ランドセル工業会の2026年調査で注目したいのは、祖父母が費用を負担する割合が、父方と母方に分かれて公表されている点だ。
調査対象は、2026年4月に小学校へ入学する児童がいる20~69歳の男女で、ランドセルを新しく購入した人。調査は2026年2月2日~9日に実施され、回答者は1,500人だった。調査業務はクロス・マーケティングが担当している。
ランドセル購入費用を負担した人の割合| 費用負担者 | 割合 | 順位 |
|---|---|---|
| 父方の祖父母 | 27.9% | 1位 |
| 母方の祖父母 | 24.5% | 2位 |
| 祖父母合計 | 52.4% | 合算 |
| 両親 | 44.2% | 3位 |
| その他・不明 | 3.4% | 4位 |
※祖父母合計は父方27.9%と母方24.5%を合算した数値。出典はランドセル工業会「ランドセル購入に関する調査2026年」。
この数字から分かるのは、ランドセルが単なる学校用品ではなく、祖父母から孫への入学祝いとして購入される側面を持っていることだ。
一方、両親が44.2%を負担している点も見逃せない。祖父母が買う家庭が多いからといって、親が購入することが珍しいわけではない。
祖父母が購入する家庭と、両親が購入する家庭の両方が一般的な選択肢になっている。 これが2026年の実態だ。
父方の祖父母と母方の祖父母、どちらが多い?2026年調査では、父方の祖父母が27.9%、母方の祖父母が24.5%だった。
父方が3.4ポイント上回っているものの、圧倒的な差ではない。
以前から「ランドセルは母方の祖父母が買うもの」という話を耳にすることがあるが、全国共通の決まりとして定着しているわけではない。
楽天市場が2022年に実施した楽天ママ割会員1,002人のアンケートでは、祖父母の購入割合は父方23.4%、母方28.8%だった。こちらは母方がやや多い結果だったが、調査対象も実施時期も異なる。
調査によって父方と母方の順位が入れ替わることからも、どちらが買うべきかを全国一律の常識で判断するのは難しい。
家庭ごとの関係性や地域の慣習、祖父母の希望を踏まえて決めるのが自然だ。
【理由を検証】なぜランドセルは祖父母が買うことが多いのか?

祖父母がランドセルを購入する背景には、入学祝いという文化と、孫の成長を形に残したいという気持ちがある。
1.小学校入学という人生の節目を祝いたい祖父母にとって、孫の小学校入学は大きな節目だ。
ランドセルは入学後、毎日の通学で使うものであり、一般的なプレゼントと比べても存在感がある。孫が6年間使う品物を贈ることは、成長を見守る気持ちを形にする機会にもなる。
楽天市場の2022年の調査記事でも、祖父母が出資する背景として、入学祝いを贈りたい気持ちや、子ども夫婦の金銭的負担を助けたい気持ちが挙げられている。
2.入学準備の経済的負担を軽くしたい小学校入学時には、ランドセル以外にもさまざまな準備品が必要になる。
- 学習机や学習用品
- 文房具や筆箱
- 上履きや体育用品
- 通学用の衣類や雨具
- 学校指定の用品
ランドセルの購入費用だけでも平均約6万2,000円となるため、祖父母が負担することで親の出費を抑えられる。
とりわけ兄弟姉妹がいる家庭では、入学のタイミングが重なると準備費用が増える。祖父母の援助は家計面でも意味がある。
3.孫と一緒にランドセルを選ぶ思い出を作りたいランドセル選びは、購入して終わる買い物ではない。
展示会や店舗へ出かけ、色やデザインを比較し、実際に背負ってみる。こうした過程そのものが家族の思い出になる。
2026年のランドセル工業会調査でも、購入までに訪れた場所はGMS・大型スーパー・ショッピングモールが38.1%で最多。百貨店・デパートが17.3%、メーカー・卸のWebサイトが17.1%だった。
店舗とインターネットを組み合わせて検討する家庭が多い。ランドセル選びが家族で参加するイベントになっていることもうかがえる。
4.大型連休や帰省のタイミングで購入しやすいランドセル工業会の2026年調査を紹介した発表資料では、購入時期は5月や夏休みの7~8月にも山が見られ、大型連休や帰省のタイミングに合わせて購入するケースが多いと分析されている。
祖父母が遠方に住んでいる場合、帰省時に孫と一緒に商品を見て購入する方法は合理的だ。
祖父母が購入する背景には、経済的な援助だけでなく、家族が集まる機会とランドセル選びが結びついている事情もある。
【重要】ランドセルは誰が買うかと誰が選ぶかは別問題
ランドセル購入で誤解されやすいのが、費用を負担する人が商品の決定権も持つという考え方だ。
実際には、祖父母が代金を支払っても、商品を選ぶのは親と子どもという家庭もある。
子ども自身が選ぶ傾向が強いフットマーク株式会社が2026年3月に実施した「布製ランドセルの認知度に関する調査2026」では、小学1年生の保護者1,200人を対象にランドセル選びについて調査している。
同社の発表では、最終決定者が子ども自身である割合は83.3%とされた。
また、布製ランドセルを検討したものの購入しなかった理由として、48.3%が「子どもが布製を選ばなかったから」と回答している。子どもの希望が最終的な購入判断に影響していることが分かる。
一方、ランドセル工業会の2026年調査では、購入理由として「子どもの好きな色だった」が52.5%、「デザインがよかった」が35.1%だった。
つまり、ランドセル選びでは子どもの好みが大きな判断材料になっている。
2026年の2つの調査で支払者の割合が違う理由ここで注意したいのが、2026年に発表された別の調査では、支払者の割合が異なる点だ。
フットマークの調査では、最終支払者は親55.1%、祖父母42.3%。一方、ランドセル工業会の調査では、両親44.2%、祖父母合計52.4%だった。
| 比較項目 | ランドセル工業会 | フットマーク |
|---|---|---|
| 調査対象 | 2026年4月入学児童の親など | 小学1年生の保護者 |
| 回答者数 | 1,500人 | 1,200人 |
| 親の支払い | 44.2% | 55.1% |
| 祖父母の支払い | 52.4% | 42.3% |
| 主な調査時期 | 2026年2月 | 2026年3月 |
この2つの数字は、どちらかが間違っているという意味ではない。調査対象者や調査方法、支払者の集計条件が異なるため、単純に同じ母集団の結果として比較することはできない。
今回の「祖父母52.4%、両親44.2%」という数字は、ランドセル工業会の2026年調査に基づくものだ。
費用負担と商品選びの役割分担家族間のトラブルを避けるには、最初から次のように役割を分けるとよい。
| 項目 | 担当する人の考え方 | 決める内容 |
|---|---|---|
| 商品選び | 親と子ども | 色・デザイン・背負いやすさ |
| 予算設定 | 親と費用負担者 | 購入上限額 |
| 費用負担 | 祖父母・両親・両家 | 全額負担・折半・一部援助 |
| 購入手続き | 親または同行者 | 注文・支払い・保証登録 |
| 最終確認 | 親と子ども | 6年間使えるかどうか |
大切なのは、お金を出してくれる人への感謝と、子どもが使う品物を選ぶ権利を両立させることだ。
祖父母の好みだけで決めたり、反対に祖父母の厚意を当然のように扱ったりすると、双方に不満が残りやすい。
【購入費用を解説】ランドセルの平均価格とおすすめの分担方法
ランドセルの購入者を決める際、避けて通れないのが価格の問題だ。
2026年の平均購入価格は62,034円ランドセル工業会の2026年調査によると、ランドセルの平均購入金額は62,034円だった。
前年の調査から1,200円以上上昇している。
また、65,000円以上の商品を購入した人は46.0%。高価格帯の商品を選ぶ家庭が少なくない。
| 購入価格帯 | 2026年の割合 |
|---|---|
| 24,999円以下 | 6.3% |
| 25,000~39,999円 | 8.6% |
| 40,000~54,999円 | 14.2% |
| 55,000~64,999円 | 18.1% |
| 65,000円以上 | 46.0% |
| よく分からない | 6.8% |
| 平均購入金額 | 62,034円 |
ランドセルの価格は、素材やブランド、機能、デザインによって幅がある。
祖父母に購入をお願いする場合、平均価格だけを基準にするのではなく、希望する商品の価格を確認してから相談することが重要だ。
ランドセル購入費用を分担する4つのパターン費用負担には、主に次の4つの方法がある。
パターン1:祖父母のどちらか一方が全額負担する
祖父母が入学祝いとして購入する方法だ。
子どもが希望するランドセルを選び、予算の範囲内で祖父母が代金を支払う。購入する前に金額の上限を共有しておけば、店頭で予算を超える問題も避けやすい。
パターン2:父方と母方の祖父母で折半する
両家ともに購入を希望している場合に適した方法だ。
例えば、ランドセルの代金が6万円なら、それぞれ3万円ずつ負担する。
双方が入学祝いに参加でき、どちらか一方だけに負担が偏ることも防ぎやすい。
パターン3:祖父母が一部、両親が残額を負担する
祖父母が一定額を援助し、残りを両親が支払う方法だ。
子どもが希望する商品が予算を超えた場合にも対応しやすい。
パターン4:両親が全額負担し、祖父母には別の入学祝いをお願いする
親がブランドや素材、機能性などを重視して選びたい場合に向いている。
祖父母には学習用品や文房具、入学祝いの現金など、別の形でお祝いしてもらう方法がある。
どの方法にも正解はない。家計状況や祖父母の希望、子どもの好みを踏まえて決めることが大切だ。
【ラン活2026】誰が買うかはいつまでに決めるべき?
ランドセル選びは、一般に「ラン活」と呼ばれる。
人気モデルやカラーを比較する家庭では、入学のかなり前から情報収集が始まる。
2026年調査で検討開始のピークは4月ランドセル工業会の調査では、2026年4月入学者の検討開始時期は次のような結果だった。
- 2025年4月:16.7%
- 2024年12月:14.9%
- 2025年5月:10.5%
2024年末から2025年春にかけて検討を始めた家庭が目立っている。
また、購入時期については5月や夏休みの7~8月にも山が見られた。大型連休や帰省時期に祖父母と一緒に購入するケースも背景にあると分析されている。
誰が買うかは商品を探し始める前に相談するおすすめなのは、年中の冬から年長の春ごろまでに、両家の祖父母と両親で購入方針を共有しておくことだ。
特に、次の内容を先に決めておくとスムーズに進みやすい。
1. ランドセルの購入費用を誰が負担するか。
2. 予算はいくらまでにするか。
3. 子どもの希望をどこまで優先するか。
4. 購入する時期をいつにするか。
5. 両家から申し出があった場合、どう分担するか。
ランドセル工業会の調査で検討開始の早期化が確認されている以上、費用負担を決めないまま商品選びを始めると、後から話し合いが必要になる可能性がある。
商品選びより先に、購入する人と予算を決める。 これがラン活を円滑に進めるコツだ。
【プロの結論】ランドセル購入で祖父母トラブルを防ぐ5つの判断基準
ランドセルを誰が買うかという問題は、金銭的な負担だけでなく、家族の気持ちや子どもの希望が関係する。
特に両家の祖父母が購入を希望する場合、話し合いを後回しにすると、せっかくのお祝いが家族間の気まずさにつながりかねない。
1.両家に同じタイミングで相談する父方だけ、母方だけに先に話を持ちかけると、後から知った側が疎外感を持つ可能性がある。
購入を検討し始めた段階で、両家に同じ情報を伝えるのが望ましい。
2.どちらか一方が買うなら、もう一方には別のお祝いを提案する両家が購入を希望している場合、ランドセルは一つしか必要ない。
そのため、一方の祖父母にはランドセルを、もう一方には学習用品や入学準備品をお願いする方法がある。
楽天市場の解説でも、両家から購入の申し出があった場合の代替案として、学習机やタブレットなど別の入学用品を贈ってもらう方法が紹介されている。
3.費用を負担する人に商品選びを任せすぎない祖父母が代金を負担してくれるとしても、毎日使うのは子どもだ。
色やデザイン、背負い心地については、親子で納得できる商品を選びたい。
祖父母には予算や希望する条件を先に伝え、候補を一緒に比較する形が望ましい。
4.予算を超えた場合の負担方法を決めておく祖父母が5万円まで出すと申し出ていても、子どもが選んだランドセルが7万円だった場合、差額をどうするかが問題になる。
事前に次のようなルールを決めておくとよい。
- 予算内の商品から選ぶ。
- 超過分は両親が負担する。
- 両家で追加分を分担する。
- 予算を超える場合は改めて相談する。
購入後に追加費用を請求するような形にならないよう、事前の確認が必要だ。
5.祖父母の好意に対して感謝を伝えるランドセルを買ってもらった場合は、購入時だけでなく、入学後にも子どもが使っている様子を伝えると喜ばれる。
写真を送ったり、子ども本人からお礼を伝えたりするのもよい方法だ。
祖父母にとって、ランドセルは孫の成長を実感できる贈り物でもある。金額の大小だけでなく、気持ちを大切にしたい。
どの家庭にどの購入方法が向いている?| 家庭の状況 | おすすめの購入方法 |
|---|---|
| 祖父母が購入を強く希望している | 予算を決めて全額負担 |
| 父方・母方の両家が希望している | 折半または別の入学用品を分担 |
| 親が商品選びにこだわりたい | 親が購入、祖父母は別の入学祝い |
| 祖父母の援助を受けたいが予算が合わない | 一部援助と親の残額負担 |
| 祖父母に金銭的な負担をかけたくない | 両親が全額負担 |
大切なのは、ランドセルを買ってくれる人の意向だけで決めないことだ。
家族全員が納得できる方法を選び、子どもが6年間愛着を持って使えるランドセルを用意することが、最も優先すべき判断基準になる。
【ランドセル誰が買う】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ランドセルは祖父母が買うのが普通ですか?
A1:2026年のランドセル工業会調査では、祖父母が購入費用を負担した割合は合計52.4%で、両親の44.2%を上回っている。ただし、両親が購入する家庭も多く、祖父母が買わなければならないという決まりはない。
Q2:ランドセルは父方と母方のどちらの祖父母が買うべきですか?
A2:全国共通の決まりはない。2026年調査では父方27.9%、母方24.5%と、父方がわずかに上回った。両家の希望や家庭ごとの事情を考慮して決めるのがよい。
Q3:ランドセルを祖父母に買ってもらう場合、誰が選ぶべきですか?
A3:基本的には親と子どもが中心になって選ぶ方法がおすすめだ。費用を負担する祖父母の希望も聞きながら、実際に6年間使用する子どもの好みや背負いやすさを優先したい。
Q4:ランドセルの平均購入価格はいくらですか?
A4:ランドセル工業会の2026年調査では平均62,034円。65,000円以上の商品を選んだ人は46.0%だった。
Q5:父方と母方の祖父母の両方が買いたいと言ったらどうすればよいですか?
A5:ランドセル代を折半する方法や、一方にランドセルを、もう一方に学習用品などを贈ってもらう方法がある。両家に同時に相談し、どちらかだけに不公平感が生じないようにすることが大切だ。
Q6:親がランドセルを買っても問題ありませんか?
A6:もちろん問題ない。2026年調査でも両親が44.2%を負担している。親が自分たちで購入したい場合は、祖父母に早めに意向を伝え、別の入学祝いを提案する方法もある。
まとめ:ランドセルは誰が買うかより、家族全員が納得できる選び方が大切
2026年のランドセル工業会調査では、ランドセルの購入費用を負担した人は祖父母が52.4%、両親が44.2%だった。
祖父母の内訳は父方27.9%、母方24.5%で、父方がわずかに上回るものの、大きな差はない。
また、平均購入価格は62,034円で、65,000円以上の商品を選ぶ家庭も46.0%に達している。ランドセルは家計への負担も小さくない買い物だ。
今回の調査から見えてくるのは、ランドセルが祖父母からの入学祝いとして購入される一方、両親が主体となって購入する家庭も多いという実態である。
そして、忘れてはならないのが、ランドセルを実際に6年間使うのは子ども自身だということだ。
【プロの結論】
ランドセル購入で最も大切なのは、次の3点に集約できる。
- 費用負担者を決める: 祖父母・両親・両家で無理のない予算を設定する。
- 選ぶ人を決める: 子どもの希望を尊重し、親が機能性や使いやすさを確認する。
- 両家への配慮を忘れない: 購入の申し出や入学祝いについて、早い段階で話し合う。
父方か母方か、祖父母か両親かという違いにこだわるよりも、家族みんなで子どもの小学校入学を祝えることに価値がある。
ランドセル選びを家族の負担や対立の原因にするのではなく、入学前の大切な思い出にしたい。