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「地震多すぎ」は本当か?2026年熊本地震と最新観測データから実態を徹底解説

黒田 亮 黒田 亮 • 更新: • 公開: • 読了約 26 分
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「最近、日本で地震が多すぎない?」「毎日のように地震速報が流れてくるけれど、本当に地震の発生数が増えているの?」と不安を感じている人は少なくない。2025年には震度1以上の地震が年間4,456回発生し、2024年の3,678回を大きく上回った。さらに2026年7月には最大震度7を観測した「令和8年熊本地震」が発生し、その後も活発な地震活動が続いている。

ただし、数字を詳しく見ると、単純に日本全体で大地震が増え続けているわけではないことが分かる。2025年は震度1以上の回数が増えた一方、震度5弱以上やマグニチュード6以上の地震は前年より減少した。観測網の拡充、群発地震、余震活動など、数字が増える背景には複数の要因がある。2026年10月30日時点の気象庁、日本地震学会、地震調査研究推進本部の公表資料から、日本の地震活動の実態を検証する。

【2025年の地震は4,456回!本当に日本の地震は増えているのか?】

地震多すぎ

「地震多すぎ」という感覚を検証するうえで、まず確認したいのが気象庁の年間統計だ。

気象庁が2026年1月に公表した「令和7年(2025年)の日本の地震活動」によると、2025年に国内で震度1以上を観測した地震は4,456回だった。前年の2024年は3,678回であり、778回の増加となっている。

増加率に換算すると約21.1%。数字だけを見れば、確かに地震が多くなったと感じるのも無理はない。

2024年と2025年の地震回数を比較

ところが、同じ気象庁の資料に掲載された別の指標を見ると、少し違った実態が浮かび上がる。

震度1以上の地震は増えたものの、より強い揺れを観測した地震や、大きな規模の地震は減っていたのだ。

  • 震度1以上:2024年3,678回 → 2025年4,456回
  • 震度4以上:2024年113回 → 2025年112回
  • 震度5弱以上:2024年28回 → 2025年15回
  • マグニチュード6以上:2024年30回 → 2025年22回

特に注目したいのは、震度5弱以上の地震が28回から15回へ減少している点だ。マグニチュード6以上の地震も30回から22回に減っている。

つまり、2025年の地震回数増加は、強い地震が一律に増えたことを意味しない。小さな揺れを含めた有感地震の回数が増えた一方で、強い揺れを伴う地震の回数は減少していた。

2025年に地震が集中した地域とは?

2025年の地震活動で目立ったのが、トカラ列島近海の地震活動だ。

気象庁の年間報告では、6月21日以降のトカラ列島近海、小宝島付近での活動が取り上げられている。7月3日にはマグニチュード5.5、最大震度6弱の地震が発生し、7月5日にはマグニチュード5.4、最大震度5強を観測した。

さらに7月6日にも最大震度5強を観測する地震が複数発生した。こうした限られた地域での地震活動の集中は、年間の有感地震回数を押し上げる要因になる。

12月8日には青森県東方沖でマグニチュード7.5の地震が発生し、最大震度6強を観測した。2025年の最大規模の地震である。

したがって、2025年の4,456回という数字は、日本列島全体で均等に地震が増えたことを示すものではない。特定地域の活発な活動が年間統計に影響している点も理解しておきたい。

(出典:気象庁「令和7年(2025年)の日本の地震活動」)

【2026年最新!令和8年熊本地震で何が起きているのか】

2026年の日本の地震活動を語るうえで欠かせないのが、7月28日に発生した「令和8年熊本地震」だ。

この地震は7月28日16時27分ごろ、熊本県熊本地方の深さ約16kmを震源として発生した。マグニチュードは7.1で、熊本県宇城市と氷川町では最大震度7を観測した。

気象庁によると、震源のメカニズムは横ずれ断層型。熊本県だけでなく、北陸地方から九州地方にかけて広い範囲で揺れが観測された。

10月30日までに震度1以上が876回

この地震で注目すべきなのは、本震だけでなく、その後に続いた一連の地震活動である。

気象庁が2026年10月30日午前9時時点で公表している集計では、7月28日16時から10月30日9時までに、令和8年熊本地震に関連して震度1以上を観測した地震は累計876回に達した。

内訳は次のとおりだ。

  • 震度1:556回
  • 震度2:212回
  • 震度3:77回
  • 震度4:25回
  • 震度5弱:5回
  • 震度7:1回

最初の本震が発生した7月28日だけでも、震度1以上の地震は194回観測されている。翌29日も144回に達した。

その後、地震回数は増減を繰り返しながら全体として減少し、10月には1日あたり0~8回程度の日が見られるようになった。

ただし、発生回数が減ったからといって、地震活動が完全に終息したわけではない。

気象庁が示した今後の見通し

気象庁は9月24日の発表で、熊本県の地震活動について次のように説明している。

平常時より地震発生数の多い状態は当分続きます。

一方、最大震度5弱程度以上の地震が発生する可能性は低くなっており、その発生頻度は1か月に1回程度の発生に相当する状況を下回っているとの見解も示した。

つまり、2026年10月時点の熊本では、強い揺れを伴う地震の発生頻度は低下しているものの、小さな地震を含めた活動は継続している。

なお、気象庁は活発な地震活動によって震度データベースへの反映が遅れている地震や震度データがあることも公表している。876回という数字は10月30日午前9時時点の速報的な集計であり、今後の調査で変更される可能性がある。

(出典:気象庁「令和8年熊本地震ポータルサイト」「令和8年熊本地震における震度1以上の地震の発生状況」)

2026年の全国的な地震活動も確認

熊本だけに注目すると、日本全体の地震活動を見誤る可能性がある。

気象庁が2026年10月8日に公表した9月の地震活動によると、全国で震度3以上を観測した地震は16回、このうち震度4以上は3回だった。また、日本およびその周辺で発生したマグニチュード4.0以上の地震は91回となっている。

同年8月は全国で震度3以上が47回、震度4以上が13回、マグニチュード4.0以上の地震が106回だった。

8月と9月を比較すると、全国的には震度3以上の地震もマグニチュード4以上の地震も減少している。

ここで注意したいのは、2025年の年間4,456回は震度1以上の年間集計であるのに対し、2026年の8月・9月の数字は震度3以上やマグニチュード4以上という別の指標だということ。異なる条件の数字を単純に足したり比較したりすることはできない。

【地震が多すぎると感じる3つの理由!観測網と余震の影響】

地震が増えたように感じる背景には、実際の地震活動以外にも、観測技術や情報伝達の変化がある。

理由1:震度観測網が全国に広がった

意外と知られていないのが、現在の日本と過去の日本では、地震を観測する仕組みが異なるという事実だ。

日本地震学会のFAQによると、1993年の北海道南西沖地震を契機に震度観測点が倍増した。さらに1995年の兵庫県南部地震を受けて、震度観測は全市区町村に広がり、気象庁のシステムと接続されるようになった。

その結果、1995年以降、気象庁が発表する有感地震の回数は増える傾向にあるという。

また、1996年4月以降は計測震度計による自動観測が導入され、現在は気象庁、地方公共団体、防災科学技術研究所などの観測点のデータが利用されている。

気象庁によると、2026年3月12日時点で、緊急地震速報には全国約690か所の気象庁の地震計・震度計と、防災科学技術研究所の全国約1,000か所の観測網が利用されている。

観測網が充実すれば、以前は検知できなかった小さな地震も把握しやすくなる。これは実際の地震発生数が増えたこととは別の問題だ。

理由2:本震の後に余震が続く

大きな地震が発生すると、その周辺では地震活動が活発になることがある。

本震によって地下の岩盤にかかる力のバランスが変化し、その後も断層周辺で小さなずれが発生するためだ。こうした地震を一般に余震と呼ぶ。

気象庁の説明では、余震は本震直後ほど多く、時間が経過するにつれて減少する傾向がある。ただし、1か月以上、場合によっては数十年以上続くこともある。

2011年の東北地方太平洋沖地震は、その典型例だ。

日本地震学会によると、2011年に日本とその周辺で観測された震度1以上の有感地震は10,681回。年間平均を大幅に上回った背景には、東日本大震災後の多数の余震などがあった。

2026年の熊本でも、本震後の一連の地震活動が長期間続いており、これが地震回数の増加につながっている。

理由3:地震速報やSNSで情報に接する機会が増えた

以前はテレビやラジオのニュースでしか知る機会がなかった小さな地震も、現在はスマートフォンの通知やニュースアプリを通じてリアルタイムに近い形で把握できる。

震度1や震度2の地震も情報として目にするようになり、複数の地域で発生した地震が短時間に繰り返し通知されることもある。

特に熊本のように一連の地震活動が続く地域では、発生するたびに情報が更新されるため、実際の回数以上に頻繁に揺れている印象を受けやすい。

ただし、情報に接する機会が増えたことは、地震そのものが増えた証拠ではない。観測数、発生数、ニュースで目にする回数は、それぞれ区別して考える必要がある。

【日本の地震発生回数を比較!知っておきたい統計と関係性】

ここまでのデータを整理すると、地震が増えているかどうかは、何を数えるかによって評価が変わる。

気象庁の年間報告、日本地震学会の有感地震に関する説明、2026年の熊本の観測記録を並べてみよう。

対象・時期 観測・統計データ 意味・注目点
2024年 震度1以上3,678回 2025年との比較基準
2025年 震度1以上4,456回 前年から約21.1%増加
2025年 震度5弱以上15回 前年の28回から減少
2025年 M6.0以上22回 前年の30回から減少
日本地震学会の平年の目安 年間約2,000回 日本とその周辺の有感地震
2011年 有感地震10,681回 東日本大震災後の余震活動が影響
2026年7月28日~10月30日 熊本地震関連876回 震度1以上の累計
2026年9月 震度3以上16回 全国の月間集計

この表から分かるのは、2025年の地震回数増加と、2026年の熊本における局地的な地震活動の活発化は、別々に評価する必要があるということだ。

震度とマグニチュードは何が違う?

地震のニュースを見ると、必ず登場するのが「震度」と「マグニチュード」という2つの言葉だ。

この2つは似ているようで、意味がまったく異なる。

  • 震度:ある場所で実際に観測された揺れの強さ。
  • マグニチュード:地震そのものの規模を表す数値。

例えば、同じマグニチュードの地震でも、震源に近い場所では震度が大きくなり、遠い場所では小さくなることがある。地盤の性質によっても揺れ方は変わる。

また、マグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは約32倍になる。

そのため、震度1以上の回数が増えたからといって、巨大地震の発生頻度まで同じ割合で増えたと判断することはできない。

(出典:気象庁、日本地震学会、地震調査研究推進本部)

【日本で地震が多すぎるのはなぜ?プレート運動と発生の仕組み】

日本で地震が多い根本的な理由は、地球の表面を覆うプレートの運動にある。

日本列島周辺では複数のプレートが接し、海洋プレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいる。この複雑な地質環境によって、地下の岩盤に大きな力が加わり続けている。

プレートの動きが地震を生み出す

地球の表面は、いくつもの巨大な岩盤であるプレートに覆われている。これらのプレートは少しずつ移動しており、境界付近では衝突や沈み込みが起きている。

日本列島周辺では、太平洋プレートやフィリピン海プレートなどの沈み込みによって、地下の岩盤にひずみが蓄積される。

蓄積されたひずみが限界に達すると、断層面に沿って岩盤が急激にずれる。このとき放出されるエネルギーが地震波となり、地表に揺れをもたらす。

内閣府の令和8年版防災白書でも、日本周辺に複数のプレートが存在することが、地震の多さにつながる構造的な理由として説明されている。

日本で発生する地震の主な種類

日本周辺の地震は、発生する場所やメカニズムによって大きく分類できる。

  • プレート間地震:沈み込む海洋プレートと陸側のプレートの境界で発生する地震。南海トラフ地震や東北地方太平洋沖地震などが代表例。
  • プレート内地震:沈み込んだプレートの内部などで発生する地震。
  • 陸域の浅い地震:陸側の地殻内部にある断層が動いて発生する地震。熊本地震のような内陸地震が該当する。
  • 火山活動に伴う地震:地下のマグマや火山ガスなどの移動に関連して発生する地震。

このように、日本で起こる地震はすべて同じ原因によるものではない。

熊本の内陸地震と、南海トラフ沿いで想定されているプレート境界地震では、発生する場所もメカニズムも異なる。

地震が多い地域と少ない地域の違い

日本国内でも、地震の発生しやすさは地域によって異なる。

太平洋側の海溝沿いではプレート境界の活動があり、内陸部には活断層が存在する。また、九州地方では布田川断層帯や日奈久断層帯など、地震活動を考えるうえで重要な断層帯が確認されている。

ただし、過去に地震が少なかった地域だからといって、将来も安全とは限らない。地震の発生可能性は、過去の記録、活断層の調査、地下構造、プレートの動きなどを組み合わせて評価される。

【南海トラフ地震との関連は?地震予知は2026年も可能なのか】

日本で地震が相次ぐと、どうしても気になるのが南海トラフ地震との関係だ。

「熊本で大きな地震が起きたから、南海トラフも近いのではないか」「日本各地で地震が続いているのは巨大地震の前兆なのではないか」と心配する人もいる。

しかし、個別の地震が発生したことだけを根拠に、別の地域で巨大地震が迫っていると判断することはできない。

南海トラフ地震の発生確率は?

地震調査研究推進本部による南海トラフ地震の長期評価では、想定される地震の規模はマグニチュード8~9クラスとされている。

2026年時点で公表されている30年以内の発生確率は、採用するモデルによって異なる。

  • すべり量依存BPTモデル:60~90%程度以上
  • BPTモデル:20~50%

これは異なる計算モデルに基づく評価であり、単純に一つの確率にまとめられるものではない。

地震調査研究推進本部は、防災対策を進める際には高い方の確率を念頭に置くよう説明している。

また、南海トラフでは1944年の昭和東南海地震、1946年の昭和南海地震など、過去に大規模な地震が発生している。地震の発生間隔にはばらつきがあり、次の地震が発生する具体的な時期を確定することはできない。

熊本地震は南海トラフ地震の前兆なのか

ここは特に誤解が広がりやすい部分だ。

2026年の熊本地震は、熊本県熊本地方を震源とする地殻内の横ずれ断層型地震である。一方、南海トラフ地震はフィリピン海プレートが陸側のプレートの下に沈み込む領域で想定されているプレート境界型の地震だ。

両者は地震の発生メカニズムや震源域が異なる。

熊本の地震活動が活発になったことを、そのまま南海トラフ地震が近づいている証拠とすることはできない。気象庁や地震調査研究推進本部の公表資料も、熊本の地震回数の増加を南海トラフ地震の直接的な前兆として扱ってはいない。

ただし、南海トラフ地震そのものは長期的に備えるべき重大なリスクであり、熊本の地震活動とは切り離して防災対策を進める必要がある。

地震予知は可能なのか?緊急地震速報との違い

現在の地震学では、大きな地震であっても、発生日時・場所・規模を事前に正確に予測することは困難とされている。

地震調査研究推進本部は、地震予知と長期評価を明確に区別している。

長期評価では、過去の地震活動や活断層の調査などをもとに、一定期間内に地震が発生する可能性を確率として示す。一方、特定の日に特定の場所で大地震が発生すると断定するものではない。

また、緊急地震速報も地震予知ではない。

気象庁の緊急地震速報は、地震が発生した後に地震計でP波を検知し、震源や規模を素早く推定して、強い揺れをもたらすS波が到達する前に知らせる仕組みだ。

震源に近い場所では速報が揺れに間に合わない場合もある。それでも、速報を受け取った瞬間に机の下に入る、頭を守る、危険な場所から離れるといった行動を取ることはできる。

【地震が多い国ランキング!日本は世界で何位なのか】

「地震が多すぎる」と感じる日本は、世界的に見ても地震活動が活発な国なのだろうか。

実は、地震が多い国の順位は、どのような条件で集計するかによって変わる。

アメリカ地質調査所(USGS)は、地震が多い国を考える際に、次の4つの視点を区別している。

  • 観測される地震の数:日本は世界でも特に多くの地震を観測する国。
  • 実際の地震の総数:国土の広さも考慮すると、インドネシアが多いとされる。
  • 面積あたりの地震数:トンガ、フィジー、インドネシアなどが候補となる。
  • 甚大な被害を伴う地震:中国、イラン、トルコなども歴史的に大きな被害を経験している。

特に注目したいのが、日本の観測能力だ。

USGSは、日本が世界で最も多くの地震を検知する国とされる理由の一つとして、世界でも特に密度の高い地震観測網を挙げている。

つまり、日本が地震を多く観測しているという事実と、日本で実際に発生する地震の総数が世界最多であるという主張は同じではない。

日本と世界の地震発生数を比較

気象庁が公表している統計では、世界で発生する地震の年間平均は、マグニチュード5.0~5.9が約1,524回、マグニチュード6.0~6.9が約136回とされている。

一方、日本およびその周辺では、2014~2023年の気象庁の震源データをもとにした年間平均で、マグニチュード5.0~5.9が134回、マグニチュード6.0~6.9が17回となっている。

気象庁は、マグニチュード5以上の地震について、日本およびその周辺では世界の約10分の1に相当する数が発生していると説明している。

ただし、世界と日本の統計では対象期間や集計範囲が完全に一致しているわけではないため、厳密な国別ランキングとして扱うことはできない。

それでも、日本が世界有数の地震活動地域に位置していることは間違いない。

【地震多すぎと不安になったら?今すぐ確認したい防災対策】

地震の発生数を正確に予測することは難しい。しかし、地震が起きたときの被害を減らすために、個人でできる対策は数多くある。

まず確認したい5つの備え

1. 家具や家電を固定する

地震による負傷を防ぐため、タンスや本棚、テレビなどの転倒・落下対策を行う。寝室や子ども部屋には、倒れたときに避難経路を塞ぐ家具を置かないことも大切だ。

2. 水と食料を備蓄する

内閣府の防災情報では、家庭で最低3日分、可能であれば1週間分程度の生活必需品を備蓄することが推奨されている。飲料水、非常食、携帯トイレ、常備薬などを準備しておきたい。

3. ハザードマップを確認する

自宅や職場周辺の地震・津波リスク、避難場所、避難経路を確認する。海沿いの地域では、津波警報が出た際にどこへ逃げるかを事前に決めておく。

4. 家族との連絡方法を決める

災害時は電話や通信回線がつながりにくくなる可能性がある。集合場所や安否確認方法、災害用伝言ダイヤル171などの利用方法を家族で共有しておく。

5. 緊急地震速報が鳴ったときの行動を知る

屋内では頭を守って丈夫な机の下などに避難し、屋外ではブロック塀や看板、窓ガラスなどから離れる。車の運転中は急ブレーキを避け、安全な場所に停止する。

地震情報を確認するときの判断基準

地震に関する情報は、SNSの投稿や個人の予測よりも、気象庁や地震調査研究推進本部などの公的機関が発表する情報を優先したい。

特に次の3点を意識すると、情報を冷静に判断しやすくなる。

  • 地震の発生回数だけでなく、震度やマグニチュードも確認する。
  • 本震後の余震や群発地震と、別の地域で発生した地震を区別する。
  • 発生日時を断定する地震予知情報や、根拠のない巨大地震の予告をうのみにしない。

地震の回数に一喜一憂するより、自宅や職場の危険を減らすことに時間を使う方が、実際の防災につながる。

【地震が多すぎると感じる人のよくある質問(FAQ)】

Q1:2025年は本当に日本の地震が増えたのですか?

A1:気象庁の統計では、震度1以上の地震は2024年の3,678回から2025年の4,456回に増加しました。ただし、震度5弱以上の地震は28回から15回、マグニチュード6以上は30回から22回に減少しています。すべての規模の地震が一律に増えたわけではありません。

Q2:2026年の熊本地震はいつまで続くのでしょうか?

A2:気象庁は2026年9月24日時点で、平常時より地震発生数の多い状態が当分続くとの見通しを示しています。10月30日午前9時までに震度1以上の地震は累計876回観測されました。活動がいつ完全に終息するかを正確に予測することはできません。

Q3:熊本で地震が多いと南海トラフ地震が近いということですか?

A3:熊本の地震活動は内陸の地殻内で発生したもので、南海トラフ地震はプレート境界で想定される地震です。熊本の地震回数が増えたことだけを根拠に、南海トラフ地震が迫っているとは判断できません。ただし、南海トラフ地震への長期的な備えは必要です。

Q4:日本地震学会によると、年間の地震回数はどれくらいですか?

A4:日本地震学会は、日本およびその周辺で震度1以上の有感地震が年間約2,000回発生すると説明しています。これは平年の目安であり、2011年のように大地震後の余震活動が活発になると、年間1万回を超える場合もあります。

Q5:地震を事前に予知する方法はありますか?

A5:現在の科学技術では、地震の発生日時・場所・規模を正確に予測することは困難です。長期的な発生確率の評価や、地震発生直後に強い揺れを知らせる緊急地震速報はありますが、特定の日に大地震が起きると確定的に予測するものではありません。

まとめ:地震は多いが、数字の見方と日頃の備えが大切

「地震多すぎ」という不安には、実際のデータに裏付けられた部分がある。

2025年の震度1以上の地震は4,456回で、前年より約21%増加した。2026年には最大震度7の令和8年熊本地震が発生し、10月30日までに関連する有感地震は876回に達している。

しかし、2025年は震度5弱以上やマグニチュード6以上の地震が前年より減少しており、地震がすべての規模で増加しているわけではない。観測網の拡充、余震活動、特定地域での群発的な地震活動などを分けて考える必要がある。

日本列島が複数のプレートに囲まれた地震多発地域にあるという地質学的な条件は、今後も変わらない。南海トラフ地震を含め、大きな地震への備えを継続する必要がある。

大切なのは、地震の発生回数だけを見て過度に恐れることでも、地震が少ない時期に安心しきることでもない。気象庁や地震調査研究推進本部の最新情報を確認し、家具の固定、備蓄、避難経路の確認など、今日からできる対策を積み重ねることだ。

地震がいつ起きるかは分からない。だからこそ、地震が多い今も少ない今も、備えの水準を変えないことが、自分と家族の命を守る最も現実的な方法となる。

主な参考資料:気象庁「令和7年(2025年)の日本の地震活動」「令和8年熊本地震ポータルサイト」「令和8年9月の地震活動及び火山活動について」、公益社団法人日本地震学会「有感地震の頻度」、地震調査研究推進本部「南海トラフで発生する地震」「地震予知は可能ですか?」、内閣府「令和8年版防災白書」、アメリカ地質調査所(USGS)「Which country has the most earthquakes?」。

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黒田 亮
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