阪神タイガースの近本光司は、2026年シーズンに打率.306、出塁率.374、12盗塁を記録した。打率は2025年の.279から大きく上昇し、出塁率も.348から.374へ改善。限られた出場機会の中で、打撃面の存在感を改めて示したシーズンだった。
一方、2026年は4月26日の広島戦で左手首に死球を受け、骨折による長期離脱を経験。出場は90試合にとどまった。それでも復帰後の9・10月には打率.364を記録し、阪神球団選定の月間最優秀選手に選出されている。推定年俸5億円、5年総額25億円の大型契約、最多盗塁6度、ベストナインやゴールデングラブ賞の実績を踏まえると、近本の価値は単純な打率や盗塁数だけでは測れない。
【2026年最新成績】近本光司は打率.306・出塁率.374・12盗塁を記録

日本野球機構(NPB)の2026年シーズン終了時点の個人年度別成績によると、近本光司は阪神で90試合に出場。打率.306、114安打、5本塁打、17打点、51得点、12盗塁という成績を残した。
特に注目したいのは、打率と出塁率の改善だ。打率.306は3割を超えており、出塁率.374も高い水準にある。長打率は.392で、四球も40個を記録。単純にヒットを打つだけでなく、四球を選んで塁に出る能力も発揮した。
2026年の主要打撃成績NPB公式記録に掲載された主な数字は次のとおり。
- 出場試合数:90試合
- 打席数:414打席
- 打数:372打数
- 安打数:114本
- 打率:.306
- 本塁打:5本
- 打点:17打点
- 得点:51得点
- 盗塁:12個
- 盗塁刺:6回
- 四球:40個
- 三振:53個
- 長打率:.392
- 出塁率:.374
この成績から読み取れるのは、近本が依然として阪神の攻撃の起点になれる打者だということだ。51得点という数字は、90試合という出場数を考慮しても、リードオフマンとしての役割を示している。
盗塁数だけでは分からない2026年の走塁評価2026年の盗塁数は12個。盗塁刺は6回だった。盗塁成功率を成功数と失敗数から計算すると、12÷(12+6)で約66.7%となる。
近本の持ち味は、単に走る回数が多いことではない。投手の動きや捕手の送球、守備位置を見極め、次の塁を奪う判断力にある。ただし、2026年の成功率は2025年の約78.0%を下回った。
したがって、2026年の走塁については、盗塁数が少なかったという事実だけでなく、成功率も含めて評価する必要がある。故障による離脱と復帰後の調整も考慮すべきポイントだ。
【2025年・2026年成績比較】打撃は上昇、盗塁は出場機会と成功率に課題
2025年と2026年の成績を比較すると、近本の打撃面には明確な改善が見られる。
2025年は140試合に出場し、160安打、打率.279、出塁率.348、32盗塁を記録した。対する2026年は90試合、114安打、打率.306、出塁率.374、12盗塁となっている。
打率は.027ポイント上昇し、出塁率も.026ポイント改善した。一方、出場試合数は50試合減少し、盗塁数も20個減っている。
年度別の数字から見える変化- 打率:2025年.279から2026年.306へ上昇。
- 出塁率:2025年.348から2026年.374へ上昇。
- 安打数:2025年160本から2026年114本へ減少。
- 盗塁数:2025年32個から2026年12個へ減少。
- 出場試合数:2025年140試合から2026年90試合へ減少。
ここで重要なのは、2026年の打率が高いからといって、2025年よりもあらゆる面で成績が上だったと判断しないことだ。2026年は出場試合数が少なく、規定打席にも到達していない。打率や出塁率の上昇は評価できるものの、年間を通じた安定性とは分けて考えたい。
また、盗塁成功率は2025年の約78.0%から2026年の約66.7%に低下している。走塁面では、今後どこまで成功率を戻せるかが注目点になる。
つまり、2026年の近本は打撃の質を高めた一方、出場機会と走塁効率に課題を残した。2025年との比較では、この二つを切り離して評価することが大切だ。
【2026年の転換点】左手首骨折から復帰、9・10月は打率.364で球団表彰
2026年の成績を理解するうえで欠かせないのが、4月に発生した左手首の骨折だ。
4月26日の広島戦で、近本は死球を受けて左手首を負傷した。試合後に骨折と診断され、翌27日に出場選手登録を抹消された。長期間の離脱を余儀なくされ、阪神にとってもリードオフマンと中堅守備の中心を欠く痛手となった。
復帰までの経緯日刊スポーツなどの報道によると、近本は7月7日のファーム公式戦で実戦復帰。負傷から72日ぶりに試合に出場した。その後、7月11日のヤクルト戦で一軍に復帰し、再び「1番・中堅」として先発出場した。
一軍復帰まで約2カ月半を要したことが、年間90試合という出場数に大きく影響している。2025年まで継続して出場してきた近本にとって、2026年はコンディション管理という新たな課題に直面したシーズンでもあった。
9・10月度は打率.364、39安打の活躍復帰後の近本は、シーズン終盤に存在感を取り戻した。阪神タイガース公式サイトによると、9・10月度の成績は26試合、121打席、107打数、39安打、2本塁打、6打点、打率.364だった。
この活躍が評価され、2026年10月15日、近本は球団選定9・10月度月間最優秀選手に選出された。同日、阪神甲子園球場で開催されたクライマックスシリーズのファイナルステージ第2戦の試合前に表彰式も行われている。
ここで注意したいのは、この賞が阪神球団による選定表彰である点だ。NPBが選出するセ・リーグの月間MVPとは別の賞であり、名称だけで混同しないようにしたい。
注目すべきなのは、長期離脱から戻った近本が、シーズン終盤に打率.364という結果を残したことだ。シーズン通算の出場数は少なくても、復帰後の打撃状態には明るい材料があった。
【プロフィール・経歴】2018年ドラフト1位から阪神の背番号5へ
近本光司は1994年11月9日生まれ、兵庫県出身の外野手だ。左投左打で、身長171センチ、体重71キロ。阪神タイガースでは背番号5を背負っている。
高校は社高校、大学は関西学院大学。卒業後は社会人野球の大阪ガスに進み、2018年のプロ野球ドラフト会議で阪神から1位指名を受けた。
関西学院大学の公式発表によると、大学時代から俊足と打撃力で実績を残していた。大阪ガスでは都市対抗野球大会で打率.524を記録し、首位打者と橋戸賞を獲得。社会人野球での活躍が、プロ入りにつながった。
近本光司のキャリアと主な実績| 時期 | 関係者・出来事 | 主な実績・意味 |
|---|---|---|
| 1994年 | 兵庫県で誕生 | 1994年11月9日生まれ。左投左打の外野手。 |
| 高校・大学時代 | 社高校・関西学院大学 | 大学リーグで打率.352を記録。俊足と打撃力を磨く。 |
| 2018年 | 大阪ガス・阪神タイガース | 都市対抗野球で打率.524、橋戸賞を受賞。阪神からドラフト1位指名。 |
| 2019~2020年 | 阪神タイガース | プロ入り後、2年連続で最多盗塁のタイトルを獲得。 |
| 2021年 | 阪神・NPB | 打率.313、178安打を記録。ベストナインとゴールデングラブ賞を初受賞。 |
| 2022~2025年 | 阪神・NPB | 2022~2025年に最多盗塁を獲得。2025年に通算6度目、ベストナインとゴールデングラブ賞は5年連続5度目。 |
| 2026年 | 阪神タイガース | 左手首骨折から復帰。9・10月度の球団選定月間最優秀選手に選出。 |
近本の代表的なタイトルが、最多盗塁の6度受賞だ。獲得年度は2019年、2020年、2022年、2023年、2024年、2025年。2025年には32盗塁を記録し、4年連続、通算6度目のタイトルを手にした。
ただし、6度という数字をNPB歴代最多と誤解してはいけない。野球殿堂博物館の福本豊の記録によると、福本は1970年から1982年まで13年連続で盗塁王を獲得している。近本の6度は非常に優れた実績だが、歴代最多は福本の13度である。
また、近本は盗塁だけでなく守備でも高い評価を受けている。2025年のNPB公式表彰では、ベストナインの外野手部門で5年連続5度目、三井ゴールデン・グラブ賞でも5年連続5度目の受賞となった。
攻撃では出塁と走塁、守備では中堅を守る能力。この複数の要素を長期間にわたって維持してきたことが、近本の選手価値を支えている。
【年俸5億円の理由】5年総額25億円契約と2026年の現在の評価
近本光司の2026年の推定年俸は5億円と報じられている。2025年11月11日、国内FA権を行使せず阪神への残留を決断し、推定5年総額25億円の大型契約を結んだ。
この契約は阪神球団史上でも最高額規模と報じられた。金額は球団による正式な公表額ではなく、報道に基づく推定値だが、球団が近本を長期的なチームの中心として評価していることを示す契約となった。
5億円の評価を支える3つの要素1. 毎年安定して出場し、結果を残す能力
近本は2019年の入団以降、阪神の外野を支えてきた。2025年は140試合に出場し、160安打、32盗塁を記録。長期間にわたって一軍の主力としてプレーしてきた実績が、契約評価の土台になっている。
2025年11月の契約報道では、近本自身も毎年安定した成績を残してきたことへの球団の評価について語っていた。単年の数字だけでなく、継続的な貢献が大型契約につながったと考えられる。
2. リードオフマンとしての攻撃面の価値
近本の役割は、単純に安打を量産することだけではない。出塁して相手投手にプレッシャーをかけ、盗塁や進塁によって得点圏を作ることにある。
2026年は打率.306、出塁率.374を記録した。出場数は限られたものの、打席での対応力は引き続き評価できる。阪神の攻撃を組み立てるうえで、近本の出塁能力は大きな意味を持つ。
3. 中堅守備とチーム全体への貢献
近本は外野守備でも実績を残しており、ゴールデングラブ賞を5年連続で獲得している。中堅手は外野の広い範囲をカバーし、左右の外野手との連携も求められるポジションだ。
打撃、走塁、守備を一人で担えることは、チーム編成上の大きなメリットとなる。年俸5億円という評価も、打率や本塁打だけではなく、こうした総合的な貢献を踏まえて考える必要がある。
2026年の近本に残された課題一方、2026年は90試合の出場にとどまり、盗塁成功率も約66.7%だった。長期離脱があったとはいえ、年間を通じた稼働と走塁の効率は、今後の評価に関わる重要な指標になる。
それでも、復帰後の9・10月に打率.364を記録したことは大きい。打撃の状態を取り戻し、球団表彰を受けた事実は、近本が依然として攻撃の中心を担える選手であることを示している。
現時点での評価は、打撃面では高評価、走塁面では改善の余地があり、年間を通じた出場機会の確保が次の焦点という整理が妥当だ。
【近本光司に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:近本光司の2026年の打率と盗塁数はいくつですか?
A1:NPB公式記録によると、2026年は90試合に出場し、打率.306、114安打、出塁率.374、12盗塁を記録しました。盗塁刺は6回で、記録から計算した盗塁成功率は約66.7%です。
Q2:近本光司は盗塁王を何回獲得していますか?
A2:2025年までに通算6回獲得しています。年度は2019年、2020年、2022年、2023年、2024年、2025年です。2025年には4年連続6度目の受賞となりました。なお、NPB歴代最多の盗塁王獲得回数は福本豊の13回です。
Q3:近本光司の年俸5億円は本当ですか?
A3:報道ベースの推定額です。2025年11月に阪神への残留を決め、推定5年総額25億円の契約を結びました。単純平均では年間5億円に相当しますが、契約条件の詳細や各年度の実際の支給額がすべて公表されているわけではありません。
まとめ:近本光司の2026年は打撃の復調と今後の稼働が評価の鍵
阪神タイガースの近本光司は、2026年に打率.306、出塁率.374、12盗塁を記録した。2025年と比較すると打撃の率は改善しており、復帰後の9・10月には打率.364という優れた数字を残した。
4月の左手首骨折による離脱が90試合という出場数に影響した一方、シーズン終盤には球団選定月間最優秀選手に選ばれている。故障から戻った後も、阪神の攻撃を支える能力を発揮したことは評価に値する。
通算6度の最多盗塁、5年連続のベストナイン、5年連続のゴールデングラブ賞、そして推定年俸5億円の5年契約。これらは近本が長年にわたって攻守両面でチームを支えてきた証拠だ。
今後の評価で注目したいのは、次の3点である。
- 打撃:2026年の打率.306、出塁率.374を年間を通じて維持できるか。
- 走塁:盗塁成功率を改善し、再びタイトル争いに加われるか。
- 稼働率:故障からの回復を進め、シーズンを通じて中堅と1番打者の役割を担えるか。
近本光司の価値は、盗塁王の回数や年俸の高さだけで決まるものではない。出塁して攻撃の流れを作り、走って相手を揺さぶり、中堅守備で失点を防ぐ。その総合力こそが阪神にとっての最大の財産である。2027年以降、再びフルシーズンで本来の力を発揮できるかが、次の大きな注目ポイントとなる。
主な事実確認資料
- NPB公式個人年度別成績・2026年シーズン終了時の記録:
- 阪神球団公式プロフィール・9、10月度月間最優秀選手の発表:
- NPB公式2025年ベストナイン・ゴールデングラブ賞:
- 関西学院大学のドラフト指名発表・阪神の入団発表:
- 5年総額25億円の契約報道:
- 2026年の左手首骨折・復帰に関する報道:
- 福本豊の歴代盗塁王記録: