ホーム 芸能ニュース・ゴシップ 【ひげと湿度・低気圧】猫の毛づくろいと天候には関係がある?

【ひげと湿度・低気圧】猫の毛づくろいと天候には関係がある?

小野寺 拓海 小野寺 拓海 • 更新: • 公開: • 読了約 13 分
目次

「猫が顔を洗うと雨」という説を説明する際、よく登場するのが猫のひげと湿度、そして低気圧です。

猫のひげは単なる毛ではありません。周囲の状況を把握するために発達した感覚器官であり、顔の周辺にある刺激を感じ取る重要な役割を担っています。

猫のひげは湿度を感じ取れるのか

猫のひげは専門的には「触毛」と呼ばれ、毛根部分に多くの神経が集まっています。物に触れたときの振動や周囲の気流を感じ取り、暗い場所で障害物を避けたり、狭い場所を通れるか判断したりするために使われます。

公益社団法人埼玉県獣医師会も、猫のひげについて、触覚が発達しており、気流を感じ取る働きがあると説明しています。

一方、湿度の変化を感知する能力については、少し注意が必要です。

2023年6月4日公開の「ねこのきもちWEB MAGAZINE」の獣医師インタビューでは、獣医師の白山さとこ氏が、猫のひげは温度や湿度も感知する大切なセンサーであり、雨の前に湿度が高まると、ひげの手入れが気になる可能性を説明しています。

これは猫の感覚機能から考えられた一つの仮説として興味深いものです。ただし、湿度の上昇によってひげに違和感が生じ、その結果として顔を洗う回数が増えるという一連の仕組みが、実験で確認されたわけではありません。

したがって、猫のひげが周囲の環境を感じ取ることと、ひげが湿度計のように働いて雨を予知することは区別して考える必要があります。

低気圧が猫のストレスにつながる可能性

もう一つの説が、低気圧による体調や気分の変化です。

低気圧が接近すると、天候だけでなく気温、湿度、日照、風などの環境条件も変わります。こうした変化に敏感な猫では、活動量や睡眠、食事の様子に違いが現れる可能性があります。

2024年6月7日に公開された「ねこのきもちWEB MAGAZINE」の獣医師インタビューでは、白山さとこ氏が、個体差はあるものの、猫などの動物でも気圧の変化によって体調が変わることがあると説明しています。

ただし、低気圧が猫の脳圧を高め、頭痛を起こし、それによって顔を洗うという説明については、2026年11月現在、猫を対象とした十分な実証研究があるわけではありません。

2026年10月1日公開の動物病院の解説でも、犬や猫を含む動物について、低気圧そのものが直接体調不良を起こすことは明確に証明されていないと説明されています。一方、気温や湿度、気圧、日照などの複合的な環境変化が、体調や持病に影響する可能性は考慮されています。

つまり、猫が天候の変化に反応する可能性は否定できませんが、低気圧によるストレスと洗顔行動を直接結び付けるには、まだ研究が必要です。

【猫が前足で顔をこする意味】毛づくろいが増える本当の理由

猫が顔を洗うと雨

猫が顔を洗う行動は、基本的にはグルーミングと呼ばれる日常的な身だしなみの一つです。人間のように水で顔を洗っているのではなく、唾液を付けた前足を使って顔の汚れや毛並みを整えています。

顔を洗う姿には、猫の身体的なケアだけでなく、気持ちを落ち着かせる役割も関係しています。

1. 食べ物の汚れやにおいを取り除く

食事の後、猫は口の周りや頬に付着した食べ物のかけらなどを取り除くために毛づくろいをします。

前足を舐めて湿らせ、目の周辺や鼻の横、頬などを順番にこするのが典型的な動作です。耳の後ろまで丁寧に手入れする猫もいます。

2. ひげや顔周辺の毛を整える

猫のひげは日常的に周囲の刺激を受ける部分です。顔周辺の毛づくろいには、ひげの周囲や口元を整える意味もあります。

ただし、ひげを頻繁に触ることが雨の予兆というわけではありません。通常のグルーミングの一部として見られる行動です。

3. 気持ちを落ち着かせる

猫は緊張したときや、何かに驚いたときにも毛づくろいをすることがあります。

例えば、遊んでいた途中で突然動きを止めて顔を洗い始めたり、ほかの猫との接触後に毛づくろいを始めたりすることがあります。

このような行動は、気持ちを切り替えるための転位行動として説明されます。アメリカのコーネル大学獣医学部も、毛づくろいが猫にとって落ち着きを取り戻す行動になる場合があると解説しています。

4. 換毛期で毛づくろいが増える

春や秋など、季節の変わり目には被毛が生え変わる換毛期を迎える猫がいます。

抜け毛が増えると、猫は毛並みを整えるために毛づくろいを行います。飲み込む毛の量が増えれば、毛玉を吐く回数にも影響することがあります。

2025年のマッセー大学の研究でも、毛づくろいの時間には季節による違いが認められています。秋に毛づくろいが増えた背景として、被毛の成長や生え変わりの周期が関係している可能性も示されています。

5. 皮膚のかゆみやストレスがある

いつもより毛づくろいが増えた場合、単なる身だしなみではなく、皮膚のかゆみや身体の痛み、精神的なストレスが関係している可能性もあります。

ノミやダニ、アレルギーなどによって皮膚に刺激が生じると、猫は特定の場所を繰り返し舐めることがあります。

また、引っ越しや家具の配置変更、新しいペットとの同居など、生活環境の変化がストレスとなり、毛づくろいが増える場合もあります。

コーネル大学獣医学部は、猫が過剰に毛づくろいをする場合、身体的な病気と心理的な要因の両方を考える必要があると指摘しています。

【猫の気象病とは?】低気圧による不調の症状と飼い主ができる対策

天気が悪くなると、いつもより寝ている、食欲が落ちる、動きが鈍くなるといった変化を見せる猫がいます。

こうした天候と体調の関係を説明する言葉として使われるのが「猫の気象病」です。

ただし、猫の気象病は、特定の検査で確定できる独立した病名として確立されているものではありません。気圧や湿度などの環境変化と、猫の体調変化との関連を表す一般的な呼び方として理解するのが適切です。

猫の気象病で注意したい変化

天候が変わる時期に次のような様子が見られたら、普段との違いを確認してみましょう。

- 活動量の低下: いつもより寝ている時間が長く、遊びに反応しなくなる。
- 食欲の変化: 食べる量が減ったり、食事の時間が不規則になったりする。
- 隠れる行動: ベッドの下や家具の隙間など、落ち着ける場所から出てこなくなる。
- 鳴き方の変化: いつもより鳴く、落ち着かずに歩き回る。
- 毛づくろいの変化: 過剰に舐め続けたり、反対に毛づくろいをしなくなったりする。
- 消化器の変化: 嘔吐や下痢など、普段と異なる症状が現れる。

これらは気象病に特有の症状ではありません。皮膚疾患や消化器疾患、痛みなど、別の病気でも見られる変化です。天気が悪いという理由だけで体調不良を判断しないことが大切です。

低気圧が近づいたときの猫のケア5つ

飼い主が日常生活で実践したいポイント



1. 安心して休める場所を用意する

静かで落ち着ける寝床や隠れ場所を確保します。無理に抱き上げたり、遊びに誘ったりする必要はありません。


2. 水分補給をしやすくする

新鮮な水をいつでも飲めるようにし、猫が使いやすい場所に水飲み場を設置します。


3. 室温と湿度を安定させる

急激な温度変化や蒸し暑さ、乾燥を避け、季節に合った快適な室内環境を維持します。


4. 毛づくろいと皮膚の状態を確認する

同じ場所ばかり舐めていないか、脱毛や赤みがないかを確認します。ブラッシングは猫が嫌がらない範囲で行います。


5. 体調の変化が続く場合は動物病院へ

食欲不振や活動量の低下が続く場合、皮膚の異常、嘔吐、排尿の異常などがある場合は、天気のせいと決め付けず獣医師に相談します。


気象病を見極めるための観察記録

天候の変化と猫の体調に関連があるかを知るには、日頃から記録を残す方法が役立ちます。

例えば、雨の日や台風の接近時に食欲が落ちる猫であれば、天気と食事量、活動量を一緒に記録してみましょう。

数週間から数か月にわたって観察すると、特定の季節や環境変化に反応する傾向が見えてくることがあります。

記録する項目は、次のような内容がおすすめです。

- 日付と天候
- 気温や湿度
- 食事量と飲水量
- 睡眠時間や活動量の変化
- 毛づくろいの頻度
- 嘔吐、排便、排尿の状態

こうした記録は、動物病院で診察を受ける際にも役立ちます。人間用の頭痛薬や鎮痛薬を、気圧による不調だと考えて猫に与えることは絶対に避けてください。

【よくある質問】猫が顔を洗うと雨に関する疑問(FAQ)

Q1:猫が顔を洗うと本当に雨が降るのですか?
A1:昔から伝わる天気のことわざですが、猫が顔を洗うと雨が降るという統計的・科学的な証明はありません。2025年の研究でも、降雨量が多い日に毛づくろいが減少するという結果が報告されています。天気予報として利用するのは難しいと考えられます。

Q2:猫が耳の後ろまで顔を洗うと雨が近いというのは本当ですか?
A2:耳の後ろまで顔を洗うと雨が近いという言い伝えはあります。しかし、顔をこする範囲と降雨のタイミングに科学的な関係が確認されているわけではありません。通常の毛づくろいとして観察するのが適切です。

Q3:猫のひげは湿度の変化を感じ取れるのでしょうか?
A3:猫のひげは触覚や気流を感じる感覚器官です。湿度の変化を感じている可能性を指摘する獣医師の見解もありますが、湿度を検知して雨を予測する機能が実証されているわけではありません。

Q4:低気圧が近づくと猫の毛づくろいは増えますか?
A4:低気圧と毛づくろいの増加に直接的な関係があるとは証明されていません。季節、換毛期、皮膚の状態、ストレスなど複数の要因が関係します。2025年の研究では、降雨量が増えるほど毛づくろいの時間が減少する関連が示されています。

Q5:猫がいつもより頻繁に顔を洗う場合、病気の可能性はありますか?
A5:可能性はあります。皮膚のかゆみ、ノミやアレルギー、痛み、ストレスなどが原因となる場合があります。脱毛や皮膚の赤み、同じ場所を執拗に舐める行動があれば、動物病院で相談してください。

まとめ:猫が顔を洗うと雨は言い伝えとして楽しみ、健康管理は行動全体で判断

「猫が顔を洗うと雨」という言い伝えは、日本各地で伝えられてきた観天望気の一つです。猫のひげが持つ優れた感覚機能や、湿度・気圧の変化が猫の行動に影響する可能性など、興味深い仮説も存在します。

しかし、2026年11月現在、猫が顔を洗うことで雨を予知できるという科学的根拠は確立していません。2025年に発表されたマッセー大学の研究では、降雨量が増えるほど毛づくろいの時間が減少するという結果も報告されています。

今回のテーマで特に押さえておきたいのは、次の3点です。

- 天気予報としての信頼性:猫の洗顔行動だけで雨を予測することはできない。
- 猫の感覚と環境変化:ひげは触覚や気流を感じる重要な器官だが、湿度や低気圧との関係には未解明な部分が残る。
- 健康管理への活用:毛づくろいの増減は、猫の体調やストレスを観察する手掛かりになる。

猫が前足で顔をこする姿は、見ているだけでも癒やされるものです。雨が降るかどうかを当てる能力に注目するだけでなく、その日の食欲や表情、活動量、毛並みなどにも目を向けてみてください。

何気ない毛づくろいの変化に気付くことが、愛猫の健康を守る第一歩になります。昔からの言い伝えは楽しみながら、実際の天気は気象情報で確認し、猫の体調は日々の観察と必要に応じた獣医師の診察で判断する。それが、猫と長く健やかに暮らすための確かな向き合い方です。

同じカテゴリの記事

小野寺 拓海

アニメ誌編集を経て Web メディアへ。放送・配信の日程は作品公式サイトと各配信サービスの告知で確認し、ガジェットの仕様はメーカーの公式スペック表を引用します。

おすすめの関連記事