ファスティングは、健康な成人が適切な方法で行う場合、必ずしも体に悪いとは限りません。ただし、健康食品のように誰にでもメリットがあるわけではなく、断食時間や食事内容、持病、服用薬によってリスクが変わります。
特に注目したいのが、2025年6月18日に医学誌「BMJ」に掲載された研究です。
BMJの99件の臨床試験が示したこと研究チームは、間欠的断食と通常のカロリー制限などを比較した99件のランダム化比較試験を分析しました。
対象者は合計6,582人。断食方法として、16時間断食などの時間制限食、隔日断食、終日断食が検討されています。
主な結果は次のとおりです。
- 断食はいずれの方法も、自由に食べる食事と比較すると体重減少につながった。
- 通常のカロリー制限と比べて、体重減少に明確な追加効果を示したのは隔日断食だった。
- 隔日断食による追加の減量幅も平均1.29kgにとどまった。
- 24週間以上の研究では、間欠的断食と通常のカロリー制限の間に体重減少の差は認められなかった。
つまり、食べない時間を長くすれば、それだけ痩せやすくなるという単純な関係ではありません。
2026年のCochraneレビューはさらに慎重な評価2026年2月に公表されたCochraneレビューでは、過体重・肥満の成人を対象にした22件の研究、合計1,995人のデータが検討されました。
通常の食事指導と間欠的断食を比較した場合、体重減少にほとんど差がない可能性が示されています。
また、副作用については報告のばらつきが大きく、安全性を断定できるほど十分な証拠はありませんでした。
研究の追跡期間も最長12か月程度であり、何年も続けた場合の健康への影響は十分に解明されていません。
厚生労働省eJIMが示す断食の注意点厚生労働省の「eJIM」は、科学的根拠に基づいて統合医療や補完代替療法の情報を紹介する公的な情報発信サイトです。
同サイトに掲載されている米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)の情報では、断食を含むデトックス・クレンズについて、人を対象とした研究は限られており、健康効果を確定できるだけの証拠はないと説明しています。
断食によって起こり得る症状として、次のものが挙げられています。
- 頭痛
- 失神
- 脱力感
- 脱水症状
また、極端な食事制限では必要な栄養素を十分に摂取できない可能性も指摘されています。
ここで押さえたいのは、断食の減量効果が確認されていることと、断食が健康に最適であることは別問題だという点です。
体重を減らすことだけを目的に、健康上のリスクを負ってまで食事時間を制限する必要はありません。
【16時間断食の落とし穴】期待できる効果とデメリットを比較

ファスティングのなかでも広く知られているのが、16時間断食です。
これは24時間のうち16時間は食事を取らず、残りの8時間を食事可能な時間とする方法です。英語ではTime-Restricted Eating(時間制限食)と呼ばれます。
例えば、20時に夕食を終え、翌日の12時に最初の食事を取ると16時間の断食になります。
16時間断食で期待されるメリット16時間断食には、次のようなメリットが期待されています。
1. 摂取カロリーを管理しやすい
食べる時間が決まるため、夜食や間食が減り、結果として1日の摂取カロリーが少なくなる場合があります。
2. 食生活のリズムを整えやすい
夜遅くまで食べ続ける習慣を見直すきっかけになります。
3. 体重管理に役立つ可能性がある
食事量が自然に減れば、体重の減少につながる可能性があります。
ただし、これらの効果は断食そのものだけでなく、総摂取カロリーや食事の質、生活習慣にも左右されます。
16時間断食の主なデメリット一方、16時間断食には見落とされがちな問題もあります。
- 朝食を抜くことで午前中に集中力が落ちる。
- 空腹感が強くなり、8時間の食事時間に食べ過ぎる。
- 1日の食事回数が減り、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足する。
- 頭痛やめまい、疲労感が出る。
- 空腹によるストレスで睡眠や生活リズムが乱れる。
- 外食や家族との食事など、日常生活との両立が難しくなる。
特に問題なのは、食事可能な8時間に必要な栄養を確保できないケースです。
食事回数を減らしただけでは、健康的な食生活になったとはいえません。
ファスティングの種類別・特徴とリスク比較断食には複数の方法があります。名称が似ていても、身体への負担は同じではありません。
| 断食方法 | 主な内容 | 期待される効果・注意点 |
|---|---|---|
| 16時間断食 | 16時間断食、8時間食事 | 食事管理に役立つ可能性があるが、栄養不足や空腹感に注意 |
| 12時間程度の夜間断食 | 夕食後から翌朝まで食べない | 通常の生活リズムに取り入れやすいが、個人差がある |
| 5:2ダイエット | 週2日は大幅に摂取エネルギーを制限 | 食事制限日の空腹感や栄養不足に注意 |
| 隔日断食 | 1日おきに食事量を大幅に制限 | 減量効果の研究がある一方、継続の負担が大きい |
| 長期間の断食 | 24時間以上など食事を取らない | 脱水、低血糖、電解質異常、栄養不足などのリスクが高まる |
| ドライファスティング | 食事だけでなく水分も取らない | 脱水の危険があり、健康目的の自己流実践は避けたい方法 |
なお、16時間断食と水分まで断つドライファスティングは別物です。水を飲める時間制限食を、飲水禁止の断食と同じ危険性で評価することはできません。
BMJの研究でも、断食方法によって減量効果や副作用の傾向は異なっています。特に、断食時間の長さだけを基準に優劣を決めることには注意が必要です。
【見逃せない副作用】脱水症状・低血糖・めまいが起こる原因
ファスティングで体調を崩す原因として、特に注意したいのが水分不足、血糖値の低下、血圧の変動です。
空腹感だけでなく、身体に現れる異変を正しく理解しておく必要があります。
1. ファスティングによる脱水症状断食中は食事から摂取する水分も減少するため、普段より水分不足になりやすい場合があります。
特に、飲水を禁止する断食や、下剤・発汗を伴うデトックスプログラムでは注意が必要です。
脱水が進むと、次のような症状が現れることがあります。
- 口や喉が渇く
- 尿の量が減る、色が濃くなる
- 頭痛や倦怠感が出る
- 立ち上がったときにふらつく
- 動悸がする
- 重症になると意識障害が起こる
水分を取れる16時間断食であれば、断食時間中に適切に水分を補給することが基本です。
ただし、水を大量に飲めば安全というわけでもありません。食事を取らずに水やハーブティーばかりを大量に摂取すると、電解質バランスが崩れる危険があります。
厚生労働省eJIMも、断食やデトックスプログラムに伴う脱水や電解質異常について注意を促しています。
2. 断食中の低血糖とめまい食事を長時間取らないことで、血糖値が低下する場合があります。
特に血糖値を下げる薬を服用している人は、食事量の変化によって低血糖を起こすリスクがあります。
低血糖の代表的な症状は次のとおりです。
- 冷や汗
- 手の震え
- 動悸
- 強い空腹感
- めまい、ふらつき
- 集中力の低下
- 混乱や意識障害
米国糖尿病協会によると、一般に血糖値が70mg/dL未満になると低血糖の症状が現れることがあります。ただし、症状だけでは低血糖かどうかを確定できず、血糖測定が必要です。
糖尿病患者で血糖値が70mg/dL以下の場合、同協会は15gの速効性糖質を摂取し、15分後に再測定する「15-15ルール」を紹介しています。
意識がない人や意識障害のある人には、誤嚥の危険があるため、口から飲食物を与えてはいけません。緊急の医療対応が必要です。
3. 頭痛・倦怠感・吐き気断食中に起こる頭痛や疲労感には、いくつかの原因が考えられます。
- 食事量の急激な減少
- 水分不足
- カフェインの摂取量を急に減らしたこと
- 血糖値の変動
- 睡眠不足
- 食事時間の変更による生活リズムの乱れ
BMJの99件の研究でも、便秘、吐き気、空腹感、下痢、めまいなどの副作用が報告されています。
一方、15件のランダム化比較試験をまとめた別のメタ解析では、断食群で疲労や頭痛が対照群より有意に増えるという結果は確認されませんでした。
この結果から、すべての人に副作用が起こるとはいえません。しかし、副作用が報告されていないことと、誰にとっても安全であることは同じではありません。
4. 筋肉量の減少と栄養不足体重が減ったからといって、減少したすべての重量が脂肪とは限りません。
食事量が極端に少なくなれば、エネルギー不足に加えて、たんぱく質やその他の栄養素が不足する可能性があります。
その結果、筋肉量や体力が落ちることも考えられます。
特に、筋肉量が少ない人や高齢者にとっては、体重だけを減らすことが必ずしも健康改善につながりません。
体重計の数字より、筋肉量・栄養状態・体調を含めて評価することが大切です。
【要注意】ファスティングを避けるべき人・医師への相談が必要な人
ファスティングは、健康な成人を対象とした研究結果を、そのまま全員に当てはめることができません。
特に次の人は、減量目的の断食を自己判断で始めるべきではありません。
糖尿病の人糖尿病患者が断食を行う場合、血糖値の変動と薬の調整が大きな問題になります。
特に注意が必要なのは、インスリンや一部の血糖降下薬を使用している人です。
食事を抜いた状態で通常どおり薬を使用すると、低血糖を起こす可能性があります。
反対に、低血糖を恐れて自己判断で薬を減らしすぎると、高血糖や糖尿病性ケトアシドーシスにつながる危険もあります。
米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)は、断食中の糖尿病患者について、低血糖、高血糖、脱水、糖尿病性ケトアシドーシスなどを主なリスクとして挙げています。
特に1型糖尿病では注意が必要です。
糖尿病がある場合、断食を始める前に主治医と相談し、必要に応じて血糖測定や薬の調整について指導を受けてください。
妊娠中の人妊娠中は、胎児の成長と母体の健康を維持するために、適切なエネルギーや栄養素の摂取が必要です。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、妊娠前と比べたエネルギー付加量の目安として、次の数値が示されています。
- 妊娠初期:1日当たり50kcal
- 妊娠中期:1日当たり250kcal
- 妊娠後期:1日当たり450kcal
これは一般的な食事摂取基準であり、個人の体格や妊娠経過によって調整が必要です。
妊娠中に減量を目的として食事を抜いたり、16時間断食を始めたりすることはおすすめできません。
特に妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などがある場合は、食事と水分の管理について産婦人科医の指導を受ける必要があります。
授乳中の人授乳中も、母乳の産生や母体の回復に必要な栄養を確保する必要があります。
厚生労働省の2025年版食事摂取基準では、授乳婦のエネルギー付加量は1日当たり350kcalとされています。
そのため、減量目的で食事を大幅に減らす方法は慎重に考える必要があります。
授乳中に食事を制限すると、必要な栄養を確保できなくなる可能性があります。母乳育児中に体重管理をしたい場合は、産婦人科医や管理栄養士に相談してください。
摂食障害の経験がある人摂食障害の既往がある人にとって、ファスティングは特に慎重な判断が必要です。
断食には、食事を我慢する時間を設定し、食べることに制限を設けるという特徴があります。
この仕組みが、過度な食事制限や体重への執着を強めてしまう可能性があります。
2023年に公表された医学的レビュー「Intermittent fasting: consider the risks of disordered eating for your patient」では、摂食障害や問題のある食行動の既往がある人に、間欠的断食を勧めるべきではないとの見解が示されています。
過去に拒食症、過食症、過度な食事制限などを経験した人は、自己判断で断食を始めないことが重要です。
その他、慎重な判断が必要な人| 対象 | 注意する理由 |
|---|---|
| 低体重の人 | さらなる体重減少や栄養不足 |
| 子ども・成長期の若者 | 成長に必要なエネルギー・栄養素の不足 |
| 高齢者・フレイルの人 | 筋肉量や体力の低下 |
| 腎臓・肝臓の病気がある人 | 水分・電解質・栄養管理への影響 |
| 血圧の薬や利尿薬を使用している人 | 血圧変動や脱水への注意 |
| 慢性的な体調不良がある人 | 症状の悪化や栄養状態への影響 |
これらの人すべてが、あらゆる断食を絶対に禁止されているわけではありません。ただし、健康状態や治療内容によってリスクが異なるため、医療従事者による個別の判断が必要です。
【正しいやり方】ファスティングで体を壊さないための5つの注意点
ファスティングを検討する場合、断食時間の長さよりも、安全性と継続可能性を優先する必要があります。
特に、健康目的で始めた食事制限が、栄養不足や体調不良を招くことは避けなければなりません。
1. いきなり長時間の断食を始めない最初から16時間、24時間と食事を抜く必要はありません。
まずは夜遅い食事や間食を見直し、規則的な食事時間を確保する方法もあります。
12時間程度の夜間の食事間隔を設けることは、極端な断食を避けながら生活リズムを整える一つの考え方です。
ただし、12時間なら全員に安全という意味ではありません。
2. 水分補給を欠かさない水分摂取が認められている断食では、食事を取らない時間も適切に水分を補給してください。
特に次の状況では脱水に注意が必要です。
- 暑い場所で過ごす
- 運動や発汗が多い
- 下痢や嘔吐がある
- 利尿作用のある薬を使用している
飲水まで禁止するドライファスティングは、健康目的で自己流に実践しないことが大切です。
3. 食事可能な時間に必要な栄養を確保する食事時間が短くても、身体に必要な栄養素まで減らしてはいけません。
特に意識したいのは次の栄養素です。
| 栄養素 | 主な食品 | 役割 |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 魚、肉、卵、大豆製品 | 筋肉や身体組織の維持 |
| 炭水化物 | ご飯、パン、芋類 | 身体を動かすエネルギー |
| ビタミン | 野菜、果物 | 身体機能の維持 |
| ミネラル | 海藻、乳製品、豆類 | 身体のさまざまな機能を支える |
| 脂質 | 魚、ナッツ、植物油 | エネルギーや細胞膜の構成 |
断食後の食事を極端に減らしたり、一度に大量に食べたりすることも避けたいポイントです。
4. 体調不良があれば断食を中止する空腹感と、身体からの危険信号は区別する必要があります。
次のような症状が出た場合は、断食を続けないでください。
- 強いめまい
- 冷や汗や手の震え
- 動悸
- 強い脱力感
- 吐き気や頭痛
- 立っていられないほどのふらつき
意識障害、失神、けいれん、強い胸痛などがある場合は、速やかに救急医療を受けてください。
5. 薬を自己判断で変更しない薬を服用している人は、断食によって薬の作用や身体への影響が変わる可能性があります。
特に糖尿病治療薬、利尿薬、血圧を下げる薬などは注意が必要です。
食事を抜くからといって、服薬を中断したり服用量を減らしたりしてはいけません。
断食を希望する場合は、事前に医師や薬剤師へ相談してください。
安全なファスティングとは、長時間食べないことではなく、必要な栄養と水分を確保し、体調に異変があれば無理なく中止できることです。
【長期的な安全性】ファスティングを何年も続けても大丈夫?
ファスティングの長期的な安全性は、2026年時点でも十分に解明されていません。
短期間の研究で体重が減少したからといって、数年単位で続けても健康上の問題がないとは限らないためです。
2025年BMJレビューで見えた継続の課題BMJの研究では、99件の試験のうち、74件で参加者の実践状況を確認できました。
多くの研究では比較的高い継続率が報告されましたが、52週間追跡した研究の中には、隔日断食の継続率が6週間時点の74%から52週間時点の22%に低下した例もあります。
これは、断食を長期間続けることの難しさを示す一つの材料です。
Cochraneレビューが指摘する長期研究の不足2026年のCochraneレビューでも、研究の追跡期間は最長12か月程度でした。
加えて、研究対象者の属性や健康状態にも偏りがあり、糖尿病の有無や併存疾患などを十分に評価できていないという課題があります。
そのため、断食を長年続けた場合の心血管疾患、筋肉量、骨の健康、生活の質などへの影響について、確実な結論を出すことはできません。
「痩せたから成功」という考え方を見直すファスティングを続けるかどうかを判断する際には、体重だけではなく、次の項目も確認したいところです。
- 筋肉量が維持されているか
- 十分な食事量を確保できているか
- 疲労感やめまいが続いていないか
- 睡眠の質が悪化していないか
- 家庭や仕事で無理が生じていないか
- 食事に対する不安や罪悪感が強くなっていないか
健康のために始めた習慣が、食べることへの恐怖や生活の負担につながっているなら、方法を見直すべきです。
【ファスティングは体に悪いのか】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ファスティングは毎日続けても大丈夫ですか?
毎日続けられる人もいますが、全員に安全とは限りません。特に16時間断食を長期間続けた場合の安全性については、十分な研究がありません。栄養不足や体調不良が起きていないかを確認し、持病や服薬がある人は医師に相談してください。
Q2:16時間断食は女性の体に悪いですか?
女性全員に悪影響があると証明されているわけではありません。ただし、妊娠中・授乳中の人、低体重の人、月経不順や摂食障害の経験がある人などは、自己判断で行わないことが大切です。
Q3:ファスティングでめまいが起きたらどうすればいいですか?
すぐに断食を中止し、安全な場所で座るか横になってください。水分不足や低血糖などが原因として考えられます。症状が改善しない場合や繰り返す場合は医療機関を受診してください。失神や意識障害があれば緊急対応が必要です。
Q4:ファスティング中に水を飲んでもいいですか?
16時間断食などの時間制限食では、通常、水分補給を行います。むしろ水分不足には注意が必要です。ただし、飲水を禁止するドライファスティングは別の方法であり、脱水リスクが高まります。
Q5:ファスティングと普通のカロリー制限では、どちらが痩せますか?
2025年のBMJレビューでは、隔日断食を除き、通常のカロリー制限と断食の間に明確な減量上の優位性は認められませんでした。2026年のCochraneレビューも、間欠的断食が通常の食事指導を上回る減量効果をもたらすとは示していません。継続しやすく、必要な栄養を確保できる方法を選ぶことが大切です。
Q6:ファスティングをすると体内の毒素が排出されますか?
断食によって体内の毒素が効率よく排出されるという説には、十分な科学的根拠がありません。厚生労働省eJIMが紹介するNCCIHの情報でも、デトックスプログラムによる毒素排出を裏付ける説得力のある研究は確認されていないと説明されています。
Q7:ファスティングをやめたらリバウンドしますか?
必ずリバウンドするわけではありません。ただし、断食中に極端な食事制限をしていた場合、通常の食事に戻したときに摂取カロリーが増え、体重が戻る可能性があります。長期的な体重管理には、無理なく続けられる食事習慣が重要です。
まとめ:ファスティングは体重より健康を優先して判断する
ファスティングは、適切な条件下で行えば減量に役立つ可能性があります。しかし、すべての人に必要な健康法ではなく、16時間断食を長く続ければ健康になるという科学的な保証もありません。
2025年のBMJレビューでは、99件・6,582人の研究から、断食と通常のカロリー制限の減量効果はおおむね同程度と評価されました。さらに2026年のCochraneレビューでも、断食が通常の食事指導より優れているという明確な証拠は得られていません。
特に注意したいのは、糖尿病の治療中の人、妊娠中・授乳中の人、摂食障害の経験がある人、低体重の人などです。
ファスティングを検討するなら、次の3点を判断基準にしてください。
1. 自分の健康状態に適した方法か: 持病や服用薬、栄養状態を確認する。
2. 必要な栄養と水分を確保できるか: 体重を減らすことだけを優先しない。
3. 長期的に無理なく続けられるか: めまいや疲労などの異変があれば中止する。
健康的な減量に必要なのは、食べない時間を競うことではありません。バランスのよい食事、適度な運動、十分な睡眠を組み合わせ、自分の身体に合った生活習慣を築くことです。
ファスティングをしなければ健康になれないわけではありません。 断食のメリットとリスクを冷静に比較し、必要であれば医療専門家の助言を受けながら、自分にとって本当にメリットのある選択をしてください。