるという感覚や、自分の個性を肯定する割合が低いという結果は、教育や家庭、職場などで失敗や個人差を受け入れる環境を整える必要性を示す重要な材料です。

【実践編】自己肯定感を高める方法7選!今日からできる具体的な習慣

自己肯定感を高めるために、急に自分を好きになる必要はありません。むしろ、無理にポジティブになろうとすると、できない自分をさらに責めてしまうことがあります。

まずは、自分を否定する習慣を少しずつ減らし、現実に基づいて自分を評価できるようになることを目指しましょう。

1. 自分への否定的な言葉を事実と分ける

自己肯定感が低いときは、出来事に対して極端な結論を出しやすくなります。

例えば、仕事でミスをしたときに「自分は無能だ」と考えてしまう場合です。しかし、実際に起きた事実は「今回の仕事で一つのミスをした」ということです。

次のように言葉を置き換えてみましょう。

  • 「自分は何をやっても駄目」→「今回はうまくいかなかった」
  • 「誰からも好かれていない」→「今日は相手の反応が気になった」
  • 「自分には価値がない」→「今は自分の良いところを見つけにくい」
  • 「絶対に失敗できない」→「失敗した場合の対処方法も考えておこう」

厚生労働省の認知行動療法に関する情報でも、考え方と感情、行動の関係を整理し、極端な思考の偏りを見直す方法が紹介されています。

2. 小さな成功体験を積み重ねる

自信を取り戻すには、実際に行動して「できた」という経験を増やすことが役立ちます。

最初から大きな目標を立てる必要はありません。

  • 朝、決めた時間に起きる。
  • 5分だけ部屋を片づける。
  • 苦手な人に自分の意見を一つ伝える。
  • 後回しにしていた連絡を一件済ませる。
  • 興味のあることを10分だけ勉強する。

厚生労働省の「e-ヘルスネット」では、自己効力感を高める主な要素として成功経験と代理経験を挙げています。自分で達成した経験や、他人が取り組む姿を見て学ぶ経験は、次の行動への自信につながります。

達成したことを記録しておくと、自分では気づきにくい変化も確認できます。

3. 他人ではなく過去の自分と比較する

SNSや職場で他人の成果を見ると、自分の進歩が小さく感じられることがあります。

しかし、人によって育った環境、経済状況、能力、経験、置かれた条件は異なります。表面的な結果だけを比べても、自分の価値を正しく判断することはできません。

比較するなら、昨日の自分、先月の自分、以前の自分と比べてみましょう。

以前よりできるようになったこと、苦手だったけれど挑戦できたこと、嫌なことを断れた経験なども立派な成長です。

4. 自分の良いところを具体的に書き出す

自分を褒めることに抵抗がある人は、性格を評価する必要はありません。実際にした行動を記録するところから始めましょう。

例えば、次のような内容です。

  • 疲れていたけれど、仕事を最後までやり遂げた。
  • 友人の話を最後まで聞いた。
  • 苦手なことを人に相談できた。
  • 無理な頼み事を一度断れた。
  • 失敗したあとに、原因を振り返った。

一日の終わりに三つ程度記録するだけでも、自分の行動を客観的に振り返る習慣になります。毎日続けられなくても問題ありません。

5. セルフコンパッションを身につける

セルフコンパッションとは、失敗や苦しい経験をした自分に対して、思いやりを持って接する考え方です。

親しい友人が失敗して落ち込んでいたら、どのような言葉をかけるでしょうか。「そんなこともできないのか」と責めるより、「誰にでも失敗はある」「次にどうするか考えればいい」と伝える人が多いはずです。

自分に対しても同じように接してみてください。

2020年に公表されたコンパッションに基づく介入と自己肯定感に関するシステマティックレビュー・メタ分析では、対象となった研究で自己肯定感の改善に有意な効果が認められました。ただし、研究間のばらつきもあり、すべての人に同じ効果が保証されるわけではありません。

6. SNSとの距離を調整する

他人の投稿を見るたびに落ち込む場合は、SNSの利用方法を見直してみましょう。

  • 見ていて苦しくなるアカウントをミュートする。
  • 起床直後や就寝前の閲覧を控える。
  • 利用時間を決める。
  • 成功や華やかな日常だけでなく、さまざまな価値観に触れる。
  • スマートフォンを見ない時間をつくる。

SNSを完全にやめる必要はありません。情報収集や交流に役立つ面もあるため、自分の気持ちが不安定になる使い方を減らすことが大切です。

7. 自分を否定する環境から距離を取る

自分の考え方を変えようと努力しても、周囲から継続的に否定される環境では、改善が難しい場合があります。

例えば、人格を否定する上司、常に他人と比較する家族、無理な要求を繰り返す恋人などです。

相手の期待をすべて満たそうとするのではなく、できないことは断る、信頼できる人に相談する、必要に応じて関係性を見直すといった選択肢を持ってください。

自分を大切にすることは、周囲の人を大切にしないことではありません。相手と自分の両方を尊重するために必要な行動です。

【プロの結論】自己肯定感は無理に高めるより、自分を否定しない習慣で育てる

自己肯定感を高めるうえで見落とされやすいのは、本人の努力だけでは解決できない問題もあるということです。

家庭環境、学校での評価、職場の人間関係、経済的な不安、社会的なプレッシャーなど、自己評価に影響する要因は多岐にわたります。すべてを自分の考え方だけで解決しようとすると、改善できないことまで自分の責任にしてしまいます。

自己肯定感を高めることが向いている取り組みと注意点

日常的な自己否定が中心で、生活に大きな支障がない場合は、思考の振り返りや小さな行動目標から始められます。

一方、強い不安や抑うつ、睡眠や食事の問題、仕事や学業への支障が続いている場合は、自己啓発だけで解決しようとせず、医療機関や心理の専門家に相談することも大切です。

また、暴力やハラスメントなど、実際に危険な環境に置かれている場合は、自分の受け止め方を変えることより、安全の確保や外部への相談を優先してください。

自己肯定感が高い人になる必要はない

2026年の6カ国調査から考えたいのは、自己肯定感の数値を上げることだけが目的ではないという点です。

日本財団ジャーナルで青山鉄兵氏が指摘したように、学びや新しい経験を通じて自分の課題に気づけば、一時的に自己評価が下がることもあります。それは必ずしも悪い変化ではありません。

自分の弱点を知ることと、自分の存在を否定することは別です。

本当に目指したいのは、失敗しても自分を見捨てず、必要なときには人に助けを求め、自分に合った生き方を選べる状態です。

自己肯定感は、誰かと比べて勝ち取るものではありません。自分の現実を受け止めながら、少しずつ育てていくものです。

自己肯定感が低いことに関するよくある質問(FAQ)

Q1:自己肯定感が低い人に共通する特徴は何ですか?

A1:他人の評価に敏感になる、自分の失敗を過度に責める、褒め言葉を受け入れられない、他人と比較して落ち込むなどの傾向があります。ただし、これらがあるだけで自己肯定感が低いと断定できるわけではありません。

Q2:自己肯定感が低い原因は親の育て方にありますか?

A2:親子関係は一つの要因になり得ます。否定的な言葉や過度な比較、条件付きの承認などが影響する場合があります。ただし、自己肯定感は家庭だけで決まるものではなく、学校、職場、友人関係、本人の経験なども関係します。

Q3:自己肯定感が低い人は恋愛で依存しやすいですか?

A3:相手の愛情や反応によって自分の価値を確認しようとする場合、依存的な関係になることがあります。ただし、自己肯定感が低い人全員が恋愛依存になるわけではありません。

Q4:自己肯定感と自己効力感はどちらを高めるべきですか?

A4:両方が大切ですが、役割が異なります。自己肯定感は自分の存在価値を認める感覚であり、自己効力感は特定の行動を実行できるという見通しです。自分の課題に合わせて取り組みましょう。

Q5:自己肯定感を高めるために今日からできることは何ですか?

A5:今日できたことを一つ記録する、自分への否定的な言葉を事実に置き換える、他人との比較を減らすなど、小さな行動から始めてください。完璧に続ける必要はありません。

Q6:自己肯定感が低い状態は大人になってからでも改善できますか?

A6:改善を目指すことはできます。日常の考え方や行動、人間関係、生活環境を見直すことで、自分への向き合い方が変わる可能性があります。必要に応じて心理の専門家に相談することも有効です。

まとめ:自己肯定感が低い自分を責めず、小さな変化から始めよう

自己肯定感が低い背景には、親子関係や育った環境、他人との比較、完璧主義、失敗への恐怖など、さまざまな要因があります。女性と男性でも社会的な期待や置かれた環境によって悩み方は異なりますが、性別だけで心理的な特徴を決めることはできません。

2026年の日本財団による6カ国若者調査では、日本の若者が自分の個性や将来、困難から回復する力を肯定的に評価する割合の低さが明らかになりました。この結果は、個人の努力だけでなく、失敗を許容し、多様な価値観を認める社会環境の必要性も示しています。

今日からできることは、自分を無理に好きになることではありません。失敗した自分を責めすぎないこと、小さな成功を認めること、他人との比較を減らすこと、安心できる人間関係を築くことです。

自分の価値は、仕事の成果や容姿、収入、他人からの評価だけで決まるものではありません。 完璧ではない自分も大切にできるように、できることから少しずつ始めてみてください。

主な参照資料

- 日本財団「第78回18歳意識調査」(2026年4月6日公表)
- 日本財団ジャーナル「多様な物差しとノイズを認め合える社会へ」(2026年9月28日)
- 厚生労働省「こころの耳」「e-ヘルスネット」
- 米国国立医学図書館 PubMed 掲載の社会的比較・完璧主義に関する研究
- 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター

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黒田 亮
SEOスペシャリスト 黒田 亮
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スポーツ紙で15年の記者歴。試合結果と記録は球団・リーグの公式記録とNPB発表で照合し、移籍報道は球団の公式コメントが出るまで断定しません。

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