「告げ口をされた」「あの人はすぐに告げ口する」「先生や上司に伝えただけなのに、告げ口だと言われた」――。人間関係の中で、一度はこうした経験をしたことがあるのと考えられます。告げ口とは、他人の過失や秘密、言動などを本人以外の第三者に伝える行為です。一般的には、相手を困らせたり、評価を下げたりするような否定的なニュアンスを伴います。
しかし、他人の行動を第三者に伝えることが、すべて悪いとは限りません。職場の不正を上司に知らせることや、学校でいじめを先生に相談することは、問題を解決するために必要な行動です。大切なのは、何を、誰に、どのような目的で伝えたのかという点です。2026年現在の公的な制度や職場・学校の対応も踏まえ、告げ口と正当な報告の違い、告げ口をする人の心理、されたときの対処法まで具体例を交えて解説します。
【基本知識】告げ口とは?意味と定義、密告・悪口との違いを解説

告げ口(つげぐち)とは、他人の過失や秘密などを、本人ではなく別の人にこっそり伝えることです。
小学館の「デジタル大辞泉」では、告げ口を「人の過失や秘密を、こっそり別の人に告げ知らせること」と説明しています。先生に友達の行動を言いつける場面などが代表例です。
この言葉には、単に情報を伝達するという意味だけでなく、相手の立場を悪くしたり、本人の知らないところで不利益を与えたりするという否定的な印象があります。
例えば、次のような行動が告げ口に該当する可能性があります。
- 同僚が仕事中に私用のスマートフォンを使っていたことを、本人に確認せず上司に伝える。
- 友人が別の友人について話した秘密を、本人の許可なく周囲に言いふらす。
- クラスメートの小さな失敗を先生に繰り返し伝え、叱られるように仕向ける。
- 同僚のミスを必要以上に強調し、上司に悪い印象を与えようとする。
ただし、これらと似た行動でも、危険を防ぐための相談や業務上必要な報告であれば、告げ口とは性質が異なります。
告げ口と密告の違い告げ口と密告は、どちらも本人以外の第三者に情報を伝える行為ですが、伝える内容や目的、使われる場面に違いがあります。
告げ口は、日常的な人間関係の中で、他人の失敗や秘密を伝える場合に使われます。一方、密告は、他人に知られていない不正や問題行為などを、関係者や権限を持つ相手に秘密裏に知らせる場合に使われることが多い言葉です。
例えば、同級生が宿題を忘れたことを先生に伝えるのは、一般的に告げ口と表現されます。会社の重大な不正行為を監督機関に知らせる場合は、密告や内部告発、公益通報といった言葉が使われます。
告げ口と悪口の違い悪口とは、他人を悪く評価したり、欠点を批判したりする否定的な発言です。告げ口とは異なり、必ずしも本人の秘密や過失を第三者に伝える必要はありません。
例えば、「あの人は仕事が遅い」と同僚同士で話すのは悪口に当たる可能性があります。一方、「あの人が今日も仕事をサボっていた」と上司に伝える行為は、状況や目的によって告げ口と受け取られる場合があります。
事実を伝えているかどうかだけでなく、伝え方や目的にも違いが表れます。事実を材料にして相手の評価を下げようとする場合、報告ではなく悪口や告げ口に近づきます。
【違いを比較】告げ口・密告・悪口・報告・チクリはどう違う?
告げ口と混同されやすい言葉に、密告、悪口、報告、チクリがあります。これらは情報を他人に伝える点では共通していますが、意味やニュアンスは同じではありません。
特に重要なのは、伝えた相手が誰なのか、情報の目的が何なのかという点です。
| 言葉 | 主な意味 | ニュアンス・特徴 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 告げ口 | 他人の過失や秘密を第三者に伝える | 否定的。本人の知らないところで言いつける印象 | 友人の失敗を先生に伝える |
| 密告 | 秘密裏に不正や問題行為を知らせる | 重大な問題や隠された事実に使われやすい | 会社の不正を関係機関に知らせる |
| 悪口 | 他人を悪く言うこと | 否定的な評価や批判が中心 | 同僚の能力や性格を悪く言う |
| 報告 | 事実や状況を関係者に伝えること | 中立的。業務や問題解決のために行う | 仕事の進捗やミスを上司に伝える |
| チクリ | 他人の行動を第三者に言いつけること | 口語的で、子どもっぽさや非難のニュアンスがある | 友達が校則違反をしたと先生に伝える |
チクリは、告げ口とほぼ同じ意味で使われる口語表現です。「先生にチクる」「上司にチクった」というように、相手の行動を第三者に知らせることを指します。
ただし、チクリには告げ口以上に、軽い言いつけや仲間を裏切るような印象が含まれる場合があります。学校や友人関係など、比較的身近な人間関係で使われることが多い表現です。
告げ口の類語と言い換え表現告げ口には、伝える内容や状況によって使い分けられる類語があります。
- 言いつけ:目上の人や権限を持つ人に、他人の行動を伝えること。
- 密告:秘密裏に不正や問題行為を知らせること。
- 垂れ込み:隠されている情報を関係者などに知らせること。比較的くだけた表現。
- 讒言(ざんげん):他人を陥れるために、事実を曲げたり悪く言ったりして伝えること。
- 内部告発:組織内部の不正や問題を外部などに知らせること。
- 情報提供:判断や調査に役立つ情報を相手に伝えること。
日常会話で告げ口を柔らかく表現したい場合は、「伝える」「相談する」「情報共有する」「状況を報告する」などが使えます。ただし、言い換えるだけで行為の目的や性質が変わるわけではありません。
【心理を分析】告げ口をする人の特徴と理由は?なぜ他人に言いつけるのか
告げ口をする人には、どのような心理が働いているのでしょうか。表面的には他人の行動を伝えているだけでも、その背景には承認欲求や嫉妬、自己保身、正義感など、さまざまな感情が隠れている場合があります。
1. 自分を評価してほしいという承認欲求告げ口をする理由の一つは、周囲から認められたいという気持ちです。
他人の失敗や問題点を上司や先生に伝えることで、「自分は周囲をよく見ている」「自分はルールを守っている」と評価されたいと考える場合があります。
特に、成果や能力を直接評価される機会が少ない環境では、他人の欠点を指摘することによって、自分の存在価値を示そうとすることがあります。
2. 嫉妬や競争心がある相手が自分より評価されていたり、周囲から好かれていたりすると、不満や嫉妬が生まれることがあります。
その感情を直接伝える代わりに、相手の失敗や欠点を第三者に知らせ、評価を下げようとするケースです。
職場では昇進や人事評価、学校では友人グループ内の立場などが、こうした感情のきっかけになる場合があります。
3. 自分が責任を問われることを避けたい自己保身も、告げ口の背景として考えられる心理です。
例えば、チーム全体でミスが発生した際、自分の責任を軽くするために、特定の同僚の失敗だけを上司に伝えることがあります。
この場合、問題を解決することよりも、自分が不利益を受けないことが優先されています。
4. 相手に仕返しをしたい過去に嫌な思いをさせられた相手に対して、仕返しの気持ちから告げ口をするケースもあります。
本人に直接不満を伝えるのではなく、相手が困るように第三者へ情報を伝えることで、間接的に報復しようとする心理です。
事実の一部だけを強調したり、必要以上に大きな問題として伝えたりする場合は、単なる情報共有とは異なる性質を持ちます。
5. 正義感が強く、ルール違反を許せない告げ口をする人が、必ずしも悪意を持っているとは限りません。
ルールや約束を守ることを大切にしており、他人の違反を見過ごせない人もいます。本人に直接注意するより、先生や上司に知らせるほうが適切だと考えている可能性もあります。
いじめやハラスメント、危険行為などを第三者に知らせることは、被害の拡大を防ぐために必要な行動です。正義感による相談と、相手を困らせるための告げ口を同じものとして扱うべきではありません。
告げ口をする人に共通しやすい特徴告げ口を繰り返す人に見られることがある行動パターンは、次のとおりです。ただし、これらは性格を断定する診断基準ではありません。一つの行動だけで、その人を告げ口する人だと決めつけるのは適切ではありません。
- 他人の小さな失敗や言動を細かく気にする。
- 本人と直接話し合うより、第三者を通じて問題を伝える。
- 情報を伝える際に、自分の評価や感情を加える。
- 相手によって伝える内容や説明の仕方を変える。
- 他人の問題を話題にすることが多い。
- 対立している相手の欠点を繰り返し周囲に伝える。
重要なのは、告げ口という行為だけを見るのではなく、情報の正確性や伝える目的、相手への影響まで確認することです。
【職場・学校の実態】告げ口が起きる原因と人間関係への影響
告げ口は、職場や学校など、複数の人が継続的に関わる環境で発生しやすい問題です。特に、上下関係やグループ内の力関係が存在する場所では、本人に直接言えない不満が第三者への情報伝達という形で表れることがあります。
職場での告げ口は人事評価や信頼関係に影響する職場では、同僚の遅刻、仕事のミス、勤務態度、上司への不満などが告げ口の話題になりやすいものです。
例えば、同じ部署の社員が仕事の期限に遅れたことを、別の社員が上司に伝えたとします。この行為が業務の遅延を防ぐためなら、必要な報告です。
しかし、本人に確認せず、過去の小さな失敗まで持ち出して「あの人はいつも仕事をしていない」と伝えれば、相手の評価を下げるための告げ口と受け取られる可能性があります。
職場で告げ口が続くと、次のような問題につながります。
- 同僚同士が本音を話せなくなる。
- ミスを隠そうとする社員が増える。
- 部署内に不信感や派閥が生まれる。
- 上司が事実確認よりも個人の印象で判断するようになる。
- 仕事上の情報共有が滞り、チーム全体の生産性が下がる。
一方、厚生労働省のパワーハラスメント防止に関する指針では、職場の相談に対して、相談者と行為者の双方から丁寧に事実関係を確認することが重要とされています。主張が食い違う場合には、第三者から事情を聴く方法も示されています。
つまり、職場では誰かの話を一方的に信じるのではなく、複数の視点から事実を確認する仕組みが大切です。
学校での告げ口は友人関係やいじめ問題と関係する学校では、友達の校則違反や授業中の行動、友人グループ内の秘密などを先生に伝えることが、告げ口として受け取られる場合があります。
特に子どもの人間関係では、「先生に言った」「チクった」という言葉が、仲間からの孤立や非難につながることもあります。
しかし、ここで注意したいのが、いじめに関する相談まで告げ口と決めつけてはいけないという点です。
文部科学省が示すいじめ防止対策推進法では、いじめは、一定の人的関係にある児童生徒による心理的または物理的な影響を与える行為で、対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているものと定義されています。インターネット上の行為も対象に含まれます。
いじめを受けている子どもが先生や保護者に相談することは、自分や友人を守るための大切な行動です。「告げ口するな」と言われることを恐れて、被害を一人で抱え込む必要はありません。
告げ口と正当な相談を混同しないことが大切学校でも職場でも、他人の問題を第三者に伝える行為には、複数の目的があります。
例えば、友人が危険な行動をしているときに先生へ相談することと、友人の小さな失敗を面白半分で言いつけることは、同じではありません。
伝えた相手が先生や上司であるという理由だけで、告げ口と判断することはできないのです。
【判断基準】告げ口と正当な報告の見分け方は?悪いことなのかを検証
告げ口は悪いことなのか。この疑問に対する答えは、すべての情報伝達が悪いわけではない、ということです。
他人の行動を第三者に知らせること自体は、社会生活や組織運営に必要な場合があります。問題になるのは、情報の正確性を欠いたり、相手を不当に傷つけたり、必要のない情報まで広めたりすることです。
告げ口と正当な報告を判断する5つのポイント次の5項目を確認すると、単なる告げ口なのか、必要な報告なのかを整理しやすくなります。
1. 事実に基づいているか
自分が実際に見聞きした事実なのか、それとも誰かから聞いた話なのかを確認します。推測や個人的な印象を確定した事実のように伝える行為は、誤解や不利益を生みます。
2. 伝える目的は何か
問題の改善や安全確保が目的なのか、それとも相手を困らせたり評価を下げたりすることが目的なのかを考えます。
3. 伝える相手は適切か
その情報を知る必要がある人に伝えているかが重要です。関係のない友人や同僚にまで広める必要はありません。
4. 伝える内容は必要な範囲に収まっているか
問題解決に必要な事実だけを伝えているかを確認します。本人のプライベートな情報や無関係な過去の失敗を付け加える必要はありません。
5. 相手の不利益を必要以上に大きくしていないか
問題を解決するための情報提供なのか、相手に社会的・職業的な損害を与えるための行動なのかを区別します。
公益通報は単なる告げ口とは異なる職場での不正を知らせる行為については、公益通報者保護法という制度があります。
消費者庁によると、公益通報者保護法は、労働者や退職者、役員などが、勤務先などにおける一定の法令違反について、不正の目的でなく、法律で定められた通報先に通報した場合の保護を定めています。
要件を満たす公益通報については、通報したことを理由とする解雇や不利益な取扱いが禁止されています。
ここで重要なのは、個人的な不満を上司に伝えることと、法令違反を適切な窓口に知らせる公益通報は、制度上も目的も異なるという点です。単に誰かの問題を知らせれば、すべて公益通報として保護されるわけではありません。
また、公益通報には情報管理も求められます。消費者庁は、第三者の個人情報や営業秘密などを不用意に広めないよう、他人の正当な利益や公共の利益への配慮を求めています。
告げ口と正当な報告を分けるうえでは、情報を伝えることそのものよりも、事実、目的、通報先、必要性を確認することが大切です。
【実践対策】告げ口されたときの対処法と告げ口する人への対応方法
自分のことを誰かが上司や先生に伝えていたと知ると、怒りや不安、裏切られた気持ちが生まれることがあります。しかし、感情的に反論すると、問題がさらに大きくなる可能性があります。
大切なのは、告げ口された内容を確認し、事実と誤解を分けて対応することです。
告げ口されたときに実践したい5つの対処法1. まずは伝えられた内容を確認する
誰が何を言ったのかを曖昧なまま判断しないようにしましょう。伝言の途中で内容が変わったり、発言の一部だけが切り取られたりしている可能性もあります。
上司や先生から指摘された場合は、「具体的にどのような行動が問題になっているのでしょうか」と確認すると、話を整理しやすくなります。
2. 事実と感情を分けて説明する
指摘された内容が事実であれば、必要に応じて謝罪や改善を行います。一方、事実と異なる部分があれば、日時や状況を整理して冷静に説明します。
「そんなことはしていない」と感情的に否定するよりも、「その時間は別の業務をしており、実際にはこのような状況でした」と具体的に伝えるほうが効果的です。
3. 必要なら記録を残す
同じような告げ口が繰り返される場合は、発生した日時、伝えられた内容、関係者とのやり取りなどを記録しておきましょう。
職場で評価や配置に影響する問題に発展した場合、記録は状況を説明するための材料になります。
4. 告げ口をする相手と適切な距離を取る
何でも話せる相手だと思っていた人が、会話の内容を第三者に伝えていた場合、無理に以前と同じ関係を続ける必要はありません。
仕事や学校で必要な会話は続けながら、プライベートな話題や個人的な情報を共有する範囲を見直す方法があります。
5. 深刻な場合は第三者に相談する
虚偽の情報が繰り返し伝えられる、嫌がらせが続く、仕事や学習に支障が出ているといった場合は、一人で抱え込まないことが重要です。
職場なら人事部門、社内相談窓口、信頼できる上司など、学校なら担任、学年主任、スクールカウンセラー、保護者などに相談しましょう。
告げ口する人にはどう対応すればよい?告げ口を繰り返す人に対して、正面から「告げ口をやめて」と責めるだけでは、かえって対立が深まることがあります。
相手の行動を変えるには、伝え方や情報の扱い方について、具体的なルールを共有することが有効です。
- 事実確認を求める:「それは実際に見たことですか。それとも聞いた話ですか」と確認する。
- 直接の話し合いを提案する:本人に伝えられる問題なら、当事者同士で確認する機会を設ける。
- 情報の共有範囲を限定する:関係者以外に個人的な情報を広めないように伝える。
- 感情的な反応を避ける:挑発に乗らず、事実と必要な対応に話題を絞る。
- 繰り返す場合は組織に相談する:個人間の問題で解決できない場合は、適切な管理者や相談窓口を利用する。
相手を一方的に非難するのではなく、自分が困っていることと希望する対応を具体的に伝えると、無用な衝突を避けやすくなります。
例えば、職場では次のような伝え方が考えられます。
- 「気になることがあれば、まず本人にも確認してもらえると助かります」
- 「事実と異なる形で伝わると困るので、内容を確認してから共有してください」
- 「業務上必要な報告は構いませんが、関係のない人にまで話を広げないでほしいです」
学校では、「何か気になることがあるなら、直接話してほしい」と伝える方法もあります。ただし、いじめや脅迫、暴力などが関係している場合は、相手との直接対決を優先せず、先生や保護者など安全を確保できる大人に相談してください。
【よくある質問】告げ口とはに関する疑問をわかりやすく解決
Q1:告げ口をする人は性格が悪いのでしょうか?必ずしもそうとは限りません。承認欲求や嫉妬、自己保身などが動機になっている場合もありますが、正義感や安全を守りたいという気持ちから第三者に伝える場合もあります。行動だけで人格を決めつけず、伝えた目的や内容を確認することが大切です。
Q2:告げ口と報告はどう見分ければよいですか?情報の正確性、伝える目的、相手の選び方、必要な情報の範囲を確認しましょう。問題解決や安全確保のために、必要な事実を適切な相手に伝える行為は正当な報告に当たります。相手を困らせることや評価を下げることが主な目的なら、告げ口に近い性質があります。
Q3:告げ口をされたら本人に直接抗議してもよいですか?状況によります。誤解を解消できる関係であれば、落ち着いて話し合う方法があります。ただし、相手が攻撃的だったり、嫌がらせが続いていたりする場合は、無理に直接対決する必要はありません。上司や先生など第三者を交えて対応することも検討しましょう。
Q4:いじめを先生に伝えることも告げ口になりますか?いじめを止めたり、被害を防いだりするために先生へ相談することは、単なる告げ口とは異なります。自分や友人の安全を守るために必要な情報提供です。「告げ口だと思われるから」と相談をためらう必要はありません。
Q5:告げ口をする人とは距離を置いたほうがよいですか?告げ口の頻度や内容、相手との関係によって判断しましょう。小さな誤解であれば話し合いで解決できる場合もあります。一方、虚偽の情報を広めたり、個人的な秘密を繰り返し漏らしたりする人とは、必要以上の情報を共有せず、適切な距離を保つことが有効です。
まとめ:告げ口と正当な報告を見極め、人間関係のトラブルを防ぐ
告げ口とは、他人の過失や秘密などを本人以外の第三者にこっそり伝える行為です。一般的には否定的なニュアンスを持ち、密告、悪口、チクリなどと混同されることがありますが、それぞれ意味や使われる場面は異なります。
告げ口をする人の心理には、承認欲求、嫉妬、自己保身、仕返し、正義感など、さまざまな背景があります。そのため、他人の行動を第三者に伝えたという一点だけで、すべてを悪い行為と判断することはできません。
特に職場では、不正やハラスメントを知らせることが必要な場合があります。学校でも、いじめを先生に相談することは、子どもの安全を守るために欠かせない行動です。
【プロの結論】
告げ口と正当な報告を分ける本質的な基準は、「誰かの欠点を伝えたか」ではなく、「何のために、どのような事実を、誰に伝えたか」です。
相手を陥れるために情報を利用する行為は、人間関係の信頼を損ないます。一方、被害を防ぎ、問題を改善するための適切な情報提供は、組織や社会を守る役割を果たします。
告げ口された側も、すぐに反論したり仕返しをしたりするのではなく、事実を確認して冷静に対応することが大切です。情報を伝える側も受け取る側も、感情や思い込みではなく、事実と目的を基準に判断することが、職場や学校での健全な人間関係につながります。
主な根拠資料: 小学館「デジタル大辞泉」、消費者庁「公益通報者保護法に関するQ&A」「通報者の方へ」、文部科学省「いじめ防止対策推進法」、厚生労働省「職場におけるパワーハラスメント防止に関する指針」。各資料の内容を踏まえています。