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【体温計非接触の仕組み】赤外線で体温を測定する原理とは?

小野寺 拓海 小野寺 拓海 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
目次

非接触体温計の正式な医療機器上の一般的名称は「皮膚赤外線体温計」です。額などの皮膚表面から自然に放射される赤外線をセンサーで受け取り、そのエネルギー量から温度を算出します。

一般的な電子体温計が脇などに直接接触して温度を測るのに対し、非接触型は皮膚に触れずに測定できる点が特徴です。

赤外線センサーは何を検知している?

多くの製品には、サーモパイルと呼ばれる熱型赤外線センサーが搭載されています。皮膚から放射される赤外線エネルギーを電気信号に変換し、内部の演算処理によって温度を表示します。

ここで知っておきたいのは、非接触体温計が体内の深部体温を直接測定しているわけではないという点です。

額の皮膚表面温度は、口腔内や脇などの温度と異なります。そのため、医療用の製品ではメーカー独自の補正アルゴリズムを用いて、基準となる体温に相当する数値を表示する設計が採用されています。

非接触体温計のメリットとデメリット


メリット
- 肌に触れずに測れる
- 測定時間が短い
- 複数人の検温に便利
- 寝ている子どもにも使いやすい
- 測定器の接触部分を介した汚染を抑えやすい

デメリット
- 周囲の温度に影響される
- 測定距離や角度に左右される
- 汗や化粧品の影響を受ける
- 製品によって測定精度が異なる
- 接触式との数値比較が難しい

衛生面とスピードに優れる一方、測定条件を整える必要があります。特に、屋外から戻った直後や冷暖房の風が直接当たる場所では、額の表面温度が安定していない可能性があります。

【2026年最新ニュース】非接触体温計の技術と市場動向を詳しく解説

体温計非接触

2026年の関連ニュースで注目したいのは、赤外線センサーの小型化・高性能化と、家庭用体温計全体の測定時間短縮です。

2026年9月、MEMS非接触赤外線温度センサーが登場

ミネベアミツミは2026年9月11日、グループ会社のミツミ電機がMEMS技術を利用したサーモパイル型赤外線温度センサー「MMS701」「MMS702シリーズ」の販売を開始したと発表しました。

発表された製品には、単眼タイプのMMS701と、8素子アレイを搭載して広角の温度分布を把握できるMMS702があります。

同社は、家電製品や非接触型体温計、サーバーなどの異常温度監視システムを用途として挙げています。加えて、狭視野角や耐高周波ノイズに対応するMMS703も開発中としています。

ただし、これは赤外線温度センサー部品のニュースであり、MMS701やMMS702を搭載した新しい家庭用体温計が同日に発売されたという意味ではありません。

オムロンとテルモも2026年に体温計を刷新

2026年は、非接触型だけでなく、接触式の電子体温計にも改良が見られます。

オムロン ヘルスケアは2026年8月26日、予測式体温計「MC-H500」を発表しました。9月1日発売で、検温開始から約10秒で測定結果を表示する仕様です。

テルモも2026年4月27日、約10秒で測定できる「テルモ電子体温計P210」を発売しました。従来モデルの平均約20秒から測定時間を短縮し、本体と収納ケースの清潔さにも配慮した製品です。

ここで注意したいのは、MC-H500とP210はいずれも接触式の電子体温計だということです。非接触体温計の新製品と混同してはいけません。

2026年の主な関連動向・関係性一覧

非接触体温計を取り巻く動きを整理すると、センサー技術の進歩と、家庭で使う体温計の利便性向上という2つの流れが見えてきます。

時期・主体 発表・制度の内容 非接触体温計との関係 2012年・厚生労働省 皮膚赤外線体温計の認証基準を設定 医療機器としての品質・安全性を評価する枠組み 2026年4月・テルモ 電子体温計P210を発売。約10秒で測定 接触式体温計の利便性向上 2026年8~9月・オムロン MC-H500を発表・発売。約10秒の予測検温 接触式体温計の測定時間短縮 2026年9月・ミネベアミツミ MMS701・MMS702の販売を開始 非接触赤外線温度センサー技術の進化 2026年9月末・PMDA 医療機器の一般的名称・分類情報を確認できる 皮膚赤外線体温計はクラスIIに分類

出典:厚生労働省の認証基準、PMDA、各メーカーの2026年公式発表。

こうした動向から、2026年の注目点は単純な測定スピードだけではありません。赤外線センサーの性能、温度補正、使いやすさ、測定環境への対応など、複数の要素が製品の実用性を左右しています。

【精度を徹底比較】非接触体温計と接触式・耳式はどっちが正確?

非接触体温計を購入する際、最も気になるのが測定精度です。

「非接触だから正確ではない」という意見もありますが、これは少し単純化された理解です。重要なのは、何を測定しているのか、どのような環境で使うのか、そして製品がどのような精度基準で設計されているかです。

3種類の体温計の違い

種類 測定方法 主な特徴
非接触式 額などの皮膚から出る赤外線を検知 素早く衛生的に測れる
脇式 脇に測定部を密着させる 家庭での日常的な検温に使いやすい
耳式 外耳道からの赤外線を検知 短時間で測定できる

耳式体温計も赤外線を利用しますが、額の皮膚表面を測る非接触式とは測定部位が異なります。

PMDAの医療機器情報では、皮膚赤外線体温計は皮膚の赤外線放射量からその部位の温度を推定する装置として分類されています。測定部位が違う以上、数値が完全に一致しないこと自体は不自然ではありません。

非接触体温計の誤差はどのくらい?

すべての製品に共通する誤差の数値はありません。メーカーやセンサーの仕様、温度補正の仕組み、測定環境によって性能が変わるためです。

2021年に医学・工学分野の学術誌に掲載された研究では、6モデルの非接触赤外線体温計を検証したところ、6モデル中5モデルで、予測される誤差が0.3℃を超える結果となりました。

ただし、これは特定の機種を対象とした実験結果です。2026年に販売されているすべての製品が同じ誤差を持つという意味ではありません。製品間の性能差や測定アルゴリズムの影響を考える材料として読むべき研究です。

測定結果が低く出る主な原因

- 冬場に屋外から戻った直後で額が冷えている
- 額に汗が残っている
- 前髪や帽子が測定部位を覆っている
- 指定距離より離れた位置から測定している
- センサーが額に対して斜めになっている
- 直射日光や暖房器具の熱が影響している
- センサー部分が汚れている

PMDAも、汗やファンデーション、周囲の温度、測定距離などが結果に影響すると注意喚起しています。

したがって、測定値が低いからといって、必ずしも体温計そのものが故障しているとは限りません。まず測定条件を確認することが大切です。

【正しい使い方】非接触体温計で正確に測る7つのポイント

非接触体温計の性能を十分に活用するには、使用方法を守ることが欠かせません。

1.使用する場所の温度に本体をなじませる

寒い場所から暖かい室内に移動した直後などは、本体の温度が周囲と一致していない場合があります。

製品の説明書に従い、必要に応じて室温になじませてから使用してください。米国FDAの一般的な使用案内では、測定環境に10~30分程度置いて温度を適応させる方法が紹介されています。ただし、この時間をすべての機種に一律適用するものではありません。

2.額の汗や汚れを取り除く

額に汗や化粧品、ファンデーションなどが残っていると、測定結果に影響する可能性があります。

測定前に額を清潔で乾いた状態に整えましょう。

3.測定モードを確認する

非接触赤外線温度計には、人体の体温測定だけでなく、物体表面温度や室温を測る機能が搭載されている製品があります。

物体温度モードで測定してしまうと、人体用の補正値とは異なる結果が表示される場合があります。必ず体温測定モードを選択してください。

4.メーカー指定の距離を守る

額から何センチ離すべきかは、製品によって異なります。

例えば、PMDAに公開されている非接触式体温計の添付文書には、額から1~3cm離して測定する製品があります。一方、別の製品では異なる距離が指定されています。機種ごとの説明書が最優先です。

5.センサーを額に対して垂直に向ける

斜めから測ると、センサーが受け取る赤外線の条件が変わります。額に対して垂直に向け、測定中は頭を動かさないようにしましょう。

6.直射日光や冷暖房の風を避ける

日光や暖房器具、エアコンの風が直接当たる場所では測定条件が安定しません。室内の落ち着いた場所で測ることをおすすめします。

7.異常な数値が出たら再測定する

明らかに普段と違う値が出た場合は、額の状態や測定距離を確認して再測定してください。

体調不良や発熱が疑われる場合は、脇式などの接触式体温計でも確認し、測定値だけで健康状態を判断しないことが大切です。

正確な測定の基本

清潔で乾いた額・適切な室温・指定された距離・垂直な角度。この4つを意識するだけでも、測定条件を整えやすくなります。

【噂の真相・ネットの反応】非接触体温計は危険?精度が悪い?炎上の実態

非接触体温計については、測定値のばらつきや安全性を疑問視する声が見られます。特に、コロナ禍に多くの施設で使用されたことから、額に向けて測定する行為そのものに不安を感じる人もいます。

ここでは、よくある疑問を科学的な仕組みと公的情報から整理します。

噂1:非接触体温計から危険な放射線が出ている?

誤解

非接触体温計の基本的な測定原理は、人体から自然に放射される赤外線をセンサーで受け取ることです。

X線検査装置のように、人体にX線を照射して内部を撮影する仕組みではありません。赤外線を利用するという言葉だけで、危険な放射線を照射していると考えるのは誤解です。

ただし、製品にレーザー式の照準機能などが付いている場合は、その機能についても取扱説明書の注意事項を確認してください。

噂2:非接触体温計は必ず低い体温を表示する?

一概にはいえない

額の表面温度は脇や口腔内の温度と異なるため、測定値に差が出ることがあります。

しかし、常に低い値になるわけではありません。室温、額の状態、測定距離、製品の補正方法によって結果は変わります。

同じ条件で測っても数値が安定しない場合は、説明書に沿って再測定し、必要なら接触式体温計を併用しましょう。

噂3:額以外の場所でも測れる?

製品による

額以外の部位に対応する製品もありますが、すべての非接触体温計で同じ測定部位が使えるわけではありません。

体温測定用に設計された機種では、指定された部位で測ることが基本です。手首や首、頬などで測定した値を、額で測った値と同じ基準で比較することは避けてください。

噂4:非接触体温計なら感染リスクは完全にゼロ?

接触しないことで、測定器を介した接触による汚染リスクを抑えられるメリットがあります。

しかし、測定する人と測定される人が近距離になることはあります。FDAも、正確に測るためには一定の距離まで近づく必要があり、使用者と測定対象者の間で感染が広がるリスクが残る点を指摘しています。

つまり、非接触式は衛生管理に役立つものの、感染対策をすべて代替するものではありません。

ネットの反応で注目される論点と炎上の真相

非接触体温計をめぐるネット上の議論では、主に次のような疑問が焦点になります。

- 脇で測った体温と額の測定値が違うのはなぜか
- 同じ人を連続して測っても数値が変わるのはなぜか
- 冬場の屋外で測定しても正確なのか
- 子どもの検温にどのタイプが向いているのか
- 安価な製品と医療機器としての製品は何が違うのか

こうした疑問の多くは、測定原理や使用環境に関係しています。

2026年11月時点で確認できる公的資料やメーカーの発表では、非接触体温計全体を対象とする新たな全国規模の炎上や、一斉回収につながる重大発表は確認できません。個別製品の不具合と、非接触体温計という方式そのものの問題は分けて考える必要があります。

特に「測定値が違うから全部不良品」という理解は正確ではありません。測定部位や環境が違えば、同じ人でも異なる値になる可能性があります。

【失敗しない選び方】2026年に確認したい非接触体温計のチェック項目

非接触体温計を購入する際には、価格やデザインだけでなく、医療機器としての位置付けと実際の使いやすさを確認が必要です。

1.医療機器としての表示・認証情報

PMDAは、体温計を購入する際には医療機器であることの表示と、日本語の取扱説明書の有無を確認するよう案内しています。

皮膚赤外線体温計は、医療機器の一般的名称として「皮膚赤外線体温計」に分類され、クラスIIの管理医療機器に該当します。製品の包装や説明書に記載された医療機器認証番号なども確認しましょう。

2.体温測定専用かどうか

赤外線温度計には、人体用だけでなく、調理器具や機械、食品などの表面温度を測る工業・家庭用途の製品もあります。

外見が似ていても、測定目的や補正方法は異なります。物体表面温度を測るだけの製品を、医療用体温計の代わりに使わないようにしましょう。

3.使用できる年齢と測定環境

赤ちゃんや小さな子どもに使いたい場合は、対象年齢や測定部位を確認してください。乳児や新生児に対応しているかどうかは、製品によって異なります。

また、使用可能な室温の範囲や湿度、測定距離、測定時間なども比較しておくと安心です。

4.便利な機能とメンテナンス性

家庭で使用する場合は、次の機能も比較材料になります。

- 過去の測定値を保存できるメモリー機能
- 暗い場所でも見やすいバックライト
- 測定完了を知らせる音や表示
- 体温と物体表面温度の切り替え
- センサー部分の清掃のしやすさ
- 電池交換や保管のしやすさ

ただし、便利な機能が多いからといって、必ず測定精度が高いとは限りません。精度に関する仕様と使いやすさは分けて評価しましょう。

どんな人に非接触体温計がおすすめ?



子どもの検温が多い家庭

寝ている子どもや、じっとしていることが苦手な子どもの検温に便利です。ただし対象年齢を確認してください。


介護・看護の現場

複数人を短時間で測定したい場面に適しています。必要に応じて接触式での確認も組み合わせます。


家族で体温計を共用する家庭

測定部が直接肌に触れないため、接触による汚染を抑えたい場合に便利です。


一方、細かな体温変化を継続的に確認したい人や、測定環境を一定に保つのが難しい人は、脇式などの接触式体温計も用意しておくとよいでしょう。

【よくある質問】非接触体温計に関するFAQ

Q1:非接触体温計は本当に正確ですか?

A1:製品の性能と使用環境によります。正しい距離・角度・測定部位を守れば健康管理の参考になりますが、すべての製品が同じ精度を持つわけではありません。発熱が疑われる場合は接触式体温計でも確認してください。

Q2:非接触体温計は何センチ離して測ればよいですか?

A2:製品によって異なります。1~3cmなどの指定がある機種もありますが、すべてに共通する距離ではありません。必ず取扱説明書を確認してください。

Q3:手首や首で測っても問題ありませんか?

A3:メーカーが指定している測定部位以外での測定はおすすめできません。額用の機種なら、基本的に額で測定してください。

Q4:赤ちゃんにも使用できますか?

A4:対象年齢は製品ごとに異なります。新生児や乳児への使用が認められているか、説明書を確認してください。体調が悪い場合は、測定値だけで判断せず医療機関に相談しましょう。

Q5:非接触体温計で何度なら発熱ですか?

A5:表示される体温だけで一律に判断することはできません。測定部位や個人の平熱、症状なども関係します。普段の体温を把握し、発熱が疑われる場合は接触式でも確認することが大切です。

Q6:2026年の最新技術で精度は向上していますか?

A6:MEMSを用いた赤外線センサーなどの技術開発が進んでいます。ただし、センサー部品の性能向上が、そのまま市販されるすべての体温計の測定精度向上を意味するわけではありません。完成品としての性能を確認する必要があります。

まとめ:非接触体温計は精度と使いやすさの両方で選ぶ

非接触体温計は、赤外線センサーを利用して額などの皮膚表面温度を推定する便利な医療機器です。短時間で検温でき、肌に触れずに使えることから、家庭や介護施設など幅広い場面で活用されています。

2026年の最新動向では、ミネベアミツミによるMEMS赤外線センサーの展開が技術面で注目されます。一方、オムロンやテルモの新製品は接触式体温計の測定時間短縮を中心とした進化であり、非接触式とは区別して理解する必要があります。

【プロの結論】失敗しないための3つの判断基準

第一に、医療機器としての信頼性を確認すること。 医療機器の表示、認証情報、日本語の説明書を確認し、人体の体温測定を目的とした製品を選びましょう。

第二に、測定環境と使い方を守ること。 額の汗を拭き、室温に配慮し、製品が指定する距離と角度で測定することが大切です。

第三に、非接触式だけに健康判断を任せないこと。 測定値に違和感がある場合や体調不良がある場合は、接触式体温計や医療機関での確認も活用しましょう。

非接触体温計の価値は、単に測定が速いことだけではありません。正しい測定方法と製品の特性を理解し、日常の健康管理に適切に取り入れることにあります。2026年以降も赤外線センサーの進化は期待されますが、購入時には最新機能だけでなく、測定精度と使用目的を見極めることが重要です。

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小野寺 拓海

アニメ誌編集を経て Web メディアへ。放送・配信の日程は作品公式サイトと各配信サービスの告知で確認し、ガジェットの仕様はメーカーの公式スペック表を引用します。

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