佐賀県の最下位という結果を見て、観光地が少ない県だと考えるのは早計だ。
実際には、歴史、伝統工芸、自然、神社仏閣、食文化など、多彩な観光資源を持っている。ブランド総合研究所の2026年の分析でも、佐賀県には全国的に十分知られていない魅力があると指摘されている。
有田焼・伊万里焼:世界に誇る伝統工芸有田焼は佐賀県有田町を代表する磁器で、日本を代表する伝統工芸の一つ。美しい絵付けや洗練された造形は国内外で評価されている。
伊万里市の大川内山も見逃せない。かつて鍋島藩の御用窯が置かれた地域で、山に囲まれた窯元の町並みと伝統技術を楽しめる。
有田町と伊万里市の伝統技術に対する評価は全国でも上位だ。都道府県としての佐賀県の評価との差は、地域ブランドを県全体のイメージへつなげる難しさを示している。
虹の松原:日本三大松原の一つ虹の松原は唐津市にある景勝地で、日本三大松原の一つに数えられる。海岸沿いに広がる松林は、佐賀県を代表する自然景観だ。
海と松林を同時に楽しめる場所であり、都市型観光とは異なる落ち着いた旅行を楽しみたい人にも適している。
七ツ釜:玄界灘が生んだ自然の造形唐津市の七ツ釜は、玄界灘の荒波によって形成された海食洞窟群。玄武岩の柱状節理と海の景観が特徴で、自然の迫力を感じられる観光スポットだ。
祐徳稲荷神社:豪華な社殿と日本庭園鹿島市の祐徳稲荷神社は、壮麗な社殿で知られる佐賀県の代表的な神社。日本三大稲荷の一つとして紹介されることもあり、参拝だけでなく建築や景観を楽しむ観光客も多い。
これらの観光地は、佐賀県公式観光サイト「あそぼーさが」でも紹介されている。陶磁器の産地、海岸景観、神社など、観光の目的に応じて異なる楽しみ方ができる。
佐賀県の評価には意外な強みもある2026年の地域ブランド調査では、佐賀県はすべての項目で最下位だったわけではない。
- 6位:アマチュアスポーツのチームや選手の認知度
- 7位:「安らぐ」という地域イメージ
- 8位:環境にやさしい地域
- 13位:ネットショッピングの情報接触度
観光意欲度や情報接触度が低い一方で、落ち着いたイメージやスポーツ、地域産品に関する評価には強みがある。
つまり、佐賀県は魅力を持たない地域なのではなく、魅力の種類によって全国的な認知に大きな差がある地域なのだ。
【プロの結論】都道府県魅力度ランキングの最下位をどう受け止めるべきか

今回の調査から読み取れる要点は、地域の魅力と、その魅力が全国に伝わっていることは別の問題だという点だ。
佐賀県の有田焼や伊万里焼は高く評価され、自然景観や歴史的な観光資源も存在する。それでも県全体の魅力度は47位となった。
地域ブランドを高めるには、観光資源を整備するだけでは足りない。地域名と観光地、特産品、文化を結び付け、旅行者が具体的な訪問先を思い浮かべられる情報発信が必要になる。
ランキングを見るときの3つの判断基準1.観光目的なら観光意欲度を見る
総合魅力度が低くても、特定の観光資源や地域イベントが高く評価されている場合がある。旅行先を選ぶなら、総合順位だけでなく観光意欲度や個別の観光資源評価を確認したい。
2.移住目的なら居住意欲度や住み心地を見る
観光客からの評価と、実際に住む人の満足度は一致しない。大東建託の街の魅力度ランキングなど、居住者の生活実感を含めた調査も参考になる。
3.地域振興を考えるなら情報接触度を見る
観光資源があるのに情報接触度が低い場合、観光コンテンツの不足ではなく、発信方法や認知経路に改善の余地がある可能性がある。佐賀県の結果は、その典型的なケースとして注目できる。
最下位という数字だけを見て地域の価値を判断するのではなく、何を測った順位なのかを理解することが大切だ。
【都道府県魅力度ランキング最下位】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の都道府県魅力度ランキング最下位はどこですか?
A1:佐賀県です。2026年10月3日に発表された地域ブランド調査2026で47位・15.1点となりました。46位は茨城県で15.2点です。
Q2:佐賀県が魅力度ランキング最下位になった理由は何ですか?
A2:ブランド総合研究所は、情報接触度の低さを課題として挙げています。福岡県や長崎県の強いイメージに挟まれていることや、旅行・観光情報が全国に十分届いていないことなどが背景として分析されています。
Q3:魅力度ランキング15.1点は、魅力を感じる人が15.1%という意味ですか?
A3:違います。「とても魅力的」という回答割合に100点、「やや魅力的」という回答割合に50点の重みを付けて算出したスコアです。15.1%という意味ではありません。
Q4:2025年に最下位だった埼玉県は2026年に何位になりましたか?
A4:44位です。2025年の47位・13.7点から、2026年には16.7点へ上昇し、3ランク改善しました。
Q5:佐賀県が最下位になるのは初めてですか?
A5:初めてではありません。2022年に初の最下位となり、2024年にも47位を記録しました。2026年は2年ぶり3度目の最下位です。
Q6:佐賀県には観光する場所がないのでしょうか?
A6:そのようなことはありません。有田焼、伊万里焼、虹の松原、七ツ釜、祐徳稲荷神社など、歴史・文化・自然に関する観光資源があります。ランキングの低さは、観光資源の不存在を意味しません。
Q7:大東建託の街の魅力度ランキングでも佐賀県は最下位ですか?
A7:いいえ。2026年の大東建託のランキングでは佐賀県は39位です。ブランド総合研究所の47位とは異なります。大東建託は居住者と非居住者の30項目を組み合わせるため、評価基準が異なります。
まとめ:2026年の最下位は佐賀県、順位よりも地域の伝え方が重要
2026年の都道府県魅力度ランキング最下位は、佐賀県の47位・15.1点だった。46位の茨城県は15.2点で、差はわずか0.1点。前年最下位だった埼玉県は44位へ上昇した。
ブランド総合研究所の地域ブランド調査2026は、31,666人を対象に91項目を調べた大規模調査だ。佐賀県の課題として明らかになったのは、観光資源の不足というよりも、情報接触度や観光意欲度の低さだった。
有田焼や伊万里焼、虹の松原、七ツ釜、祐徳稲荷神社など、佐賀県には全国に紹介する価値のある資源が数多く存在する。個別の産地や観光地の評価を県全体の認知度へつなげられるかが、今後の地域ブランド戦略の焦点となる。
また、ランキングは調査方法によって結果が変わる。ブランド総合研究所では47位の佐賀県が、大東建託では39位となっていることからも、単一の順位だけで地域の価値を判断することには限界がある。
2026年の最下位という結果は、佐賀県の魅力がないという結論ではない。むしろ、すでにある地域資源をどう全国に届け、実際の観光や地域への関心につなげるかという課題を示した結果だ。
次回のランキングでは、佐賀県が情報発信や観光誘客の取り組みを通じてどのような変化を見せるのか。2027年の調査結果にも注目したい。