せきやてつじ(漫画家)
基本プロフィール
- 生年月日:1969年10月12日
- 年齢:57歳(2026年11月2日現在)
- 出身地:福岡県北九州市小倉
- 職業:漫画家
- 漫画家デビュー:2000年
- 代表作:『バンビ~ノ!』『寿エンパイア』
せきや氏は1969年、福岡県北九州市の小倉で生まれました。
2024年9月に公開されたイタリア料理店ラ・ビスボッチャのインタビューでは、幼少期から漫画や映画に親しんでいたことを自身の言葉で振り返っています。
漫画では『サイボーグ009』『あしたのジョー』『火の鳥』などに影響を受け、映画についても作品のストーリーだけでなく、撮影や演出に関心を持っていたそうです。
特に映画制作への興味は強く、大学進学後には映画研究サークルに入り、8ミリカメラを使った自主制作映画にも取り組みました。
福岡大学を中退して東京へ高校卒業後は福岡大学に進学しましたが、大学3年生のときに中退を決断します。
映画制作の道に進むため、東京の映像系専門学校へ進学。卒業後はアルバイトをしながら漫画を描き続けました。
その後、1994年にCMの絵コンテを制作する仕事に就職します。
ここで経験したのは、絵の技術に自信を持っていたにもかかわらず、プロのイラストレーターたちの中では思うように力を発揮できないという現実でした。
毎晩、美術書を読み、技法を研究しながら仕事に取り組んだ経験は、後の『バンビ~ノ!』の主人公・伴省吾の成長描写にもつながっています。
単に漫画家を目指していたというだけでなく、映像、絵コンテ、商業イラストなど複数の分野を経験したことが、現在の表現力の土台になっています。
【経歴・年表】漫画家デビューから代表作誕生までの歩み

せきやてつじ氏の漫画家としての出発点は、2000年の『ジャンゴ!』です。
ただし、デビュー後すぐに大ヒット作を生み出したわけではありません。初期には麻雀漫画やギャンブル漫画にも取り組み、作家としての表現の幅を広げていきました。
主な経歴を整理すると、次のようになります。
| 時期 | 作品・出来事 | 関係・実績 |
|---|---|---|
| 1969年 | 北九州市小倉に生まれる | 福岡県出身 |
| 大学時代 | 福岡大学に進学後、中退 | 映画制作に関心 |
| 1994年 | CM制作会社に就職 | 絵コンテやイラスト制作を経験 |
| 2000年 | 『ジャンゴ!』 | 漫画家として連載デビュー |
| 2001~2004年 | 『ラスベガスキング』『おうどうもん』 | ギャンブル・麻雀漫画 |
| 2005年 | 『バンビ~ノ!』連載開始 | 小学館「ビッグコミックスピリッツ」 |
| 第53回 | 小学館漫画賞受賞 | 一般向け部門 |
| 2007年 | テレビドラマ『バンビ~ノ!』 | 日本テレビ系で放送 |
| 2009~2013年 | 『バンビ~ノ!SECONDO』 | 続編シリーズ |
| 2013~2016年 | 『火線上のハテルマ』 | アクション・クライム作品 |
| 2017~2018年 | 『僕たちの新世界』 | タイムトラベル・サスペンス |
| 2019年~ | 『寿エンパイア』 | 小学館「マンガワン」で連載 |
| 2025年12月 | 『バンビ~ノ! SAPPORO』 | 完全新作読み切り |
| 2026年4月 | 『寿司職人「児島 渡」』 | 『寿エンパイア』番外編 |
| 2026年8月 | 『寿エンパイア』第25巻 | 小学館から刊行 |
この経歴で注目したいのは、2000年のデビューから5年後に『バンビ~ノ!』の連載を開始している点です。
デビュー作の終了後には仕事が途切れた時期もあり、竹書房で麻雀漫画の制作に取り組むなど、試行錯誤を続けていました。
また、『おうどうもん』では故郷の北九州を舞台にし、地元の方言を登場人物の会話に取り入れています。
作品の題材を変えながらも、自分が知っている世界を漫画に落とし込む姿勢は、この時期から一貫しています。
北九州市文化大使としての活動漫画家としての活動に加え、せきや氏は故郷・北九州市とのつながりも持っています。
2014年に北九州市文化大使を委嘱された経歴が紹介されており、北九州市が公開している2026年3月31日現在の特命大使名簿にも、文化大使として名前が掲載されています。
同市の漫画ミュージアムも、せきや氏を北九州市出身の漫画家として紹介しています。
地元を舞台にした『おうどうもん』などを振り返ると、北九州という土地が創作活動にとって重要な背景になっていることがわかります。
【代表作】『バンビ~ノ!』はなぜ高く評価されたのか?
せきや氏の代表作として最初に挙げられるのが、イタリア料理の世界を舞台にした『バンビ~ノ!』です。
2005年から2009年まで小学館の「ビッグコミックスピリッツ」で連載され、単行本は全15巻で完結しました。
主人公は博多から上京した青年料理人・伴省吾。
福岡でのアルバイト経験から料理の腕に自信を持っていた省吾は、東京・六本木のイタリア料理店「トラットリア・バッカナーレ」で働き始めます。
しかし、そこは自分の想像をはるかに超える厳しい職場でした。
料理の技術だけでなく、厨房での連携、仕事の速さ、先輩との関係、接客への理解など、料理人として必要な能力を一から身につけなければなりません。
作品の中心にあるのは、料理そのものだけではなく、未熟な青年がプロの世界で成長する過程です。
第53回小学館漫画賞を受賞『バンビ~ノ!』は、第53回小学館漫画賞の一般向け部門を受賞しました。
同じ回には『クロサギ』なども選ばれており、一般向け漫画として高い評価を受けた作品です。
料理漫画というジャンルの中でも、実際の職場に近い緊張感や、働く人間同士の関係を描いた点が特徴です。
また、主人公が最初から優秀な人物として描かれていないことも、作品の魅力につながっています。
失敗を経験し、周囲に認められず、それでも仕事を続けていく姿は、料理人以外の職業に就く読者にも重なりやすいものです。
2007年には松本潤主演でテレビドラマ化『バンビ~ノ!』は2007年4月18日から6月27日まで、日本テレビ系でテレビドラマとして放送されました。
主演は松本潤さん。原作の伴省吾を演じています。
主な出演者は次のとおりです。
| 俳優 | ドラマでの役名 |
|---|---|
| 松本潤 | 伴省吾 |
| 北村一輝 | 与那嶺司 |
| 香里奈 | 日々野あすか |
| 佐藤隆太 | 香取望 |
| 佐々木蔵之介 | 桑原敦 |
| 市村正親 | 宍戸鉄幹 |
| 向井理 | 妹尾雅司 |
| 内田有紀 | 宍戸美幸 |
ドラマ版では、料理人たちの人間関係や厨房の緊迫した雰囲気が映像で表現されました。
制作はメディアミックス・ジャパン(MMJ)。原作漫画の設定を生かしながら、テレビドラマとしてのキャストや演出を加えています。
この映像化によって、漫画を読んでいなかった層にも『バンビ~ノ!』の名前が広まりました。
続編『バンビ~ノ!SECONDO』で描かれた新たな試練本編の完結後、2009年から2013年にかけて続編『バンビ~ノ!SECONDO』が連載されました。
こちらは単なる続きではありません。
伴省吾が料理人として成長した後、横浜・元町に新店舗「リストランテ・レガーレ」を出店し、新しい組織を築いていく物語です。
一人の料理人として腕を磨く段階から、店舗を運営し、スタッフをまとめる段階へとテーマが変わっています。
全13巻で完結しており、前作と合わせて読むことで、伴省吾の長期的な成長を追うことができます。
【作品比較】『火線上のハテルマ』から『寿エンパイア』まで
せきや氏の作品は、料理漫画だけではありません。
『バンビ~ノ!』の印象が強い一方で、アクション、ギャンブル、サスペンスなど、さまざまなジャンルを手がけています。
『火線上のハテルマ』2013年から2016年まで連載された作品で、単行本は全8巻です。
物語の主人公は、警察官を辞職してロサンゼルスに渡った青年・梶恭司。
現地で謎の日本人青年・波照間猛と出会い、ボディーガードのチームに関わることになります。
『バンビ~ノ!』が職場での成長を中心にした作品だったのに対し、こちらは危険な事件や国際的な舞台を背景にしたクライム・アクションです。
『僕たちの新世界』2017年から2018年まで「別冊ヤングチャンピオン」で連載された作品です。
未来に起こる事件を予知し、それを未然に防ごうとする謎の女子大生を主人公にしたタイムトラベル・サスペンスです。
料理や飲食業界を題材にした作品とは異なる方向性を持っており、ジャンルの幅広さを知るうえで興味深い作品です。
作品ごとの特徴を比較| 作品 | 主なジャンル | 物語の中心 |
|---|---|---|
| バンビ~ノ! | 料理・職業ドラマ | イタリア料理人の成長 |
| バンビ~ノ!SECONDO | 料理・経営ドラマ | 新店舗の運営と組織づくり |
| 火線上のハテルマ | アクション | 警備チームと国際的な事件 |
| 僕たちの新世界 | サスペンス | 未来の事件をめぐる物語 |
| 寿エンパイア | 料理・人間ドラマ | 寿司職人の修業と後継者争い |
こうして並べると、せきや氏が特定の料理ジャンルだけを描く作家ではないことがわかります。
一方で、どの作品にも共通しているのは、厳しい環境に置かれた人物が、周囲との関係や経験を通して変化していくという構造です。
【2026年最新】『寿エンパイア』の連載と児島渡の番外編
2026年のせきや氏を語るうえで欠かせないのが、『寿エンパイア』です。
2019年9月18日に連載が始まった寿司職人の世界を描く作品で、小学館の漫画アプリ「マンガワン」を中心に展開されています。
主人公は松田湧吾。
ハワイで育った青年が、亡き母親の握った寿司を超えることを目指し、日本の老舗寿司店「華山」で修業を始めます。
そこで待っていたのは、職人としての技術を磨くだけでは乗り越えられない、厳しい上下関係や後継者争いでした。
寿司の技術、食材への理解、職人としての矜持、そして料理人同士の競争が物語を動かします。
2026年8月には第25巻が発売小学館の刊行情報によると、『寿エンパイア』第25巻は2026年8月19日発売です。
この巻では、シンガポールとノルウェーの対決が決着する一方、次なるオーストラリアとの戦いにつながる展開が描かれています。
2026年10月にはマンガワンで第267話の公開も確認できます。
連載開始から7年以上が経過しても物語は続いており、せきや氏の現在の中心的な創作活動となっています。
2026年4月発売『寿司職人「児島 渡」』とは?
寿司職人「児島 渡」~寿エンパイア番外編~
- 著者:せきやてつじ
- 出版社:小学館
- 判型:B6判
- ページ数:224ページ
- 定価:990円(税込)
- ISBN:978-4-09-854544-5
2026年の大きな話題が、人気キャラクターの児島渡を主役にした番外編コミックスです。
児島渡は、寿司の老舗「華山」の金沢店で店長を務める寿司職人です。
一口食べただけで「マッズ!!」と言い放つような歯に衣着せぬ性格で知られていますが、その内側には寿司に対する強いこだわりと職人としての矜持があります。
小学館の作品紹介では、児島の知られざる日常や生き方に焦点を当てた傑作選として紹介されています。
特に注目したいのは、単なる既刊エピソードの再編集ではないことです。
このコミックスには、電子版『寿エンパイア』に収録済みの番外編に加えて、新たな描き下ろしが収録されています。
既存のファンにとっても、児島という人物を別の角度から楽しめる内容です。
なお、既に電子版の番外編を読んでいる場合は、収録内容が重複するため購入時に注意が必要です。
『バンビ~ノ! SAPPORO』で過去の代表作も復活もう一つ押さえておきたいのが、2025年12月12日に小学館が発表した『バンビ~ノ! SAPPORO』です。
『バンビ~ノ!』完結から13年を経て発表された完全新作読み切りで、2026年1月増刊号の巻頭カラー作品として掲載されました。
主人公の伴省吾は、かつてイタリアンレストランで「バンビーノ」と呼ばれた青年料理人。
新作では、10数年後の札幌を舞台に、新たな試練に向き合う姿が描かれます。
『寿エンパイア』で新しい読者を獲得しながら、『バンビ~ノ!』の世界にも再び取り組んでいる点は、2025年末から2026年にかけての大きな動きです。
【作品の魅力】せきやてつじの漫画に共通する3つの特徴
せきや氏の作品を読み比べると、ジャンルが変わっても共通する表現上の特徴が見えてきます。
1. 仕事の現場を具体的に描く『バンビ~ノ!』では、厨房の配置や料理人の動き、スタッフ間の連携が物語に組み込まれています。
2024年のラ・ビスボッチャのインタビューで、せきや氏は『バンビ~ノ!』の構想について語っています。
きっかけの一つは、レストランのオープンキッチンで料理人たちが走り回る様子を目にしたことでした。
また、実際の飲食店で取材を行い、厨房や料理、接客について理解を深めています。
作品内の「トラットリア・バッカナーレ」のモデルとなった店舗や、続編に登場する「リストランテ・レガーレ」の内装・厨房の参考にした店舗もあります。
現場を観察してから漫画に落とし込むという制作姿勢が、作品の臨場感につながっています。
2. 主人公を最初から完成された人物にしない伴省吾も松田湧吾も、最初からすべてを理解した天才として描かれているわけではありません。
失敗し、悩み、他人と衝突しながら成長していきます。
読者が主人公の成功だけでなく、失敗や葛藤にも共感できる構造です。
特に『バンビ~ノ!』では、技術があることと、現場で一人前として働けることは別だという現実が描かれています。
このテーマは、続編の店舗運営や『寿エンパイア』の職人修業にもつながっています。
3. 専門分野の知識と人間ドラマを組み合わせる料理漫画であれば、料理の知識だけでは作品として成立しません。
技術を競う場面、仕事上の対立、師弟関係、仲間との信頼などがあって初めて、物語に奥行きが生まれます。
せきや氏の作品は、専門分野を題材にしながら、そこに関わる人々の感情や価値観を描いています。
そのため、料理に詳しい読者だけでなく、仕事や人間関係をテーマにした漫画を読みたい人にも届きやすいのです。
【プロの結論】せきやてつじを読むなら、どの作品から始めるべき?
せきや氏の作品を初めて読む場合は、興味のあるジャンルによって選ぶとよいでしょう。
| 読みたい内容 | おすすめ作品 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 料理人の成長物語 | バンビ~ノ! | 作家の代表作で入門に適している |
| 続きの人生や店舗経営 | バンビ~ノ!SECONDO | 主人公の次の段階を楽しめる |
| アクション・冒険 | 火線上のハテルマ | 料理漫画とは違う作風を楽しめる |
| 寿司職人の世界 | 寿エンパイア | 現在の中心的な連載作品 |
| 個性的な職人の人物像 | 寿司職人「児島 渡」 | 人気キャラクターを掘り下げられる |
個人的に作品の魅力を理解するうえでおすすめなのは、『バンビ~ノ!』から『寿エンパイア』へ進む読み方です。
前者ではイタリア料理の現場、後者では寿司職人の世界が描かれています。
扱う料理は異なりますが、厳しい職業の世界で成長する人々を描くという共通点があります。
一方、アクション作品やサスペンスが好きなら、『火線上のハテルマ』や『僕たちの新世界』から読む選択肢もあります。
せきや氏を単なる料理漫画家として捉えるのではなく、幅広いジャンルで働く人間の姿を描いてきた漫画家として読むことが、作品の全体像を理解するポイントです。
【よくある質問】せきやてつじに関するFAQ
Q1:せきやてつじの年齢は何歳ですか?
A1:1969年10月12日生まれと紹介されており、2026年11月2日現在は57歳です。
Q2:せきやてつじの出身地はどこですか?
A2:福岡県北九州市です。北九州市小倉生まれで、北九州市文化大使としても活動しています。
Q3:漫画家デビュー作は何ですか?
A3:2000年に連載が始まった『ジャンゴ!』です。原案は木葉功一氏で、講談社の「モーニング」に掲載されました。
Q4:せきやてつじの代表作は何ですか?
A4:代表作は『バンビ~ノ!』です。第53回小学館漫画賞一般向け部門を受賞し、2007年には松本潤主演でテレビドラマ化されました。
Q5:『バンビ~ノ! SECOND』は完結していますか?
A5:はい。正式な作品名は『バンビ~ノ!SECONDO』で、全13巻で完結しています。前作の続編にあたり、伴省吾の新店舗での挑戦が描かれます。
Q6:『寿エンパイア』は2026年現在も連載していますか?
A6:はい。2026年10月にもマンガワンで最新話の更新が確認できます。単行本は2026年8月19日に第25巻が発売されました。
Q7:2026年に発売された児島渡の番外編とは何ですか?
A7:『寿司職人「児島 渡」~寿エンパイア番外編~』です。2026年4月10日に小学館から発売され、描き下ろしエピソードも収録されています。
まとめ:せきやてつじは現在も作品の世界を広げ続ける漫画家
せきやてつじ氏は、北九州市小倉で育ち、映画制作やCM制作の仕事を経験した後、2000年に漫画家としてデビューしました。
代表作『バンビ~ノ!』では、料理人の成長をリアルに描き、第53回小学館漫画賞を受賞。テレビドラマ化によって、その名前はさらに広く知られるようになりました。
その後も『バンビ~ノ!SECONDO』『火線上のハテルマ』『僕たちの新世界』と作品の幅を広げ、2019年からは『寿エンパイア』を連載しています。
2026年は、同作の第25巻発売に加え、人気キャラクターの児島渡を主人公とした番外編コミックスも刊行されました。さらに『バンビ~ノ! SAPPORO』という新作読み切りも発表されています。
2026年現在のせきやてつじ氏を知るうえで重要なのは、『バンビ~ノ!』で築いた実績だけでなく、『寿エンパイア』を通じて現在進行形で創作を続けている点です。
過去の名作を振り返る読者にも、新作から入る読者にも、それぞれ違った楽しみ方ができる漫画家です。
主な参考資料:小学館コミック公式作品情報・ニュース、北九州市公式特命大使名簿、北九州市漫画ミュージアム、ラ・ビスボッチャ掲載インタビュー、メディアミックス・ジャパン制作実績。