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【地震予知は科学的に可能?】気象庁の見解と村井俊治氏の予測の限界

白川 結衣 白川 結衣 • 更新: • 公開: • 読了約 10 分
目次

村井俊治氏の地震予測をめぐる議論では、GPSによる地殻変動観測の科学的な有効性と、地震発生を事前に予測する能力を混同しないことが重要です。

この問題について、気象庁は明確な見解を示しています。

気象庁が説明する地震予知の難しさ

気象庁によれば、地震予知とは次の3要素を精度よく限定して予測することです。

- いつ発生するのか(時期)
- どこで発生するのか(場所)
- どの程度の規模なのか(マグニチュード)

例えば、「日本のどこかで1年以内にM5の地震が発生する」という情報では、対象地域も期間も広すぎます。

日本では日常的に地震が発生しているため、このような予測が当たっても、実際の防災に役立つ情報としての価値は限定的です。

気象庁は、東京直下で1週間以内にM6~7の地震が起きるというように、時期・場所・規模を絞った高精度の予測は、現在の科学的知見では難しいと説明しています。

2026年版の気象白書でも明確にされた注意点

2026年版の「気象業務はいま」では、地震予知に関する風説への対応が取り上げられています。

背景には、2025年7月に日本で大災難が起こるという情報が国内外で広まり、一部地域で訪日観光客が減少するなど、地域経済にも影響が出た問題があります。

気象庁は、日時と場所を特定した地震予知は現在の科学技術では不可能であると説明し、根拠のない情報に振り回されず、日頃から防災に備えるよう呼びかけています。

JESEAの研究にも残されている課題

興味深いのは、JESEA自身も地震予測の限界について説明していることです。

JESEAの観測・前兆現象に関する解説では、過去のM6以上の地震162件を独自に調査し、すべてに何らかの前兆現象が確認されたとしています。

ただし、同じ説明の中で、次のような課題も挙げています。

- 前兆現象が出てから地震発生までの日数は一定ではない。
- 数週間後の場合もあれば、数か月後の場合もある。
- 震源が約50km以上と深い地震では、電子基準点に前兆が現れない場合がある。
- 観測された異常変動だけで地震の発生を断定することはできない。

つまり、前兆らしい現象を観測することと、それを使って地震発生を正確に予測することの間には、依然として課題が残っています。

また、過去の地震を振り返って前兆を探す研究と、地震発生前に予測を公表して成功率を検証する研究は、評価方法が異なります。

過去162件で前兆が見つかったというJESEA側の調査結果だけでは、地震が起きない期間にも同じ異常がどの程度発生するのか、誤警報がどの程度あるのかまでは分かりません。

村井俊治氏の地震予測は科学的根拠がないのか

ここは極端な二択で考えるべきではありません。

GNSSによる地殻変動観測は、国土地理院も利用する実際の科学技術です。地震に伴う地殻変動も観測されています。

一方で、地震の前に発生する可能性がある微小な変動を、将来の地震の確実な前兆として利用できるかは別の研究課題です。

村井氏らがGPSを使った地震予測について研究成果を発表してきたことも事実です。2010年には、GPSデータによる地震予測の可能性と、前兆から発生までの日数を予測する難しさを扱った論文が国際学術誌に掲載されています。

したがって、村井氏の研究を単純に根拠のない話として片付けるのも、反対に的中率だけを見て確立された地震予知技術と評価するのも正確ではありません。

【プロの結論】村井俊治氏の地震予測をどう評価すべきか

村井地震予知

ここまでの情報を踏まえると、村井俊治氏の地震予測には、評価できる部分と慎重に見るべき部分があります。

評価できる3つのポイント

1.実在する測量技術を防災に応用している

GNSSによる位置観測や電子基準点の活用は、実際の測量・地殻変動監視で使われています。

地震予測という難しい課題に対して、測量工学の側から取り組むことには研究上の意義があります。

2.観測データを一般向けに公開している

週間異常変動、隆起・沈降、水平ベクトル異常変動などを視覚的に示すことで、専門知識がない人でも地殻変動の情報に触れられます。

3.予測の実績を数字で公表している

2022~2025年のピンポイント予測について、年間の予測件数と的中件数を示している点は、評価材料になります。

慎重に判断すべき3つのポイント

1.公表された的中率だけでは予測能力を証明できない

予測の許容範囲や空振りの件数を含めた検証が必要です。

2.異常変動が必ず地震につながるわけではない

GNSS観測にはノイズがあり、地殻変動以外の原因で座標が変化する場合もあります。

3.気象庁の公式情報とは役割が異なる

MEGA地震予測は民間の予測サービスです。気象庁の地震情報や緊急地震速報、自治体の避難情報とは別のものです。

MEGA地震予測が向いている人・向いていない人
利用者のタイプ 評価 理由
地震や測量技術を研究したい人 向いている 観測手法や地殻変動を継続的に学べる
地域の地震リスクを補助的に確認したい人 検討の余地あり 独自の予測情報を参考資料にできる
予測の精度を数字で比較したい人 条件付き 的中判定の定義を理解する必要がある
正確な発生日を知りたい人 おすすめしにくい 日時を確定する予知サービスではない
アプリだけで防災を済ませたい人 おすすめできない 公的な防災情報や日常の備えが必要
2026年に読者が確認しておきたい判断基準

MEGA地震予測を利用する場合は、次の4点を確認してください。

- 予測の発表日と対象期間が明記されているか。
- 地域の範囲が具体的に示されているか。
- マグニチュードの予測範囲が明確か。
- 的中・不的中の判定条件が公開されているか。

特に、的中率の数字を見る際には、分母となる予測件数を確認することが大切です。

予測が当たったニュースだけを追いかけるのではなく、外れた予測も含めて評価する姿勢が必要です。

【村井地震予知】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:村井俊治氏の地震予測は本当に当たるのですか?

A1:JESEAは2024年に29件中23件、2025年に21件中18件が的中したと発表しています。ただし、これはJESEA独自の的中判定基準による数字です。時期や地域、マグニチュードの許容誤差を考慮する必要があり、将来の地震を85%の確率で正確に予知できるという意味ではありません。

Q2:MEGA地震予測のアプリ料金はいくらですか?

A2:2026年9月25日からの新料金体系では、Basicプランが月額520円(税込)、Proプランが月額2,980円(税込)です。Liteプランは月額380円ですが、対象者が限定され、自由に選択できません。初回無料の条件は申し込み方法によって異なります。

Q3:GPSの地殻変動を調べれば大地震を予測できるのですか?

A3:GPSを含むGNSSによって地表の位置変化を高精度に観測することは可能です。しかし、その変化が地震の前兆なのか、気象や観測環境など別の原因によるものなのかを区別する必要があります。地殻変動の観測技術が確立していることと、地震発生を正確に予測できることは別問題です。

まとめ:村井俊治氏の地震予測は防災情報の補助として活用する

「村井地震予知」として知られるMEGA地震予測は、村井俊治氏の測量工学の知識を生かし、GNSSによる地殻変動観測や複数の分析手法を組み合わせた民間の地震予測サービスです。

2026年には、岩手県沖や熊本県熊本地方などの地震について、JESEAが予測的中事例を発表しています。また、2025年の年間的中率についても85.7%という実績を公表しています。

一方で、的中率の算出基準には一定の許容誤差があり、独立した第三者による検証と同じ意味ではありません。気象庁も、日時・場所・規模を正確に限定する地震予知は現在の科学技術では困難としています。

最も現実的な向き合い方は、MEGA地震予測を防災に関する補助情報として参考にしながら、国や自治体の公式情報を優先することです。

地震は予測情報が出ている地域だけで発生するものではありません。家具の固定、非常食や飲料水の備蓄、避難場所の確認、家族との連絡方法の共有など、普段からできる備えを進めることが重要です。

村井俊治氏の研究が今後どこまで予測精度を高められるのか。その評価には、的中事例だけでなく、予測の全記録と継続的な科学的検証が欠かせません。

2026年以降も、観測技術の進歩と地震予測の実証研究の両方に注目していく必要があります。

主な参照資料: JESEA公式サイト・サービス利用規約・研究解説、国土地理院の電子基準点資料、気象庁「気象業務はいま 2026」、気象庁の地震予知FAQ、JESEA運営会社の2026年プレスリリース。

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白川 結衣

生活情報の編集に9年。化粧品の成分表示と厚生労働省・学会の公開資料を一次情報とし、体験談と公的データを混ぜずに書き分けます。

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