山田孝之が演じた進藤勘九郎は、唯野高校水泳部に所属する18歳の男子高校生。シンクロナイズドスイミングに憧れながらも、泳ぎが苦手で、自分に自信を持てない気弱な青年だ。
勘九郎がシンクロに惹かれたきっかけは、1年生のときに見た学園祭の男子シンクロ公演だった。その華やかな演技に心を奪われ、水泳部に入部するものの、2年生の学園祭では緊張による体調不良で出演できなかった。
そして3年生になった勘九郎に、再び大きなチャンスが訪れる。ところが、教育委員会からシンクロ公演の自粛を求められ、水泳部員たちも多数決で公演を諦めてしまう。
そこに転校してきたのが、森山未來演じる立松憲男だった。
憲男の情熱に巻き込まれた勘九郎は、最初こそ戸惑いながらも、仲間とともにシンクロの実現を目指すようになる。
進藤勘九郎という役柄が印象に残る理由勘九郎の魅力は、最初から何でもできるリーダーではないところにある。
身体能力に優れているわけでもなく、強い自己主張ができるわけでもない。好きな女の子に話しかけることさえためらう、ごく普通の高校生だ。
そんな彼が、仲間との関係を通して少しずつ変わっていく。
山田孝之の演技は、勘九郎の不器用さや戸惑いをコミカルに表現する一方、仲間を思う気持ちが強くなるにつれて、表情や行動にも変化を与えている。
特に終盤では、自分の成功だけではなく、仲間が夢を諦めずに済むことを大切にする人物へと成長していく。
この役柄は、後年の『世界の中心で、愛をさけぶ』や『電車男』などで見せる山田孝之の演技とはまた異なる、初期の魅力を感じられる作品だ。
山田孝之にとってテレビドラマ初主演の作品所属事務所スターダストプロモーションの公式プロフィールには、1999年の俳優デビューに続き、2003年の『ウォーターボーイズ』でテレビドラマ初主演を果たしたことが記載されている。
つまり、本作は単なる人気青春ドラマへの出演ではない。
俳優としてキャリアを積んできた山田孝之が、連続ドラマの中心人物を任されるようになった重要な転換点だった。
その後、幅広いジャンルで主演を務める俳優へと成長していく山田孝之のキャリアを考えるうえでも、見逃せない作品である。
【映画版とドラマ版の違い|妻夫木聡と山田孝之は別の主人公】

『ウォーターボーイズ』を調べる際に混同されやすいのが、2001年の映画版と2003年のテレビドラマ版だ。
どちらも男子高校生がシンクロに挑戦する物語だが、主人公も登場人物も異なる。
2001年の映画版は妻夫木聡が主演映画版は2001年9月15日に劇場公開された、矢口史靖監督・脚本による青春コメディ。
主人公は妻夫木聡演じる鈴木智だ。
廃部寸前の男子水泳部に女性教師の佐久間恵が赴任し、シンクロナイズドスイミングを始めることになる。しかし、競泳ではなくシンクロをすると知った部員たちは次々に逃げ出し、最後に残った5人が学園祭での公演を目指して練習を始める。
映画版の主要キャストには、次の俳優が名を連ねている。
- 妻夫木聡:鈴木智
- 玉木宏:佐藤勝正
- 三浦アキフミ:太田祐一
- 近藤公園:金沢孝志
- 金子貴俊:早乙女聖
- 眞鍋かをり:佐久間恵
- 竹中直人:磯村
上映時間は91分。男子高校生たちが慣れないシンクロに挑む姿を、テンポのよい笑いと青春ドラマに仕上げている。
2003年のドラマ版は映画の世界観を受け継ぐ新しい物語ドラマ版は、映画版の世界観を引き継ぎ、後輩世代の男子高校生たちを中心に描いた作品だ。
映画版の主人公・鈴木智が進藤勘九郎になるわけではない。
勘九郎はドラマ版独自の主人公であり、山田孝之が演じたキャラクターだ。
映画版では5人の高校生が学園祭の公演を目指すのに対し、2003年版では学校内のシンクロ自粛問題から物語が始まり、仲間を増やしながら公演実現を目指していく。
この設定の広がりが、連続ドラマならではの人間関係や成長物語につながっている。
映画版・ドラマ版・2004年版の比較| 比較項目 | 映画版 | 2003年ドラマ版 | 2004年ドラマ版 |
|---|---|---|---|
| 公開・放送 | 2001年 | 2003年 | 2004年 |
| 主演 | 妻夫木聡 | 山田孝之 | 市原隼人 |
| 主人公 | 鈴木智 | 進藤勘九郎 | 水嶋泳吉 |
| 主な舞台 | 唯野男子高校 | 唯野高校 | 姫乃高校 |
| 中心テーマ | 5人の挑戦 | 仲間との成長と公演実現 | 32人のシンクロへの情熱 |
| 作品形式 | 映画・91分 | 連続ドラマ | 連続ドラマ |
2004年版には、市原隼人、中尾明慶、小池徹平、石原さとみらが出演した。
フジテレビの発表によると、2003年版の全話平均視聴率は16.0%、2004年版は16.8%(いずれも関東地区・世帯、ビデオリサーチ調べ)。
映画からテレビドラマへと展開したシリーズが、異なる世代の俳優たちによって支持されていたことが分かる。
【2003年版ウォーターボーイズのキャスト一覧|森山未來・瑛太との関係】
山田孝之だけでなく、現在も第一線で活躍する俳優たちが多数出演している点も、2003年版の大きな魅力だ。
主要キャストと役名・人物関係| 俳優名 | 役名 | 役柄・関係性 |
|---|---|---|
| 山田孝之 | 進藤勘九郎 | 主人公。シンクロに挑む水泳部員 |
| 森山未來 | 立松憲男 | シンクロに強い情熱を持つ転校生 |
| 瑛太(永山瑛太) | 田中昌俊 | 生徒会長。勘九郎たちに関わる重要人物 |
| 石垣佑磨 | 高原剛 | 個性的な水泳部員 |
| 石井智也 | 石塚太 | シンクロメンバー |
| 宮地真緒 | 大西麻子 | 勘九郎の幼なじみ |
| 香椎由宇 | 花村響子 | 勘九郎が憧れる女子高校生 |
| 玉木宏 | 佐藤勝正 | 水泳部のOB |
| 杉本哲太 | 杉田 | 学校の教師 |
| 竹中直人 | 磯村 | イルカの調教師 |
| 柄本明 | ママ | 商店街の人々を巻き込む存在 |
| 布施明 | 山岡教頭 | シンクロ公演に反対する教頭 |
※フジテレビの各話番組情報に掲載された主要出演者を中心に整理。
森山未來が演じた立松憲男は物語の推進役森山未來演じる立松憲男は、2003年版を語るうえで欠かせない人物だ。
勘九郎とは対照的に、シンクロへの情熱をストレートに表現する性格で、転校してくるとすぐに公演の実現に向けて動き始める。
勘九郎が自分の気持ちをうまく表現できないのに対し、憲男は周囲を巻き込みながら前進するタイプ。
この対照的な2人が出会うことで、物語が動き始める。
また、終盤では憲男自身も父親との関係という問題に直面する。勘九郎が彼を支えようとする姿には、単なる部活動の仲間を超えた友情が表れている。
瑛太が演じた田中昌俊と現在の永山瑛太田中昌俊を演じたのは瑛太。
現在は永山瑛太の名前で活動している俳優だ。
作中では生徒会長として登場し、当初は男子のシンクロに否定的な立場を取る。
しかし、物語が進むにつれて勘九郎たちとの関係にも変化が生まれ、チームを支える重要な人物になっていく。
山田孝之、森山未來、永山瑛太という現在も知られる俳優が、若い時期に同じ青春ドラマで共演していたことは、過去の出演作を振り返る際の大きな見どころだ。
玉木宏も映画版とドラマ版の両方に出演玉木宏は、2001年の映画版では佐藤勝正役、2003年のドラマ版でも佐藤勝正役を演じている。
映画版とドラマ版をつなぐ存在の一人であり、シリーズの連続性を感じさせるキャスティングだ。
映画での5人の青春を知っている視聴者にとっても、ドラマ版に再登場する人物を見つける楽しみがあった。
【ウォーターボーイズのあらすじ・放送期間・最終回のシンクロ公演】
2003年版は、フジテレビ系列の火曜21時枠で放送された連続ドラマ。
放送期間と基本情報| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | ウォーターボーイズ |
| 放送局 | フジテレビ系 |
| 放送開始 | 2003年7月1日 |
| 最終回 | 2003年9月9日 |
| 話数 | 全11話 |
| 主演 | 山田孝之 |
| 主な出演者 | 森山未來、瑛太、石垣佑磨、玉木宏ほか |
| 原作 | 矢口史靖・アルタミラピクチャーズ |
| 脚本 | 橋本裕志、中谷まゆみ |
| 音楽 | 佐藤直紀 |
| 主題歌 | 福山雅治「虹」 |
| 制作 | フジテレビジョン、共同テレビジョン |
勘九郎が所属する唯野高校水泳部では、学園祭でのシンクロ公演が恒例となっていた。
ところが、教育委員会から公演の自粛を求められる。
水泳部員たちは進学や競技成績を優先するため、公演を諦める方向へ進んでしまう。
そんな中、立松憲男が転校してくる。
憲男は男子シンクロに強い憧れを持ち、勘九郎とともに公演実現に向けて行動する。
やがて高原剛や石塚太、田中昌俊らも加わり、シンクロ同好会が結成される。
しかし、練習場所の確保、周囲の反対、メンバー同士の衝突など、問題は次々に発生する。
最終回は32人によるシンクロ公演がクライマックス最終回のタイトルは「男のシンクロ公演最高の涙!」。
2003年9月9日に放送された第11話では、いよいよ待ちに待ったシンクロ公演の日が描かれる。
この最終回では、勘九郎や憲男、田中、高原、石塚らを中心に、総勢32人のメンバーが本番に向けて準備を進める。
ところが、公演直前に思いもよらないトラブルが起きる。
前夜祭で乾かしていた海水パンツが火に落ちて黒焦げになってしまうのだ。
本番用の衣装が間に合うのかという危機に、OBの佐藤勝正(玉木宏)が海水パンツを持って登場する。
この場面は、シリーズらしいコミカルな展開と仲間同士の助け合いが凝縮された場面だ。
そして、いよいよ観客が集まり、シンクロ公演が始まる。
最終回では、単に演技の完成度を競うのではなく、仲間と一緒に一つの目標に向かってきた時間そのものが描かれている。
放送当時の人気を示す視聴率フジテレビが2026年10月に発表したシリーズ紹介によると、2003年版の全話平均視聴率は16.0%だった。
2004年版も16.8%を記録している。
いずれも関東地区の世帯視聴率であり、ビデオリサーチ調べによる数値だ。
映画から始まった作品が、テレビドラマでも高い支持を得たことは、シリーズの人気を裏付ける実績となっている。
【主題歌は福山雅治の「虹」|ドラマを彩った音楽の魅力】
2003年版の主題歌は、福山雅治の「虹」。
作品の爽やかな青春イメージと重なる楽曲として、ドラマを象徴する存在になった。
「虹」は2003年8月27日発売福山雅治の公式サイトによると、「虹」は2003年8月27日に発売された18枚目のシングル「虹/ひまわり/それがすべてさ」の収録曲だ。
フジテレビ系ドラマ『ウォーターボーイズ』の主題歌として使用されたことも、公式の作品履歴に記載されている。
このシングルには、ほかにも「ひまわり」「それがすべてさ」などが収録されている。
なぜ「虹」がウォーターボーイズの印象と結びつくのかドラマの中心にあるのは、何かに本気で取り組むことを諦めていた高校生たちが、仲間と出会い、再び目標に向かって走り出す姿だ。
勘九郎も最初から自信に満ちた人物ではない。
周囲の目を気にし、失敗を恐れ、自分の本当の気持ちをなかなか表現できない。
そんな人物が仲間との経験を通じて変わっていく物語に、福山雅治の「虹」が重なる。
音楽とドラマの内容が一体となり、2003年版を思い出す際の象徴的な要素になっている。
なお、主題歌を担当したのは福山雅治であり、山田孝之が歌唱した楽曲ではない。この点も混同しないようにしたい。
【山田孝之の現在2026年最新|ウォーターボーイズ出演後のキャリア】
『ウォーターボーイズ』でテレビドラマ初主演を経験した山田孝之は、その後、映画やテレビ、配信作品など幅広いジャンルで活躍している。
2003年以降の代表的なキャリア山田孝之の代表作には、次のような作品がある。
- 『世界の中心で、愛をさけぶ』
- 『電車男』
- 『闇金ウシジマくん』シリーズ
- 『勇者ヨシヒコ』シリーズ
- 『全裸監督』
- 映画『十一人の賊軍』
- 映画『正体』
青春ドラマの主人公から、シリアスな人間ドラマ、コメディー、社会派作品まで、演じる役柄の幅を広げてきた。
特に『闇金ウシジマくん』や『勇者ヨシヒコ』シリーズでは、作品ごとに異なる個性を発揮している。
2025年には映画『正体』で第48回日本アカデミー賞の優秀助演男優賞を受賞したことも、所属事務所のプロフィールに掲載されている。
2026年の最新活動はオーディションプロジェクト2026年11月2日時点で、所属事務所の公式プロフィールには、山田孝之が関わる新しいプロジェクトとして『THE OPEN CALL -MAIN PARTNER 山田孝之-』が掲載されている。
2026年9月28日にはYouTubeで第0回が配信され、10月1日からはLeminoで独占配信が始まった。
俳優として作品に出演するだけではなく、オーディションを通じて新しい才能と関わる活動にも取り組んでいる。
また、2026年6月26日公開の『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』ではヨシヒコ役として声の出演を務めている。
今後の予定としては、Netflix作品『国民クイズ』の主演が2026年12月17日公開予定として公式プロフィールに掲載されている。
2027年にはウォーターボーイズの新作が放送決定2026年10月16日、フジテレビは完全新作の連続ドラマ『ウォーターボーイズ2027』の制作・放送を発表した。
放送開始は2027年7月の予定。
2001年の映画公開から26年を経て、シリーズが新たな形で帰ってくることになる。
新作の舞台は2027年。夢や居場所を見つけられない男子高校生たちが、古びたプールでシンクロに出会い、高校最後の夏を仲間とともに過ごす物語だ。
今回の新シリーズでは、出演する男子高校生役をオーディションで決定する方針が発表されている。
オーディションから稽古、撮影まで約1年をかける「WATER BOYSプロジェクト」も始動している。
ただし、2026年11月2日時点で発表されている新作情報に、山田孝之の出演決定は含まれていない。
したがって、2003年版の主人公が2027年版にも登場すると決まったわけではない。
2026年に改めて注目したい山田孝之と作品の関係2003年版は山田孝之にとってテレビドラマ初主演の作品であり、俳優としてのキャリアを語るうえで重要な位置を占めている。
2027年版の制作発表によって、過去のシリーズに関心を持つ人が増えることも予想される。
映画版の妻夫木聡、2003年版の山田孝之、2004年版の市原隼人と、各時代の俳優が作品の中心を担ってきた。
新作では、どのような俳優たちが次のウォーターボーイズを演じるのかにも注目したい。
【ウォーターボーイズと山田孝之に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:山田孝之はウォーターボーイズで何役を演じていますか?
A1:2003年放送のフジテレビ系ドラマで、主人公の進藤勘九郎を演じています。シンクロに憧れながらも自信のない高校生が、仲間とともに成長していく役柄です。
Q2:森山未來と山田孝之はウォーターボーイズで共演していますか?
A2:共演しています。森山未來は立松憲男役で、勘九郎とともにシンクロ公演の実現を目指す重要人物です。
Q3:瑛太はウォーターボーイズで何役でしたか?
A3:瑛太は田中昌俊役を演じました。現在は永山瑛太の名前で活動しています。
Q4:ウォーターボーイズのドラマ版はいつ放送されましたか?
A4:山田孝之主演の2003年版は、2003年7月1日から9月9日まで放送されました。全11話です。
Q5:ウォーターボーイズの主題歌は誰が歌っていますか?
A5:福山雅治の「虹」です。2003年8月27日に発売されたシングルに収録されています。
Q6:山田孝之にとってウォーターボーイズは初主演作品ですか?
A6:テレビドラマとしては初主演作品です。所属事務所の公式プロフィールにも、2003年の『ウォーターボーイズ』でテレビドラマ初主演を務めたと記載されています。
Q7:2027年の新作ウォーターボーイズに山田孝之は出演しますか?
A7:2026年11月2日時点では、山田孝之の出演は公式発表されていません。2027年版は新しい男子高校生役をオーディションで選ぶ方針が発表されています。
まとめ:山田孝之の原点を知るなら2003年版は必見
山田孝之が『ウォーターボーイズ』で演じたのは、2003年版ドラマの主人公・進藤勘九郎。映画版の妻夫木聡とは異なる人物であり、森山未來、瑛太(永山瑛太)、玉木宏らとともに青春ドラマを作り上げた。
この作品が持つ最大の価値は、山田孝之のテレビドラマ初主演というキャリア上の節目だけではない。自信のない高校生が仲間と出会い、少しずつ自分の意思で行動できるようになる成長物語にある。
【プロの結論】
『ウォーターボーイズ』を深く楽しむなら、次の3つの視点を押さえておきたい。
- 山田孝之の初期の演技と、後年の代表作との違いを比較する。
- 森山未來や永山瑛太との共演を通じて、2003年版独自の人間関係を楽しむ。
- 2001年の映画版、2003年・2004年のドラマ版を見比べ、シリーズが受け継いできた青春のテーマを理解する。
2027年7月には『ウォーターボーイズ2027』の放送も予定されている。2003年版で進藤勘九郎を演じた山田孝之の姿は、シリーズの歴史を振り返るうえで欠かせない存在だ。
新しい世代の男子高校生たちが、どのような仲間と出会い、水の中で青春を表現するのか。過去の名作を振り返りながら、新シリーズの続報にも注目したい。
主な根拠資料: フジテレビの2003年版番組・各話記録、スターダストプロモーションの公式プロフィール、福山雅治公式サイト、フジテレビの2026年10月16日付『ウォーターボーイズ2027』発表。