NHK連続テレビ小説『マッサン』で玉山鉄二が演じたのは、国産ウイスキー造りに人生を懸ける主人公・亀山政春(かめやま・まさはる)です。妻のエリーを演じたのは、アメリカ出身の女優シャーロット・ケイト・フォックス。実在したニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝と、その妻でスコットランド出身の竹鶴リタをモデルにした夫婦の物語です。
2014年9月29日から2015年3月28日まで全150回が放送された本作は、2025年12月22日からNHK総合で再放送され、2026年7月31日に最終回を迎えました。さらに2026年には玉山鉄二自身も『北方謙三 水滸伝』『告白-25年目の秘密-』などに出演。朝ドラの代表作となった『マッサン』から現在まで、俳優としての活動は続いています。
【何役を演じた?】玉山鉄二が演じる亀山政春の人物像

『マッサン』で玉山鉄二が演じた亀山政春は、広島の造り酒屋に生まれ、日本で本格的なウイスキーを造るという大きな夢を抱いた男性です。
妻のエリーから「マッサン」と呼ばれる主人公で、作品のタイトルもこの愛称に由来しています。ウイスキー造りに対する情熱は誰にも負けませんが、仕事以外では不器用で、周囲との衝突や失敗を繰り返す人物として描かれます。
亀山政春は完璧な主人公ではない政春の特徴は、強い信念と人間的な未熟さが同居していることです。
自分の理想とするウイスキーを造るためなら、経済的な安定や周囲からの評価よりも信念を優先します。一方で、相手の気持ちを十分に考えられず、エリーに心配をかける場面も少なくありません。
NHK出版の玉山鉄二インタビューでも、政春はウイスキー造りとエリーに情熱を注ぐ一方、それ以外のことには少し抜けている人物として紹介されています。玉山自身も、長所だけでなく短所を含めた人間らしさを表現することを意識していました。
この人物造形が、政春を単なる成功者の物語にしなかった理由です。夢を実現するまでの道のりには、失敗、意地、嫉妬、経営上の判断、家族との対立など、現実的な問題が積み重なっています。
玉山鉄二にとっても大きな転機となった作品玉山鉄二は1980年4月7日生まれ、京都府出身。1999年のドラマ『ナオミ』で俳優デビューし、映画『ハゲタカ』では第33回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞しています。
『マッサン』は、NHK連続テレビ小説への初出演にして初主演となった作品です。これまでのクールな二枚目役とは異なり、感情を率直に表現する不器用な男性を長期間にわたって演じたことは、俳優としての表現の幅を広げる機会になりました。
また、2016年には第40回エランドール賞新人賞を受賞。『マッサン』は玉山鉄二の代表作を語るうえで欠かせない作品として定着しています。
【シャーロットとの夫婦役】エリーとマッサンが描いた本当の夫婦愛
政春の妻・亀山エリーを演じたのは、アメリカ出身の女優シャーロット・ケイト・フォックスです。劇中のエリーはスコットランド出身という設定で、母国を離れ、日本で夫の夢を支える女性として登場します。
シャーロットは朝ドラ史上初の外国人ヒロインに抜てきされました。国内外で行われたオーディションを経て起用され、日本語に不慣れな状態から日本の連続ドラマの中心人物を演じるという、大きな挑戦に臨みました。
言葉と文化の壁を越えて支え合う二人マッサンとエリーの夫婦関係は、単純な夫唱婦随ではありません。
政春はウイスキー造りに没頭し、周囲との関係を悪化させることもあります。エリーはそんな夫を無条件に肯定するだけではなく、自分の考えを伝え、ときには反対しながらも、二人で生きる道を選びます。
当時の日本では国際結婚が珍しく、外国人女性が日本の家庭や地域社会に溶け込むことには多くの困難がありました。言葉の違い、生活習慣、家族の価値観の違いが、二人の関係に現実味を与えています。
特に、政春の母・早苗との関係は見どころの一つです。外国人の嫁を受け入れられない母親と、家族の一員として認められたいエリーの対立は、夫婦の愛情だけでは解決できない社会的な壁を表現しています。
玉山鉄二とシャーロットの演技の相乗効果玉山鉄二はNHK出版のインタビューで、慣れない日本語や環境の違いに挑戦するシャーロットの姿から、自分自身も励まされていたと振り返っています。
この関係性は、劇中の政春とエリーにも重なります。夫が夢を追い続けられるのは妻の支えがあるからであり、妻が異国で暮らし続けられるのも夫との信頼関係があるからです。
再放送時のコメントでも玉山は、シャーロットと描いた笑い、涙、苦しみ、苛立ちを含む夫婦愛を作品の魅力として挙げています。11年が経過しても街で「マッサン」と声をかけられることがあるというエピソードからも、役柄の知名度が長く残っていることが分かります。
なお、二人はあくまでドラマ上の夫婦役です。玉山鉄二とシャーロットが実際に夫婦になったという事実はありません。
【史実とドラマの違い】竹鶴政孝・リタ夫妻とマッサンの関係を比較
『マッサン』の大きな魅力は、実在した夫婦の人生を土台にしていることです。亀山政春のモデルは竹鶴政孝、エリーのモデルは妻の竹鶴リタです。
ただし、作品は歴史上の出来事をそのまま再現したドキュメンタリーではありません。実在の人物や企業を参考にしながら、ドラマとして伝わりやすいように名前や設定、エピソードを変更しています。
竹鶴政孝とリタの実際の歩みニッカウヰスキーの創業者ストーリーによると、竹鶴政孝は1894年、広島県竹原町の造り酒屋に生まれました。1918年にスコットランドへ渡り、グラスゴー大学などで学びながら、現地の蒸溜所でウイスキー製造技術を習得します。
1919年初夏、グラスゴーで出会ったのがジェシー・ロベールタ・カウン、愛称リタでした。二人は周囲の反対を乗り越え、1920年1月8日に結婚。同年11月にはリタを伴って日本へ帰国しています。
帰国後、政孝は本格ウイスキーの製造計画を進めますが、当初は勤務先の経営状況などから実現できませんでした。その後、1923年に寿屋へ入り、1924年には山崎蒸溜所の建設を主導。1934年には北海道で大日本果汁株式会社を設立し、1940年に第一号ウイスキーを発売しました。
ドラマと史実の関係一覧主要な人物・企業・商品を比較すると、実際のモデルとの対応が分かります。
| ドラマの設定 | 出演者・役割 | 実在するモデル・史実 |
|---|---|---|
| 亀山政春 | 玉山鉄二・主人公 | 竹鶴政孝、ニッカウヰスキー創業者 |
| 亀山エリー | シャーロット・ケイト・フォックス・妻 | 竹鶴リタ、スコットランド出身の妻 |
| 鴨居欣次郎 | 堤真一 | 鳥井信治郎、寿屋の創業者 |
| 鴨居商店 | 政春が関わる企業 | 寿屋、現在のサントリーにつながる企業 |
| 北海道果汁・ドウカウイスキー | 政春が北海道で目指す事業 | 大日本果汁株式会社・ニッカウヰスキー |
| スーパーエリー | 物語終盤のウイスキー | 1962年発売のスーパーニッカがモデル |
ドラマと史実の違いが象徴的に表れているのが、最終回に登場する「スーパーエリー」です。
実際の竹鶴政孝がリタの死後に世に送り出したのは「スーパーニッカ」でした。ニッカウヰスキーの公式沿革によると、リタは1961年に亡くなり、スーパーニッカは1962年10月に発売されています。
つまり、ドラマの「スーパーエリー」は実在する商品名ではありません。しかし、妻への思いを込めてウイスキーを完成させるという物語の骨格には、実際の夫婦の歴史が反映されています。
また、ドラマの亀山政春や鴨居欣次郎などは架空の人物名です。実在の竹鶴政孝や鳥井信治郎と完全に同じ人物として理解するのではなく、歴史的背景を知ったうえで作品を楽しむことが大切です。
【放送期間と再放送】マッサン全150回はいつ放送された?
『マッサン』はNHK連続テレビ小説の第91作として制作されました。2014年度後期の作品で、放送期間は約半年間です。
2014年の本放送と2025~2026年の再放送本放送は2014年9月29日に始まり、2015年3月28日に最終回を迎えました。全150回で、毎日の放送を通して政春とエリーの人生を描いています。
その後、NHKは2025年11月に再放送を発表。2025年12月22日からNHK総合のお昼の朝ドラ再放送枠で放送が始まりました。
再放送は月曜日から金曜日まで、午後0時30分~0時45分の15分間。全150回を1日1話ずつ放送する形式でした。
2026年7月29日に予定されていた第149話は放送休止となり、日程が繰り下げられました。最終回の第150話は7月31日に放送され、今回の再放送は終了しています。
放送情報まとめ| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 連続テレビ小説『マッサン』 |
| 朝ドラ作品番号 | 第91作 |
| 本放送開始 | 2014年9月29日 |
| 本放送終了 | 2015年3月28日 |
| 本放送の総回数 | 全150回 |
| 再放送開始 | 2025年12月22日 |
| 再放送終了 | 2026年7月31日 |
| 再放送時間 | 月~金曜日 12:30~12:45 |
| 脚本 | 羽原大介 |
| 主題歌 | 中島みゆき「麦の唄」 |
| 音楽 | 富貴晴美 |
再放送の発表時にはNHK ONEでの同時・見逃し配信も案内されました。再放送を見逃した場合は、NHKオンデマンドなどの公式配信サービスで現在の視聴状況を確認する方法があります。
【評判と見どころ】マッサンが長く愛される理由とは?
『マッサン』は放送当時から高い視聴率を記録した朝ドラです。ビデオリサーチ調べによる関東地区の期間平均視聴率は21.1%、関西地区では22.2%でした。
2015年3月28日の最終回は関東地区23.2%、関西地区25.1%を記録。関東地区では2015年3月20日の放送回に25.0%という期間中の最高視聴率も記録しています。
見どころ1:夢を追う職人のリアルな苦労本作は、成功した経営者の華やかな伝記ではありません。ウイスキーを造るための設備、技術、資金、人材をどう確保するのかという現実的な問題が描かれています。
特に、政春が自分の理想と経営者の考え方との間で葛藤する展開は、仕事に情熱を持つ人にとって共感しやすい部分です。
見どころ2:国境を越えた夫婦の成長エリーは日本の習慣を知らない外国人として登場しますが、物語が進むにつれて自分の居場所を築いていきます。
夫を支えるだけではなく、異文化の中で自分自身の人生を切り開く女性として描かれている点も重要です。シャーロットの表情や日本語の演技が、エリーという人物に説得力を与えています。
見どころ3:豪華な共演者と人間関係玉山鉄二とシャーロットを支える出演者にも注目です。
- 堤真一:鴨居欣次郎役。政春とは異なる経営者としての考え方を持ち、主人公に大きな影響を与える。
- 相武紗季:田中優子役。政春とエリーの関係に関わる重要人物。
- 泉ピン子:政春の母・早苗役。エリーとの関係を通じて家族の葛藤を表現する。
- 八嶋智人:森野俊夫役。政春のウイスキー造りを支える人物。
- 小池栄子:森野ハナ役。物語に温かさと人間味を加える。
また、中島みゆきの「麦の唄」も作品の印象を決定づける要素です。夫婦の人生と夢を描くドラマの世界観に合った楽曲で、放送終了後も作品を思い出すきっかけになっています。
視聴率の高さは幅広い視聴者に届いたことを示す客観的な材料です。特に、歴史を題材にした物語、異文化交流、夫婦の成長、ものづくりに関心がある人には見応えのある作品です。
【2026年現在】玉山鉄二の最新出演作と俳優活動
2026年11月現在、玉山鉄二は俳優としてドラマや映画に出演を続けています。『マッサン』の放送から11年以上が経過しましたが、現在も話題作への出演が確認できます。
2026年の主な出演作品所属事務所メリーゴーランドの公式プロフィールには、2026年の出演作品として次の作品が掲載されています。
- 『北方謙三 水滸伝』:2026年2月放送・配信開始のWOWOWとLeminoの共同制作ドラマ。玉山鉄二は李富役を担当。
- 『告白-25年目の秘密-』:2026年7月期の日本テレビ系ドラマ。玉山鉄二は刑事・佐倉泰輔役で出演。
- 映画『ミステリー・アリーナ』:2026年5月22日公開。玉山鉄二は伝説の初代王者・レジェンド役を担当。8月14日からPrime Videoでの世界独占配信も発表された。
特に『告白-25年目の秘密-』では、主人公たちの運命に深く関わる刑事・佐倉泰輔を演じています。2026年9月19日の最終回では、物語の重要な秘密に関係する人物として大きな役割を担いました。
『北方謙三 水滸伝』では李富という人物を演じており、時代や作品のジャンルによって異なる役柄に挑戦していることが分かります。
マッサン以降も続く演技の幅玉山鉄二は『マッサン』以降も、テレビドラマ、映画、配信作品で幅広く活動しています。
2024年には『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』『笑うマトリョーシカ』『ハスリンボーイ』に出演。2025年には『花のれん』『スティンガース 警視庁おとり捜査検証室』『緊急取調室』などへの出演が確認できます。
『マッサン』で印象的だった実直で不器用な人物像とは異なり、刑事や複雑な背景を持つ人物など、幅広い役柄を演じています。
1980年4月7日生まれの玉山は、2026年11月現在46歳。『マッサン』で主演俳優として確立した知名度を持ちながら、作品ごとに異なる表情を見せる俳優として活動を続けています。
【マッサンと玉山鉄二】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:マッサンで玉山鉄二は何役を演じましたか?
A1:主人公の亀山政春役です。日本で本格的なウイスキーを造る夢を追う男性で、竹鶴政孝をモデルにしています。妻エリーをシャーロット・ケイト・フォックスが演じました。
Q2:マッサンのエリーの実在モデルは誰ですか?
A2:ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝の妻、竹鶴リタです。本名はジェシー・ロベールタ・カウンで、スコットランド出身の女性でした。ドラマでは名前や人物設定を変更して描かれています。
Q3:マッサンの再放送は2026年も見られますか?
A3:NHK総合で2025年12月22日に始まった全150回の再放送は、2026年7月31日に終了しました。11月現在、同じ昼の再放送は終了しています。視聴を希望する場合は、NHKオンデマンドなどで配信状況を確認してください。
Q4:マッサンは実話ですか?
A4:竹鶴政孝とリタ夫妻の人生をモデルにしたフィクションです。ウイスキー造りや国際結婚という歴史的背景は実話に基づいていますが、人物名、企業名、出来事の順序、物語の結末などには脚色があります。
Q5:玉山鉄二は2026年現在も俳優活動をしていますか?
A5:はい。2026年には『北方謙三 水滸伝』『告白-25年目の秘密-』や映画『ミステリー・アリーナ』などに出演しています。所属事務所の公式プロフィールでも2026年の出演歴が掲載されています。
まとめ:【プロの結論】マッサンは玉山鉄二の代表作であり続ける
『マッサン』で玉山鉄二が演じた亀山政春は、竹鶴政孝をモデルにしたウイスキー職人です。シャーロット・ケイト・フォックス演じるエリーとの夫婦関係を通して、夢を追うことの難しさ、異文化の中で暮らすことの苦労、そして互いを支え合うことの意味を描きました。
作品の歴史的背景を知るなら、竹鶴政孝とリタの実際の歩みを確認することが大切です。ドラマの「スーパーエリー」と史実の「スーパーニッカ」の違いなど、実在の人物や商品と比較することで、作品の脚色や演出の意図も見えてきます。
また、2025年末から2026年7月にかけて行われた再放送は、放送から11年以上経過した作品が再び視聴者に届けられた機会でした。2026年の玉山鉄二は『告白-25年目の秘密-』などにも出演し、現在も俳優として活躍しています。
プロの結論:『マッサン』を楽しむ際の要点は、ドラマの感動と歴史的事実を分けて理解することです。実話の再現度だけで評価するのではなく、竹鶴政孝とリタの人生を、朝ドラならではの夫婦愛と成長の物語に再構成した作品として見ると、その魅力はさらに深まります。
ものづくりに情熱を注ぐ人物の物語が好きな人、異文化を越えた夫婦の絆を描くドラマを見たい人、そして日本のウイスキーの歴史に関心がある人にとって、『マッサン』は今も見る価値のある朝ドラです。