KROSS vol.1-kpop masterz-は、韓国を中心にアジアで活躍する俳優やアーティストと、日本のアーティストを一堂に集めた大型エンターテインメントイベントです。
主催側が掲げたコンセプトは、異なる才能が交差することで新しいエンターテインメントを生み出すこと。一般的なK-POPコンサートとは異なり、音楽ライブに加えて韓国俳優のトークセッションも楽しめる構成が特徴でした。
開催概要| 項目 | 内容 |
|---|---|
| イベント名 | KROSS vol.1-kpop masterz- |
| 開催日 | 2023年1月2日(月) |
| 会場 | バンテリンドーム ナゴヤ |
| 昼公演 | 開場10:00/開演12:00 |
| 夜公演 | 開場17:00/開演19:00 |
| 出演者 | 6組 |
| 昼公演来場者数 | 35,000人 |
| 夜公演来場者数 | 30,000人 |
| 合計来場者数 | 約65,000人 |
| 主なチケット料金 | 15,900円~33,000円(税込) |
| 企画 | 株式会社Birdman、株式会社Entertainment Next |
公演スケジュールは次のとおりです。
- 昼公演: 10時開場、12時開演
- 夜公演: 17時開場、19時開演
同じ日に2回開催することで、ドーム規模の観客を迎える形式が採用されました。
なお、開場・開演時刻は公表されていますが、全体の終演時刻については、開催概要から一律に確定できる情報はありません。
来場者数は約6万5,000人特に注目されたのが来場者数です。
Birdmanが2023年1月6日に公表した開催報告では、次の数字が示されています。
65,000人

昼夜2公演の公表来場者数の合計
昼公演35,000人
夜公演30,000人
出典:Birdmanの2023年1月6日付開催報告。2公演の来場者数を合算した数字であり、重複のない個人の実人数を意味するものではありません。
この数字は、イベントの規模を理解するうえで重要です。
ただし、来場者数とチケット販売数、あるいはイベントの収益性は別の指標です。後述するBirdmanの決算資料を見ると、観客を集める力と興行として利益を確保する力には、異なる課題があったことが分かります。
【出演者6組を解説】パク・ソジュンから7ORDERまで
KROSS vol.1の大きな魅力は、俳優と音楽アーティストを同じステージに集めたキャスティングです。
出演者は、韓国の俳優・歌手を中心とした5組に、日本の7ORDERを加えた計6組。7ORDERはメイン出演者ではなく、オープニングアクトを担当しました。
出演者一覧と役割
1.
「梨泰院クラス」「キム秘書はいったい、なぜ?」などで知られる韓国の人気俳優。イベントではMC古家正亨とのトークセッションに登場し、日本のファンと交流しました。歌唱ステージはありませんでした。
2.
ASTROのメンバーであり、「女神降臨」などの出演でも知られる俳優。ソロ曲を披露し、バルーンに乗って客席を回る演出も話題になりました。
3.
日本でも長く活動してきた韓国の歌手。ロックナンバーからバラードまで、全6曲を生バンドとともに披露しました。
4. (TXT)
第4世代K-POPを代表するボーイズグループ。韓国語楽曲と日本語オリジナル曲を組み合わせた全5曲のステージを披露しました。
5.
韓国・日本・中国のメンバーで構成されたボーイズグループ。デビュー曲「Thumbs Up」などを披露し、サインボールを客席にプレゼントする演出も行いました。
6.
日本の7人組アーティスト。ダンスとバンド演奏を組み合わせたパフォーマンスでイベントの幕開けを担当しました。
今回のキャスティングは、単に人気アーティストを集めたものではありません。
| 出演者 | 主な活動分野 | KROSSでの役割 |
|---|---|---|
| パク・ソジュン | 韓国ドラマ・映画 | 俳優トーク |
| チャウヌ | ASTRO・俳優・ソロ歌唱 | ソロライブ |
| ジェジュン | 歌手・ソロアーティスト | ソロライブ |
| TOMORROW X TOGETHER | K-POP・グループ活動 | グループライブ |
| BLANK2Y | K-POP・グループ活動 | グループライブ |
| 7ORDER | 日本の音楽・舞台活動 | オープニングアクト |
この構成によって、韓国ドラマのファン、K-POPアイドルのファン、ソロ歌手のファン、日本のアーティストを応援する層が同じ会場に集まることになりました。
特にパク・ソジュンとチャウヌを同時に起用した点は、音楽イベントとしてだけではなく、韓国ドラマを入口にしたエンターテインメントイベントとしての特色を強めています。
【チケット料金を検証】VIP・SS・一般席はいくらだった?
KROSS vol.1のチケットは、3つの価格帯で販売されました。
VIP席33,000円
税込
SS席25,000円
税込
一般席15,900円
税込
当時の公式チケット案内では、以下の入場条件が設定されていました。
- 6歳以上はチケットが必要。
- 5歳以下は入場不可。
- 夜公演は未就学児の入場不可。
- チケット1枚につき入場できるのは1人。
- 購入者情報と来場者情報の確認が行われる場合がある。
- チケットの譲渡・転売は禁止。
また、VIP席とSS席の価格差がある一方、価格だけから具体的な特典内容やステージの見え方まで判断することはできません。
VIP席の評判が分かれた理由当時の個人参加レポートでは、VIP席に対する不満も確認できます。
2023年1月の夜公演に参加したファンのブログでは、VIP専用パスの扱いがスタッフ間で十分に共有されていなかったことや、ステージ構成によって期待したほど出演者を近くで見られなかったことなどが指摘されていました。
また、VIP席の価格に見合う特別感を得られなかったという感想も記されています。
これは一参加者の体験談であり、すべてのVIP購入者が同じ評価だったわけではありません。しかし、チケットの価格差を設けるイベントでは、座席の位置だけでなく、特典の内容や案内体制まで含めた満足度設計が求められることを示しています。
【全出演者のセットリスト】KROSS vol.1で披露された楽曲一覧
KROSS vol.1のセットリストは、開催後の公式レポートと、それを掲載したK-POP関連メディアの記録から確認できます。
全体の特徴は、出演者によってステージの形式が異なっていたことです。
アイドルグループは複数の楽曲を披露し、ジェジュンは生バンドによるソロライブ、パク・ソジュンはトークセッションという構成でした。
7ORDERのセットリスト1. MONSTER
2. agitate
3. Get Gold
4. SUMMER様様
5. &Y
6. What you got
7ORDERは、ダンスと生演奏の両方を取り入れたステージを披露しました。
特に「agitate」ではメンバーが楽器を持ち、バンドスタイルでパフォーマンス。続く「Get Gold」でもバンド演奏とダンスを融合させ、日本のアーティストならではの個性を見せました。
BLANK2Yのセットリスト1. Thumbs Up
2. Touch
3. FUEGO(Fearless)
デビュー曲「Thumbs Up」で登場したBLANK2Yは、力強いダンスとパフォーマンスを披露。
また、直筆サインボールを客席に投げるファンサービスもあり、会場を盛り上げました。
パク・ソジュンの出演内容パク・ソジュンは、歌唱ではなくMC古家正亨とのトークセッションに出演しました。
取り上げられたのは、代表作「梨泰院クラス」の撮影や作品への思い、日本のファンとの再会についてです。
また、YES/NO形式の質問コーナーも実施。好きな身体のパーツについて尋ねられた際には、顔ではなく目だと回答したエピソードも紹介されています。
俳優本人とファンが直接コミュニケーションを取れる企画は、音楽ライブとは異なる魅力を生み出しました。
ジェジュンのセットリスト1. Our Secret
2. for you…
3. Ray of Light
4. Mine
5. GLAMOROUS SKY
6. BREAKING DAWN(Japanese Ver.)Produced by HYDE
ジェジュンは全6曲を披露。
中島美嘉への提供曲としても知られる「Our Secret」からスタートし、バラードやロックテイストの楽曲を組み合わせたステージとなりました。
特に注目されたのが「BREAKING DAWN(Japanese Ver.)Produced by HYDE」です。HYDEがプロデュースした楽曲を披露し、ライブの最後を力強く締めくくりました。
TOMORROW X TOGETHERのセットリスト1. 0X1=LOVESONG(I Know I Love You)
2. 君じゃない誰かの愛し方
3. Opening Sequence
4. ito
5. Good Boy Gone Bad
TXTは韓国語楽曲と日本語オリジナル曲を組み合わせた全5曲を披露。
「君じゃない誰かの愛し方」は、日本のファンにとっても親しみやすい楽曲であり、韓国語曲との対比も楽しめる構成でした。
「Opening Sequence」ではパフォーマンス力を見せ、最後は「Good Boy Gone Bad」でステージを締めくくっています。
チャウヌのセットリスト1. 1番好きな人にサヨナラを言おう
2. First Love
3. Love So Fine
イベントの大トリを担当したチャウヌは、ASTROのメンバーとしての活動とは異なるソロステージを披露。
「First Love」では直筆サインボールをプレゼントする演出もありました。
さらに「Love So Fine」ではバルーンに乗って客席を巡り、ファンとの距離を縮めました。歌唱だけでなく、会場全体を使った演出が印象に残るステージでした。
※上記は公表された公演レポートに基づくセットリストです。出演者ごとの曲数や演出を比較するための記録であり、昼夜公演での細部の違いまで保証するものではありません。
【評判・口コミを検証】KROSS vol.1は本当に満足度が高かった?
KROSS vol.1の評判を考える際には、公式レポートと実際の参加者による感想を分けて見る必要があります。
評価された要点は出演者の豪華さと演出イベントの公式レポートや当時のメディア取材では、各出演者のパフォーマンスやファンとの交流が大きく取り上げられています。
特に印象的だったのは次の3点です。
1. 異なるジャンルのスターを一度に楽しめた
韓国ドラマで人気の俳優と、K-POPのグループやソロ歌手が同じイベントに出演したことで、普段は別々の公演に参加するファンが一堂に会しました。
2. アーティストごとに異なる演出があった
7ORDERのバンド演奏、BLANK2Yのサインボール、ジェジュンの生バンド、チャウヌのバルーン演出など、それぞれ違った魅力が用意されていました。
3. 海外アーティストと日本のファンの交流
パク・ソジュンのトークセッションや、チャウヌの日本語楽曲など、日本の観客を意識したプログラムも盛り込まれていました。
一方で、運営面には不満の声も個人の参加レポートでは、次のような課題も指摘されています。
- VIP席の価格に対して特典の満足度が低かったという意見。
- ステージ構成によって出演者が見えにくいと感じたという感想。
- 出演者ごとの持ち時間や演出に不公平感を覚えたという指摘。
一方、TXTを目当てに参加した別のファンの記録では、短いステージながら日本語曲と韓国語曲の両方を楽しめたことや、衣装、パフォーマンスへの好意的な感想が記されています。
つまり、KROSS vol.1は出演者の魅力が評価された一方、チケット価格や座席、ステージ構成に対する評価は一様ではありませんでした。
評判を判断する際に注意したいこと約6万5,000人という数字だけを見て、全員が高い満足度を得たと判断することはできません。
また、個人ブログやSNSの感想は、書き手の座席位置、目当ての出演者、期待していた特典によっても大きく異なります。
イベント全体の評価を把握するなら、出演者の実績、実際のセットリスト、現場レポート、チケットに対する感想を組み合わせて判断するのが適切です。
【KROSS vol.1のその後】Birdman主催イベントは2024年にどう展開した?
KROSS vol.1の開催後、イベントは東京公演のvol.2へと続き、さらに名古屋でvol.3が企画されました。
しかし、その後の展開は順風満帆ではありませんでした。
2023年2月:KROSS vol.2を東京で開催vol.1から約2か月後の2023年2月25日・26日には、東京の有明アリーナでKROSS vol.2が開催されました。
出演者にはENHYPEN、岩橋玄樹、OnlyOneOf、Weeekly、BLANK2Y、LIL LEAGUEなどが参加。
25日にはONE N' ONLY、26日には超特急も出演しました。
Birdmanの公式開催報告では、2日間の来場者数は合計13,500人と発表されています。
2023年10月:vol.3は開催延期に当初、KROSS vol.3は2023年10月28日・29日にバンテリンドーム ナゴヤで開催される予定でした。
しかし、主催者から延期が発表されます。
Birdmanの2024年6月期第3四半期決算説明資料では、2023年9月・10月に予定していたKROSSの開催を見送った背景について、アーティストのブッキングが順調に進まなかったことや、イベント実施体制の不足など複数の要因が重なったと説明されています。
2024年1月:K-Pop Masterz×KROSS vol.3を開催延期されたvol.3は、名称を「K-Pop Masterz×KROSS vol.3」として2024年1月2日に開催されました。
出演者は以下の5組です。
- パク・ソジュン
- aespa
- BOYNEXTDOOR
- ENHYPEN
- &TEAM
会場はvol.1と同じバンテリンドーム ナゴヤ。昼夜2公演で開催されました。
Birdmanの決算が明らかにした興行上の課題このvol.3について、Birdmanは2024年6月期第3四半期の決算説明資料で、当初の売上見込みを大きく下回ったことを明らかにしました。
同資料によると、vol.3単体の営業損失は約7億6,100万円でした。
会社側は、その要因として次の点を挙げています。
1. 告知期間が比較的短かったこと。
2. 同種のイベントが増加するタイミングだったこと。
3. 集客が想定を下回ったこと。
加えて、2023年に開催を見送ったイベントについても、出演費や制作費に関する特別損失が発生したと説明しています。
今後については、イベントの企画から運営までのモデルを確立し、パートナー企業の選定も見直す方針を示しました。
2026年現在、KROSSはどのような位置づけなのかここで押さえておきたいのは、vol.1の約6万5,000人という来場実績と、シリーズ全体の事業成績は別の話だという点です。
vol.1は大規模な観客を集め、vol.2、vol.3へと展開したイベントでした。しかし、後続公演では開催延期や収益面の課題も表面化しました。
2026年時点で振り返ると、KROSS vol.1は単なるK-POPコンサートではなく、韓国俳優とアーティスト、日本のアーティストを組み合わせた興行モデルの出発点として位置づけられます。
一方、Birdmanの決算資料が示した課題からは、著名な出演者を集めるだけでは大型イベントの継続的な収益化は難しいことも読み取れます。
【プロの結論】KROSS vol.1がエンタメ業界に残したもの
KROSS vol.1を振り返ると、最も重要なのは出演者の豪華さだけではありません。
このイベントは、K-POP、韓国ドラマ、日本の音楽シーンという異なるファン層を、ドーム規模の会場に集める試みでした。
その意味で、キャスティング戦略には明確な独自性がありました。
しかし、イベント事業として継続するには、次の3つが欠かせません。
第一に、出演者の人気と観客の期待を一致させること。
俳優とアイドルでは、ファンが期待するステージ内容が違います。出演時間や演出の配分が不明確だと、出演者が豪華でも不満が生まれます。
第二に、チケット価格と体験価値を一致させること。
VIP席、SS席、一般席の価格差を設けるなら、座席位置だけでなく、購入者が納得できるサービスや案内体制が必要です。
第三に、来場者数だけでなく収益構造を考えること。
65,000人という数字は大きな実績ですが、出演料、会場費、制作費、広告宣伝費などを差し引いた利益を保証するものではありません。
vol.3の決算結果は、この点を端的に示しています。
KROSS vol.1は、豪華な出演者を通じて日本のK-POP・韓国エンタメファンに大きな接点を生み出したイベントでした。同時に、大型フェスを継続するためには、集客力と運営力、そして採算性を同時に成立させる必要があることを示した事例でもあります。
KROSS vol.1-kpop masterz-に関するよくある質問(FAQ)
Q1:KROSS vol.1はいつ開催されましたか?
2023年1月2日(月)です。バンテリンドーム ナゴヤで昼公演と夜公演の2回開催されました。
Q2:KROSS vol.1の出演者は誰ですか?
パク・ソジュン、チャウヌ、ジェジュン、TOMORROW X TOGETHER、BLANK2Y、7ORDERの6組です。ただし、7ORDERはオープニングアクトとして出演しました。
Q3:KROSS vol.1の来場者数は何人ですか?
主催者の開催報告によると、昼公演35,000人、夜公演30,000人で、合計約65,000人です。
Q4:パク・ソジュンは歌を披露しましたか?
いいえ。パク・ソジュンはMC古家正亨とのトークセッションに出演しました。歌唱ステージではありません。
Q5:KROSS vol.1のチケット料金はいくらでしたか?
VIP席33,000円、SS席25,000円、一般席15,900円(すべて税込)でした。
Q6:KROSS vol.1の後もイベントは開催されましたか?
はい。2023年2月にKROSS vol.2が東京で開催され、2024年1月2日にはK-Pop Masterz×KROSS vol.3が名古屋で開催されました。
Q7:KROSSは2026年現在も開催されていますか?
vol.1からvol.3までの開催実績と、Birdmanによる事業上の課題・運営体制見直しは確認できます。2026年の新規開催については、確定した公式発表を確認できる情報がありません。
まとめ:KROSS vol.1は6組が集結した名古屋発の大型イベント
KROSS vol.1-kpop masterz-は、2023年1月2日にバンテリンドーム ナゴヤで開催された大型エンターテインメントイベントです。
パク・ソジュン、チャウヌ、ジェジュン、TOMORROW X TOGETHER、BLANK2Y、7ORDERの6組が出演し、昼夜2公演で約6万5,000人を動員しました。
チケットは15,900円から33,000円までの3種類。セットリストには、TXTの「Good Boy Gone Bad」、ジェジュンの「BREAKING DAWN」、チャウヌの「First Love」などが並びました。
その後、KROSS vol.2、K-Pop Masterz×KROSS vol.3へと展開したものの、主催者のBirdmanは後続イベントでの集客不足や興行上の損失を公表し、運営モデルの見直しを進める方針を示しています。
2026年現在、KROSS vol.1を理解するうえで大切なのは、約6万5,000人を集めた華やかな開催実績と、その後に明らかになった大型エンターテインメント興行の難しさの両方を知ることです。K-POPと韓国ドラマ、日本の音楽シーンが交差したこのイベントは、2023年の日本の韓国エンタメイベントを振り返るうえで、興味深い記録として残っています。