2026年の最新ランキングを確認するうえで、最も重要なのが最高裁判所の「令和7年司法統計年報・家事編」です。
この統計では、家庭裁判所に申し立てられた婚姻関係事件について、申立人が挙げた動機を男女別に集計しています。
男性側・女性側の離婚理由ランキング| 順位 | 男性側の理由 | 割合 | 女性側の理由 | 割合 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 性格が合わない | 58.6% | 性格が合わない | 37.1% |
| 2位 | 精神的に虐待する | 21.6% | 生活費を渡さない | 28.8% |
| 3位 | 異性関係 | 11.9% | 精神的に虐待する | 26.1% |
| 4位 | 浪費する | 11.6% | 暴力を振るう | 16.7% |
| 5位 | 家族親族と折り合いが悪い | 11.0% | 異性関係 | 12.8% |
| 6位 | 性的不調和 | 9.9% | 浪費する | 8.2% |
| 7位 | 暴力を振るう | 8.9% | 性的不調和 | 6.4% |
| 8位 | 同居に応じない | 8.4% | 家庭を捨てて省みない | 5.8% |
| 9位 | 生活費を渡さない | 5.4% | 家族親族と折り合いが悪い | 5.5% |
| 10位 | 家庭を捨てて省みない | 4.3% | 酒を飲み過ぎる | 5.4% |
出典:最高裁判所「令和7年司法統計年報・家事編」第19表。弁護士ドットコムによる集計。その他・不詳を除く。複数回答のため、割合の合計は100%にならない。
ランキングから読み取れる3つの特徴1.男女ともに性格の不一致が1位
男性側は58.6%、女性側は37.1%。どちらも他の理由を大きく上回っています。
ただし、男性側の割合が高いからといって、男性のほうが性格の不一致に敏感だと断定することはできません。申立てに至る状況や、理由の選び方も異なるためです。
2.女性側では経済的な問題が上位
女性側の2位は「生活費を渡さない」で28.8%。
これは単なる節約志向や金銭感覚の違いとは別の問題です。家計を一方的に管理される、必要な生活費を受け取れない、収入があるにもかかわらず家庭への支出を拒まれるといった状況が背景に考えられます。
3.精神的虐待は男女双方に共通する問題
精神的虐待は男性側21.6%、女性側26.1%。
性別にかかわらず、人格を否定する発言、過度な束縛、無視、威圧的な態度などが夫婦関係を悪化させる要因になります。
この項目が双方で上位に入っていることは、夫婦間の精神的な安全も重要な問題であることを示しています。
【理由を詳しく解説】離婚を決断する夫婦に多い5つの問題

ランキングの順位だけでは、実際に夫婦の間で何が起きているのかまでは分かりません。
ここでは上位項目を具体的な生活上の問題に置き換えて解説します。
1.性格の不一致・価値観の違い性格の不一致は、離婚理由として非常に幅広い意味を持つ言葉です。
例えば、次のような問題が挙げられます。
- お金の使い方や貯蓄に対する考え方が違う
- 家事や育児の分担について意見が合わない
- 休日の過ごし方や生活リズムが違う
- 子どもの教育方針が一致しない
- お互いの親族との付き合い方で対立する
- 話し合いをしても意見がまとまらない
結婚当初は小さな違いとして受け止められていたことが、年月とともに大きなストレスになる場合があります。
特に問題なのは、意見の違いそのものよりも、違いを話し合って解決できなくなることです。
例えば、家事の負担に不満を持っていても、相手が真剣に取り合わなければ不満は蓄積します。こうした小さなすれ違いが、最終的に「一緒に生活するのが難しい」という判断につながります。
2.生活費を渡さない・経済的DV女性側のランキング2位に入ったのが、生活費の不払いです。
夫婦の一方が収入や預貯金を管理し、もう一方に必要な生活費を渡さない場合、家庭内の経済的な力関係が大きく偏ります。
具体的には次のような問題があります。
- 食費や日用品代を十分に渡さない
- 収入を知らせず、家計を一方的に管理する
- 必要な医療費や子どもの教育費を負担しない
- 自由に使えるお金を極端に制限する
もちろん、家計管理を一方が担当すること自体が問題なのではありません。
重要なのは、双方が納得しているか、生活に必要なお金が確保されているかという点です。
3.精神的虐待・モラハラ精神的虐待は、身体的な暴力とは違い、周囲から問題が見えにくい特徴があります。
例えば、次のような行為です。
- 人格や能力を繰り返し否定する
- 些細な失敗を長時間責める
- 友人や家族との交流を制限する
- 無視や威圧によって相手を支配する
- 相手の行動を過度に監視する
一度の口論と、継続的な精神的支配は区別する必要があります。
日常的に相手の顔色をうかがい、自分の意見を言えなくなっている場合は、夫婦関係を見直す重要なサインです。
4.暴力・DV女性側の4位に入っているのが、暴力を振るうという理由です。
DVは殴る、蹴るといった身体的暴力だけを意味しません。
精神的な威圧、性的な強要、経済的な支配なども問題になります。
家庭内の出来事だからといって、被害を受けた側が我慢しなければならないわけではありません。
危険がある場合は、夫婦間の話し合いよりも安全確保を優先し、警察やDV相談窓口などの支援を利用することが大切です。
5.異性関係・浮気や不倫異性関係は男性側3位、女性側5位です。
不倫や浮気は、夫婦間の信頼を大きく損なう原因になります。
問題になるのは、肉体関係だけではありません。隠れて交際を続ける、金銭を使う、嘘を重ねるといった行動も、夫婦関係に深刻な影響を与えます。
ただし、法律上の不貞行為と、一般的に浮気と呼ばれる行為は必ずしも同じではありません。
この点は、慰謝料や裁判での離婚を考える際にも重要です。
【2026年の最新動向】離婚件数と理由の変化から見える夫婦関係
離婚理由ランキングと併せて確認したいのが、実際に日本で成立した離婚の件数です。
2025年の離婚件数は17万9,073組厚生労働省が2026年9月30日に公表した「令和7年人口動態統計(確定数)」によると、2025年の離婚件数は次のとおりです。
- 2025年:179,073組
- 2024年:185,904組
- 前年との差:6,831組減少
- 前年比:約3.7%減少
2025年は、前年より離婚件数が減少しました。
出典:厚生労働省「令和7(2025)年人口動態統計(確定数)」2026年9月30日公表。
この数字から分かるのは、2025年の離婚件数が前年を下回ったということです。
ただし、離婚件数の増減と、個々の夫婦が離婚を考える理由の変化は別の問題です。
また、2026年の年間統計はまだ確定していません。2026年11月時点で、年間の実績を比較する基準として使える最新の確定値は2025年分です。
弁護士事務所の独自調査では何が見えた?最高裁判所の司法統計とは別に、弁護士法人デイライト法律事務所は2025年の離婚原因調査を公表しています。
この調査は、2024年12月1日から2025年11月30日までの相談者1,439人を対象にしたアンケートです。
女性側では、性格の不一致が36.0%、精神的虐待が29.5%、相手の異性関係が20.1%でした。
男性側では、性格の不一致が39.0%、精神的虐待が18.0%、自身の異性関係が11.1%という結果です。
興味深いのは、男性側の「異性関係(自分)」が前回調査の6位から4位に上昇した点です。
ただし、これは法律事務所に相談した人のアンケートであり、日本全国の離婚夫婦を対象とした調査ではありません。司法統計と直接同じ条件で比較することはできません。
2026年4月から離婚後の親権制度も変わった2026年の離婚関連ニュースで特に重要なのが、民法改正です。
2026年4月1日、離婚後の子どもの養育に関する新しい制度が施行されました。
大きな変更点は、離婚後の親権について、父母の双方または一方を親権者として定められるようになったことです。
これまでの単独親権に加え、共同親権を選択できる制度が始まりました。
ただし、離婚すれば自動的に共同親権になるわけではありません。
子どもの利益を基準に判断され、DVや虐待のおそれなど、共同親権によって子どもの利益を害する場合には単独親権としなければなりません。
法務省と裁判所は、親権だけでなく、養育費や親子交流についても新しいルールを案内しています。
【ネットの反応・炎上の論点】離婚理由ランキングに隠れた3つの誤解
離婚理由ランキングは、数字の順位だけが切り取られると、本来の意味とは違う形で受け取られやすいテーマです。
特に男女比較や不倫、DVなどの話題は、個人の経験や価値観によって受け止め方が大きく変わります。
ここでは、ニュースやSNSでランキングが紹介される際に注意したい論点を整理します。
誤解1:「離婚理由の1位は不倫」という説不倫は注目を集めやすく、芸能ニュースなどでも離婚理由として取り上げられることがあります。
しかし、2025年の司法統計では、男女ともに1位は「性格が合わない」です。
異性関係は男性側3位、女性側5位となっています。
つまり、不倫が離婚の代表的な原因の一つであることと、統計上の最多理由であることは別です。
誤解2:「夫婦3組に1組は必ず離婚する」という説よく見かける「夫婦3組に1組が離婚する」という表現にも注意が必要です。
年間の婚姻件数と年間の離婚件数を比較した数字を、そのまま結婚した夫婦の離婚確率と解釈することはできません。
その年に結婚した夫婦と、その年に離婚した夫婦は、同じ集団ではないからです。
長年結婚生活を続けてきた夫婦の離婚も、年間の離婚件数に含まれます。
このため、年間件数の単純比較だけで「自分たちも3組に1組の確率で離婚する」と判断するのは誤りです。
誤解3:「性格の不一致なら裁判ですぐ離婚できる」という説統計で最も多い理由だからといって、法律上もそのまま離婚が認められるわけではありません。
夫婦双方が離婚に合意している協議離婚では、離婚理由は基本的に問われません。
一方、相手が離婚を拒否して裁判になった場合には、民法770条に定める法定離婚事由が問題になります。
性格の不一致だけを主張すれば、必ず離婚が認められるという制度ではありません。
男女別ランキングをめぐる議論で気をつけたいこと男性側と女性側のランキングを比較すると、女性側では生活費や暴力、精神的虐待が上位にあります。
一方、男性側では親族関係や性的不調和なども上位です。
この違いを、男性と女性の性格や能力の問題に置き換えてしまうのは適切ではありません。
統計が示すのは、あくまで家庭裁判所に申し立てた人が挙げた理由です。
SNSの個人的な体験談や、話題になった投稿だけで日本全体の夫婦関係を判断することもできません。
ネット上で炎上しやすい話題だからこそ、ランキングの母集団や調査方法を確認することが大切です。
【プロの結論】離婚理由ランキングから考える、夫婦関係の判断基準
離婚理由ランキングを読み解くうえで、最も重要なのは、順位の高低だけで夫婦関係を判断しないことです。
特に「性格の不一致」という言葉には、さまざまな問題が含まれています。
離婚を考える前に整理したい5つの判断軸1. 話し合いが成立するか: 意見が違っても、お互いの考えを聞き、解決策を探せるか。
2. 経済的な公平性があるか: 収入や支出を共有し、必要な生活費を確保できているか。
3. 精神的な安全があるか: 相手を威圧したり、人格を否定したりする関係になっていないか。
4. 生活上の負担が偏っていないか: 家事、育児、仕事、親族との付き合いを一方だけが担っていないか。
5. 将来の生活を共有できるか: 子育て、住居、仕事、老後などについて基本的な方向性が一致しているか。
ただし、DVや深刻な精神的虐待がある場合は、関係修復を最優先にする必要はありません。安全を確保したうえで専門家に相談することが先決です。
また、離婚を決断する場合には、財産分与、養育費、親権、親子交流など、離婚後の生活に関する取り決めも重要になります。
2026年は共同親権制度の施行によって、離婚後の子どもの養育に関する制度も大きく変わりました。
離婚は夫婦だけの問題ではなく、子どもの生活や将来にも関係する決断です。
【離婚理由ランキング2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本で最も多い離婚理由は何ですか?
A1:2025年の最高裁判所の司法統計では、男女ともに「性格が合わない」が1位です。男性側は58.6%、女性側は37.1%でした。
Q2:女性に多い離婚理由は何ですか?
A2:女性側では「性格が合わない」が1位で、「生活費を渡さない」が2位、「精神的に虐待する」が3位です。経済面や精神面の問題も大きな割合を占めています。
Q3:男性に多い離婚理由は何ですか?
A3:男性側では「性格が合わない」が1位、「精神的に虐待する」が2位、「異性関係」が3位です。
Q4:浮気や不倫は離婚理由ランキングの何位ですか?
A4:司法統計上の「異性関係」は、男性側3位、女性側5位です。ただし、一般的な浮気と法律上の不貞行為は区別されます。
Q5:性格の不一致だけで離婚できますか?
A5:夫婦双方が合意していれば、性格の不一致を理由に協議離婚できます。一方、相手が拒否して裁判になった場合は、法定離婚事由などに基づいて判断されます。
Q6:2026年から共同親権になったというのは本当ですか?
A6:本当です。2026年4月1日に民法改正が施行され、離婚後に父母双方を親権者とする選択肢が設けられました。ただし、すべての離婚で共同親権になるわけではありません。
まとめ:2026年の離婚理由ランキングから見える夫婦関係の実態
2026年最新の離婚理由ランキングでは、男女ともに「性格が合わない」が1位という結果になりました。
一方、女性側では生活費の不払い、精神的虐待、暴力が上位に入り、男性側では精神的虐待、異性関係、浪費などが続いています。
今回の記事の要点を振り返ります。
- 男女ともに最多の離婚理由は性格の不一致。
- 女性側では経済的問題やDV・モラハラも深刻な要因。
- 男性側でも精神的虐待が2位に入っている。
- 2025年の離婚件数は17万9,073組で、前年より減少。
- 2026年4月から離婚後の共同親権制度が施行された。
離婚理由ランキングは、夫婦間の問題を考えるための重要な資料です。しかし、数字だけでは個々の家庭が抱える事情までは分かりません。
大切なのは、表面的な理由だけでなく、その背景にある経済状況、コミュニケーション、精神的な安全、子どもの生活環境まで考えることです。
2026年以降は、離婚後の親権や養育費に関する制度の変化も踏まえ、夫婦双方と子どもの将来を見据えた判断が大切です。
主な参考資料:最高裁判所「令和7年司法統計年報・家事編」、厚生労働省「令和7年人口動態統計(確定数)」、法務省「民法等の一部を改正する法律」、弁護士法人デイライト法律事務所「2025年離婚原因調査」。