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【1】日教組が強い県はどこ?2026年最新の都道府県別組織率を検証

桐島 奈緒 桐島 奈緒 • 更新: • 公開: • 読了約 20 分
目次

日教組が強い県を調べる際、最初に押さえておきたいのは、教職員団体全体の加入率と、日教組単独の加入率は別の数字だという点です。全国平均が高くても、必ずしも日教組の組織力が強いとは限りません。

文部科学省の令和6年度「教職員団体への加入状況に関する調査」では、全国の公立学校教職員に占める日教組加入率は18.8%でした。一方、都道府県別のグラフを見ると、福井県、三重県、山梨県、新潟県、愛知県などでは、全国平均を大きく上回る加入割合が確認できます。

日教組の加入割合が高い県の特徴

文部科学省の「教育委員会月報」2025年3月号に掲載された資料3-1は、2024年10月1日時点の都道府県別教職員団体加入状況を示しています。

この資料から日教組の割合を読み取ると、特に目立つのは次の地域です。数値は公表グラフの横軸から読み取った概数であり、小数点以下まで確定した公式ランキングではありません。

  • 福井県:約62%。全国でも突出して高い組織基盤を持つ。
  • 三重県:約58%。教職員に占める日教組加入者の割合が高い。
  • 山梨県:約53%。全国平均の2倍以上の水準に位置する。
  • 新潟県:約46%。日教組の加入割合が比較的高い。
  • 愛知県:約46%。全国平均を大きく上回る組織基盤が見られる。
  • 静岡県:約43%。東海地域の中でも加入割合が高い。
  • 岩手県:約42%。東北地方で日教組の存在感が見られる。
  • 神奈川県:約41%。大都市圏でも比較的高い割合を示す。

注目したいのは、福井県や三重県のように、全国平均の18.8%を大幅に上回る地域が存在することです。日教組の組織基盤は、全国一律ではなく、地域ごとに大きな違いがあります。

ただし、この比較は公立学校に勤務する常勤教職員全体を分母にしたものです。教員だけの加入率や、新採用教職員だけの加入率とは異なります。学校種別や職種を限定すると順位が変わる可能性もあります。

加入率が低い地域との違い

同じ文科省の資料では、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、岐阜県、京都府、愛媛県など、日教組の加入割合が小さい地域も確認できます。

つまり、隣接する県であっても組織の状況は同じではありません。単純に東日本と西日本、都市部と地方という区分だけで説明できるものではなく、各地域の教職員団体の歴史や組織構成を踏まえる必要があります。

なお、福井県などの加入率が高いことは、県内の教育行政や学校運営を日教組が支配しているという意味ではありません。組織率と行政への決定権は、明確に区別する必要があります。

【2】日教組の組織率は現在18.8%!全国平均と非加入率の実態

日教組強い県

2026年11月時点で確認できる文部科学省の最新公表資料は、令和6年度調査です。調査日は2024年10月1日で、結果は2025年3月4日に公表されました。

調査対象は、大学と高等専門学校を除く公立学校に勤務する常勤教職員全員です。再任用教職員も含まれます。したがって、私立学校の教職員や大学教員を含めた日本全体の教職員組織率ではありません。

令和6年度の教職員団体加入状況

全国の教職員総数は101万6,235人。このうち、いずれかの教職員団体に加入している人は27万2,445人でした。

  • 日教組:19万868人、加入率18.8%
  • 全教:2万4,445人、加入率2.4%
  • 日高教(右):6,590人、加入率0.6%
  • 全日教連:1万5,673人、加入率1.5%
  • 全管協:2,991人、加入率0.3%
  • その他:3万1,878人、加入率3.1%
  • 非加入:74万3,790人、割合73.2%

日教組は教職員団体の中では最大の組織ですが、教職員全体の8割以上が日教組以外に属しています。加えて、教職員団体そのものに加入していない人も7割を超えています。

ここで注意したいのが、非加入率73.2%という数字です。これは日教組に加入していない人の割合ではなく、いずれの教職員団体にも加入していない人の割合です。日教組以外の団体に加入している教職員も存在します。

教員だけで比較すると数字は変わる

同じ調査の職種別集計では、教員に限定した日教組加入率は21.6%でした。教職員全体の18.8%より2.8ポイント高い数字です。

この差は、調査対象に校長、副校長、教頭、事務職員、単純労務職員なども含まれるために生じます。

そのため、ネット上で紹介されている日教組の加入率を比較するときは、教員のみなのか、学校で働く常勤職員全体なのかを必ず確認する必要があります。

【3】なぜ日教組が強い県が生まれる?地域差を生む4つの背景

福井県や三重県などで日教組の組織率が高い背景には、地域ごとの教職員組合の歴史と組織構造があります。ただし、加入率の高い理由を単一の政治的傾向だけで説明することはできません。

理由1:戦後から続く地域組織の歴史

日教組は1947年6月8日に結成されました。戦後の教育制度の変化に伴い、教職員の待遇改善や教育条件の整備を求める全国組織として発展してきました。

全国組織の下には都道府県単位の教職員団体があり、地域の学校現場とつながる仕組みが形成されています。

文部科学省の調査資料も、全国組織は都道府県単位の教職員団体などが連合して構成されていると説明しています。こうした地域組織の蓄積が、現在の加入状況に影響している可能性があります。

理由2:都道府県ごとの組織体制の違い

教職員団体の組織形態は全国で統一されているわけではありません。県教組、高校教職員組合など、学校種や地域に応じた単位組織が存在します。

組織の規模、活動範囲、地域内での連携状況が異なれば、加入者数や加入率にも差が生じます。

特に、長期間にわたって地域の教職員団体が活動してきた場所では、組織運営の経験や活動基盤が蓄積されていると考えられます。

理由3:1989年前後の日教組分裂の影響

地域差を理解するうえで外せないのが、1989年の組織分裂です。

当時の日教組では、日本労働組合総連合会(連合)への加盟方針をめぐり、主流派と反主流派の対立が深まりました。1989年11月には反主流派が全日本教職員組合協議会を結成し、その後、1991年3月に日高教左派との統一を経て全日本教職員組合(全教)が発足しました。

文部科学省の歴史資料によると、この分裂は都道府県単位の教職員組織にも波及し、23県で分裂や新組織結成の動きが生じました。

地域によって日教組と全教の組織基盤が異なるのは、こうした歴史的経緯とも関係しています。

理由4:新採用教職員の加入傾向が異なる

組織率を維持するうえでは、新採用教職員がどの程度加入するかも重要です。

既存の組合員が多くても、新しく採用される教職員の加入が少なければ、退職などによって組織は縮小していきます。

地域別の新採用教職員加入状況も文部科学省が公表しており、全体の組織率と合わせて見ることで、各県の組織が今後も維持されるのかを考える手掛かりになります。

ただし、これらは地域差を理解するための構造的な要因です。特定の県で組織率が高い理由を確定するには、各県教組の沿革や新採用者の加入状況など、さらに細かな資料が必要です。

【4】日教組・全教・全日教連の違いは?全国組織の関係を比較

「日教組が強い県」を調べていると、全教や全日教連という似た名称の団体も目にします。しかし、これらは別々の全国組織です。

文部科学省は、令和6年10月1日時点の主な全国組織として、日教組、全教、日高教右派、全日教連、全管協の5団体を挙げています。

主要な教職員団体の比較表
団体名 成立・歴史 令和6年度加入率 主な特徴・関係
日本教職員組合(日教組) 1947年6月8日結成 18.8% 連合に加盟。教職員の待遇改善、教育条件の整備、教育政策への提言などを行う。
全日本教職員組合(全教) 1991年3月6日発足 2.4% 全労連に加盟。教育の自主性、子どもの権利、労働条件の改善などを掲げる。
全日本教職員連盟(全日教連) 1984年結成 1.5% 教育の充実や教職員の待遇改善を目指す全国組織。
日本高等学校教職員組合(日高教右派) 1960年代の組織分裂を経て活動 0.6% 高校教職員を中心とする全国組織。
全国教育管理職員団体協議会(全管協) 1974年結成 0.3% 校長・教頭などの管理職員を中心とする組織。

※加入率は2024年10月1日現在の公立学校教職員全体を分母とした全国値です。小数点以下の四捨五入により合計が一致しない場合があります。

日教組と全教の違い

日教組と全教の大きな違いは、結成の経緯と加盟する全国労働組合組織です。

日教組は連合に加盟しています。一方、全教は全労連に加盟しています。両者は1989年の組織分裂を背景に成立した別組織であり、同じ教職員を対象とする団体であっても、歴史や運動方針は異なります。

全教の公式プロフィールでは、憲法や子どもの権利条約に基づく教育、平和と民主主義の擁護、教職員の労働条件改善などを活動の柱として紹介しています。

全日教連は日教組や全教と同じ組織ではない

全日本教職員連盟(全日教連)は、1984年に日本教職員連盟と日本新教職員組合連合が統合して成立した組織です。

日教組から分かれた全教とは結成の経緯が異なります。名称が似ているため混同されやすいものの、組織としては別々に活動しています。

また、日高教右派と全管協も別の全国組織です。教職員団体全体の加入率を日教組単独の組織率と取り違えないことが、都道府県別の比較では欠かせません。

【5】日教組の組織率はどう変化した?1958年から2024年までの歴代推移

日教組の組織率を長期的に見ると、戦後の高い組織基盤から、現在の2割を下回る水準まで低下してきたことが分かります。

文部科学省が公表している過去の調査資料では、1958年の組織率は86.3%でした。2024年には18.8%となっており、長期的な縮小傾向が明らかです。

日教組の組織率の主な変化
  • 1958年:86.3%。調査開始時の高い組織率。
  • 1965年:63.3%。高度成長期に入る中で低下。
  • 1975年:55.9%。5割台を維持。
  • 1985年:49.5%。初めて5割を下回る水準。
  • 1989年:46.7%。組織分裂前の水準。
  • 1990年:35.7%。分裂後に大きく低下。
  • 2000年:31.8%。3割台で推移。
  • 2019年:21.7%。
  • 2020年:21.3%。
  • 2021年:20.8%。
  • 2022年:20.1%。
  • 2023年:19.2%。
  • 2024年:18.8%。

特に重要なのが1989年前後です。組織分裂によって日教組の組織率は大きく変化しました。1990年の35.7%は、前年の46.7%から11ポイント低下した数字です。

その後も減少は続き、2024年には18.8%となりました。文部科学省は、1977年以降48年連続で日教組の加入率が低下したと発表しています。

新採用教職員の日教組加入率も低下

将来の組織基盤を考えるうえで重要なのが、新採用教職員の加入率です。

令和6年度調査では、新採用教職員3万9,561人のうち、日教組への加入者は6,638人。加入率は16.8%でした。

前年度の17.0%から0.2ポイント低下し、3年連続の減少です。

同年度の新採用教職員全体の教職員団体加入率は20.8%で、こちらも調査開始以来の最低水準となりました。非加入者は79.2%に達しています。

新採用教職員の加入率が低い状態が続けば、今後の退職者数との関係で組織の世代交代が難しくなる可能性があります。現在の組織率だけでなく、新採用者の加入状況を見る必要があるのはこのためです。

【6】日教組の影響力と実態は?強い県でも誤解されやすいポイント

日教組は全国規模の教職員団体として、教育政策や教職員の勤務条件に関する提言、要請活動などを続けています。しかし、組織率が高いことと、教育行政を直接動かせることは同じではありません。

日教組が教育現場に関わる主な領域

日教組の公式組織情報では、子どもの教育条件の整備、教職員の待遇改善、地位の向上、教育制度や政策への提言などを主な活動として挙げています。

こうした活動は、教職員の勤務環境や教育政策について現場の意見を行政に届ける役割を持ちます。地域の組織基盤が強ければ、県単位での意見集約や要請活動において一定の存在感を持つ可能性があります。

一方で、実際の教育行政は文部科学省、都道府県教育委員会、市町村教育委員会、学校など複数の機関によって担われています。

日教組が強い県では教育方針も決められるのか

これは誤解されやすいポイントです。

広島県教育委員会が公開する職員団体の説明では、教職員団体は勤務条件の維持改善を目的とする組織であり、給与、勤務時間、休日、休暇、職場環境などについて当局と交渉できるとされています。

しかし、教職員人事、校務分掌、教育課程の編成といった管理運営事項は、交渉対象にはなりません。

また、公立学校の教育職員については、地方公務員法などに基づく制度上の制約があり、争議行為は禁止されています。民間企業の労働組合と同じ権限を持つわけではありません。

したがって、日教組の組織率が高い県であっても、日教組が学校の教育内容や教員人事を自由に決められるという理解は正確ではありません。

組織率だけでは測れない本当の影響力

日教組の影響力を評価する際には、少なくとも次の3点を区別する必要があります。

  • 組織力:組合員数、加入率、地域単位組織の広がり。
  • 交渉力:教育委員会などとの勤務条件に関する交渉や要請活動。
  • 政策への影響:教育政策に対する提言、意見表明、社会的な議論への参加。

この3つは関連していますが、同じものではありません。組織率が高くても、行政の決定権を持つわけではなく、反対に全国平均の組織率が低くても、地域で継続的に活動する団体が一定の発言力を持つことは考えられます。

また、日教組の活動を評価する際には、組合の政策提言だけでなく、教育委員会の決定、学校現場の実態、教職員の勤務条件の変化などを併せて見ることが重要です。

日教組の強さを調べるときの判断基準

都道府県別の組織率を調べる人は、次の点を確認すると数字の意味を正しく理解できます。

  • 日教組単独の加入率なのか、教職員団体全体の加入率なのか。
  • 公立学校の教職員全体なのか、教員だけを対象にしているのか。
  • 新採用教職員の加入率なのか、全教職員の加入率なのか。
  • 日教組と全教、全日教連などを区別しているか。
  • 調査年月日がいつなのか。

特に、2026年最新という見出しで紹介されるデータでも、調査基準日が2024年10月1日である場合があります。調査年度と記事の公開年を混同しないことが、正確な比較につながります。

【日教組の強い県】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:日教組が最も強い県はどこですか?
A1:文部科学省の令和6年10月1日現在の都道府県別グラフでは、福井県が最も高い水準に位置しています。グラフから読み取れる日教組の加入割合は約62%です。三重県、山梨県なども高い水準にあります。

Q2:2026年現在の日教組の全国組織率は何%ですか?
A2:2026年11月時点で確認できる文部科学省の最新公表値は18.8%です。これは令和6年10月1日現在の調査結果で、前年度の19.2%から0.4ポイント低下しています。

Q3:日教組に加入していない教職員は何%ですか?
A3:日教組以外の教職員団体への加入者と非加入者を合わせると81.2%です。すべての教職員団体に加入していない人に限ると73.2%となります。

Q4:日教組と全教は同じ組織ですか?
A4:別の組織です。日教組は1947年結成で連合に加盟し、全教は1991年に発足して全労連に加盟しています。1989年前後の日教組の分裂が両組織の成立につながりました。

Q5:日教組が強い県では学校の教育方針も日教組が決めるのですか?
A5:いいえ。日教組は教職員の勤務条件や教育政策に関する提言などを行いますが、教育課程の編成や教職員人事などの管理運営事項は教育委員会などの権限に属します。組織率と教育行政の決定権は別のものです。

まとめ:日教組が強い県は福井・三重・山梨など、現在は地域差が鮮明

2026年11月時点で確認できる文部科学省の最新公表データから見ると、日教組の組織基盤が特に強い地域として、福井県、三重県、山梨県、新潟県、愛知県などが挙げられます。

全国平均の加入率は18.8%ですが、地域によっては約5割から6割に達するところもあります。こうした差には、戦後から続く地域組織の歴史、1989年前後の組織分裂、県単位の教職員団体の構成など、複数の背景があります。

一方、全国の加入率は48年連続で低下し、新採用教職員の日教組加入率も16.8%まで下がりました。教職員団体全体の加入率も26.8%となり、非加入者は73.2%に達しています。

【プロの結論】日教組の強さを正しく評価するには、都道府県別の加入率だけでなく、全国平均との比較、教員だけの加入率、新採用教職員の加入状況、地域組織の歴史を総合的に見る必要があります。

かつて全国的に高い組織率を誇った日教組は、現在では地域によって存在感が大きく異なる組織へと変化しています。福井県や三重県のように高い組織基盤を維持する地域がある一方、全国的には縮小傾向が続いています。

今後の日教組の動向を考えるうえでも、単純な組織率の高さだけではなく、若い世代の加入動向や地域ごとの組織基盤の変化が重要な判断材料になります。

主な公的資料・出典

- 文部科学省「令和6年度 教職員団体への加入状況に関する調査結果」
- 文部科学省「教育委員会月報 2025年3月号・教職員団体の組織の実態について」
- 文部科学省「学制百二十年史・教職員団体の動向」
- 広島県教育委員会「職員団体について」
- e-Stat「教職員の組織する職員団体の実態調査」

※都道府県別の上位県の割合は、文科省の公表グラフからの概数です。全国値の18.8%とは異なり、公式の数値ランキングとして公表されたものではありません。

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桐島 奈緒

芸能担当デスクとして14年。所属事務所の公式リリース、番組公式サイト、配信サービスの告知を一次情報として照合し、出典の確認できない話は記事にしません。

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