ホーム 芸能ニュース・ゴシップ 戦闘機の値段は何で決まる?2026年度F-35A・Bの取得費と維持費を徹底比較

戦闘機の値段は何で決まる?2026年度F-35A・Bの取得費と維持費を徹底比較

黒田 亮 黒田 亮 • 更新: • 公開: • 読了約 20 分
目次

戦闘機1機の値段はいくらなのか。最新鋭ステルス戦闘機のF-35AやF-35Bは、1機あたり数百億円規模の予算が計上されることもある。しかし、予算に記載された金額を、そのまま機体本体の販売価格と考えるのは正確ではない。契約方式、搭載装備、初度費、整備体制などによって、実際の調達に必要な費用は変わるからだ。

2026年度の防衛関係予算では、航空自衛隊向けのF-35Aが8機で1,493億円、F-35Bが3機で725億円となった。単純計算ではF-35Aが1機約186.6億円、F-35Bが約241.7億円となり、両者には約55億円の差がある。さらにF-2の能力向上改修や、日英伊共同開発の次期戦闘機GCAPにも大きな予算が投じられている。2026年10月時点の公的資料をもとに、戦闘機の価格比較と調達費の実態を整理する。

【2026年最新】戦闘機の値段はいくら?F-35AとF-35Bの取得費を比較

戦闘機値段

2026年度の戦闘機調達費を確認するうえで、最も注目されるのがF-35AとF-35Bの予算だ。

財務省が公表した「令和8年度防衛関係予算について」によると、航空戦力の強化に向けて、F-35Aを8機、F-35Bを3機取得する計画が盛り込まれた。両機種の取得費を合計すると2,218億円に達する。

F-35Aは1機約186.6億円

F-35Aは、通常の滑走路から離着陸する空軍向けのステルス戦闘機だ。航空自衛隊が導入を進めており、2026年度予算では8機分として1,493億円が計上された。

1,493億円を8機で割ると、1機あたり約186億6,250万円となる。

この金額は、あくまで2026年度の取得予算を機数で割った平均値であり、メーカーが公表する機体単体の価格と同じではない。年度ごとの契約内容や関連装備の扱いを踏まえて読む必要がある。

F-35Bは1機約241.7億円

一方、F-35Bは短距離離陸・垂直着陸(STOVL)能力を持つ戦闘機だ。2026年度は3機で725億円が計上された。

単純計算では1機あたり約241億6,667万円となる。F-35Aと比べて約55億円高く、割合では約29.5%の差だ。

この価格差の背景には、F-35B特有の機体構造やエンジン関連装置がある。短距離離陸・垂直着陸を可能にするため、通常型とは異なる設計や部品が必要になる。会計検査院の2026年1月の報告でも、F-35Bの調達単価がF-35Aより高い理由として、こうした構造・機能上の違いが挙げられている。

したがって、F-35Bが単純に高級な機体だから高いというわけではない。異なる運用能力を実現するための設計上のコストが反映されている。

【価格比較表】F-35A・F-35B・F-2の2026年度調達費はいくら?

2026年度の航空自衛隊関連の戦闘機事業を整理すると、取得と能力向上改修では金額の性質が大きく異なることが分かる。

機種・事業 2026年度の数量 予算額 単純平均 事業の内容
F-35A 8機 1,493億円 約186.6億円 新規取得
F-35B 3機 725億円 約241.7億円 新規取得
F-2 9機 97億円 約10.8億円 既存機の能力向上改修
次期戦闘機GCAP 開発事業 1,602億円 算出不可 日英伊共同開発

出典は財務省の令和8年度防衛関係予算資料。GCAPの金額は機体の取得費ではなく、開発に関する年度予算である。

2025年度と比べると取得費はどう変わった?

前年度の2025年度予算では、F-35Aが8機で1,387億円、F-35Bが3機で665億円だった。

これを1機あたりに換算すると、F-35Aは約173.4億円、F-35Bは約221.7億円となる。

2026年度の平均値と比較すると、F-35Aは約7.6%、F-35Bは約9.0%上昇している計算だ。

ただし、年度ごとの予算額を機数で割った数値は、契約内容や調達時期の違いを反映する。これだけでメーカーの機体価格が同じ割合で値上がりしたと判断することはできない。

防衛省・財務省の資料を比較する際は、機数だけでなく契約年度、初度費、搭載機器などの条件も確認したい。

【機体価格と調達総額の違い】1機186億円は本体だけの値段ではない

戦闘機の値段を調べる際に、特に注意したいのが「機体価格」「取得費」「調達総額」という言葉の違いだ。

インターネット上では、戦闘機1機の値段として予算額を機数で割った数字が紹介されることがある。しかし、その数字には会計上の条件があり、機体本体だけの価格を示しているとは限らない。

機体価格に含まれるものと別途必要になる費用

戦闘機の調達では、機体本体のほかに、エンジン、搭載機器、関連装備、初度部品、整備用設備などが関係する。

加えて、導入後の運用を考えると、パイロットの訓練、整備員の育成、シミュレーター、予備部品、修理設備、ソフトウェアの更新なども必要になる。

こうした費用は、予算の計上方法や契約内容によって別々に扱われる。

2026年度予算は契約額ベースで初度費を原則除外

財務省の令和8年度防衛関係予算資料には、主要事業の予算額について、米軍再編・基地対策等の経費を除き契約額ベースであり、明示されているものを除いて初度費を含まないとの注記がある。

初度費とは、専用治工具費や初度設計費など、生産や導入の初期段階で特別に必要となる費用だ。

つまり、F-35Aの1,493億円やF-35Bの725億円を、そのまま機体の購入から関連設備の整備までを含む最終的な総額と解釈するのは適切ではない。

また、契約ベースと歳出ベースにも違いがある。契約ベースはその年度に結ぶ契約額、歳出ベースはその年度に実際に支払われる金額を集計したものだ。複数年度にわたる契約では、両者の数字は一致しない。

本当の調達コストを判断する3つの基準

戦闘機の価格を正確に比較するなら、次の3点を分けて考える必要がある。

1つ目は機体・エンジンの調達単価。機体そのものとエンジン、搭載機器などの価格を確認する。

2つ目は導入時の関連費用。初度費、専用設備、訓練、整備用器材などを確認する。

3つ目は運用期間中の維持費。燃料、部品交換、定期修理、エンジン整備、隊員の教育などを含めて考える。

この3つを区別すれば、同じ「1機200億円」という表現でも、何を含んだ数字なのかを判断しやすくなる。

【F-35Aの日米価格差】FMS調達単価が日本と米国で異なる理由

F-35の価格を考えるうえで、もう一つ重要なのが日本と米国の調達単価の違いだ。

日本は米国からF-35を有償援助(FMS)によって取得している。FMSは、米国政府を通じて外国政府に防衛装備品などを提供する仕組みであり、一般的な民間航空機の購入とは契約構造が異なる。

会計検査院が公表したF-35Aの調達単価

会計検査院が2026年1月16日に公表したFMS調達に関する検査報告では、日本と米国のF-35Aについて、製造ロットごとの調達単価を比較している。

日本側の調達単価は、FMSの契約書であるLOAに記載された機体、エンジン、搭載機器の1機あたり価格を合計したものだ。米国側は公表されている自国向けの調達単価を使用している。

具体的には、ロット16で日本の調達単価は約8,250万ドル、米国は約8,190万ドルだった。価格差は約60万ドルまで縮小している。

しかし、ロット17では日本が約8,690万ドル、米国が約8,240万ドルとなり、差は約450万ドルに拡大した。

また、日本のF-35Aの調達単価はロット19以降、9,400万ドルを超える水準に上昇している。航空自衛隊は、その要因として、機体やエンジンの製造に必要な部材費・人件費の高騰などを挙げている。

F-35Bは日本の調達単価が米国を上回る

F-35Bについては、ロット16・17で日本の調達単価が約1億1,600万ドル、米国が約1億700万ドルとなっていた。

差額は約900万ドルだ。その後、日本の調達単価はロット18で約1億1,400万ドルとなったものの、ロット19以降では1億2,600万ドルを超える水準に上昇している。

なお、F-35Bは日本では完成機を輸入しており、F-35Aとは取得方法にも違いがある。

日本と米国の価格差が生まれる背景

会計検査院の報告では、価格差の一般的な要因として、機体仕様の違いや開発分担金の計上などが示されている。

日本はF-35の共同開発国ではないため、共同開発国に対する開発分担金を負担する。報告によると、この開発分担金はロット8で約149万ドルだったが、ロット20では約372万ドルに増加していた。

一方、F-35Aでは日本企業が最終組立・検査(FACO)に参画してきた。会計検査院は、初期のロットでは製造作業の習熟などが調達単価の変動に影響したと整理している。

加えて、世界的な部材費や人件費の上昇も無視できない。大量生産によって単価を引き下げる効果があっても、製造コストの上昇がそれを上回れば調達単価は高くなる。

なお、FMSでは外国政府向けの調達単価が一般に公開されないため、日米以外の国との厳密な価格比較は難しい。会計検査院も、各国の調達単価を把握することには制約があると説明している。

【F-2の能力向上改修と維持費】購入後にも多額の費用がかかる

戦闘機の値段は、取得した時点で確定するわけではない。実際に部隊で運用し続けるためには、整備や改修に継続的な費用が必要になる。

2026年度予算で注目されるのが、F-2戦闘機の能力向上改修だ。

F-2の改修費は9機で97億円

財務省の令和8年度防衛関係予算では、F-2の能力向上について9機分で97億円が計上された。

単純に9機で割ると、1機あたり約10億7,800万円となる。

ただし、これは新品の戦闘機を購入する価格ではない。すでに保有しているF-2に対して、必要な能力向上を施すための改修費だ。

前年度の2025年度予算では、F-2の能力向上改修は8機で130億円だった。単純平均では約16.3億円となるが、年度ごとに改修対象や作業内容が異なる可能性があるため、この差だけで改修費が恒常的に安くなったとは判断できない。

なお、2025年度の防衛省資料では、F-2の改修内容として対艦攻撃能力やネットワーク機能などの向上が示されている。

戦闘機の維持費には何が含まれる?

航空機の維持費は、単なる修理代ではない。

主な費用には、次のようなものがある。

  • 航空機の定期点検・修理費
  • エンジンの整備・オーバーホール費
  • 交換用部品や消耗品の調達費
  • 航空機を飛行させるための燃料費
  • パイロットや整備員の教育訓練費
  • 整備設備や関連システムの維持管理費
  • ソフトウェアや搭載機器の更新費

防衛省の令和8年版防衛白書でも、防衛関係費は装備品等購入費と維持費などに分類されている。維持費には、航空機の修理や燃料の購入、隊員の教育訓練などが含まれる。

F-35の整備体制にも予算が必要

F-35では、国際的な後方支援システムであるALGSへの参加も整備体制を支える要素となる。

防衛省が公表した令和6年度の事業評価資料では、航空機及び航空機部隊の維持に関する航空機修理費として732億円が計上されていた。この事業にはF-35AのALGS関連経費も含まれている。

ただし、732億円はF-35だけの維持費ではなく、航空機と部隊全体の維持に関する事業費である。F-35の1機あたりの年間維持費として扱うことはできない。

また、同資料では、2023年度末時点で日本に納入されたF-35Aが38機であり、F-35A・F-35Bを合わせて147機まで増勢する計画が示されていた。

保有機数が増えれば、整備部品や整備員の確保、設備の維持にも継続的な費用が必要になる。戦闘機の経済性を考える場合、購入価格だけでなく、何年間運用するのかという視点が欠かせない。

【次期戦闘機GCAPの開発費】2026年度は1,602億円を計上

現在のF-35やF-2だけでなく、将来の航空戦力を考えるうえで重要なのが次期戦闘機の開発計画だ。

日本は英国・イタリアとともに、グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)を進めている。F-2の後継機として2035年頃からの実用化を目指す共同開発計画である。

2026年度の開発予算は1,602億円

財務省の令和8年度予算資料によると、次期戦闘機の開発には1,602億円が計上された。

この予算は、GCAP政府間機関(GIGO)への拠出などを通じ、機体やエンジンの設計を進めるためのものだ。

加えて、次期戦闘機と連携する無人機の研究開発にも48億円が計上されている。

したがって、開発関連予算を合計すると1,650億円となる。ただし、これは2026年度の事業費であり、開発計画全体の総額でも、将来の戦闘機1機あたりの製造価格でもない。

日英伊共同開発でコストと技術を分担

GCAPは、日本・英国・イタリアの3か国が技術を結集し、開発コストとリスクを分担する構想だ。

防衛省によると、GIGO設立条約は2023年12月に署名され、2024年12月に発効した。2025年6月には産業界側の共同企業体であるEdgewingが設立され、2026年4月にはGIGOとEdgewingの間で最初の統合契約が締結された。

開発費の分担だけでなく、将来の改修の自由や国内の防衛生産基盤を確保することも、この共同開発の重要な目的となっている。

次期戦闘機の最終的な機体価格は、量産数や開発成果、各国の分担、搭載装備などによって変わる。2026年度の1,602億円から、完成機の値段を逆算することはできない。

【戦闘機の値段を比較する際の注意点】歴代機種の価格は単純比較できない

戦闘機の歴代価格を比較するときには、F-15、F-2、F-35などの機種名だけで数字を並べないことが大切だ。

それぞれ開発された時代も異なり、搭載するレーダーや電子機器、エンジン、武装、通信機能などの性能も違う。

昔の戦闘機と最新鋭機では価格の前提が違う

例えば、過去に取得したF-2やF-15の調達単価と、2026年度のF-35の取得費をそのまま比較しても、実態を正確に把握できない。

過去の価格には当時の為替レートや物価水準が反映されている。国内生産への参画状況や製造数量、調達方式も現在とは異なる場合がある。

また、古い機体の改修費と最新鋭機の新規取得費を並べることにも注意が必要だ。

価格だけでなく性能と運用目的を見る

F-35Aは通常の滑走路を使うステルス戦闘機、F-35Bは短距離離陸・垂直着陸能力を持つ機体であり、運用上の役割が異なる。

F-2は既存の航空戦力を維持・強化するための改修が進められ、GCAPは将来の航空優勢を担うための開発が進んでいる。

このように、単純な安さだけで戦闘機の価値を判断することは難しい。

比較する際には、次の基準を押さえておきたい。

  • 新規取得か改修か:新品の機体と既存機の能力向上費を混同しない。
  • 機体単価か調達総額か:エンジンや搭載機器、初度費などの扱いを確認する。
  • 同じ年度・同じ条件か:為替や物価、製造ロットの違いを考慮する。
  • 運用期間を考慮しているか:購入後の整備や燃料、部品費なども見る。
  • 任務に適した性能か:価格とともに、必要な運用能力を比較する。

【戦闘機の値段】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2026年度の日本の戦闘機で1機あたりの値段が高いのはどれ?

A1:今回のF-35A・F-35Bの予算を単純計算すると、F-35Bが約241.7億円で高くなっている。F-35Aは約186.6億円。F-35Bには短距離離陸・垂直着陸のための専用構造や装置が必要になる。

Q2:F-35Aの2026年度の取得費はいくら?

A2:8機で1,493億円。機数で割った平均は約186.6億円となる。ただし、これは年度の契約額を機数で割った値であり、機体本体の販売価格やライフサイクルコストとは異なる。

Q3:F-2の改修費は1機いくら?

A3:2026年度は9機で97億円。単純平均では約10.8億円だ。ただし、新規に戦闘機を取得する費用ではなく、保有するF-2の能力を向上させるための改修費である。

Q4:戦闘機は購入した後も維持費がかかる?

A4:かかる。燃料、部品交換、エンジン整備、定期修理、整備員の教育、パイロットの訓練などが必要になる。機体取得費だけでは長期的な運用コストを把握できない。

Q5:F-35Aは米国より日本のほうが高い?

A5:会計検査院の調査では、比較対象となった多くのロットで日本の調達単価が米国を上回っていた。ただし、ロットや仕様、開発分担金、製造方式などが異なるため、すべての機体を同じ条件で比較した結果ではない。

まとめ:戦闘機の値段は取得費・改修費・維持費を分けて考える

2026年度の戦闘機調達予算では、F-35Aが8機で1,493億円、F-35Bが3機で725億円となった。単純平均ではF-35Aが約186.6億円、F-35Bが約241.7億円で、F-35Bのほうが約55億円高い。

一方、F-2の能力向上改修は9機で97億円。次期戦闘機GCAPの開発には1,602億円が計上されている。いずれも事業の目的や費用の性質が異なるため、同じ「戦闘機の値段」として扱うことはできない。

特に押さえておきたいのは、予算上の取得費と機体本体の価格、そして運用期間全体の総費用は別物だという点だ。初度費の有無、FMSの契約条件、整備設備、燃料、部品交換などによって、実際に必要となる費用は大きく変わる。

戦闘機の価格を正しく比較するなら、単純な1機あたりの金額だけでなく、何を含む契約なのか、どのような能力を備えるのか、何年間運用するのかまで確認する必要がある。

2026年はF-35の取得に加え、F-2の能力向上やGCAPの共同開発も進む節目の年だ。今後の防衛予算を見る際にも、機体の購入価格だけでなく、調達から維持・運用までを含む長期的なコストに注目したい。

主な公的資料(記事の根拠)

- 財務省「令和8年度 防衛関係予算について」
- 防衛省「令和8年版防衛白書」
- 会計検査院「有償援助(FMS)による防衛装備品等の調達の状況に関する会計検査の結果について」(2026年1月16日)
- 防衛省「令和6年度 航空機及び航空機部隊の維持に関する事業評価資料」
- 防衛省「次期戦闘機の開発について」

※重要な数値は公的資料に基づいています。1機あたりの金額は、予算総額を機数で割った独自の算術上の平均であり、メーカー公表の機体単価ではありません。

同じカテゴリの記事

黒田 亮
SEOスペシャリスト 黒田 亮
プロフィールを見る →

スポーツ紙で15年の記者歴。試合結果と記録は球団・リーグの公式記録とNPB発表で照合し、移籍報道は球団の公式コメントが出るまで断定しません。

おすすめの関連記事