2021年7月23日、東京・国立競技場で開催された「東京2020オリンピック開会式」。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって当初の予定から1年延期され、さらに東京都への緊急事態宣言を受けて無観客で実施されるという、オリンピック史上でも異例の式典となった。八村塁と須崎優衣による日本選手団の入場、MISIAの国歌独唱、1,824機のドローンによる地球の演出、そして大坂なおみによる聖火点火など、記憶に残る場面も多い。
開会式のテレビ中継は、関東地区の世帯平均視聴率56.4%を記録した。一方、開催をめぐる世論の分断や演出への賛否、直前の関係者交代など、華やかな舞台の裏側には複雑な事情もあった。2026年現在、当時のIOC・JOC・東京都の公的資料やビデオリサーチの記録をもとに、開催までの経緯から出演者、選手入場、視聴率、評価までを振り返る。
【開催の基本情報】東京オリンピック開会式2021はいつ、どこで行われた?

東京2020オリンピック開会式は、2021年7月23日(金)午後8時から、東京都新宿区の国立競技場(オリンピックスタジアム)で開催された。
大会名称は「第32回オリンピック競技大会(2020/東京)」。大会の開催年は2021年に変更されたものの、名称には当初の開催予定だった2020年が残された。
これは、延期によって大会ブランドや準備済みの大会運営計画を全面的に変更しないためでもあった。
IOCの公式記録によれば、2021年7月23日から8月8日までの17日間にわたり、205の国内オリンピック委員会(NOC)とIOC難民選手団が参加した。
開会式は競技開始を告げるだけの式典ではない。開催国の文化や歴史、オリンピックの理念を世界へ伝える重要な機会でもある。
しかし、東京大会では感染症対策が最優先となり、通常の大会とは異なる環境で進行した。
特に印象的だったのは、観客席に人影がほとんどない国立競技場の光景だ。数万人規模の観客による歓声がないまま、世界各国の選手が入場する姿は、東京2020を象徴する映像として残っている。
【延期と無観客の理由】東京五輪はなぜ1年延期され、観客なしで開催された?
東京オリンピックが異例の開催形態となった最大の理由は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大だった。
当初、東京2020大会は2020年7月24日から8月9日まで開催される予定だった。しかし、世界各国で感染が拡大し、選手の練習環境や予選大会、渡航、医療体制などに深刻な影響が及んだ。
IOCと日本政府は協議を重ね、2020年3月24日に大会の延期で合意。翌30日には新しい開催日程が決定した。
IOCの公式説明では、延期の目的は大会に関わるすべての人々、とりわけ選手の健康を守り、感染拡大を抑えることだった。
東京オリンピック延期から開会式までの時系列| 日付 | 出来事 | 背景・意味 |
|---|---|---|
| 2020年7月24日(当初予定) | 当初の開幕予定日 | 新型コロナ感染拡大で開催困難に |
| 2020年3月24日 | IOCと日本が延期で合意 | 史上初のオリンピック延期 |
| 2020年3月30日 | 新しい日程を決定 | 2021年7月23日~8月8日に変更 |
| 2021年7月5日 | 日本選手団の旗手を発表 | 八村塁と須崎優衣に決定 |
| 2021年7月8日 | 東京大会の無観客方針を発表 | 緊急事態宣言を受けた感染対策 |
| 2021年7月12日 | 東京都の緊急事態宣言が開始 | 感染拡大防止措置を強化 |
| 2021年7月23日 | 東京2020開会式 | 国立競技場で無観客開催 |
出典:IOC、東京都、日本オリンピック委員会、五者協議の公式発表。
なぜ無観客開催になったのか当初から東京大会が無観客と決まっていたわけではない。
2021年6月21日の五者協議では、会場の収容人数を制限したうえで観客を受け入れる方向が示されていた。
しかし、7月8日、日本政府が東京都への緊急事態宣言を発表したことを受け、IOC、IPC、東京2020組織委員会、東京都、日本政府の五者が協議を実施。
その結果、東京都内の競技会場については、オリンピック期間中、観客を入れない方針が決定した。
7月9日の菅義偉首相の記者会見でも、緊急事態宣言下では無観客開催も辞さないという従来の方針に沿った判断であることが説明された。
つまり、無観客開催は単なる演出上の選択ではなく、感染状況と緊急事態宣言に対応した政策判断だった。
なお、無観客とは完全に誰もいないという意味ではない。選手、競技関係者、運営スタッフ、報道関係者などは会場に入っていた。一般観客を受け入れないという意味である。
IOCの共同声明も、選手と観客にとって残念な決定であると認めながら、安全な大会を実現するための措置として説明している。
【開会式の演出と出演者】MISIA・市川海老蔵・大坂なおみが登場
東京五輪開会式の演出は、日本の伝統文化、現代のエンターテインメント、スポーツの歴史、世界との連帯を組み合わせた構成だった。
大会の公式メディアガイドでは、式典全体を複数の章に分け、選手の努力や多様性、平和への願い、日本の伝統などを表現する計画が記録されている。
主な出演者と見どころを整理すると、次のとおりだ。
東京オリンピック開会式の主な出演者| 出演者 | 主な役割・演出 | 見どころ |
|---|---|---|
| MISIA | 日本国歌「君が代」独唱 | 国旗掲揚とともに歌唱 |
| 森山未來 | 追悼のパフォーマンス | 黙とうにつながる表現 |
| 真矢ミキ | 大工・職人をテーマにした演出 | 江戸の木遣り唄との共演 |
| なだぎ武 | テレビクルーの寸劇 | ユーモアを取り入れた演技 |
| 劇団ひとり | 東京オリンピックのコントロールセンターの寸劇 | 会場の照明を使った演出 |
| 荒川静香 | コントロールセンターの場面に出演 | フィギュアスケート金メダリストの登場 |
| 市川海老蔵 | 歌舞伎「暫」 | 日本の伝統芸能を披露 |
| 上原ひろみ | ジャズピアノ演奏 | 歌舞伎との異分野共演 |
| が〜まるちょば・GABEZ | 50競技のピクトグラム実演 | パントマイムによる競技紹介 |
| 大坂なおみ | 聖火の最終点火者 | オリンピックの聖火台に点火 |
出典:東京2020組織委員会「Opening Ceremony Media Guide」、当日の報道記録。
MISIAの「君が代」と森山未來の追悼演出開会式の序盤で注目を集めたのが、歌手MISIAによる国歌独唱だった。
日本国旗の掲揚に合わせて披露された「君が代」は、開会式の重要な場面の一つとなった。
また、俳優・ダンサーの森山未來は、亡くなった人々を追悼する場面でパフォーマンスを披露した。
この演出には、新型コロナウイルスによって世界各地で多くの命が失われた状況を踏まえ、故人を悼む意味が込められていた。
ゲーム音楽による選手入場東京大会の開会式で、国内外の視聴者から特に注目されたのが、選手入場時に使用された日本のゲーム音楽だった。
使用された楽曲には、次のような作品が含まれていた。
- ドラゴンクエスト
- ファイナルファンタジー
- クロノ・トリガー
- ソニック・ザ・ヘッジホッグ
- モンスターハンター
- キングダム ハーツ
- テイルズ オブ シリーズ
- NieRシリーズ
ゲーム音楽をオーケストラアレンジで演奏し、世界各国の選手が入場する映像と組み合わせた。
日本のゲーム文化を世界に伝える機会となり、従来のオリンピック開会式とは異なる特徴を生み出した。
1,824機のドローンが夜空に地球を描く東京五輪開会式を象徴する演出として、現在も語られることが多いのがドローンによる光のショーだ。
大会公式パートナーのIntelが協力し、1,824機のドローンが国立競技場上空を飛行した。
最初に幾何学的な模様が形成され、続いて東京2020大会のエンブレムが夜空に浮かび上がる。加えて、ドローンが再編成され、立体的な地球の形を作り出した。
この地球の演出は、世界中の人々がつながり、多様性を認め合うという大会のメッセージを象徴していた。
IOCの公式記事でも、開会式の代表的な見どころの一つとして紹介されている。
50競技のピクトグラムを人間が実演もう一つの人気演出が、パントマイムによる50競技のピクトグラム実演だった。
ピクトグラムは、言葉を使わなくても競技や施設の情報を理解できるようにする視覚記号である。
その歴史は1964年の東京オリンピックにさかのぼる。
2021年の開会式では、パフォーマーが青と白を基調とした衣装を着用し、競技の動きを身体だけで表現した。
が〜まるちょばのHIRO-PONやパフォーマンスデュオGABEZらが出演。50種類の競技をテンポよく紹介した。
言語や国籍に左右されずに理解できるというピクトグラム本来の役割を、身体表現によって世界へ伝えた場面だった。
市川海老蔵の歌舞伎と上原ひろみのピアノ日本の伝統芸能を代表する演出として、市川海老蔵による歌舞伎の披露も行われた。
演目は歌舞伎十八番の一つである「暫」。
力強い見得や華やかな衣装によって、歌舞伎の様式美を表現した。
共演したのは、国際的に活躍するジャズピアニストの上原ひろみ。伝統芸能と現代的なジャズを組み合わせた構成だった。
大坂なおみが聖火の最終点火者に式典の終盤では、聖火リレーの最後の場面が展開された。
王貞治、長嶋茂雄、松井秀喜ら野球界の象徴的な人物も聖火ランナーとして登場。その後、最終点火者として女子テニスの大坂なおみが聖火台へ向かった。
大坂なおみが聖火台に火をともしたことで、東京2020オリンピックは正式に開幕した。
大会を通じた多様性と国際的なつながりというメッセージを、最後の場面に託した演出でもあった。
【選手入場の順番】八村塁と須崎優衣が日本選手団の旗手を務めた理由
東京五輪開会式の選手入場では、各国・地域の選手団が順番に国立競技場へ入場した。
今回の特徴は、開催国の日本語を基準とした順番が採用されたこと、そして男女1人ずつの旗手を起用する方式が導入されたことだ。
選手入場の基本ルール入場行進は、伝統的にオリンピック発祥の地であるギリシャが先頭を務める。
続いてIOC難民選手団が入場。その後は開催国の言語に基づく順番で各国・地域の選手団が進んだ。
東京大会では、日本語の国名表記による五十音順が基本となった。
そのため、英語のアルファベット順に慣れている海外の視聴者には、意外な順番に見える国もあった。
最後は次回開催国のアメリカ、2024年大会開催国のフランス、そして開催国の日本という順番だった。
八村塁と須崎優衣が旗手に選ばれた背景日本選手団の旗手は、バスケットボール男子の八村塁とレスリング女子の須崎優衣だった。
日本オリンピック委員会(JOC)は2021年7月5日に両選手の起用を発表している。
八村塁は、NBAで活躍するバスケットボール選手。国際的な舞台で日本代表としてプレーする存在として注目されていた。
一方の須崎優衣は、女子レスリングの選手で、世界選手権などで実績を積んできたアスリートだった。
今回の選考には、IOCが推進してきたジェンダー平等の考え方も関係している。
東京大会では、各国・地域の選手団が男女1人ずつの旗手を選ぶことが推奨された。IOCによると、参加NOCの89%が男女ペアの旗手を採用した。
八村と須崎が並んで日の丸を掲げた光景は、競技や性別を超えた日本選手団の象徴的な場面となった。
【視聴率56.4%の真相】東京五輪開会式はどれほど見られた?
東京オリンピック開会式は、無観客開催だったにもかかわらず、テレビでは非常に高い視聴率を記録した。
ビデオリサーチが公表したデータによると、2021年7月23日にNHK総合で生中継された開会式の関東地区の数字は次のとおり。
- 世帯平均視聴率:56.4%
- 個人平均視聴率:40.0%
- 放送開始:19時56分
- 放送時間:235分
この数字は、2024年パリ大会などの開会式と比較しても際立って高い。
1964年の東京オリンピック開会式が記録した61.2%には届かなかったものの、当時の夏季オリンピック開会式としては歴史的な高水準だった。
なぜ56.4%という数字を記録したのか大きな要因の一つは、国内開催による関心の高さだ。
57年ぶりに東京で開催される夏季オリンピックという歴史的なイベントであり、延期や開催の是非をめぐる議論が続いたことも、視聴者の関心を集めた。
加えて、ゲーム音楽、MISIAの国歌独唱、各国選手団の入場、ドローン演出など、テレビで見届けたい場面が多かったことも考えられる。
東京都の大会後の分析資料では、開会式の時間帯にNHK中継の視聴率56.4%を記録したことに加え、都内の主要駅周辺で人流が減少したことも報告されている。
56.4%は満足度を示す数字ではないここで注意したいのは、視聴率と開会式の評価は別の指標だということだ。
56.4%は番組を見た世帯の割合であり、演出を高く評価した人の割合ではない。
大会に賛成していた人だけでなく、開催に疑問を持っていた人や、演出を批判的に見ていた人もテレビ中継を視聴していた可能性がある。
また、ビデオリサーチが公表する世帯視聴率と個人視聴率、推計視聴人数は、それぞれ異なる指標である。
したがって、56.4%という数字をそのまま国民全体の支持率や満足度として扱うのは適切ではない。
【評判と評価】東京五輪開会式は成功だったのか、それとも失敗だったのか
東京五輪開会式に対する評価は、国内外で一様ではなかった。
肯定的な評価が集まったのは、日本のゲーム文化を取り入れた選手入場、ドローンによる地球の演出、ピクトグラムの実演、MISIAの歌唱などだった。
一方、式典全体の構成や演出の一貫性、無観客による会場の静けさについては、厳しい意見も見られた。
評価されたポイント1. 日本のゲーム文化を世界に紹介したこと
ドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどの音楽を選手入場に使用したことは、日本のゲーム産業やポップカルチャーの存在感を伝える機会となった。
2. ドローン技術の活用
1,824機のドローンで地球を描く演出は、テレビ映像としても印象的だった。技術力と大会理念を結びつけた場面として評価された。
3. ピクトグラムの実演
1964年東京大会から続くピクトグラムの歴史を、身体表現で紹介した点も特徴的だった。言語の壁を越えて理解できる演出として、東京大会らしさが表れていた。
批判されたポイント1. 無観客による盛り上がりの不足
通常のオリンピック開会式では、観客の歓声や拍手が会場全体の雰囲気をつくる。
しかし、東京大会では一般観客が入場できなかったため、選手が大きな歓声を受けながら行進するという光景が失われた。
この制約は、演出そのものとは別に、式典の印象を大きく左右した。
2. 全体構成のまとまりに対する疑問
米ワシントン・ポストの批評では、メッセージが整理されず、演出が小規模で抑制的に感じられた点が指摘された。
対照的に、英ガーディアン紙は、追悼や職人文化を取り入れた落ち着いた演出を評価し、空席そのものが時代を象徴する意味を持ったと論じた。
つまり、同じ演出でも、パンデミック下の現実を重視するか、従来のオリンピックらしい華やかさを重視するかによって評価が分かれた。
開会式直前まで続いた演出関係者の問題開会式の評価を考えるうえでは、開催直前の運営体制にも触れておく必要がある。
2021年3月には、開閉会式のクリエーティブディレクターだった佐々木宏氏が、渡辺直美さんの容姿に関する不適切な演出案をめぐって辞任した。
さらに開会式前日の7月22日には、ショーディレクターを務めていた小林賢太郎氏が、過去のホロコーストを題材にしたコントの問題を受けて解任された。
式典を担当する主要な関係者が相次いで交代したことは、組織委員会の管理体制や人選のあり方にも疑問を投げかけた。
このような背景もあり、開会式は単純に演出の出来栄えだけで評価できるものではなかった。
【プロの結論】東京五輪開会式を評価する3つの判断基準2026年から東京2020を振り返る際には、次の3つを分けて考えることが大切だ。
第一に、感染症対策という開催条件。
通常の観客を入れられない状況で、世界規模のイベントを成立させる必要があった。無観客による静けさは、演出の問題であると同時に、当時の社会状況を反映した結果でもある。
第二に、日本文化の発信という成果。
ゲーム音楽、ピクトグラム、歌舞伎、伝統的な木工文化など、東京大会ならではの要素が盛り込まれた。特にゲーム音楽とドローンは、後から振り返っても特徴を説明しやすい場面だ。
第三に、組織運営と演出の完成度。
開会式の芸術的な評価と、準備段階の組織運営に対する評価は別々に検証する必要がある。優れた演出があったからといって、準備段階の問題が帳消しになるわけではない。
東京2020の開会式は、成功か失敗かという二択では捉えきれない。感染症という制約下で実施された国際イベントであり、文化発信の成果と運営上の課題が同時に表れた式典だった。
【よくある質問】東京オリンピック開会式2021に関するFAQ
Q1:東京オリンピック2021の開会式はいつ開催されましたか?
A1:2021年7月23日(金)午後8時から、東京都新宿区の国立競技場で開催されました。大会自体は7月23日から8月8日まで行われました。
Q2:東京五輪の開会式はなぜ無観客だったのですか?
A2:東京都に緊急事態宣言が発令されたことを受け、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的として、東京都内の競技会場への観客入場を認めない方針が決まったためです。
Q3:開会式の日本選手団の旗手は誰でしたか?
A3:バスケットボール男子の八村塁選手と、レスリング女子の須崎優衣選手です。男女ペアで旗手を務め、日本選手団の先頭に立ちました。
Q4:東京五輪開会式の視聴率は何%でしたか?
A4:ビデオリサーチ調べで、関東地区の世帯平均視聴率は56.4%、個人平均視聴率は40.0%でした。NHK総合で生中継された番組の数字です。
Q5:ドローン演出には何機のドローンが使われましたか?
A5:1,824機です。東京2020大会のエンブレムや立体的な地球を夜空に描きました。
Q6:聖火台に最後に火をともしたのは誰ですか?
A6:女子テニスの大坂なおみ選手です。聖火リレーの最終点火者として登場し、国立競技場の聖火台に火をともしました。
Q7:東京オリンピックはなぜ2020年ではなく2021年に開催されたのですか?
A7:新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、2020年の開催が困難になったためです。IOCと日本政府は2020年3月に延期で合意し、2021年7月23日からの開催に変更しました。ただし、大会名称は「東京2020」のまま維持されました。
まとめ:東京五輪開会式2021が2026年にも記憶される理由
2021年7月23日の東京オリンピック開会式は、1年延期と無観客開催という前例のない条件のもと、国立競技場で実施された歴史的な式典だった。
八村塁と須崎優衣による日本選手団の入場、MISIAの国歌独唱、市川海老蔵の歌舞伎、50競技のピクトグラム、1,824機のドローンによる地球の演出、そして大坂なおみによる聖火点火。数々の場面が東京2020を象徴する記録として残っている。
一方、56.4%という高視聴率だけでは、開会式が国民から全面的に支持されたとは判断できない。無観客による異例の雰囲気、演出への賛否、開催前の組織運営の問題など、複数の側面から見る必要がある。
2026年現在、東京2020は単なるスポーツイベントの記録ではなく、世界的な感染症危機のなかで国際社会がどのようにスポーツの祭典を実現したかを示す歴史的な事例でもある。
東京五輪開会式の本当の意味は、華やかな演出だけでなく、開催に至るまでの困難、選手たちの努力、そして世界中の人々が画面越しにつながった経験まで含めて振り返ることで見えてくる。