2026年11月現在、北海道では札幌市の女性殺害事件や6歳男児死亡事件、函館市で発生から10年を迎えた未解決女性殺人事件など、社会に大きな衝撃を与えた事件が報じられている。逮捕に至った事件がある一方、長期にわたって犯人の特定に至らず、警察が情報提供を呼びかけ続けている事件もある。
北海道警察が公表した令和8年の犯罪統計と、2026年10月までの報道を整理すると、事件ごとに捜査状況や刑事手続きは大きく異なる。ここでは、佐藤紗菜さん殺害事件、札幌市手稲区の男児死亡事件、岸田友子さん殺害事件を中心に、発生経緯、逮捕・不起訴などの状況、未解決事件への情報提供先、さらに2026年に報じられた殺人未遂事件まで解説する。
【2026年最新】北海道で報じられた主な殺人事件と捜査状況

北海道の殺人事件を調べる際、最初に整理したいのは、事件の発生と、その後の刑事手続きが同じ意味ではないという点だ。
被疑者が逮捕された事件でも、起訴されたかどうか、裁判で有罪が確定したかどうかによって法的な状況は異なる。
2026年に北海道内で大きく報じられた事件では、次の3つが特に重要だ。
札幌市厚別区・佐藤紗菜さん殺害事件2026年7月11日、札幌市厚別区のマンションで、看護師の佐藤紗菜さん(22)が死亡しているのが見つかった。
殺人容疑で逮捕されたのは、札幌市厚別区に住むアルバイト従業員の男(33)。報道では岡本優斗容疑者とされている。
事件発覚のきっかけは、男が警察署に自ら出向き、交際相手の女性を殺害したと申し出たことだった。
北海道文化放送(UHB)の2026年7月12日付報道によると、男は佐藤さんの頭部などを金づちで複数回殴打した疑いが持たれ、逮捕後は容疑を認めていた。
翌13日の報道では、司法解剖によって死因が脳挫傷と判明。頭部への殴打は10か所以上に及んでいたと伝えられた。
さらに15日の報道では、佐藤さんの手や腕にも複数の傷があり、警察が防御創の可能性を調べていたことが明らかになった。
事件前に2人が外で会った後、現場となったマンションに向かっていたことや、交際関係のもつれがあったとの容疑者側の説明も報じられている。
ただし、交際関係のトラブルに関する説明と、捜査によって確定した動機は区別する必要がある。
札幌市手稲区・6歳男児死亡事件2026年5月4日、札幌市手稲区の自宅で、6歳の男児が死亡する事件が発生した。
殺人容疑で逮捕されたのは、同居する46歳の母親だった。
北海道文化放送の5月7日付報道によると、母親は自宅で息子の首を圧迫するなどして殺害した疑いが持たれていた。司法解剖では、男児の死因は窒息死と判明している。
母親は事件発生後、自ら通報していた。逮捕後の認否については、認めたり否認したりするなど変化があったと報じられている。
その後、刑事責任能力などを調べるため鑑定留置が行われ、2026年7月30日、札幌地方検察庁は母親を不起訴処分とした。
札幌地検が公表した処分理由は、次のとおりだ。
捜査を尽くし、公判において適正な判決が得られるかという観点から慎重に判断した結果、不起訴処分とした。
この事件で重要なのは、逮捕されたという事実と、刑事裁判で有罪が確定したという事実は異なることだ。
不起訴処分となったため、母親について刑事裁判で有罪判決が出たわけではない。また、検察が公表した説明だけでは、不起訴の具体的な理由を一つに特定することもできない。
【函館市の未解決事件】岸田友子さん殺害から10年、現在の捜査状況
2026年に改めて注目された北海道の未解決殺人事件が、函館市西旭岡町で発生した岸田友子さん殺害事件だ。
事件が発生したのは2016年10月31日。
自宅で殺害された岸田友子さんは、当時68歳だった。
事件の発生経緯2016年10月31日、函館市西旭岡町の住宅で、岸田さんが倒れているのが発見された。
自宅で何者かに首を切られて殺害された事件として、警察による捜査が始まった。
事件発生後、函館中央警察署などは捜査を継続。現場周辺の聞き込みなど、さまざまな捜査活動が行われてきた。
しかし、事件を解決する決定的な手がかりは見つからず、犯人の逮捕には至っていない。
2026年10月、発生から10年HTB北海道ニュースが2026年10月25日に報じた内容によると、警察はこれまでに延べ約8万人の捜査員を投入してきた。
それでも有力な手がかりは得られていない。
現在も22人体制で捜査が続けられている。
事件発生から10年を迎えるのを前に、10月25日には函館競馬場前で警察官がチラシなどを配布し、市民に情報提供を呼びかけた。
函館中央警察署の田中翔刑事・生活安全官は、被害者や遺族のためにも早期解決を目指して捜査を続ける考えを示している。
岸田友子さん事件の情報提供先事件に関する情報を持っている人は、函館中央警察署に連絡できる。
- 担当:函館中央警察署
- 電話番号:0138-54-0110
- 対象:事件当日の目撃情報、不審な人物や車両に関する情報、事件につながる可能性のある情報など
事件当時の記憶が曖昧でも、気になる出来事を覚えている場合は、警察への相談が捜査の手がかりになる可能性がある。
10年という時間が経過しても、過去の目撃情報や新たに判明した事実が事件解決につながる可能性は残されている。
【2026年事件一覧】北海道の殺人・殺人未遂事件を時系列で比較
2026年に北海道内で報道された主な事件を時系列で整理すると、逮捕後に不起訴となった事件、被疑者が逮捕・送検された事件、未解決のまま捜査が続く事件など、異なる状況が見えてくる。
| 発生時期・地域 | 事件の概要 | 2026年11月時点で確認できる状況 |
|---|---|---|
| 5月4日・札幌市手稲区 | 6歳男児死亡事件 | 母親が殺人容疑で逮捕後、7月30日に不起訴 |
| 6月15日・函館市 | 妻への殺人未遂事件 | 被告が起訴後、8月21日に死亡状態で発見 |
| 7月11日・札幌市厚別区 | 佐藤紗菜さん殺害事件 | 33歳の男が殺人容疑で逮捕・送検 |
| 8月2日・札幌市東区 | 夫への殺人未遂事件 | 25歳の女性が逮捕後、10月30日に不起訴 |
| 9月25日・札幌市東区 | 車で男性を転落させた殺人未遂事件 | 26歳と18歳の男が逮捕 |
| 10月20日・札幌市東区 | 中学生への刺傷事件 | 14歳の少年が殺人未遂容疑で逮捕 |
| 2016年10月31日・函館市西旭岡町 | 岸田友子さん殺害事件 | 発生から10年、未解決のまま捜査継続 |
※報道で確認できた主な事件の一覧であり、北海道内の全事件を網羅したものではない。
函館市の妻への殺人未遂事件6月15日には、函館市内の自宅で70代の妻の頭部を金づちで殴り、殺害しようとした疑いで77歳の男が逮捕された。
この事件では、7月17日に殺人未遂罪で起訴された後、被告が病気の治療のため入院。8月16日に入院先の病院から所在不明となり、8月21日に函館山近くで死亡状態で発見された。
HTB北海道ニュースは8月24日、司法解剖の結果、死因は内因死だったと報じている。
札幌市東区・夫への殺人未遂事件8月2日には、札幌市東区の自宅で40代の夫の腹部を包丁で刺し、殺害しようとした疑いで25歳の女性が逮捕された。
夫は病院に搬送されたものの、命に別条はなかった。
その後、2026年10月30日、札幌地検は女性を不起訴処分とした。STV札幌テレビによると、検察は「諸般の事情を考慮」したと説明している。
札幌市東区・車で男性を転落させた事件9月25日夜、札幌市東区丘珠町付近の道路で、車にしがみついていた40代男性を転落させ、殺害しようとした疑いで26歳と18歳の男が逮捕された。
北海道文化放送の報道によると、2人は男性が車にしがみついていることを認識しながら急加速や蛇行を繰り返した疑いがある。
男性は両足に打撲を負った。
警察は防犯カメラなどを調べて2人を特定し、翌26日に逮捕した。認否については、捜査への影響を理由に明らかにしていない。
10月20日・13歳男子中学生への刺傷事件2026年10月20日には、札幌市東区東苗穂11条3丁目付近の路上で、13歳の男子中学生が胸を刺される事件が発生した。
HTB北海道ニュースによると、殺人未遂容疑で逮捕されたのは14歳の男子中学生だった。
被害者は病院に搬送されたが、命に別条はなかった。
逮捕された少年は警察の調べに対し、殺すつもりで胸を刺したと説明したと報じられている。
【北海道警察の犯罪統計】2026年の発生件数と推移を検証
個別の事件だけでなく、北海道全体の犯罪情勢を把握するには、北海道警察の公式統計を確認する必要がある。
2026年11月2日時点で参照できる最新の道警統計は、令和8年9月末の暫定値だ。
令和8年1月〜9月の犯罪状況北海道警察が公表した統計によると、2026年1月から9月までの刑法犯認知件数は次のとおり。
- 刑法犯認知件数:18,801件
- 前年同期:18,522件
- 前年同期比:279件増
- 凶悪犯認知件数:242件
- 凶悪犯の前年同期:181件
- 凶悪犯の前年同期比:61件増
凶悪犯の認知件数は前年同期を上回っている。
ただし、ここで注意したいのが「凶悪犯」という統計分類の意味だ。
北海道警察の統計では、凶悪犯には以下の犯罪が含まれる。
- 殺人
- 強盗
- 放火
- 不同意性交等
したがって、242件をそのまま北海道の殺人事件発生件数と解釈することはできない。
殺人だけの認知件数を知りたい場合は、罪種別に集計された警察庁の犯罪統計を確認する必要がある。
令和7年の確定値と比較令和7年(2025年)の北海道警察の確定値では、刑法犯全体の認知件数は24,150件だった。
前年の22,714件と比較すると1,436件増加している。
一方、凶悪犯は265件で、前年の271件から6件減少した。
この数字から読み取れるのは、刑法犯全体の増加と、凶悪犯の増減は必ずしも同じ動きをしないということだ。
2026年の9か月間については凶悪犯が前年同期より増えているものの、年間確定値ではないため、2025年の通年数値と単純に比較することもできない。
犯罪統計を読む際の3つの判断基準1. 認知件数と検挙件数を区別する。 認知件数は警察が事件として取り扱った件数であり、検挙件数とは意味が異なる。
2. 罪種の分類を確認する。 凶悪犯の件数は殺人だけの件数ではない。
3. 暫定値と確定値を混同しない。 2026年の9月末統計は、今後修正される可能性がある。
事件の深刻さを理解するには、単純な数字の大小だけでなく、統計の対象と集計期間を正確に把握することが欠かせない。
【殺人と殺人未遂の違い】2026年の事件から法律上の判断を解説
北海道内では2026年、殺人事件だけでなく、複数の殺人未遂事件も報道された。
両者の違いは、単に被害者が死亡したかどうかだけではない。
殺人罪とは刑法第199条は、殺人について、人を殺した者を処罰する規定を設けている。
実際の事件では、死亡という結果だけでなく、被疑者の行為や殺意の有無などが捜査・裁判で検討される。
殺人未遂罪とは刑法第203条では、殺人罪の未遂も処罰対象としている。
殺人未遂とは、殺意を持って殺害行為に着手したものの、被害者が死亡する結果に至らなかった場合などに問題となる犯罪だ。
例えば、2026年10月の札幌市東区の中学生刺傷事件では、被害者が死亡していないにもかかわらず、殺人未遂容疑で逮捕された。
これは、犯罪の成立が死亡という結果だけで決まるわけではないことを示している。
殺人未遂と傷害事件はどう違う?重要なのは、加害行為によって負傷者が出たという事実だけでは、殺人未遂が成立するとは限らないことだ。
| 比較項目 | 殺人 | 殺人未遂 | 傷害 |
|---|---|---|---|
| 殺意 | 必要 | 必要 | 必須ではない |
| 死亡結果 | 発生している | 発生していない | 必須ではない |
| 実行行為 | 殺害行為 | 殺害行為に着手 | 身体への加害行為 |
| 主な判断要素 | 殺意・行為・死亡結果 | 殺意・実行着手・死亡結果の不発生 | 傷害の事実や故意など |
実際には、凶器の種類、攻撃した部位、行為の態様、本人の供述、現場の状況などが総合的に検討される。
したがって、ニュースの見出しだけで殺人未遂と傷害を同じものとして扱うことは適切ではない。
【北海道の事件情報を正しく確認する方法】警察発表と報道の見分け方
北海道の殺人事件を調べる際には、情報の出所と更新時期を確認することが大切だ。
特に、SNSなどでは逮捕時の情報だけが拡散され、その後の不起訴や捜査状況が十分に伝わらない場合がある。
信頼できる情報源主に確認したいのは以下の公的機関・報道機関だ。
- 北海道警察: 犯罪統計、捜査情報、情報提供の呼びかけ。
- 警察庁: 全国の犯罪統計や罪種別データ。
- 札幌地方検察庁: 起訴・不起訴などの刑事処分。
- 函館中央警察署: 岸田友子さん殺害事件などの地域の捜査情報。
- HTB北海道ニュース: 北海道内の事件・事故報道。
- UHB北海道文化放送: 札幌市内などの事件の経緯や続報。
- STV札幌テレビ: 道内の逮捕・送検・不起訴に関する報道。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 逮捕 | 被疑者の身柄を拘束する手続き |
| 送検 | 警察が事件を検察官に送ること |
| 起訴 | 検察官が刑事裁判を求めること |
| 不起訴 | 検察官が刑事裁判を求めない処分 |
| 有罪判決 | 裁判所が犯罪の成立を認定した判決 |
例えば、佐藤紗菜さん殺害事件では逮捕・送検が報道されている。一方、手稲区の男児死亡事件では逮捕後に不起訴処分となった。
このように、同じ「殺人容疑で逮捕」という報道でも、その後の手続きによって現在の法的状況は異なる。
【北海道の殺人事件】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年に北海道で起きた主な殺人事件は?
2026年7月の札幌市厚別区・佐藤紗菜さん殺害事件、5月の札幌市手稲区6歳男児死亡事件などがある。また、函館市西旭岡町では2016年に発生した岸田友子さん殺害事件が10年を経ても未解決となっている。
Q2:佐藤紗菜さん殺害事件の容疑者は逮捕された?
はい。2026年7月12日までに33歳の男が殺人容疑で逮捕され、翌13日には送検されたと報道されている。
Q3:岸田友子さん殺害事件は解決した?
2026年11月2日時点で未解決だ。警察は延べ約8万人の捜査員を投入し、現在も22人体制で捜査を続けている。情報提供は函館中央警察署(0138-54-0110)で受け付けている。
Q4:札幌市手稲区の6歳男児死亡事件で母親は有罪になった?
いいえ。母親は殺人容疑で逮捕・送検されたが、2026年7月30日に札幌地検が不起訴処分とした。刑事裁判で有罪判決を受けたわけではない。
Q5:殺人未遂事件でも逮捕される?
逮捕される可能性はある。殺人の実行に着手した疑いがあり、法律上の逮捕要件を満たす場合には、被害者が死亡していなくても殺人未遂容疑で捜査・逮捕されることがある。
Q6:北海道の殺人事件の最新統計はどこで確認できる?
北海道警察の公式統計ページで確認できる。2026年11月2日時点では、令和8年9月末の暫定値が公開されている。殺人単独の件数を調べる場合は、警察庁の罪種別犯罪統計も併せて確認したい。
まとめ:北海道の殺人事件は捜査状況と公式統計の両面から確認する
2026年の北海道では、札幌市厚別区の佐藤紗菜さん殺害事件、手稲区の6歳男児死亡事件、各地で発生した殺人未遂事件など、さまざまな事件が報道された。
一方、函館市西旭岡町の岸田友子さん殺害事件は、発生から10年が経過しても未解決のままだ。延べ約8万人の捜査員が投入され、現在も22人体制で捜査が続けられている。
犯罪統計では、2026年1月から9月までの刑法犯認知件数が18,801件となり、前年同期を上回った。ただし、凶悪犯の統計は殺人だけを示す数字ではないため、罪種ごとの違いを踏まえて読み取る必要がある。
【プロの結論】
北海道の殺人事件を正しく理解するために重要なのは、次の3点だ。
1. 事件の発生事実と刑事処分を区別すること。 逮捕だけで有罪が確定するわけではなく、不起訴やその後の裁判状況まで確認する。
2. 未解決事件を風化させないこと。 岸田友子さん事件のように、長い年月が経過しても情報提供が捜査の重要な手がかりになる場合がある。
3. 犯罪統計を正確に読むこと。 凶悪犯と殺人の認知件数を混同せず、暫定値と確定値も分けて考える。
事件の報道を一時的なニュースとして終わらせず、その後の捜査や刑事手続きまで追うことが、被害者と遺族の尊厳を守り、地域社会の安全を考えるうえで大切だ。
参照資料: 北海道警察・警察庁の犯罪統計、HTB北海道ニュース、UHB北海道文化放送、STV札幌テレビ、e-Gov法令検索。