2026年11月現在、俳優・岡田准一の格闘技歴は、単なるアクション俳優の役作りという範囲を大きく超えている。本人が公表した得意分野は、カリ・シラット、修斗、ジークンドー、剣術、ブラジリアン柔術の5項目。加えて、武術のインストラクター認定を受け、2024年12月にはブラジリアン柔術の黒帯を取得。2026年1月にはポルトガルで開催されたIBJJFヨーロピアン2026にも出場している。
注目したいのは、岡田が単に多くの格闘技を経験しているだけではないことだ。ドラマ『SP』をきっかけに武術の世界へ入り、師匠・中村頼永のもとで長年修行を積み、映画のアクション設計にもその経験を生かしてきた。2026年の大会実績まで追うと、俳優としての活動と競技者としての挑戦を両立する姿が見えてくる。
【結論】岡田准一の格闘技は何種類?本人が明かした得意な順番

岡田准一が2024年3月に自身のXで明かした格闘技・武術の得意な順番は、次の5つだ。
1. カリ・シラット
2. 修斗
3. ジークンドー
4. 剣術
5. ブラジリアン柔術
この順位は本人自身による自己評価である。客観的な競技ランキングや段位順ではない。
特に興味深いのは、2023年にブラジリアン柔術の世界大会へ出場しているにもかかわらず、本人の得意分野では5番目に位置づけられていることだ。
また、2024年12月にはブラジリアン柔術の黒帯を取得している。順位を公表した時点と現在では、柔術における資格・実績にも変化が生じている。
それぞれの武術・格闘技の特徴① カリ・シラット
フィリピンの伝統武術であるカリを中心に、東南アジアの武術文化と関連づけて語られる分野だ。
武器術と徒手での動きを含み、身体操作や距離感、状況に応じた動きの切り替えなどを重視する。
岡田はこの分野を最も得意なものとして挙げている。ドラマ『SP』のアクションをきっかけに本格的に学び始めた武術でもある。
なお、IUMAの認定記録では「KALI」と表記されている。「カリ」と「シラット」は本来それぞれ異なる武術体系であり、両者を完全に同一視するものではない。
② 修斗(シュート)
修斗は打撃、投げ、組み技などを含む総合格闘技だ。
岡田は自身のXで、修斗の「シューターという資格」を持っていると説明している。
本人がレスリングについて言及した際にも、修斗が総合格闘技であることからレスリングとの関係を説明していた。
③ ジークンドー(截拳道)
ジークンドーはブルース・リーが創始した武術体系。
既存の型に固執せず、実際の状況に応じた合理的な身体の使い方を重視する考え方が特徴だ。
岡田は師匠の中村頼永から直接指導を受け、インストラクター認定も受けている。
④ 剣術
日本の伝統的な武術で、刀を使った身体操作や間合い、姿勢、動作の組み立てなどが中心となる。
岡田は2024年のXで剣術も得意分野として挙げた。
映画『燃えよ剣』などの時代劇における剣技や殺陣への取り組みにも、こうした武術経験が生かされている。
⑤ ブラジリアン柔術
寝技、組み技、ポジショニングなどを中心に発展した格闘技。
打撃を主体とする競技とは異なり、相手との組み合いの中で技術と身体の使い方を競う。
岡田は2023年の世界大会に茶帯で出場し、2024年12月に黒帯へ昇格。2026年には黒帯カテゴリーで国際大会に挑戦している。
【師範資格の真相】岡田准一は何のインストラクター?中村頼永との関係
岡田の武術歴を理解するうえで欠かせない人物が、武術家の中村頼永だ。
中村はIUMA日本振藩國術館を主宰する武術家で、岡田にカリ、ジークンドー、USA修斗などを長年指導してきた人物である。
週刊文春の2023年11月29日のインタビューでは、中村が岡田を15年以上にわたって指導してきたことが紹介された。
2010年に正式なインストラクター認定IUMAの公式記録によると、岡田は2010年9月28日、中村からカリとジークンドー(ジュンファン・グンフー)のインストラクター認定を受けた。
認定名称は次のとおり。
- フィリピノ・マーシャルアーツ・KALI アプランティス・インストラクター
- ジュンファン・グンフー・JKD アプランティス・インストラクター
同記録には、USA修斗についても「アドバンスド・スチューデント PHASE-2」の認定を受けたと記載されている。
さらにIUMAの認定者一覧では、2014年9月1日付で、岡田がカリとジークンドーのアソシエイト・インストラクター(PHASE-V)に認定されたことも確認できる。
ここで押さえておきたいのが、3分野の資格の違いだ。
メディアでは3つの分野について「師範免許」とまとめて紹介されることがある。しかし、IUMAの記録上はカリとジークンドーのインストラクター認定、USA修斗のアドバンスド・スチューデント認定という異なる名称が使われている。
したがって、USA修斗の資格をそのままプロ格闘家のライセンスやプロ戦績と解釈するのは正確ではない。
師匠・中村頼永との出会いはドラマ『SP』岡田と中村の接点が生まれたのは、2007年放送のドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』だった。
作品の脚本を担当した金城一紀が、アクションにカリを取り入れたいと考え、中村との縁につながったことが週刊文春のインタビューで紹介されている。
岡田はその後、単なる作品のためのトレーニングにとどまらず、長期的な武術修行へと進んだ。
中村から直接指導を受け、海外での修業や実戦形式の稽古も経験。俳優業と並行しながら、複数の認定を取得するまでになった。
この関係は、作品の撮影期間だけ武術を学ぶ一般的な役作りとは大きく異なる。
【柔術の実績】世界大会の成績と黒帯取得、2026年の試合結果
岡田准一の格闘技歴で、特に客観的な実績として注目されるのがブラジリアン柔術だ。
2023年の世界大会出場、2024年の黒帯取得、そして2026年の国際大会出場と、段階的なキャリアの変化が確認できる。
2023年ワールドマスター柔術選手権に出場2023年8月31日、岡田はアメリカ・ラスベガスで開催された「ワールドマスター柔術選手権2023」に出場した。
出場カテゴリーは以下のとおり。
- 年齢カテゴリー:マスター3
- 帯:茶帯
- 階級:ライトフェザー級
- 体重区分:64.22kg以下
当時の岡田は世界ランキング11位として紹介されていた。
初戦ではランキング7位の選手に勝利。続く準々決勝ではランキング2位の選手と対戦し、敗退した。
世界大会での初出場ながら、格上の選手を破って準々決勝まで進んだことは注目に値する。
2024年12月にブラジリアン柔術の黒帯を取得2024年10月、所属道場のCarpe Diem Hirooが黒帯昇格者として岡田の名前を発表した。
そして同年12月7日、正式な帯授与式が開催された。
黒帯を授与したのは、世界的な実績を持つ柔術家の橋本知之。
岡田は自身のXで、黒帯を巻いてもらったことを報告し、次のように投稿した。
今日から黒帯、修羅の道。
加えて、周囲への感謝とともに、ブラジリアン柔術の美しさを体現できるように精進していく意向を示した。
黒帯は単に長期間練習しただけで自動的に取得できるものではない。指導者による技術や経験の評価を伴う、競技者にとって大きな節目である。
2026年ヨーロピアン柔術大会では惜しくも初戦敗退2026年1月18日、岡田はポルトガル・リスボンで開催されたIBJJF主催の「ヨーロピアン2026」に出場した。
カテゴリーはマスター4・黒帯・ライトフェザー級(64kg以下)。
対戦相手はブラジルのマウロ・エアーズ。2025年のワールドマスターで同カテゴリーの銀メダルを獲得した強豪だった。
試合はポイント0対0、アドバンテージ1対1という接戦となったが、ペナルティーの差で岡田が敗れた。
試合後、岡田は自身のXで、世界のレジェンドと対戦できた喜びとともに、黒帯の世界について「ワンミスも許さない」と振り返った。
負傷なく試合を終えたことも報告している。
岡田准一の格闘技・資格・大会実績一覧| 分野・時期 | 確認できる実績 | 内容・評価 |
|---|---|---|
| カリ | インストラクター認定 | 2010年に認定、2014年にアソシエイト認定 |
| ジークンドー | インストラクター認定 | 2010年に認定、2014年にアソシエイト認定 |
| USA修斗 | アドバンスド・スチューデント | PHASE-2認定の記録あり |
| 剣術 | 本人が得意分野として公表 | 具体的な段位・流派は公表情報から特定できない |
| 2023年9月 | ワールドマスター柔術選手権 | 茶帯・マスター3・ライトフェザー級で準々決勝進出 |
| 2024年12月 | ブラジリアン柔術黒帯 | Carpe Diem Hirooで帯授与式 |
| 2026年1月 | ヨーロピアン2026 | 黒帯・マスター4・ライトフェザー級で初戦敗退 |
この一覧から分かるのは、岡田の実績には、指導者としての認定と、競技者としての大会出場という2つの側面があることだ。
なお、剣術の資格や具体的な段位については、カリやジークンドーの認定記録と同じ水準の公的な情報は確認できない。
【格闘技を始めた理由】ドラマ『SP』から俳優・武術家への転身
岡田が格闘技を始めたきっかけとして知られるのが、2007年のドラマ『SP』だ。
警護官という役柄を演じるにあたり、説得力のあるアクションを身につける必要があった。
Real Soundの2021年の記事では、岡田が自著『オカダのはなし』で、ドラマ『SP』を格闘技を始めるきっかけとして挙げていたことが紹介されている。
世界中の格闘技や武術を調べ、特に接近戦の動きを持つフィリピンのカリを学び始めた。その後、ジークンドーや修斗へと学びを広げていった。
しかし、岡田の目的は単にアクションを上手に見せることではなかった。
「本物を学んで崩したほうがいい」という考え方2022年9月のTBS『A-Studio+』出演時、岡田は武術の師範免許を取得した理由について説明している。
アクションを学ぶだけではなく、まず本物の武術を学び、そこから映画向けの表現へと発展させる方がよいと考え、内弟子に入ったという。
この発想には、俳優としての仕事への責任感が表れている。
アクションの現場では、自分の動きだけでなく、共演者やスタントチーム、撮影スタッフとの連携が欠かせない。身体の動かし方を理解していれば、演出や安全面の判断にも具体性が生まれる。
岡田は自身の著書でも、身体を動かす技術を身につけることが、現場のスタッフと対等に仕事をするためにも必要だという考えを示していたと報じられている。
『永遠の0』の役作りでは実戦試合にも挑戦さらに興味深いのが、2013年公開の映画『永遠の0』に向けたエピソードだ。
週刊文春の2023年11月29日の記事では、中村頼永が岡田の過去の実戦試合について証言している。
中村によると、岡田は特攻隊員の役を演じるにあたり、格闘技の試合に出たいと希望した。
役柄の精神状態に近づくため、全力で相手と向き合う厳しい経験をしたいという思いがあったという。
これは、役作りのための身体トレーニングという範囲を超えた挑戦だった。
もちろん、実戦試合に出たことだけで俳優としての演技力が証明されるわけではない。しかし、役柄の心理や身体感覚を理解するために、自らの経験を積み重ねようとする姿勢は岡田の特徴といえる。
【実力と評判】岡田准一は本当に強い?専門家や対戦相手の評価
岡田の格闘技の実力を考える場合、俳優としてのアクション映像と、競技としての大会成績を分けて見る必要がある。
映画で華麗な動きを見せることと、競技ルールの中で相手と対戦して勝つことは、必ずしも同じ能力ではない。
実際に対戦した選手からの評価2023年のブラジリアン柔術世界大会では、岡田は初戦で勝利した後、準々決勝で敗れている。
週刊文春が対戦相手のシラフタ選手に行ったインタビューでは、相手は岡田について、技術に熟練しており、攻撃力が高かったと評価した。
特に、岡田の攻撃に対応することに苦労したという内容が紹介されている。
これは、単なるファンの印象ではなく、実際に競技で対戦した選手による評価という点で意味がある。
格闘技の専門家からも評価2018年の週刊女性PRIMEでは、格闘技の識者が岡田の武術修行について解説している。
同記事では、中村頼永の指導が厳しいことで知られ、認定には長期間の稽古やスパーリング、スタミナなどの課題をクリアする必要があると説明された。
岡田についても、仕事と並行しながら長期間の修行を積み重ねてきた点が評価されている。
また、2024年には柔術の専門家・新明佑介が、岡田の技術と修行姿勢について高く評価したことが格闘技専門メディアで紹介された。
岡田の強さを評価するときの3つの基準岡田の実力を判断するには、次の3点を分けて考えると分かりやすい。
1. 資格・認定: 武術団体から指導者としての認定を受けているか。
2. 競技実績: 実際の大会でどのカテゴリーに出場し、どのような結果を残しているか。
3. 映像表現: 俳優としてアクションをどの程度自然かつ説得力を持って表現できるか。
岡田は、この3つの領域でそれぞれ実績を持っている。
ただし、総合格闘技のプロ選手としての戦績や、世界王者としてのタイトル獲得を示すものではない。
特に、柔術の黒帯を取得したことと、世界大会で優勝したことは別の実績である。黒帯取得は確かな成果だが、2023年と2026年の国際大会ではいずれも優勝には届いていない。
【2026年最新】岡田准一の格闘技活動と今後の注目ポイント
2026年11月2日時点で、格闘技に関する具体的な最新実績として確認できるのは、1月のヨーロピアン2026への出場だ。
岡田は黒帯として国際大会に出場し、2025年の世界大会銀メダリストと接戦を演じた。
結果は初戦敗退だったが、世界的な実力者と競技ルールの中で対戦した事実は、俳優としてのアクション経験とは別の価値を持つ。
2026年も武術文化との接点を持つ活動所属事務所AISTONの公式プロフィールには、2026年8月19日放送のNHK総合『明鏡止水 戦国の武』への出演情報が掲載されている。
同番組は日本の伝統武術や身体操作を取り上げるシリーズであり、岡田の武術への関心ともつながる活動だ。
ただし、番組出演は競技大会への出場や新たな資格取得とは異なる。武術の知識を伝える活動として捉えるのが適切だ。
映画・テレビでも活動の幅を広げる2026年10月26日には、映画『SUKIYAKI 上を向いて歩こう』の最新予告映像とメインビジュアルが公開された。
所属事務所の公式情報では、12月25日公開予定となっている。
また、2026年10月には日本テレビ系『THE FLOOR』のレギュラー放送も始まっている。
加えて、2025年11月配信のNetflixシリーズ『イクサガミ』では、岡田は主演だけでなくプロデューサー、アクションプランナーも担当した。
ハリウッド・リポーター・ジャパンのインタビューでは、アクションの振り付けについて、動きの構造とキャラクターの人物像を結びつける考え方を説明している。
岡田の武術経験は、単に自分が戦う場面を演じるためのものではない。作品の中で登場人物がどのように動き、なぜその動きを選ぶのかまで設計するための専門性になっている。
2026年の活動を見ると、国際柔術大会への挑戦と、映画・テレビでの表現活動が並行している。
一方、2026年11月時点で、1月以降の新たな柔術大会出場や追加の武術資格取得については、所属事務所の公開情報からは確認できない。今後の競技活動については、新たな大会エントリーや本人の発信が注目される。
【よくある質問】岡田准一の格闘技に関するFAQ
Q1:岡田准一が習得した格闘技は何種類ですか?
A1:本人が2024年に得意な順番として公表したのは、カリ・シラット、修斗、ジークンドー、剣術、ブラジリアン柔術の5項目です。ただし、これは本人が挙げた得意分野の一覧であり、生涯に習得したすべての武術の総数を示すものではありません。
Q2:岡田准一は何の師範資格を持っていますか?
A2:カリとジークンドーについてIUMAのインストラクター認定を受けています。修斗についてもUSA修斗のアドバンスド・スチューデント認定歴があり、本人はシューター資格を持つと説明しています。
Q3:岡田准一はブラジリアン柔術の黒帯ですか?
A3:はい。2024年12月7日に黒帯の授与を受けたことを自身のXで報告しています。授与したのは柔術家の橋本知之氏です。
Q4:岡田准一は柔術の世界大会で優勝していますか?
A4:世界大会への出場実績はありますが、確認できる2023年のワールドマスターでは準々決勝敗退、2026年のヨーロピアンでは初戦敗退です。優勝したという記録とは区別する必要があります。
Q5:岡田准一が格闘技を始めた理由は何ですか?
A5:2007年のドラマ『SP』で警護官を演じるため、リアルなアクションを身につけようとしたことがきっかけです。その後、本物の武術を学びたいという考えから修行を続けるようになりました。
Q6:岡田准一の格闘技の得意な順番は?
A6:本人が公表した順番は、カリ・シラット、修斗、ジークンドー、剣術、ブラジリアン柔術です。これは2024年3月時点の本人の自己評価です。
Q7:岡田准一は2026年も柔術を続けていますか?
A7:2026年1月18日にヨーロピアン2026へ黒帯で出場したことが確認されています。その後の大会出場については、2026年11月2日時点で新たな公式情報を確認できません。
まとめ:岡田准一の格闘技は資格・競技実績・アクションの3方向から見る
岡田准一の格闘技歴を整理すると、単なる趣味や役作りだけでは説明できない長年の取り組みが見えてくる。
本人が明かした得意分野は5項目。カリとジークンドーではIUMAのインストラクター認定を受け、USA修斗でも認定歴を持つ。加えて、ブラジリアン柔術では2024年に黒帯を取得し、2026年にはヨーロピアン2026に出場した。
特に注目したいのは、2023年の茶帯時代から2026年の黒帯カテゴリーまで、実際の国際大会に挑戦し続けていることだ。
また、岡田の武術への取り組みは映画制作にも影響を与えている。『SP』『図書館戦争』『ザ・ファブル』『イクサガミ』などの作品では、身体能力だけでなく、武術の知識やアクションの構築力が生かされてきた。
岡田准一の実力を理解するうえで大切なのは、師範資格、柔術の競技成績、俳優としてのアクション能力を混同しないこと。 それぞれを独立した実績として評価すれば、岡田が長年積み上げてきた武術家としての専門性と、俳優としての独自性がより鮮明になる。
2026年以降も、国際大会への挑戦と日本の武術文化を映像作品へつなげる活動の両方に注目したい。