2026年の国際的な国別イメージを比較するうえで、特に注目されるのがNira DataとAlliance of Democracies Foundationが公表した「Democracy Perception Index 2026」だ。
同調査には、世界98カ国の94,146人が参加。民主主義に関する意識だけでなく、世界の国々に対するイメージを調べる独立した調査項目も設けられている。
国別イメージの比較では、85カ国の回答者による評価を集計。国際機関を含む68対象のうち、全85カ国で評価された対象をランキング化している。国だけを抜き出すと65カ国となる。
世界で否定的な評価が目立つ国TOP102026年・Net Perception Score(肯定的評価率-否定的評価率)
1位:イスラエル
Net Perception Score
−24

2位:北朝鮮
Net Perception Score
−19
2位:アフガニスタン
Net Perception Score
−19
4位:イラン
Net Perception Score
−17
5位:アメリカ
Net Perception Score
−16
6位:イラク
Net Perception Score
−13
7位:ロシア
Net Perception Score
−11
8位:シリア
Net Perception Score
−10
9位:パキスタン
Net Perception Score
−9
10位:ベラルーシ
Net Perception Score
−5
出典:Democracy Perception Index 2026の国別評価を紹介したVisual Capitalistのランキング。数値は順位ではなく、肯定的評価と否定的評価の差。
この結果で際立つのは、イスラエルが2位以下を5ポイント以上引き離して最下位になっていることだ。
また、アメリカが5位、ロシアが7位に入っている点も見逃せない。世界的な軍事力や経済力を持つ大国であっても、国際的な好感度が高いとは限らない。
好感度が高い国はどこ?反対に、肯定的な評価が目立つ国々も確認しておこう。
| 順位 | 国名 | ネット評価スコア |
|---|---|---|
| 1位 | スイス | +36 |
| 1位 | カナダ | +36 |
| 3位 | 日本 | +34 |
| 4位 | スウェーデン | +33 |
| 5位 | イタリア | +32 |
| 5位 | ノルウェー | +32 |
| 7位 | スペイン | +31 |
| 8位 | オーストラリア | +30 |
| 8位 | デンマーク | +30 |
| 8位 | ニュージーランド | +30 |
日本が世界3位に入っているのは注目すべき結果だ。
日本の文化、観光、技術、社会的な安定性などが国際的なイメージを支える要因として考えられる。ただし、このランキングだけで個々の評価理由を特定することはできない。
【65カ国と36カ国を比較】2026年の国際世論調査で分かったこと
ここで重要になるのが、Nira Dataの国別イメージ評価とPew Research Centerの調査結果の違いだ。
どちらも国際世論を扱っているが、測定方法が異なる。
Nira Dataの調査は何を測定している?Democracy Perception Index 2026の国別イメージ調査では、回答者に各国や国際機関について総合的な印象を尋ねている。
回答の選択肢は次の5段階だ。
- 非常に好意的
- やや好意的
- どちらでもない
- やや否定的
- 非常に否定的
そして、次の計算式によってネット評価スコアを算出する。
ネット評価スコア=肯定的評価率-否定的評価率
例えば、肯定的評価が30%、否定的評価が50%なら、スコアはマイナス20となる。
つまり、イスラエルのマイナス24は「24%の人が嫌っている」という意味ではない。肯定的な評価と否定的な評価の差が24ポイント、否定側に傾いているという意味だ。
Pew Research Centerの36カ国調査一方、Pew Research Centerは2026年2月8日から5月13日にかけて、36カ国の42,151人を対象にアメリカの国際的評価などを調査した。
イスラエルについても別の36カ国調査を実施しており、こちらは44,657人が参加している。
Pewの結果で特に注目されるのが、イスラエルとアメリカに対する否定的な評価だ。
- イスラエル:36カ国の中央値で67%が否定的、25%が肯定的。
- アメリカ:36カ国の中央値で57%が否定的、37%が肯定的。
この2つは質問対象や集計方法が異なる別調査だが、2026年の国際的な評価が厳しくなっていることを示している。
調査結果から見える国際世論の特徴Nira DataとPew Research Centerの調査を比較すると、次の3点が浮かび上がる。
1. イスラエルへの否定的評価は複数の調査で確認されている。
Nira Dataでは国別イメージ評価が最下位。Pewでも36カ国の否定的評価の中央値が67%となった。
2. アメリカは同盟国からも厳しい評価を受けている。
外交政策や国際協調への姿勢に対する不満が、アメリカのイメージに影響している。
3. 中国とロシアの評価は地域によって大きく異なる。
特定の国が世界中で一様に嫌われているわけではない。政治的な立場や経済的な結びつきによって評価が変わる。
【国別に徹底分析】イスラエル・北朝鮮・アメリカ・ロシア・中国が嫌われる理由
ランキングの数字だけでは、各国が否定的な評価を受ける背景までは分からない。
ここからは、2026年の国際情勢と世論調査を踏まえて、主要国の評価を分析する。
1. イスラエル|ガザ情勢と中東での軍事行動が評価に影響2026年の国際的な評価で最も厳しい結果となったのがイスラエルだ。
大きな背景にあるのが、パレスチナ・ガザ地区をめぐる軍事衝突と人道状況である。
Pew Research Centerの2026年調査では、36カ国の成人のうち、イスラエルに否定的な意見を持つ人の中央値は67%だった。
地域別に見ると、否定的な評価は特に強い。
- トルコ:97%
- パキスタン:95%
- マレーシア:89%
- インドネシア:86%
- 日本:83%
日本でもイスラエルへの否定的評価が83%に達している点は注目に値する。
ヨーロッパでも、スウェーデンとスペインでは78%、オランダでは76%が否定的な意見を示した。
加えて、2026年2月28日にアメリカとイスラエルがイランに対する軍事作戦を開始した後に、Pewの調査対象者の大部分がインタビューを受けている。
中東情勢が国際世論に与える影響は大きく、イスラエル政府の軍事行動に対する批判が国家イメージにも波及している。
ただし、イスラエル政府への批判とイスラエル国民への評価は同じではない。両者を混同しないことが大切だ。
2. 北朝鮮|核・ミサイル問題と国際的孤立北朝鮮はネット評価スコアがマイナス19で、アフガニスタンと並ぶ下位グループに入った。
主な背景として挙げられるのが、核兵器・弾道ミサイル開発、国際社会との緊張、経済制裁、政治体制や人権をめぐる問題だ。
北朝鮮は国際的な情報交流が限られている国でもある。海外の人々が接する情報は、政府発表よりも軍事問題や外交的対立に偏りやすい。
このため、国のイメージが安全保障上の懸念と結びつきやすい構造がある。
なお、北朝鮮についてはPewの2026年36カ国調査で、イスラエルやアメリカと同じ形式の国別好感度データは示されていない。マイナス19という数値はNira Dataの調査によるものだ。
3. アメリカ|世界最強の大国でもイメージは低下アメリカは世界的な経済力、軍事力、文化的影響力を持つ一方、2026年の国際世論では厳しい評価を受けている。
Nira Dataの国別イメージ評価はマイナス16。2024年から2026年までの2年間で、世界的な評価が約40ポイント低下した。
特に影響していると考えられるのが、次の問題だ。
- トランプ政権の外交政策
- 関税政策と貿易摩擦
- 同盟国との関係悪化
- ガザ情勢やイランをめぐる軍事政策
- ウクライナ情勢への対応
- 国際協調より自国の利益を優先する姿勢
Pew Research Centerによると、アメリカを信頼できるパートナーと評価するカナダ人の割合は、2022年の83%から2026年には35%まで低下した。
また、アメリカが世界の平和と安定に貢献していると考える人の割合は、36カ国の中央値で35%だった。
一方、アメリカの評価がすべての国で低いわけではない。
イスラエルではアメリカへの好意的評価が81%に達している。外交関係や安全保障上の結びつきによって、同じ国に対する印象が大きく変わることを示している。
4. ロシア|ウクライナ侵攻後も続く国際的な不信ロシアはマイナス11で下位に入った。
2022年に始まったウクライナへの全面侵攻は、ロシアの国際的な評価を左右する大きな要因となっている。
Pew Research Centerが2026年に実施した37カ国調査では、ロシアに対する否定的評価の中央値が59%、肯定的評価が34%だった。
特にヨーロッパでは厳しい評価が続いており、調査対象となった各国で否定的な回答が60%以上となった。
カナダ、アメリカ、韓国、オーストラリア、日本、イスラエルでも、約75%以上がロシアに否定的な見方を示している。
ただし、ロシアの評価には地域差がある。
インド、インドネシア、マレーシア、スリランカ、タイ、バングラデシュでは、ロシアに好意的な意見が多数派となっている。
エネルギー取引や歴史的な外交関係、安全保障上の立場などが、こうした違いに関係している。
5. イラン|制裁と中東情勢が評価を左右イランのネット評価スコアはマイナス17だった。
背景にあるのは、核開発問題をめぐる国際的な対立、経済制裁、周辺地域での緊張、アメリカやイスラエルとの関係などだ。
2026年のNira Dataの調査では、アメリカとイランの対立について、98カ国のうち41カ国でイラン側により強い共感が示された。一方、アメリカ側は28カ国、残る29カ国はおおむね拮抗していた。
ここで注意したいのは、これはイランという国への好感度を直接測定した結果ではないという点だ。
アメリカとの対立においてイラン側に共感することと、イラン政府や国内制度を肯定的に評価することは別問題である。
国際世論は、単純な親米・反米という二分法だけでは説明できない。
6. 中国|経済的な存在感と政治体制への評価が分かれる中国のネット評価スコアはプラス7で、否定的な評価が優勢な国々とは異なる結果となった。
Pew Research Centerの2026年37カ国調査では、中国への好意的評価の中央値が51%、否定的評価が39%だった。
特にパキスタンでは90%が中国に好意的な意見を持つ一方、日本では好意的評価が11%にとどまった。
中国の世界的評価には、次のような相反する要素が存在する。
- 世界有数の経済大国としての存在感
- 製造業や先端技術の発展
- インフラ投資や貿易関係
- 人権や政治的自由をめぐる懸念
- 台湾や周辺国との安全保障上の緊張
Pewの調査では、中国の評価はラテンアメリカやアフリカなどで比較的好意的で、ヨーロッパや北米では厳しい傾向が見られた。
中国を一律に嫌われている国と位置付けることは、実際の国際世論とは一致しない。
【国際世論の意外な実態】嫌われる国は地域によって変わる
同じ国でも、調査する地域によって評価は大きく変わる。
この違いを理解することは、国別好感度ランキングを正確に読み解くうえで欠かせない。
アメリカと中国の評価が逆転2026年のPew Research Centerの36カ国調査で注目されたのが、アメリカと中国の評価の逆転だ。
多くの国で中国の方がアメリカより好意的に評価されており、アメリカの方が高評価だったのは6カ国に限られた。
カナダでは、2023年にアメリカを好意的に評価した人が57%だったのに対し、中国は14%だった。
ところが2026年には、中国が44%、アメリカが33%となった。
かつてアメリカに対して強い親近感を持っていた国でも、外交政策などを背景に評価が変わっている。
これは、アメリカの国際的イメージが従来の地位を維持できなくなっていることを示す興味深い変化だ。
ロシアはヨーロッパとアジアで評価が異なるロシアについても同様の傾向が見られる。
ヨーロッパでは否定的な評価が強い一方、インドや東南アジアの一部では肯定的な評価が多数派だ。
歴史的な外交関係、軍事協力、エネルギー取引、国際政治における利害の違いが、評価を左右している。
つまり、国際的な評判は世界共通の固定されたものではない。
日本は世界からどう見られている?日本は2026年の国別イメージ評価でプラス34となり、世界3位に入った。
特に日本の国際的イメージを支える要素として考えられるのが、次の分野だ。
- アニメ、漫画、ゲームなどのポップカルチャー
- 和食や伝統文化
- 観光地としての魅力
- 自動車や精密機器などの技術力
- 社会インフラや生活環境への評価
日本は経済規模や軍事力だけで評価されているわけではない。
日常的な文化交流や観光を通じて築かれる親近感も、国のイメージを形成する重要な要素になっている。
ただし、プラス34という数字は、すべての国の人々が日本を好きだという意味ではない。あくまで調査対象となった国々の評価を集計した結果だ。
【プロの結論】嫌われてる国ランキングを正しく理解する3つの基準
2026年の国際世論調査から見えてきたのは、世界で否定的な評価を受ける国には、いくつかの共通した構造があるということだ。
特に重要なのは、次の3つの視点である。
1. 政府の政策と国民を区別する国際的な評価が悪いからといって、その国の国民全員が嫌われているわけではない。
例えば、イスラエル政府の軍事政策に対する批判と、イスラエルで暮らす一般市民への評価は異なる。
ロシア政府のウクライナ政策への反対も、ロシア人全員への反感と同一視できない。
国家イメージを考える際は、政府、政治体制、国民、文化を分けて考える必要がある。
2. 好感度と国際的な影響力は別物アメリカは世界的な影響力を維持している一方、国際的な好感度では厳しい評価を受けている。
中国も経済力や技術力を背景に存在感を高めながら、政治体制や安全保障上の問題については批判を受けている。
つまり、世界で強い国と世界で好かれる国は必ずしも一致しない。
これは国際政治を理解するうえで非常に要点だ。
3. 1つの調査だけで世界の総意と決めつけないランキングを読む際は、次の点を確認したい。
- 調査対象国はどこか
- 回答者数は何人か
- 調査時期はいつか
- 質問は国への好感度なのか、政府への信頼なのか
- 肯定的評価と否定的評価のどちらを集計しているのか
- 地域ごとの回答にどのような差があるのか
例えば、Nira Dataのマイナス24とPew Research Centerの否定的評価67%は、同じ指標ではない。
数字だけを並べて順位を比較すると、調査の意味を取り違えてしまう。
2026年の国別イメージを理解するなら、順位そのものよりも、なぜ評価が下がったのか、どの地域で評価が異なるのかを見ることが重要だ。
【嫌われてる国ランキング2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年に世界で最も嫌われている国はどこですか?
A1:Nira DataのDemocracy Perception Index 2026に含まれる国別イメージ評価では、イスラエルがマイナス24で最下位です。北朝鮮とアフガニスタンがマイナス19で続いています。
Q2:アメリカは世界で嫌われている国なのですか?
A2:2026年の調査では、アメリカのネット評価スコアはマイナス16です。Pew Research Centerの36カ国調査でも、否定的評価の中央値は57%でした。ただし、イスラエルなどアメリカに好意的な国もあります。
Q3:日本は世界で何位ですか?
A3:2026年のNira Dataの国別イメージ評価では、日本はプラス34で世界3位です。スイスとカナダに続く高い評価を獲得しています。
Q4:中国とロシアでは、どちらの評価が悪いですか?
A4:Nira Dataの2026年調査では、中国がプラス7、ロシアがマイナス11です。世界全体のネット評価ではロシアの方が否定的ですが、地域によって結果は異なります。
Q5:嫌われる理由は戦争だけですか?
A5:戦争や軍事行動は大きな要因ですが、それだけではありません。外交政策、経済制裁、人権問題、政治体制、国際協調への姿勢なども国家イメージに影響します。
Q6:国別イメージのネット評価スコアとは何ですか?
A6:肯定的な評価の割合から否定的な評価の割合を引いた数値です。プラスなら肯定的な評価が優勢、マイナスなら否定的な評価が優勢という意味です。
まとめ:2026年の世界で嫌われる国と国際世論の今後
2026年の国際調査を比較すると、イスラエル、北朝鮮、アフガニスタン、イラン、アメリカなどが、国別イメージ評価で下位に位置している。
特にイスラエルはNira Dataの調査で最下位となり、Pew Research Centerでも36カ国の否定的評価の中央値が67%に達した。複数の国際調査で厳しい評価が確認されている点は、今年の大きな特徴だ。
一方、アメリカは国際的な影響力を保ちながらも、外交政策や同盟国との関係をめぐって評価が低下。中国は地域によって評価が分かれ、ロシアもヨーロッパとアジアで異なる印象を持たれている。
対照的に、日本、スイス、カナダなどは好意的な国別イメージを獲得した。
世界で嫌われている国ランキングは、単なる人気投票ではない。戦争、外交、経済、人権、文化交流など、国際社会が各国をどのように見ているかを映し出す指標である。今後も国際情勢の変化によって国家イメージは動いていくため、順位だけでなく、その背景にある世論の変化を追い続けることが大切だ。