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【まず結論】警察官にも肖像権はある!公務中だからといって無制限にはならない

花澤 美咲 花澤 美咲 • 更新: • 公開: • 読了約 25 分
目次

警察官は公務員ですが、公務員であることを理由に、個人としての人格的利益をすべて失うわけではありません。

肖像権とは、自分の容貌や姿をみだりに撮影されたり、撮影された写真・動画を無断で公表されたりしない利益を指します。日本では肖像権を包括的に定めた独立の法律はなく、憲法13条の趣旨や裁判例を通じて人格権の一部として保護されてきました。デジタルアーカイブ学会の「肖像権ガイドライン」も、このような判例法上の位置づけを説明しています。

ただし、警察官の肖像権を考える際には、一般人とまったく同じ条件で判断することも適切ではありません。

公務中の警察官はどこまで撮影を受け入れる必要がある?

警察官は、国民の安全を守るために公権力を行使する立場です。

職務質問、交通違反の取締り、逮捕、現場検証などは、いずれも国民の権利や自由に直接関係する活動です。そのため、職務の適正さを確認する目的で撮影することには、相応の公共性があります。

例えば、次のようなケースでは、撮影の正当性を支える事情が認められやすくなります。

- 職務質問のやり取りを後から確認するための撮影
- 警察官の説明や対応を記録する目的の撮影
- 逮捕手続や交通取締りの適正性を検証するための撮影
- 公共の場所で行われている警察活動の記録

一方、警察官の顔にカメラを極端に近づける、執拗に追い回す、職務を妨害する、侮辱目的で個人攻撃を繰り返すといった行為は、別の法的問題を生じさせます。

重要なのは、公務中という事情は肖像権を消滅させるものではなく、撮影や公開を正当化する方向に働く判断要素の一つだということです。

憲法13条と憲法21条はどう関係する?

この問題では、2つの憲法上の利益が関係します。

憲法 保護する利益 警察官撮影との関係
憲法13条 個人の尊重、幸福追求権 みだりに容貌を撮影・公開されない人格的利益
憲法21条 表現の自由、報道の自由 警察活動を記録し、問題点を社会に伝える自由

憲法13条は、警察権力による不当な撮影などから個人を守る根拠になります。

憲法21条は、警察官の職務執行を記録し、社会に発信する行為を支える重要な原理です。

もっとも、私人同士の肖像権侵害を直接判断するときには、憲法の規定だけで結論が決まるわけではありません。民法709条の不法行為責任などを通じて、人格的利益と表現の自由、公共性を比較衡量します。

つまり、警察官の肖像権と撮影者の表現の自由は、どちらか一方が常に優先される関係ではありません。

【判例で徹底検証】警察官の撮影と肖像権をめぐる重要裁判3例

警察官肖像権

警察官肖像権を理解するうえで欠かせないのが、最高裁判所の判例です。

ただし、ここで注意したいのは、代表的な判例の多くが「警察官が市民を撮影したケース」や「報道機関が被疑者を撮影したケース」であることです。

市民が職務中の警察官を撮影する行為について、すべての状況を一律に許可・禁止した最高裁判決があるわけではありません。

1.京都府学連事件・最高裁昭和44年12月24日

重要判例

警察官による写真撮影と憲法13条の関係を考えるうえで、最も基本となる判例です。

1962年6月21日、京都府学連が主催した大学管理制度改革反対デモに参加していた学生を、警察官が撮影しました。

撮影に抗議した学生が警察官に暴行を加えたとして、公務執行妨害・傷害事件に発展。最終的に最高裁大法廷が1969年12月24日に判断を示しました。

この判決で重要なのは、本人の同意がない撮影であっても、警察による撮影が常に違法になるわけではないとした点です。

最高裁は、警察官による撮影について、次の条件を示しました。

1. 現に犯罪が行われている、または犯罪が行われた直後であること。
2. 証拠を保全する必要性と緊急性があること。
3. 撮影方法が一般的に許容される限度を超えない相当なものであること。

これらの条件を満たす場合には、本人の同意や裁判官の令状がなくても、撮影が憲法13条・35条に違反しない場合があると判断しました。

この事件は、警察官が市民を撮影する側の事案です。

そのため、市民が警察官を撮影するときに、この3条件をそのまま当てはめることはできません。しかし、撮影の目的、必要性、方法の相当性を考えるうえで、重要な考え方を示しています。

2.最高裁平成17年11月10日・法廷内写真撮影事件

もう一つ重要なのが、最高裁第一小法廷による2005年11月10日の判決です。

この事件では、刑事事件の被疑者が法廷で手錠と腰縄を付けている姿を、週刊誌のカメラマンが裁判所の許可なく隠し撮りし、雑誌に掲載しました。

最高裁は、撮影の適法性を判断する際に、次の事情を総合的に考慮すべきとしました。

- 被撮影者の社会的地位
- 撮影された人物の活動内容
- 撮影場所
- 撮影目的
- 撮影方法
- 撮影の必要性

そして、被撮影者の人格的利益の侵害が、社会生活上受忍すべき限度を超えるかどうかによって違法性を判断するとしました。

裁判所の許可を得ない隠し撮りであったことや、手錠・腰縄姿を撮影する必要性が乏しかったことなどが問題となり、写真の撮影行為について肖像権侵害が認められました。

この判例から読み取れるのは、公共性の高い事件であっても、撮影方法や公開内容が無条件に正当化されるわけではないということです。

3.2022年10月28日・逮捕動画のYouTube投稿をめぐる判決

SNS公開を考える重要判例

警察官の肖像権そのものを争った事件ではありませんが、逮捕現場の動画公開と肖像権の関係を考えるうえで、非常に参考になる裁判例です。

東京地方裁判所は2022年10月28日、逮捕時の動画をYouTubeに投稿された男性の請求について判断しました。

事件の概要は次のとおりです。

- 2018年8月3日、撮影者が路上で逮捕現場の動画をYouTubeに投稿。
- 動画には、男性が警察官に制圧され、手錠を掛けられる様子が映っていた。
- 男性の顔にはモザイクがなく、動画には警察官とのやり取りを面白おかしく見せるテロップが付けられていた。
- 動画は同年9月末頃までに削除された。

裁判所は、警察官の逮捕行為という公共性のある出来事であっても、動画が男性を嘲笑の対象にする内容であり、受忍限度を超えて侮辱するものだと判断しました。

その結果、YouTubeへの投稿による肖像権侵害と名誉毀損を認め、慰謝料30万円の支払いを命じました。

ここで重要なのは、現場が公道だったという事情だけでは、公開行為が適法になるわけではなかった点です。

この事件は、警察官ではなく逮捕された男性の肖像権が問題になったものです。しかし、逮捕現場の動画をSNS投稿する場合に、映像の編集や公開方法まで考慮されることを示しています。

主要判例・資料の関係一覧
判例・資料 対象となった撮影・公開 判断・意義
京都府学連事件(1969年) 警察官によるデモ参加者の撮影 捜査目的の撮影が許容される要件を提示
法廷内写真撮影事件(2005年) 報道機関による被疑者の隠し撮り 受忍限度を超える撮影は肖像権侵害
東京地裁判決(2022年10月28日) 逮捕された男性の動画をYouTube公開 侮辱的な公開による肖像権侵害を認定
警察庁の試行結果(2026年8月) 警察官によるウェアラブルカメラ撮影 職務の客観的検証や証拠保全への有用性を確認

このように、警察官肖像権を考える際には、誰が撮影したのか、誰が映っているのか、何のために撮影したのか、どのように公開したのかを区別する必要があります。

【職務質問・公務中の撮影】スマホで警察官を撮影しても違法ではない?

読者が最も気になるのは、職務質問を受けている最中にスマートフォンで警察官を撮影できるかという点でしょう。

一般的には、公道などの公共の場所で、警察官の職務執行を記録するために撮影し、職務を妨害しないのであれば、撮影行為そのものが違法となる可能性は高くありません。

ただし、撮影する場所や方法によって結論は変わります。

職務質問中の撮影は認められる?

職務質問の根拠となるのは、警察官職務執行法2条です。

同条では、異常な挙動などの事情から合理的に判断して犯罪の疑いがある場合などに、警察官が対象者を停止させて質問できると定めています。

一方、同条3項では、刑事訴訟に関する法律による場合を除き、対象者を身柄拘束したり、意思に反して警察署などへ連行したり、答弁を強要したりすることはできないとされています。

職務質問は任意の手続きであるため、やり取りを記録する必要性が生じる場面もあります。

例えば、次のような状況です。

- 職務質問の理由について説明を受けている。
- 警察官の発言や対応を後から確認したい。
- 所持品検査の経緯を記録しておきたい。
- 不適切な対応があった場合に証拠として残したい。

こうした目的の撮影は、公共の利益や自己防衛の観点から正当性が認められる方向に働きます。

ただし、撮影のために警察官の進路をふさいだり、身体に接触したりすることは避けるべきです。

撮影を理由に公務執行妨害で逮捕される?

スマートフォンを向けて録画しているという事実だけで、直ちに公務執行妨害罪が成立するわけではありません。

刑法95条の公務執行妨害罪は、公務員の職務執行に対する暴行または脅迫を要件としています。

したがって、単に距離を保って撮影している行為と、身体的な妨害や脅迫を伴う行為は区別されます。

行為 法的な評価の目安
一定の距離から職務質問を撮影 通常、撮影だけで犯罪になるわけではない
警察官の発言を録音する 通常、録音だけで犯罪になるわけではない
カメラを顔に極端に近づける 威圧性や妨害の程度などが問題になる
警察官の身体を押す 暴行など別の犯罪が成立する可能性
警察官を脅迫する 公務執行妨害罪などの問題になり得る
通行や逮捕活動を物理的に妨害する 行為の内容によって刑事責任が問題になる

なお、肖像権侵害そのものは、一般にそれだけで成立する独立の犯罪ではありません。民事上の損害賠償責任と刑事責任は分けて考える必要があります。

警察署や交番の内部を撮影する場合は?

公道と警察署内部では、撮影の条件が異なります。

警察署や交番は、一般の道路と同じ意味で誰でも自由に撮影できる場所ではありません。

施設の管理権、捜査情報、個人情報、他の相談者のプライバシーなどが関係します。

例えば、次のような撮影には注意が必要です。

- 警察署内部の捜査資料を撮影する。
- 他の相談者の顔や氏名を撮影する。
- 事件関係者の個人情報を記録する。
- 撮影禁止区域や立入制限区域で撮影する。

したがって、「警察官を撮影すること」と「警察施設内を自由に撮影すること」は、同じ問題として扱えません。

【撮影と公開の違い】警察官の動画をSNSに投稿すると違法になるケース

警察官の撮影で最も注意したいのが、SNS投稿や動画公開の段階です。

撮影行為が適法であっても、その動画をインターネット上に公開する行為まで自動的に適法になるわけではありません。

撮影した映像を保存することと、不特定多数の人に見せることでは、被撮影者に及ぼす影響が異なるからです。

撮影と公開では判断するポイントが違う

例えば、職務質問のやり取りをスマートフォンに保存する場合、目的は自分自身の記録や証拠保全可能性があります。

しかし、その動画をYouTubeに投稿すれば、警察官の顔や声、発言、所属などが広範囲に拡散される可能性があります。

加えて、動画のタイトルや字幕、編集方法によって、視聴者が受け取る印象も変わります。

判断項目 撮影段階 公開段階
主な目的 記録・証拠保全 報道・批評・情報共有など
公共性 職務の記録に必要か 社会に知らせる必要があるか
撮影方法 距離・時間・態様 編集・切り抜き・加工
プライバシー 不要な人物の映り込み 顔・氏名・個人情報の拡散
侵害の程度 撮影時の精神的負担 公開による継続的な影響

とりわけSNSでは、一度投稿した動画が転載され、元の投稿を削除しても完全には回収できないことがあります。

この点を踏まえると、撮影時点で必要以上の個人情報を記録しないことに加え、公開前の編集にも慎重さが大切です。

警察官の顔にモザイクをかければ問題ない?

モザイク処理は、肖像権やプライバシーへの配慮として有効な方法です。

しかし、顔を隠せば必ず適法になるわけではありません。

例えば、次の情報から個人が特定されることがあります。

- 制服や階級章
- 警察署名や所属部署
- 名札や警察手帳の情報
- 声や特徴的な話し方
- 撮影日時や場所
- 車両番号や周囲の状況

また、警察官の顔を隠していても、侮辱的な字幕や虚偽の説明によって名誉毀損が成立する可能性は残ります。

反対に、警察官の顔が映っているからといって、必ず肖像権侵害になるわけでもありません。

モザイクの有無だけではなく、個人の特定可能性、公開目的、内容、必要性、侵害の程度を総合的に判断することが大切です。

SNS投稿が違法と判断されやすいケース

特に注意したいのは、公共性のある記録から離れ、個人攻撃や嫌がらせに変わっている場合です。

例えば、次のような行為には法的リスクがあります。

1.侮辱目的で動画を編集する

職務上のやり取りを切り取り、警察官を笑いものにする字幕や音声を加えれば、肖像権だけでなく名誉毀損や侮辱の問題も生じ得ます。

2.事実と異なる説明を付ける

動画の一部分だけを切り抜き、実際には確認できない違法行為を断定する投稿は危険です。

3.個人情報を必要以上に公開する

警察官の顔だけでなく、住所や私生活上の情報、家族に関する情報などを拡散する行為は、別途プライバシー侵害の問題を生じさせます。

4.執拗に追跡して撮影する

公務の記録という目的を超えて、勤務場所や移動先を追い回す行為は、撮影方法や被害の程度によって違法性が問題になります。

5.無関係な人まで映像に残す

逮捕現場や職務質問の周囲には、通行人、被害者、未成年者などが映り込むことがあります。これらの人々のプライバシーにも配慮しなければなりません。

特に逮捕現場では、警察官だけでなく、逮捕される人や事件関係者の権利も考慮する必要があります。

【2026年最新】警察官のウェアラブルカメラ導入で撮影をめぐる環境はどう変わった?

2026年11月時点

2026年の警察活動を考えるうえで、見逃せないのがウェアラブルカメラの導入です。

これは警察官が身体に装着し、職務中の状況を記録するカメラです。

市民が警察官を撮影する行為とは別の問題ですが、警察活動の記録と検証という点で深く関係しています。

2025年度から始まったモデル事業

警察庁は2024年10月、警察官によるウェアラブルカメラ活用のモデル事業を発表しました。

当初の計画では、次のような配備が予定されていました。

活動分野 実施地域 配備予定数
地域警察活動 警視庁・大阪・福岡 39式
交通取締活動 愛知・新潟・高知 18式
雑踏警備活動 9都道府県警察 19式

目的は、警察官の職務執行の適正性を客観的に確認することや、犯罪・事故の証拠を保全することです。

2026年8月28日、警察庁が試行結果を公表

2026年8月28日公表

警察庁は2026年8月、ウェアラブルカメラの試行結果を公表しました。

地域警察活動では、警視庁・大阪府警・福岡県警が2025年9月から11月までの3か月間、交通取締活動では愛知県警・新潟県警・高知県警が2025年9月から2026年3月までの6か月間、試行を実施しました。

試行中には、次のような活用事例が確認されています。

- 任意同行の任意性について争いが生じた際、当時の状況を映像で確認。
- 交通取締りの映像を幹部が視聴し、適正性を検証。
- 職務質問をきっかけに薬物事件の検挙に至った映像を、警察官の教育資料として活用。
- 公務執行妨害事件で警察官への加害状況を記録した映像を証拠として利用。

警察庁の公表資料では、職務執行状況を客観的に確認できるようになったことや、映像が実践的な教育資料として役立ったことが報告されています。

一方、撮影される側から「なぜ撮っているのか」「録音するなら話さない」といった反応があったことも明らかになりました。

2026年は全国一律の本格導入が完了した段階ではない

8月28日のITmediaの報道によると、警察庁は試行で有用性が認められたことを受け、実装に向けた予算確保や運用ルールの整備を進める方針を示しました。

つまり、試行結果を受けて導入を進める段階であり、全国の警察官への一律配備が完了したわけではありません。

また、広島県警は雑踏警備のウェアラブルカメラ事業について、2025年9月から2026年9月までの実施結果を10月22日に公表しました。

同県警によると、撮影データは原則として1週間後に自動消去される仕様で、2026年4月から9月までの活用は3件。映像データの保存・提供件数はありませんでした。

市民による撮影にも影響するのか?

ウェアラブルカメラの導入は、市民による撮影を禁止する制度ではありません。

むしろ、警察官自身が職務を記録する取り組みが進むことで、警察活動を客観的な映像で検証することの重要性が高まっています。

今後は、次の3つの視点がより重要になると考えられます。

1. 記録の公平性: 警察官側と市民側の映像を照合できる環境。
2. 情報管理: 撮影データの保存期間、閲覧権限、目的外利用の防止。
3. プライバシー保護: 撮影対象者や周囲の第三者の個人情報を適切に管理する仕組み。

警察官の撮影をめぐる問題は、撮影者と被撮影者の権利だけでなく、警察活動の透明性と市民のプライバシーをどう両立させるかという課題にも広がっています。

【プロの結論】警察官を撮影・公開するときに守りたい5つの判断基準

ここまでの判例と2026年の警察活動を踏まえると、警察官の撮影・動画公開を判断する際には、単純な「撮影OK・NG」ではなく、目的と方法を整理する必要があります。

1.撮影目的が明確か

職務質問や交通取締りの状況を記録するのか、警察活動について社会に問題提起するのか。

目的が明確であれば、撮影や公開の必要性を説明しやすくなります。

反対に、警察官個人を攻撃することだけが目的であれば、公共性は弱くなります。

2.警察官の職務を妨害していないか

撮影する場合は、安全な距離を保ち、警察官の移動や逮捕活動を妨げないことが基本です。

カメラを顔に近づけたり、進路をふさいだりする必要はありません。

3.動画の編集が事実を歪めていないか

動画の一部分だけを切り抜くと、前後のやり取りが分からなくなります。

その結果、実際にはなかった威圧や暴力があったかのような誤解を招く可能性もあります。

証拠としての価値を保つためには、元の動画を編集せず保存しておくことが大切です。

4.第三者のプライバシーに配慮しているか

警察官だけでなく、通行人、被疑者、被害者、未成年者などにも配慮が必要です。

公開する必要がない顔や氏名、車両番号、住所などは、モザイク処理などで特定を防ぐことが望まれます。

5.公開する必要性が本当にあるか

記録を保存することと、SNSに公開することは別です。

不適切な職務執行を証明したいのであれば、まずは元の動画を保管し、弁護士や適切な相談窓口に提出する方法もあります。

すべての記録をインターネット上に公開する必要はありません。

特におすすめできるのは、撮影は記録・検証を目的に行い、公開は公共性と必要性を確認してから判断する方法です。

よくある誤解と正しい理解
ネットで見かける主張 実際の考え方
公務員には肖像権がない 誤り。公務中でも人格的利益は保護され得る
警察官は撮影できない 誤り。公務の記録には公共性がある
公道なら何を撮っても自由 誤り。撮影方法や公開内容によって問題が生じる
撮影した動画は自由に公開できる 誤り。肖像権・名誉権・プライバシーなどを検討する必要がある
モザイクをかければ必ず適法 誤り。個人の特定可能性や公開目的も判断対象
撮影しただけで公務執行妨害になる 誤り。暴行・脅迫などの構成要件を個別に検討する

【警察官の肖像権】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:職務質問中の警察官をスマートフォンで撮影しても大丈夫ですか?

A1:公道などの公共の場所で、警察官の職務執行を記録する目的で撮影し、業務を妨害しない場合には、通常、撮影行為だけで違法になるわけではありません。ただし、撮影場所や方法によって判断は異なります。

Q2:警察官の顔が映った動画をYouTubeやXに投稿しても問題ありませんか?

A2:必ずしも問題ないとは限りません。公共性や公益目的、編集方法、侮辱性、プライバシーへの影響などを総合的に判断します。警察官の顔が映っているだけで違法になるわけではありませんが、個人攻撃や侮辱を目的とした公開には注意が必要です。

Q3:警察官を撮影しただけで逮捕されることはありますか?

A3:撮影行為だけで直ちに逮捕されるわけではありません。ただし、警察官に暴行や脅迫を加えたり、逮捕などの職務を物理的に妨害したりすれば、公務執行妨害罪などが成立する可能性があります。撮影と職務妨害は区別して考える必要があります。

まとめ:警察官の肖像権は撮影と公開を分けて判断することが重要

警察官の肖像権は、公務中だからといって完全になくなるものではありません。

一方で、警察官の職務執行は公共性が高く、市民がその状況を記録することには、表現の自由や適正な行政活動を監視するという重要な意味があります。

京都府学連事件、2005年の法廷内写真撮影事件、2022年の逮捕動画投稿事件からも分かるように、肖像権侵害の判断では、撮影の目的や方法、公開の必要性、被撮影者への影響などが重視されます。

そして2026年には、警察庁のウェアラブルカメラ試行結果が公表され、警察活動そのものを映像で記録・検証する取り組みも次の段階に進みました。

今後、警察官の肖像権をめぐる議論では、警察官の人格的利益だけでなく、市民の記録する自由、報道の自由、プライバシー保護のバランスが一層重要になります。

最も大切なのは、撮影できることと、自由に公開できることを混同しないこと。

職務執行の記録は公共の利益に役立つ一方、SNSへの公開には別の責任が伴います。この違いを理解することが、警察官の肖像権をめぐるトラブルを避けるための基本です。

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花澤 美咲
デジタルマーケター 花澤 美咲
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アイドル現場を10年取材。卒業・加入などの発表はグループ公式サイトと運営の告知で確認し、写真集の発売情報は出版社の公式ページを一次情報としています。

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