日本の近代五種を語るうえで欠かせない人物が、だ。
佐藤選手は2024年8月10日、パリ2024オリンピックの男子個人で銀メダルを獲得した。これは日本の近代五種史上初となるオリンピックメダルであり、長年にわたって日本勢が表彰台に届かなかった競技に大きな歴史を刻んだ。
佐藤大宗はどのように近代五種を始めたのかJOCの公式インタビューによると、佐藤選手は青森山田中学校・高校で水泳に取り組んでいた。
高校卒業後は海上自衛隊に入隊。その後、自衛隊での教育期間中に兄が近代五種経験者から声をかけられたことが、競技を始めるきっかけとなった。
最初から5種目すべてに秀でた選手だったわけではない。
本人のインタビューでは、フェンシングや射撃に苦手意識があったことも語られている。走力や水泳といった基礎体力を鍛えながら、技術系種目も重点的に練習し、国際舞台で戦える選手へと成長した。
パリ五輪で銀メダルを獲得した勝因日本近代五種協会の大会報告によると、佐藤選手は準決勝B組を1位で通過した。
決勝では、馬術で満点を記録して2位につけ、その後のフェンシングボーナスラウンドでも順位を維持。水泳終了時点では4位となった。
最後のレーザーランでは、特に3回目と4回目の射撃で力を発揮し、最終的に銀メダルを獲得した。
この展開が示しているのは、近代五種では一つの種目で多少順位を落としても、最後まで勝負を諦める必要がないということだ。
佐藤選手の銀メダルは、射撃の精度とランニングの力を組み合わせた逆転可能性を、日本のスポーツファンに強く印象づけた。
ロサンゼルス2028では何が変わる?2028年のロサンゼルス五輪では、馬術に代わってオブスタクルが正式なオリンピック競技構成に組み込まれる。
UIPMは2023年10月16日、IOC第141回総会で近代五種がロサンゼルス2028の実施競技として承認されたと発表した。
これは、1912年から続く近代五種が、新しい競技形式でオリンピックへの連続出場を維持することを意味する。
今後の注目点は、従来の水泳や射撃、フェンシングの強豪に加え、障害物レースを得意とする選手がどのように競技に適応していくかだ。
特に、オブスタクル競技経験者が近代五種へ参入しやすくなることは、競技人口の拡大という面でも期待される。
日本にとっても、佐藤選手が築いた実績を次の世代につなげられるかが大きなテーマとなる。
【プロの結論】近代五種の本当の面白さは総合力と変化への対応力

近代五種を理解するとき、単に5つの競技を一人でこなすスポーツとして捉えるだけでは、その本質を十分に理解できない。
本当の特徴は、競技ごとに異なる能力を要求されるだけでなく、種目間の得点差を最終種目の勝敗へつなげる競技設計にある。
2026年のルール変更も、この特徴をより明確にした。
水泳100m化によって短距離のスピードが重視され、レーザーランの5シリーズ化によって射撃を繰り返す集中力が必要になった。一方、オブスタクルの採用によって、握力や身体操作能力も重要な評価対象になっている。
観戦する側が注目すべき判断基準は、次の3つだ。
1. 一つの種目だけで評価しないこと。 水泳が速くても、射撃やフェンシングで失点すれば優勝は難しい。
2. 先行種目の得点差を確認すること。 レーザーランのスタート時間を理解すると、逆転の可能性が見えてくる。
3. 2024年以前と2025年以降を混同しないこと。 馬術のある近代五種とオブスタクルを採用した近代五種は、同じ名称でも競技内容が異なる。
近代五種は、伝統を守るだけではなく、競技の存続に必要な改革を進めてきたスポーツだ。
2028年のロサンゼルス五輪は、その改革が世界規模で試される舞台になる。
【近代五種に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:近代五種は5種目なのに、なぜ競技種目は4つなのですか?
A1:射撃とランニングをレーザーランという一つの競技に統合しているためです。フェンシング、オブスタクル、水泳、レーザーランの4競技枠ですが、射撃とランニングを別々に数えると5つの競技要素になります。
Q2:近代五種の水泳は2026年から何メートルになりましたか?
A2:従来の200m自由形から100m自由形に変更されました。基準タイムは1分10秒で250点となり、0.2秒ごとに1点が増減します。
Q3:近代五種で馬術が廃止されたのはなぜですか?
A3:東京2020五輪での馬の福祉をめぐる問題に加え、競技運営の費用や複雑さ、世界的な普及、若年層への訴求力などが改革の背景にあります。パリ2024が最後のオリンピック馬術競技となり、ロサンゼルス2028からオブスタクルが採用されます。
まとめ:近代五種は2028年に向けて新時代へ
近代五種は、1912年のストックホルム五輪で誕生して以来、時代に合わせて競技形式を変えてきた。
2026年現在は、フェンシング、オブスタクル、水泳100m、レーザーランという構成が採用され、射撃も従来の4シリーズから5シリーズへ変更されている。
馬術廃止は伝統的な競技の終わりである一方、オブスタクル導入による新しい可能性の始まりでもある。
そして、日本では佐藤大宗選手がパリ2024で銀メダルを獲得し、世界に日本の近代五種の実力を示した。
【プロの最終結論】 近代五種の勝敗を左右するのは、単独種目の能力ではなく、異なる競技を横断する総合力だ。2026年の新ルールを理解することは、ロサンゼルス2028の競技をより深く楽しむための第一歩となる。伝統を受け継ぎながら進化する近代五種は、これからのオリンピックを象徴する競技の一つになり得る。