母方の祖母とは、本人の母親の母親です。本人から見れば、母親を一世代上にたどり、さらにその母親をたどった位置にいる親族です。父親の母親を指す「父方の祖母」とは、親族関係をたどる経路が異なります。
例えば、自分の母親の名前が花子、その母親の名前が春子であれば、春子が本人にとって母方の祖母です。母親の父親は母方の祖父にあたります。
母方という言葉が示す意味「母方」は、母親を通じてつながる親族の系統を意味します。一方、「父方」は父親を通じてつながる親族の系統です。
そのため、母方の祖母という表現には、単に年上の女性という意味ではなく、母親の母親という明確な家族関係が含まれています。
親族関係を整理すると、次のようになります。
- 母方の祖母:母親の母親
- 母方の祖父:母親の父親
- 父方の祖母:父親の母親
- 父方の祖父:父親の父親
この区別は、親族への呼びかけだけでなく、家系図の作成や親族関係を説明する書類でも役立ちます。
【家系図で一目瞭然】母方の祖母と本人の位置関係

母方の祖母が誰なのかを理解するには、家系図で世代のつながりを見ると簡単です。
母方の祖母から本人までのつながり基本的な家系図は、次のような構造になります。
母方の祖母
↓(母親の母親)
母親
↓(母親の子ども)
本人(孫)
このように、母方の祖母から本人までは、母親を挟んで二世代のつながりがあります。
母方と父方を並べた家系図両方の祖母を比較すると、位置関係がさらに明確になります。
- 母方の系統:母方の祖母 → 母親 → 本人
- 父方の系統:父方の祖母 → 父親 → 本人
どちらの祖母も本人の直系尊属です。直系尊属とは、自分より上の世代にあたる父母や祖父母など、親子関係で直接つながる血族を指します。
ここで押さえておきたいのは、母方と父方という区別は、親族関係をたどる方向を示しているということです。どちらか一方が法律上、より近い親族になるわけではありません。
【比較表】母方の祖母と父方の祖母は何が違う?
母方の祖母と父方の祖母は、本人から見た位置関係が異なります。ただし、法律上の親等や基本的な続柄は同じです。
それぞれの違いを、親族関係と呼び方の観点から整理しました。
| 比較項目 | 母方の祖母 | 父方の祖母 |
|---|---|---|
| 誰の母親か | 母親の母親 | 父親の母親 |
| 本人との続柄 | 祖母 | 祖母 |
| 本人との親等 | 2親等 | 2親等 |
| 親族の系統 | 母方 | 父方 |
| 法律上の関係 | 直系血族 | 直系血族 |
| 一般的な呼び方 | おばあちゃん、母方のおばあちゃん | おばあちゃん、父方のおばあちゃん |
| 漢字による区別 | 外祖母 | 父方の祖母 |
基本的に、母方の祖母と父方の祖母に法律上の親等の差はありません。どちらも本人から見て2親等の直系血族です。
例えば、母方の祖母との関係が特別に近く、父方の祖母との関係が遠いというような、個人的な交流の違いがあっても、法律上の親等は変わりません。
親等は、実際に会った回数や一緒に暮らした期間ではなく、親子関係を何世代たどるかによって決まります。
【法律上の正解】母方の祖母は何親等?民法に基づいて解説
母方の祖母は、本人から見て2親等の直系血族です。この数え方は、民法第726条の親等の計算に基づいています。
母方の祖母が2親等になる理由民法第726条では、親等は親族間の世代数を数えて決めると定めています。
母方の祖母の場合、本人から母親までが1世代、母親から祖母までがさらに1世代です。
- 本人から母親まで:1親等
- 母親から母方の祖母まで:1世代
- 本人から母方の祖母まで:合計2親等
したがって、父方の祖母についても同じ計算となり、本人から見て2親等です。
ほかの親族と親等を比較すると?祖母との関係を理解するために、身近な親族の親等も確認しておきましょう。
- 父・母:1親等
- 祖父・祖母:2親等
- 曾祖父・曾祖母:3親等
- 高祖父・高祖母:4親等
- 子:1親等
- 孫:2親等
このように、本人より上の世代だけでなく、下の世代についても親子関係を一世代ずつ数える仕組みです。
祖母は民法上の親族に含まれる?民法第725条では、親族の範囲として6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族を定めています。
母方の祖母は2親等の血族にあたるため、当然ながら民法上の親族に含まれます。
また、民法第727条には養子縁組による親族関係についての規定があります。養子と養親、その血族との間にも、養子縁組の日から血族間と同じ親族関係が生じます。そのため、養子縁組がある場合には、実親族と養親族の関係を区別して確認することが大切です。
【呼び方・敬称】母方の祖母は何と呼ぶのが正しい?
母方の祖母の呼び方は、相手に直接話しかける場合と、第三者に家族関係を説明する場合で異なります。日常会話では親しみを込めた呼称、書類や改まった場面では続柄を示す表現を使うのが自然です。
日常会話で使う呼び方一般的には、次のような呼び方があります。
- おばあちゃん:親しみを込めた一般的な呼称
- おばあさん:やや丁寧な呼称
- おばあさま:敬意を込めた丁寧な呼称
- 母方のおばあちゃん:父方との区別が必要な場合の呼称
家庭によっては、名前に「ばあば」を付けたり、地域や家族に伝わる独自の呼称を使ったりすることもあります。どの呼び方が正しいかは、家庭内の習慣や本人の希望によって異なります。
祖母と外祖母の違い「外祖母」は「がいそぼ」と読み、母方の祖母を意味する漢字表現です。日本語の辞書にも掲載されている言葉で、親族関係を区別する際に使われます。
一方、「祖母」は父方・母方を区別しない一般的な続柄の名称です。
使い分けると、次のようになります。
- 祖母:父方・母方のどちらにも使える一般的な表現
- 母方の祖母:母親の母親であることを明確にする表現
- 外祖母:母方の祖母を表す漢語的な表現
日常生活では「母方の祖母」が最も意味の伝わりやすい表現です。「外祖母」は読み方が一般に広く知られているとは限らないため、通常の会話や書類では、必要に応じて「母方の祖母」と書くと誤解を避けられます。
自分の祖母を第三者に紹介するときの敬称自分の祖母について他人に説明するときは、「私の祖母」「母方の祖母」と表現するのが一般的です。
一方、祖母本人に呼びかけるなら「おばあさま」「おばあちゃん」などが自然です。
「祖母」は続柄を示す言葉であり、それ自体が特別な敬称というわけではありません。相手との関係や会話の場面に応じて使い分けましょう。
【書類で迷わない】母方の祖母の続柄の書き方と注意点
書類に母方の祖母との関係を書く場合、基本的な表記は「祖母」です。ただし、書類によって誰を基準に続柄を記載するかが異なるため、設問の意味を確認する必要があります。
本人から見た続柄なら「祖母」例えば、本人と母方の祖母との関係を尋ねられた場合は、「祖母」と記載するのが基本です。
父方・母方を区別する必要がある書類や説明文では、「母方の祖母」と記載すれば関係が明確になります。
記入例は次のとおりです。
- 本人との続柄:祖母
- 親族関係の詳細:母方の祖母
- 家系図の説明:母の母
特に注意したいのが住民票です。住民票の続柄は、原則として本人ではなく世帯主から見た関係を表します。
例えば、夫が世帯主で、妻の母親が同じ世帯に住んでいる場合、その女性は世帯主から見て「妻の母」にあたります。一方、妻が世帯主であれば「母」と表記されます。
葛飾区の公式案内でも、このように世帯主が誰であるかによって続柄の表記が変わることが説明されています。
つまり、本人から見れば母方の祖母であっても、住民票上の続柄は必ずしも「祖母」になるとは限りません。
戸籍と家系図では確認する情報が異なる戸籍には、戸籍法第13条に基づき、実父母の氏名や実父母との続柄などが記載されます。養子である場合には、養親の氏名や養親との続柄も記載事項に含まれます。
そのため、本人の戸籍に母方の祖母が直接「祖母」として記載されているとは限りません。母親の親子関係を確認しながら、世代をさかのぼって家系を整理することになります。
家系図を作る場合は、本人から母親、母親からその母親へと親子関係をつなげれば、母方の祖母の位置を正確に示せます。
書類の記入で迷った場合は、次の3点を確認すると間違いを減らせます。
- 誰を基準にした続柄なのか
- 父方・母方の区別が必要なのか
- 選択式の欄なのか、自由記入式なのか
【母方の祖母に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:母方の祖母とは誰のことですか?
A1:自分の母親の母親のことです。母親を通じてつながる祖母であり、父親の母親は父方の祖母と呼びます。
Q2:母方の祖母は何親等ですか?
A2:本人から見て2親等です。本人から母親までが1親等、母親から祖母までが1世代となるため、合計2親等です。
Q3:母方の祖母と父方の祖母は法律上違いますか?
A3:親族の系統は異なりますが、本人から見た続柄はいずれも祖母であり、法律上の親等も2親等で同じです。
Q4:母方の祖母を外祖母と呼んでも正しいですか?
A4:正しい表現です。「外祖母」は「がいそぼ」と読み、母方の祖母を意味します。ただし、日常会話では「母方の祖母」のほうが一般的で伝わりやすい表現です。
Q5:書類には母方の祖母と書くべきですか?
A5:本人から見た続柄を尋ねられた場合は、通常「祖母」と記載します。母方であることを区別する必要があれば「母方の祖母」と書きます。ただし、住民票など世帯主を基準にする書類では、記入方法が異なります。
Q6:母方の祖母から見た自分の続柄は何ですか?
A6:母方の祖母から見た自分は「孫」です。本人から見た祖母と、祖母から見た孫では呼び方が逆になりますが、法律上の親等はいずれも2親等です。
まとめ:母方の祖母の意味・続柄・親等を正しく理解する
母方の祖母とは、自分の母親の母親を指します。本人から見た続柄は「祖母」であり、民法上は2親等の直系血族にあたります。
父親の母親である父方の祖母とは、親族の系統が異なるものの、続柄や親等の基本的な扱いに違いはありません。
また、「外祖母」という表現も母方の祖母を指す言葉ですが、普段の会話や書類では「母方の祖母」と表現するほうが分かりやすいでしょう。
【プロの結論】
母方の祖母を正しく理解するための要点は、「誰の母親なのか」「誰を基準にした続柄なのか」「何世代離れているのか」の3つです。
家系図では母親の母親、本人との続柄では祖母、法律上の親等では2親等。この3つを整理しておけば、日常会話から親族関係の説明、各種書類の記入まで迷いにくくなります。
親族の呼び方は家庭によって違っても、親子関係をたどる基本的な仕組みは変わりません。母方と父方を区別する必要がある場面では、関係の出発点を確認することが、正確な理解への近道です。
主な根拠資料
- e-Gov法令検索「民法」第725条~第727条(親族の範囲・親等の計算・養子縁組)。
- e-Gov法令検索「戸籍法」第13条(戸籍の記載事項)。
- 葛飾区公式サイト「住民票の続柄とはなんですか」。
- 中野区公式サイト「住民票の続柄は、誰からみた続柄ですか」(2026年7月1日更新)。
- 日本語つかいさばき辞典「祖母のさまざまな呼称」。