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【韓国の中国人の生活実態】留学生・就労者・居住地域は?

桐島 奈緒 桐島 奈緒 • 更新: • 公開: • 読了約 12 分
目次

韓国で暮らす中国籍の人々の生活は、留学、就職、家族との同居、長期定住など、滞在目的によって大きく異なる。

中国人留学生は7万6,000人以上

韓国法務部が2026年4月に公表した留学生統計によると、2026年3月時点の外国人留学生は合計32万6,385人。そのうち中国籍は7万6,284人だった。

内訳は次のとおり。

- 大学・大学院などの正規留学(D-2):7万1,719人
- 韓国語などの語学研修(D-4):4,565人

中国籍の学生は、韓国の大学教育と語学教育を支える主要な留学生グループだ。

韓国語の習得、大学での専門教育、卒業後の就職などが留学の目的となる。韓国文化やエンターテインメントへの関心が留学を考えるきっかけになる人もいるが、進学理由は人それぞれだ。

中国籍の就労者と韓国系中国人の就労者

就労面では、韓国系中国人の存在が特に大きい。

韓国国家データ処の2025年移民者滞在実態・雇用調査によると、2025年5月時点の外国人就業者は約110万9,000人。そのうち韓国系中国人は約34万1,000人、中国籍の一般区分は約5万4,000人だった。

ここでも両者は別々に集計されている。

就労分野は在留資格や本人の経歴によって異なる。専門職として働く人もいれば、製造業、サービス業などで働く人もいる。

特に韓国系中国人は、韓国語や韓国社会への理解、親族・地域コミュニティとのつながりなどを背景に、韓国での生活基盤を築いている人も少なくない。

中国人が多く暮らす地域はどこ?

中国籍住民や韓国系中国人の居住地域として注目されるのが、ソウル首都圏だ。

2025年12月の京畿道の外国人住民統計では、次のような人数が記録されている。

- 韓国系中国人:12万1,879人
- 中国籍:中国人区分で6万7,086人

これは京畿道内の数字であり、韓国全体の人数ではない。

また、韓国法務部の登録外国人データを基にした地域分析では、韓国系中国人の居住者が多い地域として、京畿道の始興市や安山市、富川市、ソウルの九老区や永登浦区などが挙げられている。

2024年の登録外国人統計では、始興市に1万7,727人、ソウル九老区に1万5,726人、安山市檀園区に1万5,146人の韓国系中国人が登録されていた。

こうした地域では、中国語対応の店舗や飲食店、生活サービスなどが集まりやすい。母語で相談できる環境や、同じ文化的背景を持つ人との交流が、生活上の安心感につながる場合もある。

一方で、居住地域だけで個人の職業、収入、生活水準、韓国語能力を判断することはできない。学生、会社員、自営業者、家族と暮らす人など、生活環境は多様だ。

【なぜ韓国に中国人が多い?】歴史・経済・地理の4つの背景

中国人韓国

韓国に中国籍の人が多い理由は、一つの政策や一つの産業だけでは説明できない。歴史的な人的交流と、現在の経済・教育・生活上のつながりが重なっている。

1.中国と韓国は地理的に近い

中国と韓国は黄海を挟んで向かい合っている。

航空便や船舶による移動が可能で、東アジアの中でも人的交流が生まれやすい地理的条件にある。

留学、商取引、観光、親族訪問など、短期・長期の往来が成立しやすいことが、中国籍滞在者の多さを支える背景の一つだ。

2.朝鮮族と韓国の歴史的なつながり

韓国系中国人の存在も大きい。

朝鮮族の中には、祖先が朝鮮半島にルーツを持つ人々がいる。韓国との親族関係や文化的なつながりを背景に、韓国で働いたり、家族と暮らしたりする人がいる。

2025年末の外国国籍同胞86万81人のうち、中国籍が66万4,441人という数字は、この人的なつながりの大きさを示している。

3.韓国の労働市場と外国人雇用

韓国では製造業やサービス業など、外国人労働者が必要とされる分野がある。

2025年の外国人雇用調査では、外国人就業者が約110万9,000人に達した。

中国籍の一般区分だけでなく、韓国系中国人の就業者が約34万1,000人に上ることも、両者の違いを理解するうえで重要だ。

4.大学教育・家族・観光の交流

韓国への留学を選ぶ中国人も多い。

韓国の大学や語学学校で学び、卒業後に現地で就職を目指す人もいる。また、家族や親族が韓国に暮らしていることから、生活の拠点を韓国に移すケースも考えられる。

観光については、K-POP、韓国ドラマ、美容、ファッション、グルメなどが旅行需要と結びついている。

つまり、中国人の韓国滞在は、観光だけでも労働だけでもなく、複数の交流経路によって成り立っている。

【中国人観光客の韓国訪問はどう変化した?】2026年の最新動向とビザ政策

在留者の増加とは別に、訪韓観光客の動向も大きく変化している。

2025年から2026年にかけて中国市場が回復

韓国観光公社の2025年年間統計では、中国からの訪韓客は約548万人だった。

2026年は1〜9月だけで約547万人に達し、前年の年間実績に迫っている。

時期 中国からの訪韓客数 状況
2023年 約546万人 観光回復期
2024年 約222万人 統計上の年間実績
2025年 約548万人 年間実績
2026年1〜9月 約547万人 前年同期比29.2%増

※2023年・2024年の数値は異なる統計系列や集計方法による改定値との混同を避ける必要があるため、上表の2023・2024年は比較用の確定値として扱わず、2025年と2026年の公式発表値を中心に参照すること。

2026年1〜9月の訪韓客数は、韓国全体の外国人訪問者数1,711万人のうち、中国が最大の市場だった。

観光消費にも変化が見られる。2026年1〜9月の外国人観光客による観光関連カード消費額は15兆9,400億ウォンで、前年同期比47.7%増だった。

ただし、これは中国人だけの消費額ではなく、訪韓外国人全体の数字である。

中国人観光客のビザ免除と手数料免除は別制度

2026年の中国人観光客をめぐる制度で、特に注意したいのがビザ政策だ。

韓国政府は2025年9月29日から2026年6月30日まで、中国人の団体旅行客を対象とした一時的なビザ免除制度を実施した。

対象は指定旅行会社が募集した3人以上の団体旅行客だった。個人旅行者すべてがビザなしで入国できる制度ではない。

加えて、2026年7月1日には、韓国法務部が中国を含む6か国の団体観光客に対するビザ発給手数料の免除を年末まで延長した。

2026年12月31日まで

対象国は次の6か国。

- 中国
- ベトナム
- フィリピン
- インドネシア
- インド
- カンボジア

免除されるのは通常15米ドル程度のビザ発給手数料であり、ビザそのものが不要になるという意味ではない。2025年から実施されていた一時的なビザ免除と、2026年後半の手数料免除を混同しないことが大切だ。

観光政策は訪韓需要を後押しする要因の一つだが、2026年の増加をビザ政策だけで説明することはできない。航空便、旅行商品、為替、韓国コンテンツへの関心、旅行者の消費行動なども関係する。

【プロの結論】韓国の中国人を理解するための3つの判断基準

韓国の中国人をめぐるニュースや統計を見るとき、最も重要なのは数字の大きさだけで判断しないことだ。

判断基準1:国籍と民族を区別する

中国籍の人と韓国系中国人は、同じ中国国籍という枠組みの中に存在するが、民族的背景や歴史的なつながりは異なる。

韓国法務部の統計で中国籍が98万670人となっているのは、韓国系中国人を含めて集計しているためだ。

朝鮮族を別の国籍として追加することは、二重計上につながる。

判断基準2:在留者と観光客を混ぜない

98万670人は2025年末時点の滞在者数であり、547万人は2026年1〜9月の入国実績だ。

前者は特定時点の人数、後者は一定期間の訪問実績という違いがある。

この2つを合計して「韓国にいる中国人の総人口」と考えることはできない。

判断基準3:生活者と旅行者を同じ視点で評価しない

韓国に長期滞在する留学生や就労者は、教育、仕事、住居、行政手続きなど、日常生活に関わる問題を抱える。

一方、観光客は旅行先としての韓国を訪れ、飲食、買い物、宿泊、観光施設などを利用する。

両者では必要な制度も社会との関わり方も異なる。

中国人の韓国滞在を理解するには、観光客の消費動向だけでなく、留学生や就労者、韓国系中国人の生活基盤まで視野に入れる必要がある。

【中国人と韓国に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:中国人は韓国に何人住んでいますか?

2025年末の韓国法務部統計では、中国籍の滞在者は98万670人です。ただし、90日以下の短期滞在者も含むため、全員が韓国に長期居住しているわけではありません。

Q2:韓国にいる中国人のうち、朝鮮族は何人ですか?

2025年末の韓国法務部統計では、中国籍の外国国籍同胞は66万4,441人です。ただし、これは外国国籍同胞という行政上の分類であり、韓国系中国人全体の人数と完全に同じ意味ではありません。

Q3:2026年に韓国を訪れた中国人観光客は何人ですか?

2026年1〜9月の中国からの訪韓客は約547万3,078人です。前年同期比29.2%増で、国・地域別では最大の訪韓市場となっています。

Q4:中国人が韓国で働くにはどのようなビザが必要ですか?

仕事の種類や本人の資格によって異なります。専門職にはE-7、非専門職にはE-9、外国国籍同胞にはF-4などがあります。留学生の場合はD-2やD-4が関係します。F-4などでも活動範囲に条件があるため、個別の在留資格を確認する必要があります。

Q5:中国人は韓国のどこに多く住んでいますか?

ソウル、京畿道、仁川などの首都圏が主要な居住地域です。韓国系中国人については、京畿道の始興市や安山市、ソウルの九老区や永登浦区などにも集住地域が見られます。

まとめ:韓国の中国人は在留者と観光客を分けて理解することが重要

2026年11月時点で確認できる主要統計を整理すると、韓国に滞在する中国籍外国人は2025年末に98万670人、2026年1〜9月の中国からの訪韓客は約547万人となっている。

この2つの数字は、韓国と中国の人的交流の規模を示す重要な指標だ。

一方、その内訳を見ると、韓国系中国人(朝鮮族)、一般的な中国籍住民、留学生、就労者、短期旅行者では、韓国との関係も生活実態も異なる。

特に注目すべき要点は次の4つだ。

- 中国籍滞在者の統計には韓国系中国人が含まれる。
- 韓国系中国人は民族的背景と国籍を分けて理解する必要がある。
- 中国籍の留学生や就労者は、韓国社会を構成する長期的な人的交流の一部である。
- 中国からの訪韓客は2026年に大幅に増加し、観光市場でも大きな存在感を示している。

今後の動向を追う際は、韓国法務部の在留外国人統計と韓国観光公社の訪韓観光客統計を分けて確認することが、正確な実態を理解するための基本となる。

韓国における中国人の存在は、単なる人口や観光客数の問題ではない。歴史、民族、教育、労働、経済、観光が交差する、韓国社会を理解するうえで欠かせないテーマなのである。

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桐島 奈緒

芸能担当デスクとして14年。所属事務所の公式リリース、番組公式サイト、配信サービスの告知を一次情報として照合し、出典の確認できない話は記事にしません。

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