公務員にも、民間企業の残業代に相当する手当が設けられています。国家公務員では「超過勤務手当」、地方公務員では「時間外勤務手当」と呼ばれ、勤務時間や給与額、時間帯などに応じて支給額が決まります。しかし、実際には何時間働けば支給されるのか、月45時間・年360時間の上限を超えた場合はどうなるのか、申請していない残業は支給対象になるのかなど、制度には分かりにくい部分も少なくありません。
2026年11月現在、人事院が2026年8月に公表した2025年の国家公務員の平均年間超過勤務時間数は224時間でした。本府省では372時間に達しており、職場による負担の違いも明らかになっています。この記事では、国家公務員と地方公務員の制度の違いから、残業代の計算方法、割増率、上限規制、サービス残業の未払いへの対応まで、最新の公的資料を基に解説します。
【最初に押さえる】公務員残業代はどんな条件で支給される?

公務員の残業代は、単に勤務終了時刻を過ぎて庁舎に残っていた時間に対して自動的に支給されるものではありません。基本となるのは、公務上の必要性に基づいて時間外勤務を命じられ、その命令に従って実際に勤務した時間です。
国家公務員の超過勤務手当の支給条件国家公務員の超過勤務手当は、一般職の職員の給与に関する法律、いわゆる国家公務員給与法第16条を主な根拠としています。
同条では、正規の勤務時間を超えて勤務することを命じられた職員に対し、正規の勤務時間を超えて勤務した全時間について超過勤務手当を支給する仕組みを定めています。
国家公務員の一般的な勤務時間は、原則として1日7時間45分、週38時間45分です。これを超えて公務上の必要により勤務した場合、所定の条件に従って超過勤務手当が計算されます。
ただし、管理監督職員など、給与法上の適用除外に該当する職員については、通常の超過勤務手当とは異なる取扱いがあります。管理職員特別勤務手当など、別の手当制度が適用される場合もあります。
地方公務員の時間外勤務手当の支給条件地方公務員の場合は、地方公務員法第25条が給与制度の基本的な根拠になります。
同条では、職員の給与は給与条例に基づいて支給することを定めており、給与条例には時間外勤務手当、夜間勤務手当、休日勤務手当に関する事項を規定することとしています。
つまり、地方公務員の時間外勤務手当は、各自治体の給与条例や関連規則によって具体的な支給条件・計算方法が定められています。
国家公務員と同様に、基本的には上司や任命権者からの時間外勤務命令に基づく実勤務が支給の前提です。ただし、具体的な手続きや承認方法、端数処理などは自治体によって異なります。
残業を自己判断で行った場合はどうなる?注意したいのが、上司の命令を受けず、自分の判断だけで勤務時間終了後に仕事を続けた場合です。
公務員の時間外勤務は、原則として正式な超過勤務命令に基づく制度です。そのため、単に自主的に庁舎に残っていたという事情だけでは、直ちに手当の支給対象になるとは限りません。
一方、上司から具体的な業務を指示され、所定の勤務時間内では処理できない仕事量を与えられていた場合などは、実際の指示内容や勤務状況を確認する必要があります。申請手続きの不備だけで実際の勤務時間がなかったことになるわけではありません。
公務員の残業代を確認するときは、勤務命令の有無と実際に働いた時間の両方を見ることが大切です。
【国家公務員と地方公務員を比較】残業代の制度と2025年最新実績
公務員残業代を理解するうえで重要なのが、国家公務員と地方公務員では制度の根拠が異なるという点です。
国家公務員は国家公務員給与法や人事院規則を中心に運用されます。一方、地方公務員は地方公務員法を基本として、各自治体の給与条例や勤務時間に関する規則に従います。
国家公務員と地方公務員の違い制度と最新の勤務実績を整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 国家公務員 | 地方公務員 |
|---|---|---|
| 手当の名称 | 超過勤務手当 | 時間外勤務手当 |
| 主な根拠 | 国家公務員給与法第16条・第19条、人事院規則15-14 | 地方公務員法第25条、各自治体の給与条例・規則 |
| 通常の勤務時間 | 原則週38時間45分 | 各自治体の条例等で規定 |
| 最新の年間平均残業時間 | 2025年224時間 | 2024年度140.0時間 |
| 主な組織別実績 | 本府省372時間、本府省以外186時間 | 都道府県161.2時間、指定都市152.3時間、市区町村128.4時間 |
| 計算方法 | 給与法と人事院規則に基づく | 各自治体の給与条例・規則に基づく |
| 上限規制 | 人事院規則15-14で規定 | 各自治体の条例・人事委員会規則等で規定 |
国家公務員の2025年実績は、人事院が2026年8月に公表した「国家公務員の超過勤務の実態(令和7年)」によるものです。調査対象は183,079人で、2025年1月から12月までの年間平均超過勤務時間数を集計しています。
地方公務員の数字は、総務省の「令和6年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査」によるものです。対象は一般職の地方公務員で、会計年度任用職員、警察、消防、教育委員会、管理監督職員などは集計対象から除かれています。
なお、国家公務員は暦年、地方公務員は年度単位の調査であり、対象職員の範囲も異なります。したがって、224時間と140時間をそのまま比較して、国家公務員の方が必ず残業が多いと判断することはできません。
2025年の国家公務員は年間224時間の残業2025年の国家公務員の年間平均超過勤務時間数は224時間でした。前年の219時間から4時間増加しています。
注目すべきなのは、本府省と本府省以外の勤務時間の差です。
- 全体平均:224時間
- 本府省:372時間
- 本府省以外:186時間
- 本府省の総合職試験採用者:458.6時間
- 本府省の総合職試験採用者以外:349.0時間
本府省の総合職試験採用者は、年間458.6時間という結果でした。これは月平均に換算すると約38.2時間です。
加えて、年間361時間以上の超過勤務をした職員の割合は全体で20.8%、721時間以上は2.5%でした。本府省に限ると、361時間以上が45.6%、721時間以上が11.0%に達しています。
これらの数字からは、国家公務員全体の平均だけでは見えない、中央省庁の業務負担の大きさが読み取れます。国会対応、政策立案、予算関係など、業務量や期限を自分たちだけでは調整しにくい仕事が集中する部署では、残業が長くなる傾向があります。
出典は人事院「国家公務員の超過勤務の実態(令和7年)」。地方公務員の数値は総務省「令和6年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査」です。
【計算方法を解説】公務員の残業代はいくら?割増率125%・135%の仕組み
公務員の残業代は、基本的に「勤務1時間当たりの給与額」に所定の割増率と実際の超過勤務時間を掛けて算出します。
国家公務員の残業代の計算式国家公務員給与法第19条に基づく勤務1時間当たりの給与額は、次の式で求めます。
勤務1時間当たりの給与額
=(俸給月額+俸給月額に対する地域手当・広域異動手当・研究員調整手当の月額)×12÷(1週間当たりの勤務時間×52)
一般的な国家公務員の勤務時間は週38時間45分なので、年間の計算上の勤務時間は2,015時間になります。
したがって、通常の計算では次のように整理できます。
勤務1時間当たりの給与額=計算対象となる月額給与×12÷2,015
そのうえで、時間外勤務の種類に応じた割増率を掛けます。
なお、計算対象となる給与には扶養手当や住居手当、通勤手当などが一律に含まれるわけではありません。国家公務員給与法第19条に定められた給与項目を基準に計算します。
具体的な計算例:月額30万円の場合俸給と計算対象となる地域手当等の合計額が30万円の職員が、通常の勤務日に10時間残業したケースを考えます。
- 計算対象となる月額給与:300,000円
- 年間換算額:300,000円×12=3,600,000円
- 1時間当たりの給与額:約1,787円
- 通常の時間外勤務の支給割合:125%
1時間当たりの超過勤務手当は、約2,234円です。
10時間分なら、約22,340円が目安になります。
実際の給与計算では、国家公務員給与法第18条の2に定める端数処理が適用されます。また、勤務区分や給与項目、勤務時間の取扱いによって金額は変わります。
国家公務員の超過勤務手当の割増率一覧国家公務員の一般的な超過勤務手当の割増率は次のとおりです。
- 通常の勤務日の時間外勤務:125%
- 週休日などの時間外勤務:135%
- 通常日の深夜残業:150%
- 週休日などの深夜残業:160%
- 月60時間を超えた部分:150%
- 月60時間超の深夜残業:175%
深夜とは、原則として午後10時から翌日の午前5時までを指します。
なお、月60時間超の割増率は、法令上の集計対象となる超過勤務時間について適用されます。休日勤務の種類や勤務区分によって集計上の取扱いが異なるため、単純にすべての休日勤務時間を合算するわけではありません。
これらの割合は、国家公務員給与法第16条および人事院規則9-97に基づくものです。
【休日勤務・深夜勤務】休日勤務手当と超勤代休時間の違い
公務員の時間外勤務では、通常の残業代だけでなく、休日勤務手当や深夜勤務手当との区別も重要です。
休日勤務手当は通常の残業代と別の制度国家公務員の場合、祝日法による休日や年末年始の休日などに、正規の勤務時間中に勤務を命じられた場合は、原則として休日給が支給されます。
一般的な支給割合は、勤務1時間当たりの給与額の135%です。
一方、休日に勤務した時間が正規の勤務時間を超える場合は、超過勤務手当との関係を勤務区分に応じて判断します。
つまり、休日に働いたという理由だけで、すべての勤務時間が同じ種類の手当になるわけではありません。
深夜勤務手当は午後10時から翌朝5時までが対象深夜勤務には、勤務の割り振りによって2つの考え方があります。
通常の勤務時間として午後10時から翌朝5時まで働く場合は、夜勤手当として勤務1時間当たりの給与額の25%が支給されます。
一方、通常の勤務時間を超えて深夜に残業した場合は、超過勤務手当の割増率に25%が加算されます。
この違いを理解しておくと、給与明細に記載された夜勤手当と超過勤務手当を確認しやすくなります。
月60時間超の残業には超勤代休時間制度がある国家公務員には、長時間の超過勤務を行った職員に休息の機会を与えるための超勤代休時間制度があります。
これは、月60時間を超える超過勤務について、割増率の引上げ分の支給に代えて、代休時間を指定できる仕組みです。
例えば、月76時間の超過勤務をした場合、60時間を超えた16時間分について、通常の125%から150%に引き上げられる部分の25%分に相当する時間を計算します。
16時間×25%=4時間となるため、条件を満たせば4時間分の超勤代休時間を指定できます。
この場合でも、超過勤務手当の125%相当分は支給されます。代休に置き換えられるのは、割増率の引上げ分です。
指定期間は原則として60時間を超えた月の翌月・翌々月で、4時間または7時間45分を単位として指定する制度です。職員の意向も尊重され、事前に希望しない旨を申し出た場合には指定しない取扱いがあります。
【月45時間・年360時間】公務員の残業時間の上限規制を解説
公務員の残業時間には、職員の健康確保や長時間労働の抑制を目的とした上限規制があります。
ここで注意したいのは、残業代の支給割合と、残業時間の上限は別の制度だということです。
国家公務員の原則的な上限は月45時間・年360時間人事院規則15-14では、一般的な部署で勤務する国家公務員について、超過勤務命令の上限を次のように定めています。
- 1か月:45時間
- 1年間:360時間
この上限は、使用者が自由に残業を命じられる目標時間ではありません。必要最小限の超過勤務を命じるという原則の下に設定されています。
他律的業務の比重が高い部署には別の上限がある国会対応や国際関係、予算折衝など、業務量や実施時期を自分たちで調整しにくい部署については、他律的業務の比重が高い部署として指定される場合があります。
この場合、通常の部署とは異なる上限が設定されています。
- 1か月:100時間未満
- 1年間:720時間
- 2~6か月の平均:月80時間以下
- 月45時間を超える月:年間6か月まで
加えて、大規模災害への対処や重要政策に関する法律の立案、国際交渉など、特に緊急に処理する必要がある特例業務では、一定の条件の下で上限を超える超過勤務命令が認められます。
ただし、例外が認められる場合でも、超過勤務を必要最小限にし、健康確保に最大限配慮するとともに、超過勤務の要因について整理・分析・検証する義務があります。
地方公務員にも上限規制がある地方公務員についても、国家公務員の制度を踏まえ、各自治体の条例や人事委員会規則などによって時間外勤務命令の上限が定められています。
多くの自治体では、一般的な職員について月45時間・年360時間を基本とし、他律的業務の比重が高い部署には別の基準を設けています。
ただし、人事院規則15-14が地方公務員にそのまま適用されるわけではありません。実際の上限や例外については、所属自治体の勤務時間条例・規則を確認する必要があります。
上限を超えたら残業代は支給されない?これは公務員残業代に関する代表的な誤解です。
月45時間・年360時間を超えたからといって、その時間分の残業代が一律に支給されなくなるわけではありません。
上限規制は、管理者が職員に超過勤務を命じる時間を制限するための制度です。一方、超過勤務手当は、支給要件を満たして実際に勤務した時間に対して支給する給与制度です。
したがって、上限規制への違反が問題になるケースと、超過勤務手当の未払いが問題になるケースは、分けて考える必要があります。
【サービス残業・未払い対策】公務員残業代の申請方法と確認ポイント
公務員の職場でも、勤務時間の記録と実際の勤務状況に食い違いが生じ、超過勤務手当の支給額が適正でないケースがあります。
2026年に公表された人事院の調査資料からも、勤務時間の記録や申請方法をめぐる問題が確認されています。
2026年公表の人事院調査で28件の追給を確認人事院が2026年5月に公表した「勤務時間の管理等に関する調査結果等について(令和7年度)」では、本府省18機関と地方47官署を対象に、約2,500人の職員について、直近1か月分の在庁時間と超過勤務時間の記録を照合しました。
その結果、一部で超過勤務時間が適切に記録されていない事例が確認され、超過勤務手当の追給28件、返納3件などの対応が行われました。
また、超過勤務の適正な管理や手当の支給を求める個別通報については、2025年度中に関係府省へ10件の確認・対応要請が行われています。
具体的には、実際の超過勤務時間が正確に記録されていなかったケースで、勤務時間を修正して手当を追加支給した事例がありました。
加えて、正規の勤務時間開始前に勤務したことを報告できないという問題についても、改善要請後に勤務実績に応じた手当が支給されるようになった事例が公表されています。
こうした調査は、パソコンの使用記録などの客観的なデータと、超過勤務命令簿の記録を照合する方法で行われています。
公務員残業代の申請・確認方法5ステップ残業代が正しく支給されていないと感じた場合は、次の順序で確認すると整理しやすくなります。
ステップ1:実際の勤務時間を記録する
出勤・退勤時刻、休憩時間、業務開始・終了時刻を日ごとに記録します。休日勤務や深夜勤務についても、通常の残業と分けて記録しておきましょう。
ステップ2:業務指示や勤務記録を保管する
上司からのメールやチャット、業務依頼、会議記録、パソコンのログ、勤務システムの履歴など、実際に仕事をしたことを確認できる資料を保存します。
特に、事前に申請した残業時間と実際の勤務時間に差がある場合は、その理由が分かる資料を残しておくことが重要です。
ステップ3:超過勤務命令簿と給与明細を照合する
申請した勤務時間、承認された勤務時間、給与明細に記載された超過勤務手当の時間数を比較します。
平日・週休日・深夜などの区分が正しく処理されているか、月60時間超の割増率が適用されているかも確認します。
ステップ4:所属長や人事・給与担当部署に修正を申し出る
勤務記録に誤りがある場合は、対象日、実際の勤務時間、担当業務、業務指示の内容などを整理して、所属長や人事担当部署に確認を依頼します。
必要に応じて、超過勤務時間の修正や未支給分の追給について相談します。
ステップ5:解決しない場合は相談・審査制度を利用する
国家公務員の場合は、人事院の勤務時間調査・指導室や苦情相談窓口などが相談先になります。また、給与決定に関する不服については、国家公務員給与法第21条に基づく審査申立ての制度があります。
地方公務員の場合は、自治体の人事担当部署、人事委員会、公平委員会、職員団体などに相談する方法があります。
地方公務員については、労働基準監督機関の権限が職場の事業区分などによって異なるため、労働基準監督署だけに相談先を限定せず、人事委員会・公平委員会などにも確認することが大切です。
公務員のサービス残業で注意すべきこと公務員のサービス残業・未払いを確認するときは、次の3点が重要です。
- 申請した時間と実勤務時間の違い:実際に働いた時間が申請記録に反映されているか。
- 勤務命令の内容:上司の指示に基づく業務だったか、業務量や期限などから勤務の必要性が生じていたか。
- 手当の計算区分:通常勤務、週休日、深夜、月60時間超の割増率が正しく適用されているか。
特に、上司から残業を申請しないよう求められたり、実際の退勤時刻より早い時刻を記録するよう指示されたりした場合は、記録を残したうえで適切な相談窓口に申し出ることが重要です。
人事院の2026年公表資料は、勤務時間の適正な記録と超過勤務手当の支給が、制度を適切に運用するための基本であることを示しています。
【プロの結論】公務員残業代で間違えやすい5つのポイント
公務員残業代を理解する際には、制度の名称や割増率だけでなく、実際の勤務命令、勤務時間の記録、支給対象となる給与項目まで確認する必要があります。
特に、次の5つは誤解が生じやすいポイントです。
- 誤解1:公務員には残業代がない。
国家公務員には超過勤務手当、地方公務員には時間外勤務手当がある。 - 誤解2:月45時間を超えると残業代が出ない。
45時間は原則的な超過勤務命令の上限であり、手当の支給上限ではない。 - 誤解3:国家公務員と地方公務員の計算方法は同じ。
国家公務員は給与法と人事院規則、地方公務員は各自治体の給与条例・規則に基づく。 - 誤解4:庁舎に残っていれば全時間が残業になる。
実際の公務上の勤務内容や勤務命令の有無を確認する必要がある。 - 誤解5:休日勤務はすべて同じ割増率になる。
正規の勤務時間中の休日給と、正規の勤務時間を超えた勤務に対する手当は区別される。
また、国家公務員の2025年平均224時間という数字は、全職員の勤務実態を一律に示すものではありません。人事院の調査対象には一定の除外条件があり、職場や職種、担当業務によって残業時間は大きく異なります。
地方公務員についても、自治体の規模や業務内容、職員数、条例上の勤務条件によって、時間外勤務の状況や手当額に差が生じます。
したがって、残業代の金額を比較するときは、単純な月額だけではなく、計算対象となる給与、勤務時間、割増率、実際の残業時間を確認する必要があります。
【公務員残業代】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:公務員の残業代は何時間から支給されますか?
A1:国家公務員の場合、公務上の必要性に基づく勤務命令に従い、正規の勤務時間を超えて勤務した時間が基本的な支給対象です。月45時間や年360時間に達するまで待つ必要はありません。地方公務員も、各自治体の条例・規則に従って支給されます。
Q2:公務員の残業代は1時間いくらですか?
A2:給与額や地域手当、勤務区分によって異なります。国家公務員の場合は、勤務1時間当たりの給与額に通常125%、週休日など135%の支給割合を掛けて計算します。深夜勤務ではさらに25%が加算されます。
Q3:月45時間・年360時間を超えた残業代は支給されますか?
A3:支給要件を満たす超過勤務であれば、上限を超えたという理由だけで手当がなくなるわけではありません。ただし、上限規制に違反した勤務命令については、別途、適切な管理や検証が必要です。
Q4:公務員の残業代は地方公務員も国家公務員と同じですか?
A4:基本的な考え方は共通していますが、根拠となる法律や計算方法が異なります。地方公務員は各自治体の給与条例や規則によって具体的な支給条件が決まるため、所属自治体の制度を確認してください。
Q5:事前に残業申請をしていなかった場合、残業代は請求できますか?
A5:事前申請がなかった場合でも、実際の勤務が命令に基づくものだったか、業務上の指示や勤務状況がどうだったかを確認する必要があります。勤務記録やメール、業務指示などの資料を保存し、所属長や人事担当部署に勤務時間の修正を相談してください。
Q6:公務員の残業が月60時間を超えた場合はどうなりますか?
A6:国家公務員の場合、法令上の集計対象となる超過勤務の月60時間超の部分には、原則150%、深夜は175%の割増率が適用されます。また、割増率の引上げ分に代えて超勤代休時間を指定する制度もあります。
まとめ:公務員残業代は計算方法・上限・勤務記録の確認が重要
公務員残業代は、国家公務員と地方公務員で根拠法令や具体的な計算方法が異なります。国家公務員は国家公務員給与法と人事院規則15-14などに基づき、地方公務員は地方公務員法第25条と各自治体の給与条例・規則に基づいて支給されます。
国家公務員の通常の時間外勤務は125%、週休日などは135%が基本で、深夜には25%が加算されます。月60時間を超えた部分については、原則150%の割増率が適用される仕組みです。
2025年の国家公務員の年間平均超過勤務時間数は224時間で、本府省では372時間でした。加えて、2026年5月に公表された人事院の調査では、超過勤務手当の追給28件が確認されています。
月45時間・年360時間という上限規制は、長時間労働を抑制するための仕組みであり、残業代の支給を打ち切る基準ではありません。実際に勤務した時間と給与明細、超過勤務命令簿の記録を照合することが、未払いを防ぐ第一歩です。
公務員の残業代を正しく把握するには、平均時間や割増率だけでなく、自分の所属する組織の給与条例・勤務時間規則まで確認することが欠かせません。勤務記録を適切に残し、疑問があれば人事担当部署や相談窓口を利用することで、適正な手当支給につなげられます。
主な公的資料・根拠
- 人事院「国家公務員の超過勤務の実態(令和7年)」(2026年8月)
- 人事院「勤務時間の管理等に関する調査結果等について(令和7年度)」(2026年5月)
- 一般職の職員の給与に関する法律第16条・第19条
- 人事院規則15-14、規則9-97
- 地方公務員法第25条
- 総務省「令和6年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査」