ヒューリック株式会社は、東京23区を中心とする好立地の不動産賃貸事業を収益基盤とし、オフィスビルの開発・建替、ホテル・旅館運営、企業買収(M&A)などへ事業領域を広げている東証プライム上場企業だ。証券コードは3003。安定した賃貸収入を確保しながら、不動産の開発・売却による利益成長を追求する独自のビジネスモデルが特徴となっている。
2026年10月28日に発表された2026年12月期第3四半期決算では、1~9月の営業収益(一般的な意味での売上高)は5,747億2,500万円、経常利益は1,010億9,800万円となり、前年同期を上回った。加えて、通期経常利益予想を1,900億円へ上方修正し、年間配当予想も70円に引き上げている。2026年2月に公表した新中長期経営計画では、2036年に経常利益3,000億円を目指す方針も打ち出した。
【会社概要】ヒューリック株式会社とは?設立から現在までの企業像

ヒューリック株式会社は、1957年3月に設立された不動産会社である。本社は東京都中央区日本橋大伝馬町に置き、東京証券取引所プライム市場に上場している。
2026年時点の代表取締役社長は前田隆也氏。2025年12月末時点の資本金は1,116億900万円、単体従業員数は234名となっている。
一般的な総合不動産会社と比較すると、従業員数が少ない点も特徴的だ。大規模な人員を抱えて多様な事業を自社内で展開するというより、優良不動産を保有・運営し、開発や投資、グループ会社との連携によって収益を生み出す経営構造を採用している。
ヒューリックの基本情報| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | ヒューリック株式会社 |
| 英文名 | Hulic Co., Ltd. |
| 設立 | 1957年3月 |
| 代表者 | 代表取締役社長 前田隆也 |
| 本社所在地 | 東京都中央区日本橋大伝馬町 |
| 資本金 | 1,116億900万円(2025年12月末) |
| 従業員数 | 234名(単体・2025年12月末) |
| 上場市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
| 証券コード | 3003 |
| 決算期 | 12月31日 |
| 主な事業 | 不動産の所有・賃貸・売買・仲介 |
ヒューリックの事業は、不動産事業を中心に、保険事業、ホテル・旅館事業、その他事業で構成されている。
なかでも重要なのが、不動産を取得して賃料を得るだけではなく、開発・建替によって資産価値を高め、物件の売却によって投資資金を回収する循環型のビジネスモデルだ。
この仕組みにより、長期的な賃貸収入と不動産販売による収益機会を両立させている。
【2026年最新決算】第3四半期の売上高5,747億円・経常利益1,010億円の実力
2026年10月28日に発表された2026年12月期第3四半期決算は、ヒューリックの成長力を判断するうえで重要な材料となった。
対象期間は2026年1月1日から9月30日までの9か月間。営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益のすべてが前年同期を上回った。
2026年12月期第3四半期の主要業績| 項目 | 2026年1~9月実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 営業収益(売上高) | 5,747億2,500万円 | +35.4% |
| 営業利益 | 1,205億300万円 | +13.2% |
| 経常利益 | 1,010億9,800万円 | +10.4% |
| 四半期純利益 | 694億7,000万円 | +14.5% |
| 総資産 | 3兆7,880億4,900万円 | 前期末比増加 |
| 純資産 | 9,855億3,400万円 | 前期末比増加 |
注目すべきは、営業収益の伸び率が35.4%であるのに対し、経常利益の伸び率は10.4%となっている点だ。
これは、売上規模の拡大が、そのまま同じ割合の利益成長につながっているわけではないことを示している。
ヒューリックの決算資料によると、増収の背景には、竣工・取得物件による不動産賃貸収入の安定的な推移に加え、販売用不動産の売上増加がある。
つまり、既存物件からの賃料収入だけでなく、不動産の取得・開発・売却という投資活動も業績を押し上げている。
セグメント別に見る収益構造2026年9月末時点の事業構成を確認すると、不動産事業が圧倒的な利益の中心である。
| 事業領域 | 営業収益 | セグメント利益 | 主な収益源・関係 |
|---|---|---|---|
| 不動産事業 | 4,706.17億円 | 1,273.51億円 | オフィス賃貸、開発、建替、不動産売却 |
| ホテル・旅館事業 | 474.17億円 | 33.13億円 | THE GATE HOTEL、ふふ、ビューホテル |
| 保険事業 | 31.07億円 | 10.26億円 | 保険代理店業務 |
| その他事業 | 623.85億円 | 5.14億円 | 建築、教育、エネルギー、食品、シェアサロンなど |
※2026年1~9月累計。セグメント営業収益には内部取引を含むため、各事業の数値を単純合算して連結営業収益と一致するものではない。セグメント利益も全社費用などの調整前。
この表から分かるのは、ホテル事業や新規事業が成長している一方、現時点の利益構造は不動産事業への依存度が高いということだ。
特に不動産事業のセグメント利益は1,273億円を超えており、ホテル・旅館事業の約33億円と比べても規模の差は大きい。
一方、ホテル・旅館事業の営業収益は前年同期比14.1%増、セグメント利益は7.9%増となった。インバウンド需要による宿泊単価の上昇と、新規開業施設の売上が寄与している。
2026年通期業績予想も上方修正第3四半期決算と同時に、会社側は2026年12月期の通期業績予想を修正した。
| 項目 | 修正後の通期予想 |
|---|---|
| 営業収益 | 9,000億円 |
| 営業利益 | 2,170億円 |
| 経常利益 | 1,900億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,260億円 |
| 年間配当 | 70円 |
経常利益予想は従来の1,850億円から1,900億円へ引き上げられた。年間配当も従来の67円から70円へ増額修正されている。
ただし、第3四半期累計の経常利益進捗率は約53.2%。残る第4四半期での利益計上や不動産販売の進捗が、通期計画の達成を左右する。
売上高の伸びだけで判断するのではなく、利益率、物件売却のタイミング、金利負担を合わせて見る必要がある。
【ビジネスモデルと強み】不動産賃貸・開発・建替が生み出す収益の仕組み
ヒューリックの最大の競争優位性は、東京23区を中心とした利便性の高い不動産ポートフォリオにある。
不動産賃貸事業は、テナントから毎月賃料を受け取るストック型ビジネスだ。物件を保有し続けることで、景気や不動産売買市場の短期的な変動に左右されにくい収入基盤を構築できる。
1. 東京23区を中心とした好立地の賃貸物件ヒューリックの2025年12月末時点の賃貸ポートフォリオには、次のような特徴がある。
- 保有ビルの約9割が首都圏に集中
- 7割超の物件が最寄り駅から徒歩5分以内
- 東京23区内のオフィスビルなどの空室率は1%未満
これらは同社が公表する2025年末時点のデータであり、販売用不動産や住宅などの除外条件がある。
駅から近く、企業や商業施設の需要が見込める立地に資産を集中させることで、テナント誘致と安定的な賃貸収入を実現している。
特に銀座、新宿東口、渋谷・青山、浅草などを重点エリアとして位置付けている点は、同社の不動産戦略を理解するうえで重要だ。
2. 開発・建替によって物件の収益力を高めるヒューリックは、既存物件を取得して賃貸するだけの会社ではない。
古い建物を建て替えたり、新しい用途を取り込んだ建物を開発したりすることで、賃料収入の増加と資産価値の向上を狙っている。
2026年の第3四半期決算資料では、次の竣工実績が確認できる。
- クオーツ心斎橋:2026年3月竣工
- JIYUGAOKA MUSE SQUARE:2026年7月竣工
加えて、銀座8丁目、青山、銀座5丁目、銀座6丁目、新宿などで開発・建替計画が進行している。
こうした事業は、単純な不動産売買とは異なり、開発によって収益性を高めた資産を長期保有する選択肢も持てる。
3. 賃貸と売却を組み合わせる独自の利益構造ヒューリックのビジネスモデルを理解するには、ストック収益とフロー収益の違いを押さえておきたい。
ストック収益は、オフィスや商業施設などを保有することで得られる継続的な賃料収入。一方、フロー収益は不動産の売却や開発案件の成果によって発生する収益だ。
同社は両方を組み合わせることで、収益の安定性と成長性を両立させている。
また、開発・建替を通じて賃貸ポートフォリオを強化し、売却した物件から得た資金を次の投資に回すこともできる。
この循環を効率的に回せるかどうかが、今後の利益成長を左右する。
4. 安全性と資金調達も競争力の一部不動産会社は物件取得や開発に多額の資金を必要とするため、資金調達力も重要な競争要因となる。
ヒューリックは金融機関からの借入れや社債などを活用しながら、長期保有資産を運営している。
建物についても、建築基準法より厳しい独自の社内基準を設け、開発・建替物件に適用している。
好立地の取得能力だけでなく、安全性、建物の品質、資金調達の安定性を含めた総合的な不動産運営能力が強みだ。
【ホテル・観光事業】THE GATE HOTELや「ふふ」は次の成長エンジンになるか
ヒューリックが不動産賃貸以外で力を入れている分野の一つが、ホテル・旅館事業である。
観光需要やインバウンド需要を取り込み、自社ブランドホテルや高級旅館の開発・運営を進めている。
主力ブランドはTHE GATE HOTEL・ふふ・ビューホテルグループのホテル・旅館事業では、主に次のブランドを展開している。
- THE GATE HOTEL:都市型の宿泊主体ホテル
- ふふ:高級旅館ブランド
- ビューホテル:ホテル運営事業
THE GATE HOTELは、浅草、銀座、京都、横浜、福岡など、観光集客力の高いエリアを中心に展開している。
一方、「ふふ」は高級旅館として、宿泊そのものに加えて、食事や温泉、滞在体験などを含めた高付加価値サービスを提供する。
不動産開発会社がホテルを保有することには、建物の取得・開発から運営までを一体的に考えられるメリットがある。
土地や建物の価値だけでなく、宿泊単価や稼働率、ブランド力によって収益性を高められるためだ。
2026年第3四半期のホテル事業は増収増益2026年1~9月のホテル・旅館事業は、営業収益474億1,700万円、セグメント利益33億1,300万円だった。
前年同期比では営業収益が14.1%増、利益が7.9%増となっている。
会社の決算資料では、旺盛なインバウンド需要による宿泊単価の上昇と、新規開業施設の売上増加が業績に寄与したと説明されている。
ただし、売上の伸び率に対して利益の伸び率は低い。ホテル事業を評価する際には、施設数や売上高だけでなく、運営コストを差し引いた利益の成長も確認したい。
ホテル事業を拡大する意味ホテル事業には、オフィス賃貸とは異なる収益機会がある。
観光客の増加や海外旅行者の消費拡大によって宿泊単価を引き上げられる一方、景気後退や旅行需要の減少、運営人件費の上昇などの影響も受けやすい。
したがって、ホテル事業は賃貸事業の完全な代替ではなく、収益源を多様化するための成長分野と考えるのが適切だ。
ヒューリックが目指すのは、従来の不動産賃貸を土台にしながら、観光・宿泊などの高付加価値分野を取り込む経営構造である。
【中長期経営計画2026~2036年】経常利益3,000億円への成長戦略
2026年2月3日、ヒューリックは新しい中長期経営計画(2026~2036年)を公表した。
前計画である2020~2029年の経営計画では、2029年の経常利益1,800億円を目標としていた。しかし、2025年の経常利益が1,729億円に達し、目標の前倒し達成にめどが立ったことから、新たな成長段階へ移行する方針を打ち出した。
2029年・2036年に向けた利益目標新計画の重要な数値目標は次のとおりだ。
| 時点 | 経常利益目標 | 位置付け |
|---|---|---|
| 2025年実績 | 1,729億円 | 新計画の出発点 |
| 2026年計画策定時 | 1,850億円 | 当初の年度目標 |
| 2026年修正予想 | 1,900億円 | 10月28日修正後 |
| 2029年目標 | 2,200億円 | 中期的な成長目標 |
| 2036年目標 | 3,000億円 | 長期的な最終目標 |
2029年には経常利益2,200億円、2036年には3,000億円を目指す。
2025年実績の1,729億円と比べると、2036年の目標は約1.7倍に相当する。
この成長を支える柱は、大きく3つに整理できる。
1. 不動産事業の高度化と効率化不動産賃貸事業を成長の土台として維持しながら、開発・建替や物件取得を通じて収益性を高める。
特に、インフレ環境下では賃料上昇が期待できる物件や、流動性の高い不動産への投資が重要になる。
2. M&Aによる新しい成長事業の取り込み新計画で注目したいのが、M&Aを積極的に活用する方針だ。
不動産事業だけに依存するのではなく、成長余地のある分野に投資し、グループ全体の収益源を多様化する。
実際、グループには教育、ボーリング機器、高齢者施設向け食品、シェアサロン、再生可能エネルギーなどの事業が加わっている。
これは、従来の不動産会社という枠組みを超え、複数の事業を組み合わせる企業グループへの転換を意味する。
3. 財務規律と株主還元の強化事業拡大には資金が必要だが、投資規模を拡大するだけでは企業価値は高まらない。
新計画では財務規律の維持・向上も基本方針に掲げ、投資効率と株主還元のバランスを重視している。
株主還元では、2029年に向けて配当性向を段階的に45%まで引き上げる計画だ。
成長投資による利益増加と配当の増額を両立させられるかが、新計画の重要な評価ポイントとなる。
【株価・配当・株主優待】ヒューリック3003は投資対象として魅力的か
ヒューリックは、業績成長に加えて、連続増配や株主優待でも個人投資家から注目される銘柄だ。
ただし、配当利回りや優待内容だけで判断するのではなく、株価水準、財務状況、利益成長の持続性を確認することが大切である。
証券コード3003の株価ヒューリックの証券コードは3003。東証プライム市場の不動産業に分類され、売買単位は100株となっている。
2026年11月2日の終値は1,850円だった。
同日の株価情報では、年初来高値は2,094円(2026年2月26日)、年初来安値は1,620.5円(2026年6月2日)。
株価は決算発表、不動産市況、金利動向、配当予想などによって変動する。
第3四半期決算の発表後は、通期業績予想の上方修正と増配が評価材料となる一方、今後の利益成長が株価にどこまで織り込まれているかも重要になる。
2026年の配当金は年間70円予想2026年12月期の年間配当予想は、1株当たり70円に引き上げられた。
内訳は中間配当33.5円、期末配当予想36.5円。2025年12月期の年間配当62円から8円の増配となる計画だ。
2026年11月2日の終値1,850円を基準に単純計算すると、予想配当利回りは約3.78%となる。
ただし、これは税引き前の会社予想に基づく参考値であり、株価が変動すれば利回りも変わる。
ヒューリックは上場以来、継続的な増配を実施してきた。会社側も安定配当を基本方針としており、利益成長に応じて株主への還元を拡大する姿勢を示している。
株主優待は6,000円相当のカタログギフトなどヒューリックの株主優待は、グルメカタログギフトとホテルグループ施設利用券を組み合わせられる点が特徴だ。
2025年12月31日基準日・2026年お届け分から制度が変更され、現在の主な条件と内容は次のとおり。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 必要株数 | 300株以上 |
| 継続保有期間 | 2年以上 |
| 株主名簿の確認 | 同一株主番号で継続保有 |
| 優待金額 | 合計6,000円相当 |
| 商品1 | 3,000円相当のグルメカタログギフト |
| 商品2 | 3,000円分のホテルグループ施設利用券 |
| 実施回数 | 年1回 |
| 基準日 | 毎年12月31日 |
優待商品は、グルメカタログギフトとホテル施設利用券から好きな組み合わせで2点選択できる。
例えば、グルメカタログギフトを2点選ぶことも、ホテル利用券を2点選ぶことも可能だ。
対象となるホテルブランドにはTHE GATE HOTELやビューホテルが含まれる。
なお、300株を保有していても、2年以上の継続保有条件を満たさなければ対象にならない。同一株主番号による確認が必要であり、貸株サービスの利用や証券会社の変更などによって株主番号が変わる可能性にも注意したい。
ヒューリック株の投資メリットと注意点ヒューリック株の魅力は、安定した不動産賃貸収入、増配実績、株主優待、そして中長期的な成長戦略を組み合わせている点にある。
一方、注意したいのは金利上昇と不動産市況の変化だ。
2026年9月末時点の決算では、借入金残高は約1兆7,813億円。第3四半期累計の支払利息は229億7,200万円で、前年同期の153億3,000万円から増加している。
借入金を活用する不動産会社にとって、金利上昇は資金調達コストを押し上げる要因となる。
また、東京23区を中心とする不動産ポートフォリオは強みである一方、地域やオフィス市況への集中という側面も持つ。
投資判断では、次の項目を継続的に確認したい。
- 賃貸物件の空室率と賃料水準
- 不動産売却による利益と賃貸収入のバランス
- 借入金残高と支払利息の推移
- ホテル・旅館事業の利益成長
- M&Aで取得した事業の収益貢献
- 配当性向と利益成長のバランス
配当や優待を重視する長期投資家には検討材料が多い一方、短期的な株価上昇だけを狙う投資家には、不動産市況や金利の変動がリスクとなる。
【評判と将来性】ヒューリックの成長を左右する強みと3つのリスク
ヒューリックの企業評価を考える際には、単純な売上規模だけでなく、利益の質と事業ポートフォリオの変化を見る必要がある。
強み1:高い賃貸需要が見込める物件を保有東京23区の駅近物件を中心とする賃貸ポートフォリオは、同社の競争力の根幹だ。
2025年末時点で東京23区のオフィスビルなどの空室率が1%未満という実績は、物件の立地とテナント需要を評価する材料になる。
強み2:不動産以外の収益源を育成しているホテル・旅館事業に加え、教育、食品、エネルギーなどの事業を取り込んでいる。
不動産市況に業績が左右されやすい構造から、複数の事業が利益を生み出す構造へ変化できれば、グループ全体の収益安定性を高められる可能性がある。
ただし、2026年第3四半期の実績では、不動産事業が利益の中心であることに変わりはない。
リスク1:金利上昇による資金調達コストの増加不動産事業は借入金を活用する場面が多い。
金利が上昇すれば、物件取得や開発に必要な資金の調達コストが増え、利益を圧迫する可能性がある。
リスク2:建築費の高騰と開発計画の遅延建替や新規開発は、完成までに時間と資金を必要とする。
建築資材、人件費、工期などの条件が変われば、当初想定していた投資採算を確保できなくなる可能性もある。
リスク3:M&A後の事業統合と収益化M&Aは新しい成長分野を取り込める一方、買収価格やのれんの償却、事業統合などの課題を伴う。
実際、2026年第3四半期のその他事業では、リソー教育グループの株価に応じた追加のれん償却48億1,400万円を計上した。
会社の説明では、この特殊要因を除いた同セグメントの営業利益は53億2,800万円となる。
M&Aの件数や売上増加だけでなく、買収した企業がどれだけ利益とキャッシュフローを生み出しているかが重要だ。
ヒューリックの将来性を評価するうえでは、不動産事業の成長を維持しながら、新規事業をどこまで収益化できるかが最大の焦点となる。
【よくある質問】ヒューリック株式会社に関するFAQ
Q1:ヒューリック株式会社は何をしている会社ですか?
A1:東京23区を中心とするオフィスビルや商業施設などの不動産賃貸を主力とする会社です。開発・建替、不動産売買、ホテル・旅館運営、保険、教育、エネルギーなどにも事業を広げています。
Q2:ヒューリックの2026年第3四半期決算は好調ですか?
A2:2026年1~9月の営業収益は5,747億2,500万円で前年同期比35.4%増、経常利益は1,010億9,800万円で10.4%増でした。通期経常利益予想も1,900億円へ上方修正されています。一方、金利負担や利益進捗率には注意が必要です。
Q3:ヒューリックの2026年の配当金はいくらですか?
A3:2026年12月期の年間配当予想は1株当たり70円です。中間配当33.5円と期末配当予想36.5円の合計となります。
Q4:ヒューリックの株主優待を受けるには何株必要ですか?
A4:300株以上を同一株主番号で2年以上継続保有することが条件です。年1回、グルメカタログギフトやホテルグループ施設利用券などから選べる6,000円相当の優待が用意されています。
Q5:ヒューリックの2036年の経営目標は何ですか?
A5:2026年に公表した中長期経営計画では、2036年の連結経常利益3,000億円を目標に掲げています。不動産事業を基盤としながら、M&Aや新規事業の育成を通じて収益源の多様化を進める方針です。
Q6:ヒューリック株の将来性を判断する要点は何ですか?
A6:賃貸物件の空室率、賃料収入、不動産売却益、金利負担、ホテル事業の利益成長、M&Aの収益化、配当性向などが重要です。配当利回りだけでなく、利益成長と財務健全性を合わせて評価する必要があります。
まとめ:ヒューリック株式会社は不動産の安定収益と新規事業の成長が鍵
ヒューリック株式会社は、東京23区を中心とした好立地の不動産賃貸事業を基盤に、開発・建替、不動産売却、ホテル・旅館運営などを展開する企業だ。
2026年12月期第3四半期は営業収益5,747億円、経常利益1,010億円となり、通期経常利益予想も1,900億円へ上方修正された。年間配当予想70円への増額も、株主還元を重視する姿勢を示している。
加えて、2026~2036年の新中長期経営計画では、2029年に経常利益2,200億円、2036年に3,000億円という目標を掲げた。
今後の成長を左右するのは、既存の不動産賃貸事業の収益力を維持しながら、ホテルやM&Aによる新規事業をどこまで利益の柱に育てられるかという点だ。
【プロの結論】
ヒューリックを評価する際に最も重要なのは、単なる不動産保有会社としてではなく、賃貸・開発・売却・新規事業を循環させる投資型の不動産企業として捉えることだ。
長期保有を検討するなら、増配実績や株主優待だけでなく、賃貸収入の安定性、借入金と金利負担、開発案件の収益性、M&A後の利益貢献を確認したい。
2026年の好調な業績は成長戦略を進める追い風となっている。しかし、2036年の経常利益3,000億円という目標を実現するには、不動産事業の強さを維持しつつ、次世代の収益源を着実に育てる必要がある。
ヒューリックの本当の成長力は、保有する不動産の規模だけではなく、その資産をどれだけ効率的に利益と企業価値へ変えられるかによって決まる。
主な根拠資料: ヒューリック株式会社の会社概要、事業内容、2026年12月期第3四半期決算短信、中長期経営計画、株主優待・配当情報および2026年11月2日の市場株価情報。