大相撲の力士の給料は、番付によって大きく異なります。2026年11月現在、横綱の月給は300万円、大関は250万円、関脇・小結は180万円、十両は110万円です。一方、幕下以下には一般的な月給制度がなく、本場所ごとに場所手当が支給されます。
加えて、力士の収入は基本給だけではありません。年2回の賞与、本場所特別手当、力士褒賞金、企業からの懸賞金、優勝賞金などが加わります。2026年7月30日には日本相撲協会が2027年初場所からの給与・賞金改定を発表し、横綱の月給は330万円、幕内優勝賞金は2000万円に引き上げられることになりました。
【まず結論】力士の給料は十両以上と幕下以下で大きく違う

大相撲の給与制度を理解するうえで、最初に知っておきたいのが「関取」と「力士養成員」の違いです。
力士は序ノ口から横綱までの番付に分かれていますが、相撲協会から月給を受け取れるのは、原則として十両以上の関取です。
十両に昇進すると、給与体系が大きく変わります。毎月の固定給に加えて、賞与や各種手当、力士褒賞金などが支給されるようになります。
一方、幕下、三段目、序二段、序ノ口の力士は力士養成員という扱いです。月給はなく、本場所ごとの場所手当と、勝ち星や勝ち越しに応じた奨励金が収入の中心になります。
関取になると何が変わる?十両昇進は、力士の経済的な待遇を大きく変える転換点です。
- 十両以上:毎月の給与、賞与、各種手当、力士褒賞金が支給される。
- 幕下以下:月給はなく、場所手当と成績に応じた奨励金が支給される。
- 幕内力士:懸賞金や幕内最高優勝賞金、三賞などを獲得する機会がある。
この違いは、単に毎月の収入が多いか少ないかという問題ではありません。生活の安定性や待遇、現役生活の経済的な見通しにも関係します。
幕下上位で長年活躍していても、十両に昇進できなければ関取の月給は受け取れません。逆に十両に昇進すれば、番付の位置にかかわらず関取としての給与体系に入ります。
【番付別一覧】2026年の月給と2027年1月からの改定額を比較
2026年11月現在の関取の月給は、2019年1月に実施された改定後の金額が適用されています。
ところが、2026年7月30日の日本相撲協会の理事会で、2027年初場所から関取の月給を10%前後引き上げることが決まりました。関取の給与改定は2019年以来、8年ぶりです。
日刊スポーツやデイリースポーツなどの報道を基に、現在の金額と改定後の金額を整理すると次のようになります。
| 番付・区分 | 2026年の基準額 | 2027年1月から | 年換算の目安 |
|---|---|---|---|
| 横綱 | 月300万円 | 月330万円 | 3600万円→3960万円 |
| 大関 | 月250万円 | 月275万円 | 3000万円→3300万円 |
| 関脇・小結 | 月180万円 | 月200万円 | 2160万円→2400万円 |
| 前頭(平幕) | 月140万円 | 月155万円 | 1680万円→1860万円 |
| 十両 | 月110万円 | 月120万円 | 1320万円→1440万円 |
| 幕下 | 16万5000円/場所 | 18万円/場所 | 99万円→108万円 |
| 三段目 | 11万円/場所 | 12万円/場所 | 66万円→72万円 |
| 序二段 | 8万8000円/場所 | 9万5000円/場所 | 52万8000円→57万円 |
| 序ノ口以下 | 7万7000円/場所 | 8万2000円/場所 | 46万2000円→49万2000円 |
※関取は月給×12か月、幕下以下は場所手当×年間6場所で計算。賞与、褒賞金、優勝賞金、懸賞金などは含みません。
横綱の給料は2027年に330万円へ2026年の横綱の月給は300万円です。年間に換算すると3600万円となり、基本給だけでも一般的な会社員の年収を大きく上回ります。
2027年初場所からは月給330万円となり、月30万円、年間では360万円の増額です。
横綱は番付の最高位に位置するため、月給だけでなく、本場所特別手当や力士褒賞金などの面でも高い待遇を受けます。
大関の給料は250万円から275万円に大関の2026年の月給は250万円です。2027年初場所からは275万円となり、月25万円の増額が予定されています。
年間の基本給は3000万円から3300万円に上がります。
横綱と大関の差は、2026年には月50万円、2027年には月55万円です。昇進による収入の違いは、番付の重みを経済面からも示しています。
関脇・小結の給料は月180万円関脇と小結は三役と呼ばれ、2026年の月給は180万円です。2027年からは200万円となります。
大関との差額は2026年で月70万円、改定後で月75万円です。三役から大関への昇進は、相撲界における名誉だけでなく、収入面でも大きな節目になります。
十両の給料は月110万円十両の月給は2026年現在で110万円です。2027年初場所からは120万円になります。
十両は幕下以下とは異なり、毎月の固定給が支払われる関取です。月給だけでも年間1320万円となり、改定後は1440万円に達します。
ただし、十両は幕内より下の地位であり、幕内力士が対象となる懸賞金や幕内最高優勝などの収入機会には違いがあります。
幕下以下は月給ではなく場所手当幕下以下の力士は、毎月の給料を受け取る仕組みではありません。年6回の本場所ごとに場所手当が支給されます。
2026年11月場所までの幕下の場所手当は16万5000円で、2027年初場所から18万円です。
2027年の改定では、三段目が12万円、序二段が9万5000円、序ノ口以下が8万2000円に引き上げられます。
このように、同じ力士であっても番付が変われば収入体系そのものが変わります。
【月給だけでは分からない】力士の年収を左右する賞与と各種手当
力士の年収を正確に考えるには、月給だけを12倍して終わりにするわけにはいきません。
関取には基本給以外にも、賞与、本場所特別手当、出張手当、力士補助費、力士褒賞金などがあります。
関取には年2回の賞与がある関取には年2回の賞与があり、一般的な年収試算では月給2か月分が年間の賞与として計算されています。
例えば横綱の場合、月給300万円に対して年間の賞与は合計600万円です。基本給3600万円と合わせると、4200万円になります。
ただし、これだけで実際の年収が決まるわけではありません。各種手当や力士褒賞金がさらに加算されます。
本場所特別手当は出場日数によって変わる本場所特別手当は、小結以上の力士に支給される手当です。
2026年の試算で用いられている1場所当たりの金額は、横綱20万円、大関15万円、関脇・小結5万円です。
ただし、出場日数によって支給額が変わります。11日以上出場した場合は満額、6~10日の出場では3分の2、1~5日では3分の1となり、全休の場合は支給されません。
年間6場所を全て出場した場合、横綱は120万円、大関は90万円、三役は30万円が目安になります。
地方場所では出張手当も支給される大相撲は東京だけで開催されるわけではありません。3月の大阪場所、7月の名古屋場所、11月の九州場所では、地方への移動や滞在に伴う出張手当が支給されます。
出張手当には宿泊費や日当に相当する項目があり、番付によって金額が異なります。
加えて、東京場所では力士補助費もあります。稽古まわし、締め込み、化粧まわし、結髪などに必要な費用を補うためのものです。
2026年と2027年の推定年収の最低ライン月給、年間賞与、各種手当、最低額の力士褒賞金を組み合わせると、関取の年収の目安が見えてきます。
2026年の試算では、各地位に1年間在位し、本場所特別手当の満額を受け取り、力士褒賞金が最低支給標準額だった場合、次のようになります。
- 横綱:4803万円
- 大関:3937万2500円
- 関脇・小結:2786万5500円
- 前頭:2186万500円
- 十両:1711万7500円
2027年の改定後についても、同じ条件で試算すると、横綱は5223万円、大関は4287万2500円、関脇・小結は3066万5500円、前頭は2396万500円、十両は1851万7500円となります。
なお、2027年の試算では、本場所特別手当、出張手当、力士補助費について改定額が公表されていないため、従来の金額を使っています。したがって、確定した給与総額ではありません。
また、これらの金額には幕内優勝賞金、三賞賞金、懸賞金などは含まれていません。実際の収入は成績や番付、スポンサーの数によって変動します。
【勝てば収入も増える】力士褒賞金・懸賞金・優勝賞金の仕組み
大相撲には、一般的な給与体系とは異なる独特の報酬制度があります。その代表が力士褒賞金です。
加えて、幕内の取組では企業が提供する懸賞金が懸けられ、優勝すれば高額の賞金を獲得できます。
力士褒賞金は過去の成績が積み上がる制度力士褒賞金は、過去の成績に応じて積み上がる、いわば継続型の成果報酬です。「持ち給金」と呼ばれる支給標準額を基に計算されます。
基本的な仕組みは次のとおりです。
- 序ノ口に上がった際、持ち給金の基準として3円が設定される。
- 本場所で勝ち越すと、勝ち越し1点につき50銭が加算される。
- 平幕力士が横綱に勝つ金星では10円が加算される。
- 幕内優勝では30円、全勝優勝では50円が加算される。
- 各場所の支給額は、持ち給金に4000倍を掛けて算出する。
例えば、持ち給金が100円の力士であれば、100円×4000で1場所当たり40万円の力士褒賞金を受け取る計算です。
重要なのは、勝ち越しや金星による加算が、その場所限りの賞金ではないことです。積み上がった持ち給金は、その後の場所の褒賞金にも影響します。
番付ごとに最低支給標準額が設定されている力士褒賞金には、番付ごとの最低支給標準額があります。
- 横綱:150円。1場所当たり最低60万円。
- 大関:100円。1場所当たり最低40万円。
- 幕内:60円。1場所当たり最低24万円。
- 十両:40円。1場所当たり最低16万円。
昇進時には最低支給標準額に達していない場合の加算措置もあります。ただし、地位が下がった場合には昇進時に加算された分が差し引かれる仕組みです。
この制度があるため、同じ横綱や大関でも、過去にどれだけ勝ち越し、金星、優勝を積み重ねてきたかによって褒賞金の額は異なります。
懸賞金は1本7万円、勝った力士の獲得額は6万円大相撲のテレビ中継で、取組前に企業名が入った懸賞旗が土俵を回る光景を見たことがある人も多いでしょう。
懸賞金は、企業や団体が特定の取組に対して提供する賞金です。日本相撲協会の公式案内によると、懸賞を懸けられるのは幕内の取組に限られます。
懸賞金の基本的な内訳は次のとおりです。
- 懸賞1本:7万円
- 勝ち力士の獲得額:6万円
- 日本相撲協会の手数料:1万円
つまり、10本の懸賞が懸かった取組に勝てば、力士側に入る金額は合計60万円です。
ただし、ここで注意したいのが、土俵上で受け取る懸賞袋の現金と、実際の獲得額は同じではないという点です。
2025年5月場所からは、セキュリティー面などへの配慮から、土俵上で渡される現金が従来の3万円から1万円に変更されました。残りの5万円は本人名義の預り金として扱われます。
したがって、現在の懸賞金は1本当たり1万円だけを獲得する制度になったわけではありません。勝ち力士の獲得額6万円は変わっていません。
2027年から幕内優勝賞金は2000万円に倍増2026年7月30日の理事会発表で、優勝賞金と三賞賞金の大幅な増額も決まりました。
幕内最高優勝賞金は、これまでの1000万円から2000万円へと倍増します。1994年以来、33年ぶりの改定です。
2027年初場所からの主な優勝賞金は次のとおりです。
- 幕内優勝:2000万円(従来1000万円)
- 十両優勝:300万円(従来200万円)
- 幕下優勝:70万円(従来50万円)
- 三段目優勝:50万円(従来30万円)
- 序二段優勝:30万円(従来20万円)
- 序ノ口優勝:20万円(従来10万円)
加えて、殊勲賞、敢闘賞、技能賞の三賞賞金も、各200万円から300万円に増額されます。
今回の改定について、日刊スポーツの報道では、藤島広報部長(元大関・武双山)が物価高騰や他競技との比較を踏まえ、幕内優勝賞金2000万円に相応の価値があるとの考えを説明しています。
賞金の増額は、優勝を争う上位力士だけでなく、各段の優勝を目指す若手力士にとっても大きな励みになる制度変更です。
【2026年の年収ランキング】大の里・豊昇龍・霧島はいくら稼ぐ?
力士の年収は、番付だけで決まるものではありません。特に力士褒賞金は過去の成績によって異なるため、同じ横綱でも収入に差が生まれます。
2026年9月場所の番付を基準に、公開されている成績と給与・手当の制度から独自計算した推定年収では、上位に大の里、豊昇龍、霧島が並んでいます。
2026年9月番付を基準とした推定年収トップ3- 1位・大の里:推定5067万円
- 2位・豊昇龍:推定4899万円
- 3位・霧島:推定4232万4500円
このランキングは、2026年9月場所の番付のまま1年間在位したと仮定した試算です。月給、賞与、手当、力士褒賞金を合算しています。
幕内優勝賞金、三賞賞金、懸賞金は含まれていません。また、各力士の実際の年間収入を確定したものでもありません。
2027年の給与改定後、同じ番付と持ち給金で1年間過ごした場合の試算では、大の里が5487万円、豊昇龍が5319万円、霧島が4582万4500円となります。
この数字からも、基本給の増額に加え、過去の実績によって蓄積された力士褒賞金が年収を押し上げることが分かります。
幕下で6勝1敗なら場所ごとにいくら受け取れる?関取と幕下以下の待遇差を具体的に理解するため、幕下で6勝1敗の成績を残したケースを見てみましょう。
2026年の制度では、幕下の場所手当16万5000円に、勝星金2万1000円、勝ち越し金4万円が加算されます。
計算は次のとおりです。
- 場所手当:16万5000円
- 勝星金:3500円×6勝=2万1000円
- 勝ち越し金:8000円×5点=4万円
- 合計:22万6000円
2027年1月場所からは、同じ6勝1敗でも場所手当18万円、勝星金2万4000円、勝ち越し金5万円となり、合計25万4000円に増えます。
ただし、これは1場所分の金額です。毎月22万6000円や25万4000円が支給されるわけではありません。
関取と幕下では生活面の待遇も異なる関取と幕下以下の違いは、給与だけではありません。
関取は相撲部屋でも個室が与えられるなど、生活上の待遇が大きく変わります。一方、幕下以下は原則として共同生活を送り、部屋の中での役割や日常の生活にも違いがあります。
こうした経済面・生活面の格差があるため、関取経験のある力士が幕下に陥落すると、現役を続けるか引退するかという重大な判断を迫られることもあります。
十両昇進は、単なる番付上昇ではなく、力士としての生活基盤を変える大きな節目なのです。
【力士の給料に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:横綱の給料は年収にするといくらですか?
A1:2026年の横綱の月給は300万円で、基本給だけなら年間3600万円です。賞与や各種手当、最低額の力士褒賞金を加えた試算では4803万円が目安になります。2027年初場所からは月給330万円となり、同じ条件での年収試算は5223万円です。
Q2:幕下の力士には給料がないのですか?
A2:幕下以下には関取のような月給制度はありません。ただし、無収入という意味ではなく、本場所ごとの場所手当や勝星金、勝ち越し金が支給されます。2026年の幕下の場所手当は16万5000円、2027年からは18万円です。
Q3:懸賞金1本を獲得すると力士はいくらもらえますか?
A3:懸賞金1本は7万円で、協会手数料1万円を差し引いた6万円が勝ち力士の獲得額です。2025年5月場所から、土俵上で受け取る現金は1万円となり、残り5万円は本人名義の預り金として扱われています。
Q4:2027年から力士の給料は全員上がりますか?
A4:関取の月給は横綱、大関、三役、平幕、十両の全区分で増額されます。幕下以下も場所手当、勝星金、勝ち越し金が引き上げられます。適用は2027年初場所からです。
Q5:力士の年収ランキングは公式発表されていますか?
A5:日本相撲協会が全力士の年収ランキングを公式に公表しているわけではありません。公開されている番付や成績、給与制度を基にした民間の推定ランキングがあります。懸賞金や賞金を含むかどうかによっても順位や金額は変わります。
まとめ:力士の給料は番付と成績で大きく変わる
2026年の大相撲では、横綱の月給300万円、大関250万円、三役180万円、平幕140万円、十両110万円という給与体系が適用されています。幕下以下は月給制ではなく、場所手当と成績に応じた奨励金が収入の中心です。
加えて、力士の収入には賞与、各種手当、力士褒賞金、懸賞金、優勝賞金が加わります。特に力士褒賞金は過去の成績が長期的に反映されるため、同じ番付でも力士ごとに収入が異なります。
2027年初場所からは、関取の月給が約10%前後増額され、幕内優勝賞金は2000万円に倍増します。幕下以下の場所手当や奨励金、各段の優勝賞金も引き上げられるため、力士全体の待遇改善につながる改定です。
【プロの結論】
力士の給料を理解するうえで最も大切なのは、月給と年収を混同しないことです。横綱の月給300万円という数字だけでは、賞与や褒賞金を含む実際の報酬体系は見えてきません。
また、十両昇進を境に月給制へ移行することは、相撲界の厳しい競争構造を象徴しています。幕下でどれだけ実績を積んでも、関取にならなければ固定給は得られません。
2027年の改定は、こうした力士の待遇を改善する大きな節目です。今後の大相撲を見る際には、勝敗や優勝争いだけでなく、番付の変動が力士の収入にどのような影響を与えるのかにも注目すると、土俵の戦いをより深く理解できます。
主な参照資料・数値の根拠
- 日本相撲協会「懸賞について」「大相撲クイズ」
- 日本相撲協会の給与・褒賞金規定を記載した裁判所公開判決文
- 2026年7月30日付デイリースポーツの給与・手当改定報道
- 2026年7月30日付日刊スポーツの優勝賞金・三賞改定報道
- 2026年9月番付を基準にした推定年収ランキングと計算条件