戸田懐生は2000年7月22日生まれ、愛知県出身の右投右打の投手です。身長は170cm。小柄ながらダイナミックな投球フォームと力強い直球を持ち味としています。
プロ入りまでの道のりは決して平坦ではありません。高校時代の故障で野球を続けることが難しくなりながらも、通信制高校と独立リーグを経てプロへの道を切り開きました。
東海大菅生高校時代に甲子園ベスト4戸田は東海大菅生高校で野球に取り組み、2017年夏の甲子園に出場しました。チームはベスト4に進出し、戸田自身も青森山田戦で先発して9回1失点の好投を披露しています。
ところが、高校2年の秋に右肘を痛め、野球を続けることが難しくなりました。その後、東海大菅生を中退し、KTCおおぞら高等学院に進学。通信制高校で学びながら、再びマウンドに立つ道を模索しました。
2021年の日刊スポーツの取材では、本人が当時について「野球ができないときが一番つらかった」と振り返っています。故障による競技離脱を経験したことが、後の独立リーグでの再出発につながりました。
徳島インディゴソックスで年間MVPを獲得戸田が再び本格的に投手として評価を高めたのが、四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスです。
2019年に徳島へ加入すると、2020年シーズンには先発投手として大きく飛躍。四国アイランドリーグplusの公式発表によると、同年の成績は18試合、9勝5敗、防御率1.24、139奪三振でした。
9勝と139奪三振はいずれもリーグトップクラスの成績で、最多勝と最多奪三振のタイトルを獲得。2020年10月29日には年間MVPにも選ばれました。
独立リーグでの実績が巨人のスカウトの目に留まり、同年のドラフト会議で育成指名を受けることになります。
【巨人時代の成績】育成ドラフト7位から支配下復帰、戦力外通告まで

戸田は2020年10月26日のドラフト会議で、読売ジャイアンツから育成選手ドラフト7位指名を受けました。背番号020でプロ生活をスタートし、翌2021年には早くも支配下登録を勝ち取っています。
ただし、その後は一軍定着に苦戦しました。2022年にはプロ初勝利を挙げたものの、防御率6.55と課題を残し、再び育成契約へ。2025年には再度支配下登録されましたが、同年10月に戦力外通告を受けています。
戸田懐生のキャリア年表日本野球機構(NPB)の公式年度別成績によると、戸田の巨人在籍時の一軍成績は次のとおりです。
NPB通算成績
19
登板数1勝1敗
勝敗5.53
通算防御率15
奪三振
対象:2021年、2022年、2025年の一軍公式戦
年度別に見ると、2021年は3試合に登板し、防御率0.00。プロ初年度から一軍で無失点投球を見せました。
2022年には登板機会が14試合に増え、1勝を記録。しかし、22イニングで防御率6.55となり、一軍で安定した結果を残すことができませんでした。
2025年は3年ぶりに一軍登板を果たしましたが、2試合、2回2/3、0勝1敗、防御率3.38という結果でした。NPB通算では19試合、27回2/3、1勝1敗、防御率5.53です。
2025年は二軍で好成績だったのに、なぜ戦力外になった?ここは戸田のキャリアを考えるうえで要点です。
2025年のイースタン・リーグでは、35試合、4勝4敗、防御率2.42、73奪三振を記録しました。投球回は81回2/3で、与四球は14。WHIPも1.03と、ファームでは安定した投球を見せています。
一軍の登板数が2試合にとどまった一方、二軍では継続して登板し、結果を残していました。数字だけを見ると、戦力外通告は意外に映る可能性があります。
しかし、プロ野球の支配下登録は二軍での防御率だけで決まるものではありません。一軍の戦力構成、先発・救援の役割、球団内の競争、将来性など、複数の要素が関係します。
2025年10月6日、巨人は戸田を含む3選手について来季契約を結ばないと発表しました。戸田個人に対する詳細な評価理由は公表されていません。
重要なのは、戦力外通告が投手としての能力を全面的に否定するものではないという点です。ファームで示した防御率2.42という実績は、新天地で獲得候補となるだけの材料になったと考えられます。
【戸田懐生の韓国移籍理由】NCダイノスが獲得した背景と年俸
巨人から戦力外通告を受けた戸田の次の所属先は、韓国のNCダイノスでした。
2025年12月10日、韓国の通信社・聯合ニュースは、NCダイノスが戸田と2026年シーズンに向けた契約を結んだと報道しました。巨人退団から約2か月で、海外プロ球団との契約が実現したことになります。
移籍を後押ししたアジアクォーター制度今回の韓国移籍を理解するうえで欠かせないのが、KBOが2026年から導入したアジアクォーター制度です。
従来のKBOでは、各球団が保有できる外国人選手は原則3人でした。しかし、2026年からはアジア野球連盟(BFA)加盟国・地域の選手やオーストラリア国籍の選手を対象に、追加で1人を獲得できる制度が導入されました。
新制度の主な条件は以下のとおりです。
- アジアクォーターの選手は1球団につき1人。
- 既存の外国人選手3人とは別枠。
- 投手・野手のポジション制限はない。
- 新規契約の費用上限は年俸、契約金、出来高などを含めて総額20万ドル。
この制度によって、日本でプレーしていた選手が韓国リーグへ挑戦するための新しいルートが生まれました。戸田はその制度を利用した選手の一人です。
NCダイノスが戸田を獲得した理由注目したいのは、NCダイノスが戸田を単に外国人枠の補充として獲得したわけではないことです。
聯合ニュースが伝えた球団側の説明によると、戸田は最速150キロのフォーシームを含む6種類の球種を持ち、先発と救援の両方を担当できる投手として評価されていました。
球団が評価した主な特徴は次の3点です。
- 球種の豊富さ:フォーシーム、ツーシーム、フォーク、スライダー、カーブ、カットボールの6球種。
- 奪三振能力:直球と変化球を組み合わせて打者を打ち取る力。
- 起用の柔軟性:先発とリリーフの両方に対応できる投手としての適性。
NCダイノスのイム・ソンナム団長は、戸田について長期間注目してきた選手であると説明し、10月には実際にテストを行ったことも明らかにしています。
つまり、巨人退団後に偶然移籍先が見つかったという単純な話ではありません。新制度の導入と球団側の継続的な調査、戸田の投手としての特徴が重なった結果です。
戸田懐生の韓国での年俸はいくら?聯合ニュースによると、戸田とNCダイノスの契約条件は1年契約で最大13万ドルです。
2026年NCダイノス契約条件
基本年俸
10万ドル
契約金
2万ドル
出来高
最大1万ドル
契約総額の上限
13万ドル
出典:2025年12月10日付・聯合ニュース。契約金と出来高を含む最大額。
ここで注意したいのは、年俸10万ドルと契約総額13万ドルは別の数字だということです。10万ドルが基本年俸であり、2万ドルの契約金と最大1万ドルの出来高を加えると13万ドルになります。
また、巨人在籍時の2025年推定年俸は、一部の選手データサイトでは680万円とされています。ただし、これは推定値であり、球団が公表した確定金額ではありません。
日本での推定年俸と比較すると、韓国移籍は新しい競争環境を得るだけでなく、契約面でも新たな機会を得たことになります。
【戸田懐生の投球スタイル】最速150キロの直球と6球種が武器
戸田の特徴は、170cmという身長に対してダイナミックな投球フォームを持つことです。直球の球威だけでなく、複数の変化球を使い分ける投球スタイルが評価されています。
6種類の球種を使い分ける右腕NCダイノスが獲得時に公表した情報では、戸田は次の6球種を操ります。
フォーシーム
最速150キロ。投球の中心となるストレート。
ツーシーム
直球系の球種で、打者の芯を外す選択肢。
フォーク
落差を生かして空振りやゴロを狙う変化球。
スライダー
横方向の変化で打者のタイミングを外す。
カーブ
緩急をつけて打者の目線を変える。
カットボール
小さな変化でバットの芯を外す。
特に注目されるのは、最速150キロの直球とフォークを組み合わせた投球です。直球で打者に速さを意識させ、変化球でタイミングをずらすことが投球の組み立てにつながります。
ただし、球種が多いことと、実戦で安定して結果を出せることは別問題です。2026年のKBO成績を見ると、奪三振は107個を記録した一方、被安打169、被本塁打21という数字も残っています。
2026年の成績から見える課題韓国での初年度は、投球回数を確保できたことが大きな収穫でした。29試合で145イニングを投げたという数字は、先発ローテーションを担う能力を示す材料になります。
一方、防御率5.03は改善が必要な数字です。特に被本塁打21本は、KBOの打者に対して長打を許さない投球の重要性を示しています。
今後の評価では、次の3つがポイントになります。
- 制球力:四球を抑え、カウントを有利に進められるか。
- 被本塁打の抑制:直球と変化球の配球で長打を減らせるか。
- 先発としての安定感:年間を通じて投球回を確保しながら防御率を改善できるか。
戸田の強みは、三振を奪える球種と複数の役割をこなせる柔軟性です。2026年の成績は課題も残しましたが、海外リーグで年間を通じて登板した経験は、次のシーズンに向けた重要な土台になります。
戸田懐生に関するよくある質問(FAQ)
Q1:戸田懐生は現在どこの球団に所属していますか?
A1:2026年現在、韓国プロ野球KBOリーグのNCダイノスに所属しています。2025年12月10日に契約が発表され、背番号11でプレーしています。
Q2:戸田懐生はなぜ巨人から戦力外通告を受けたのですか?
A2:巨人は2025年10月6日に来季契約を結ばないことを発表しました。一軍登板は2試合でしたが、二軍では35試合、防御率2.42を記録しています。球団による個別の詳細な理由説明は公表されていません。
Q3:戸田懐生のドラフト順位は何位ですか?
A3:2020年の読売ジャイアンツ育成選手ドラフト7位です。徳島インディゴソックスで年間MVPを獲得した実績があり、入団翌年の2021年6月に支配下登録されました。
Q4:戸田懐生の韓国での年俸はいくらですか?
A4:2026年のNCダイノスでの基本年俸は10万ドルです。契約金2万ドル、出来高最大1万ドルを含めると、契約総額の上限は13万ドルです。
Q5:戸田懐生の2026年の成績はどうでしたか?
A5:KBO公式データでは29試合に登板し、8勝11敗、防御率5.03、145イニング、107奪三振でした。先発27試合、救援2試合という起用でした。
Q6:戸田懐生の投球スタイルの特徴は何ですか?
A6:最速150キロのフォーシームを中心に、ツーシーム、フォーク、スライダー、カーブ、カットボールを使い分けます。ダイナミックなフォームと、先発・救援の両方に対応できる柔軟性が特徴です。
まとめ:戸田懐生の今後は韓国での成長と評価が焦点
戸田懐生は、東海大菅生高校時代の甲子園出場、右肘の故障、徳島インディゴソックスでの復活、巨人での育成契約と支配下登録、そして戦力外通告という転機を経験してきました。
2025年10月に巨人を退団した後、同年12月にはNCダイノスとの契約が決定。2026年はKBOで29試合に登板し、8勝11敗、防御率5.03という成績を残しました。
プロ野球選手としての評価を考える際、所属球団や一軍出場数だけで判断するのは十分ではありません。戸田の場合、独立リーグでのタイトル獲得、NPB二軍での安定した投球、韓国リーグでの年間145イニングという実績を合わせて見る必要があります。
【プロの結論】戸田懐生のキャリアで注目すべきなのは、育成契約から支配下登録を勝ち取った経験と、戦力外通告後に海外プロ球団との契約を実現した点です。2026年は防御率や被本塁打に課題を残しましたが、29試合に登板した実績は次の評価につながる材料です。
今後は、KBOでの継続的な登板機会を確保しながら、防御率の改善と先発投手としての安定感をどこまで高められるかが重要になります。巨人時代の再起を目指す段階から、韓国で新たな評価を築く段階へ。戸田懐生の2027年以降の動向にも注目が集まります。