武尊の引退は、4月29日の試合終了だけで完結したわけではない。その後、複数の格闘技イベントで引退セレモニーが行われ、2026年10月にはONE Championshipの殿堂入りも実現した。
5月28日:GOATで10カウントゴング最初の大きな節目は、2026年5月28日に東京・後楽園ホールで開催された「キックボクシングフェス.2 GOAT」だった。
武尊は関係者から花束を受け取り、ファンや後輩選手に向けて感謝を伝えた。最後には10カウントゴングが鳴らされ、リングに別れを告げた。
セレモニーでは、才能に恵まれていなくても努力を続ければ世界王者になれるという自身の経験を語り、これから格闘技を始める子どもたちにもメッセージを送った。プロ格闘家としての経験を次の世代に伝えていく姿勢が印象的だった。
9月10日:超RIZIN.5でも引退を報告2026年9月10日には、大阪・京セラドーム大阪で開催された「超RIZIN.5 浪速の超復活祭り」でも引退セレモニーが行われた。
武尊はスーツ姿で登場し、RIZINの関係者やファンに感謝を伝えた。RIZINでは2015年の大みそかの旗揚げ大会にK-1王者として参戦した経緯があり、2022年の那須川天心戦でも榊原信行CEOが実現に尽力していた。
この大会では、武尊が推薦した宇佐美秀メイソンも出場。武尊自身が選手を推薦する側に回ったことは、引退後の役割の変化を象徴している。
10月17日:ONE SAMURAI 4でONE殿堂入りさらに大きな節目となったのが、2026年10月17日の「ONE SAMURAI 4」だ。ONEは5月7日に武尊の殿堂入りを発表しており、この大会で引退・殿堂入りのセレモニーが実施された。
武尊は最後の試合で着用したコスチューム姿で登場。現役時代のフライ級リミットである61.2kgまで体重を落としてリングに上がった。
記念の花束を贈ったのは、同じキックボクシング界の先輩である魔裟斗。チャトリCEOからは殿堂入りのトロフィーが贈られた。武尊はONEでの苦しい経験を振り返りながら、今後も裏方として格闘技界を支えていく考えを示した。
ONE殿堂入りは、単なる引退記念ではない。デメトリアス・ジョンソン、ビビアーノ・フェルナンデス、アウンラ・ンサンらと並ぶ評価を受けたことを意味する。K-1での国内実績に加え、ONEで世界タイトルを獲得してキャリアを締めくくったことが評価された。
【武尊の現在2026】引退後の活動は格闘技界の支援と次世代育成

2026年11月現在の武尊は、現役選手として試合に出場する立場から、格闘技界を支える立場へと活動の軸を移している。
引退したからといって格闘技との関係を断ったわけではない。公式サイトの活動情報からは、イベント出演、後輩選手のサポート、社会貢献プロジェクト、情報発信など、複数の方向で活動していることが分かる。
1. 後輩選手のサポートと格闘技イベントへの参加2026年7月17日、タイのルンピニースタジアムで開催された「ONE Friday Fights 162」に武尊がサプライズ登場した。team VASILEUSの与座優貴のセコンドを務めた後、リング上でONE SAMURAIシリーズについてコメントしている。
また、8月2日に公開されたRIZINのトーク番組では、榊原信行CEOとともに格闘技イベントの展望について話し合った。武尊はteam VASILEUSの宇佐美秀メイソンを推薦し、9月10日の超RIZIN.5への出場につなげた。
こうした活動は、武尊が現役時代に築いた知名度や人脈を、次世代選手の活躍につなげようとしている動きと捉えられる。
2. DREAM UP! PROJECT.で子どもたちを支援武尊の引退後の活動で注目したいのが、自身が代表を務める「DREAM UP! PROJECT.」だ。
このプロジェクトは、子どもたちが学びの場やスポーツ、音楽などのさまざまな体験に触れ、夢を持てる環境をつくることを目的としている。
公式発表によると、2025年の活動を通じてミャンマーのシャン州に「シュエタウンタン僧院学校」が建設され、2025年11月13日に完成。2026年には約1,200人の子どもたちが通っている。武尊自身も2026年8月17日に現地を訪問し、子どもたちと交流した。
9月20日には東京のYANMAR TOKYOで第2回イベントを開催。吉田沙保里、豊ノ島大樹、狩野舞子らスポーツ界の人物や音楽関係者が参加し、トークショーやスポーツ体験会などが行われた。
現役時代に培った格闘技の経験や知名度を、子どもたちの教育や体験機会の充実に活用している点は、引退後の武尊を語るうえで見逃せない。
3. YouTube・メディア出演で格闘技の魅力を発信2026年9月28日には、ONE Championship Japan公式YouTubeチャンネルの「ONE SAMURAI TALK #3」に出演した。魔裟斗、大沢ケンジとともに「ONE SAMURAI 3」を振り返り、後輩選手や大会について語っている。
引退後もメディアを通じて格闘技の魅力を伝えていることから、今後は競技者としてだけでなく、解説者やイベントの企画・運営に関わる立場での活動も注目される。
なお、2026年11月2日時点で確認できる公式情報では、引退後の具体的な活動が複数公表されている一方、首のヘルニアが完治したという発表や、現役復帰を正式決定したという発表はない。
【武尊の復帰の可能性】ロッタンとの再戦発言は復帰発表なのか?
武尊の引退をめぐって、ファンが最も気にしているテーマの一つが現役復帰だ。特に注目を集めたのが、2026年7月にONE Friday Fights 162で語った発言である。
引退後もハードなトレーニングを続けている理由を聞かれた武尊は、次のように答えた。
「引退した後も身体を鍛え続けて、いつかカムバックする時が来るかも、しれない」
この発言は、復帰の可能性を完全には否定していないという意味で注目に値する。ただし、具体的な復帰時期、対戦相手、契約、試合開催について発表したものではない。現時点では、将来の可能性に触れた発言として受け止めるのが妥当だ。
ロッタンも再戦への期待を表明同じ場面では、リングサイドで観戦していたロッタンもリングに上がり、武尊と再会した。
ロッタンは、自分が必ず戻ってくることを伝えたうえで、武尊が復帰した場合には再び対戦できる機会があればうれしいという趣旨の発言をした。
両者は抱擁を交わし、再戦への期待を示した。しかし、これはロッタン個人の希望であり、ONEが第3戦を正式決定したわけではない。武尊自身もロッタンの再起戦を楽しみにしていると語っているが、現役復帰を約束したわけではない。
復帰を判断するために注目すべき3つの条件武尊の復帰を考えるなら、単にトレーニングを続けているかどうかだけで判断することはできない。
- 首の状態:ヘルニアによるしびれや筋力低下が改善し、競技レベルの練習に耐えられる状態なのか。
- 本人の意思:試合に出たいという気持ちと、引退後の活動を優先する考えのどちらが強いのか。
- 正式な試合発表:ONEなどの主催団体から、契約や対戦カード、開催日が公表されるか。
特に首の状態は重要だ。武尊自身が引退理由として説明したのは、身体への負担だけでなく、しびれや筋力低下を伴う症状だった。格闘技は相手の打撃を受ける競技であり、身体の回復が十分でなければ、以前と同じパフォーマンスを発揮することも難しい。
復帰を期待する気持ちと、本人の身体を守るべきだという考えは両立する。現時点での評価は、復帰の可能性を本人が示唆したものの、現役復帰が決まった事実はないというものだ。
【プロの結論】武尊の引退は終わりではなく、格闘技界での役割の転換武尊の引退を評価する際、重要なのは最後の試合で勝ったかどうかだけではない。
K-1三階級制覇を達成し、那須川天心との大一番を経験し、ONEという世界的な舞台で戦い続けた。その一方で、ロッタンとの初戦後に首のヘルニアを発症し、競技を続けることのリスクと向き合った。
そして最後の試合では、過去に敗れたロッタンをTKOで下し、ONE暫定世界王座を獲得した。現役最後の試合で自分の課題に決着をつけたことは、競技人生を振り返るうえで大きな意味を持つ。
加えて、2026年10月のONE殿堂入り、後輩選手の支援、子どもたちの教育支援など、引退後の活動も具体化している。武尊の価値は、これから自分が何勝するかだけで測られるものではない。次の世代に何を残せるかという、新たな評価軸に移りつつある。
武尊の引退に関するよくある質問(FAQ)
Q1:武尊は2026年現在、本当に引退していますか?
A1:はい。2026年4月29日の「ONE SAMURAI 1」でのロッタン戦を最後に、プロ格闘家として現役を引退しています。5月1日の引退記者会見でも本人が引退を説明し、その後、複数の引退セレモニーが開催されました。
Q2:武尊の引退理由は何ですか?
A2:最大の理由は首のヘルニアです。2025年3月のロッタン戦後に発症し、しびれや片側の筋力低下などがあったと2026年5月1日の会見で明かしました。
Q3:武尊の引退試合の相手と結果は?
A3:相手はタイのロッタン・ジットムアンノンです。2026年4月29日の「ONE SAMURAI 1」で対戦し、5ラウンド2分22秒にTKO勝利。ONEフライ級キックボクシング暫定世界王座を獲得しました。
Q4:武尊はONE殿堂入りしたのですか?
A4:はい。2026年5月7日にONEが殿堂入りを発表し、10月17日の「ONE SAMURAI 4」で正式なセレモニーとトロフィーの贈呈が行われました。
Q5:武尊は現役復帰する可能性がありますか?
A5:2026年7月、本人は将来カムバックする可能性に言及しています。ただし、復帰時期や対戦相手、試合契約は発表されていません。首の回復状況も含め、今後の公式発表を待つ必要があります。
Q6:武尊は引退後、何をしていますか?
A6:格闘技イベントへの出演、後輩選手のサポート、YouTubeなどのメディア出演、DREAM UP! PROJECT.を通じた子どもたちへの教育・体験支援などに取り組んでいます。
Q7:武尊はK-1で何階級を制覇しましたか?
A7:スーパー・バンタム級、フェザー級、スーパー・フェザー級の3階級です。2018年にスーパー・フェザー級王座を獲得し、K-1三階級制覇を達成しました。
まとめ:武尊の引退は有終の美、今後は次世代を支える活動に注目
2026年11月現在、武尊は現役を引退している。4月29日のロッタン戦では、初戦のKO負けを覆す5ラウンドTKO勝利を収め、ONEフライ級キックボクシング暫定世界王座を獲得した。
引退の背景にあったのは、2025年3月のロッタン戦後に発症した首のヘルニアだ。しびれや筋力低下などの症状を抱えながら競技を続ける難しさを感じ、最後の試合をロッタンとの再戦に定めた。
その後、5月のGOAT、9月の超RIZIN.5、10月のONE SAMURAI 4と、複数の舞台で引退セレモニーが行われ、ONE殿堂入りも実現した。
引退後は後輩選手の支援やDREAM UP! PROJECT.など、新しい活動にも力を入れている。7月には将来的なカムバックの可能性にも触れたが、現役復帰は正式決定していない。
武尊の今後を追う際には、次の3点が重要になる。
- 首のヘルニアの回復状況と本人からの健康に関する発信
- ONEやRIZINなどでの後輩選手の支援、格闘技界への貢献
- 本人や主催団体から現役復帰に関する正式発表があるか
K-1三階級制覇、ロッタンへのリベンジ、ONE暫定世界王座、そしてONE殿堂入り。武尊は数々の実績を残し、最後は世界タイトルを手にしてリングを降りた。これからは選手として戦う姿だけでなく、格闘技界をどのように支え、次のスターを育てていくのかにも注目したい。