TBS版『水戸黄門』では、同じ水戸光圀という人物を複数の俳優が演じてきました。東野英治郎、西村晃、佐野浅夫の3人は、特に長年にわたって番組を支えた歴代黄門役として知られています。
初代・東野英治郎:シリーズの基礎を築いた黄門さまは、1969年の第1部から1983年の第13部まで水戸光圀を担当しました。
初期の『水戸黄門』を代表する俳優であり、シリーズの基本的な世界観を築いた人物です。TBSチャンネルの第1部紹介でも、1969年に始まった記念すべきシリーズの主演として紹介されています。
2代目・西村晃:1983年から1992年まで担当は、1983年の第14部で2代目黄門役に就任しました。第21部が最後のシリーズとなり、1992年まで担当しています。
TBSの第14部紹介では、西村晃への交代と同時に、伊吹吾郎が格さん役を引き継いだことも説明されています。新しい配役への移行は、番組にとって大きな転換点でした。
3代目・佐野浅夫:「泣き虫黄門」と呼ばれた人情派の特徴は、庶民の苦しみや悲しみに深く心を動かされる水戸光圀を演じたことです。
BS-TBSは、第22部の番組紹介で、庶民の真情に触れて涙し、その涙がやがて悪を懲らす怒りに変わる人物像を説明しています。この表現が、佐野版を象徴する「泣き虫黄門」という呼び名につながっています。
3人の演技を単純な優劣で比較することはできません。それぞれが異なる時代に、同じ水戸光圀という人物を演じています。佐野版の特徴を理解するなら、TBSが公式に説明する「人情」と「涙」に注目するのが適切です。
なお、佐野の後は2001年の第29部から石坂浩二が4代目、2002年の第31部から里見浩太朗が5代目を担当しました。BS版では2017年と2019年に武田鉄矢が6代目として登場しています。
【俳優・佐野浅夫の経歴】水戸黄門以外の代表作と知られざる活動

佐野浅夫(さの・あさお)
1925年生まれ・神奈川県横浜市出身
映画、舞台、テレビドラマ、ラジオなど幅広い分野で活動した俳優。水戸黄門の3代目水戸光圀役で広く知られる。
佐野浅夫は、1925年に神奈川県横浜市で生まれました。俳優としての活動を始めたのは1943年、日本大学芸術学部在学中の18歳のときです。
広島大学が公開した2001年のペスタロッチー教育賞受賞者紹介には、佐野の俳優としての歩みが記録されています。劇団苦楽座への入団後、劇団文芸劇場、新協劇団を経て、1950年に劇団民芸へ参加しました。
映画・舞台で培った俳優としての実力佐野はテレビ時代劇だけの俳優ではありません。新劇の舞台では『セールスマンの死』『アマゾンの白い日』などに出演し、映画では『真空地帯』などに参加しました。
舞台を中心とした演技経験を持ちながら、映画やテレビドラマでも活躍するという幅広いキャリアを築いていたことが、広島大学の紹介資料から分かります。
NHKラジオ「お話でてこい」の語り手としても活躍佐野の経歴で見逃せないのが、NHKラジオの童話番組「お話でてこい」です。
広島大学の2001年の資料によると、佐野は1954年に始まった同番組で童話の語り手を務め、当時までの47年間、毎週月曜日と火曜日に出演していました。放送回数は4,000回以上、語った物語は3,000話に及んだとされています。
また、1990年には創作童話『お話でてこいのおじさんのお話』を発表。子どもたちへの読み聞かせや、高齢者施設での語り、講演活動にも取り組んでいました。
1996年には勲四等瑞宝章を受章俳優としての長年の活動に加え、子ども向けの語り手としての功績も評価されました。テレビ朝日の訃報報道によると、佐野は1996年に勲四等瑞宝章を受章しています。
水戸黄門のイメージが強い佐野ですが、その活動の範囲は舞台、映画、テレビ、ラジオ、童話の創作にまで広がっていました。
【2022年の訃報と2026年最新情報】佐野浅夫の最終回・現在の放送状況
佐野浅夫は、2022年6月28日に老衰のため亡くなりました。96歳でした。所属事務所からの情報を受け、テレビ朝日などの報道各社が2022年7月4日に訃報を伝えています。
報道によると、佐野は1925年生まれで、1943年に18歳で劇団苦楽座に入団。その後、長い俳優人生を送り、1993年から2000年まで3代目水戸光圀を演じました。葬儀は家族のみで密葬として営まれたと報じられています。
佐野浅夫の水戸黄門の最終回はいつ?佐野版の最終シリーズは、2000年制作の『水戸黄門』第28部です。C.A.Lの公式作品年表では、放送期間は2000年3月6日から11月20日までとされています。
したがって、佐野浅夫が演じる水戸光圀の最後のシリーズは第28部であり、その放送期間の最終日は2000年11月20日です。TBSチャンネルも第28部を佐野黄門最後のシリーズと紹介しています。
第28部が『水戸黄門』全体の最終回ではないここは検索する人が間違えやすいポイントです。
第28部はあくまでも佐野浅夫が水戸光圀を演じた最後のシリーズです。TBS版『水戸黄門』そのものが終了したわけではありません。
佐野の後任となったのは、2001年の第29部から水戸光圀を演じた石坂浩二です。その後、里見浩太朗が5代目として出演し、TBS系列のレギュラーシリーズは第43部まで制作されました。
C.A.Lの作品年表には、2011年12月19日放送の『水戸黄門 最終回スペシャル』も記録されています。つまり、佐野版の終了と番組全体の終了には約11年の隔たりがあります。
2026年現在、佐野浅夫版を視聴できる?2026年11月時点で、TBSチャンネルには第22部や第28部の公式番組紹介ページが残っています。出演者、制作年、全話数、あらすじなど、当時の作品情報を確認できます。
ただし、番組紹介ページが存在することと、現在放送されていることは別です。第28部のTBSチャンネル公式ページには放送未定と表示されており、BS-TBSの第22部・第28部のページも放送終了扱いとなっています。
佐野浅夫本人の新しい出演情報は、2022年の逝去によって生じるものではありません。現在確認できる重要な情報は、過去の出演記録と、TBS・BS-TBSに保存されている番組資料です。
【佐野浅夫と水戸黄門に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:佐野浅夫は水戸黄門の何代目ですか?
A1:TBS版『水戸黄門』の3代目です。1993年の第22部で水戸光圀役に就任しました。
Q2:佐野浅夫は何年から何年まで水戸黄門に出演しましたか?
A2:1993年から2000年までです。第22部から第28部までの7シリーズを担当し、約7年半にわたって水戸光圀を演じました。
Q3:佐野浅夫版の最終シリーズは何部ですか?
A3:2000年制作の第28部です。全34話で、TBSチャンネルも公式に佐野黄門最後のシリーズと紹介しています。
Q4:佐野浅夫の後に水戸黄門を演じた俳優は誰ですか?
A4:4代目は石坂浩二、5代目は里見浩太朗です。その後、BS-TBS版では武田鉄矢が6代目を務めました。
Q5:佐野浅夫は現在も存命ですか?
A5:いいえ。2022年6月28日に老衰のため96歳で亡くなりました。訃報は同年7月4日に公表・報道されています。
Q6:佐野浅夫は水戸黄門以外に何で有名ですか?
A6:新劇の舞台や映画『真空地帯』のほか、NHKラジオ「お話でてこい」の語り手としても知られています。童話の創作や読み聞かせ活動にも取り組んでいました。
まとめ:佐野浅夫は人情味あふれる3代目黄門として歴史に残った
佐野浅夫と『水戸黄門』の関係を整理すると、最も重要なのは1993年の第22部で3代目水戸光圀に就任し、2000年の第28部まで担当したという事実です。
東野英治郎、西村晃に続く黄門役として、佐野は庶民の悲しみに寄り添う「泣き虫黄門」を演じました。あおい輝彦の助さん、伊吹吾郎の格さん、由美かおるのお銀、野村将希の飛猿らとの共演も、佐野版を語るうえで欠かせません。
また、俳優としてだけでなく、NHKラジオの童話の語り手として長年活動したことも、佐野浅夫という人物を理解する重要な手がかりです。
2022年に96歳で亡くなった佐野ですが、TBSの公式番組資料には第22部から第28部までの出演記録が残っています。2026年に改めて佐野版を振り返る際には、単に歴代3代目という肩書だけでなく、200本を超える黄門役の歩みと、人情を大切にした演技にも注目したいところです。
「佐野浅夫の水戸黄門」を知るうえで押さえるべきなのは、第28部が本人の最終シリーズであって、番組全体の最終回ではないという区別です。この一点を理解すると、歴代黄門役の交代と長寿シリーズの歴史が、より正確に見えてきます。