2026年11月現在、元幕内力士の英乃海(ひでのうみ)は、2026年3月の大相撲春場所を最後に現役を引退し、14年間にわたる力士生活に幕を下ろした。本名は岩崎拓也。東京都江戸川区出身で、木瀬部屋に所属し、最高位は東前頭6枚目、通算成績は541勝539敗22休という実績を残した力士だ。
引退の直接的なきっかけは、2026年春場所での3勝4敗という成績だった。十両復帰を目指して幕下上位で戦ったものの、最後の一番で負け越しが決まり、再び関取に戻る道が遠のいた。その後、4月3日に引退会見を開き、第二の人生として不動産業への挑戦を表明。さらに10月3日には両国国技館で断髪式が行われ、弟の翔猿との最後の一番も実現した。現在の進路と引退までの経緯を、公式プロフィールと報道をもとに整理する。
【英乃海の現在】2026年11月は現役引退後の第二の人生へ

英乃海は2026年3月場所を最後に日本相撲協会の現役力士としての活動を終えた。
日本相撲協会の公式プロフィールにも「引退」と記載されており、引退場所は令和8年3月場所となっている。
現役時代の英乃海は、長年にわたって幕内と十両を経験した実力派だった。幕内での在位は13場所、十両では53場所。華々しい優勝回数を重ねた横綱や大関とは異なるものの、関取として長く土俵に立ち続けたキャリアには確かな価値がある。
4月3日の引退会見で不動産業への挑戦を発表引退後の進路が明らかになったのは、2026年4月3日に東京・両国国技館で開かれた引退会見だった。
日刊スポーツやスポニチの報道によると、英乃海は中学校時代の同級生が経営する東京都内の不動産会社に就職する予定を明かした。
担当する仕事は営業職になる見込みで、不動産業界で働きながら新しい知識を身につける考えを示していた。
特に注目されたのが、宅地建物取引士、いわゆる宅建資格への意欲だ。
本人は、10歳から相撲に取り組んできたため、一般社会については知らないことも多いと説明。それでも新しい仕事に対して前向きな姿勢を見せた。
2026年10月の報道で明らかになった現在の姿10月3日の断髪式に関する報道では、英乃海がさまざまな活動をしながら将来のことを模索していると伝えられた。
4月の会見で明かした不動産業への転身は、本人が公表した具体的な進路計画である。一方、宅建資格の取得完了や現在の正式な勤務状況については、その後の報道で確定的な情報は示されていない。
したがって、2026年11月現在の英乃海については、現役を引退し、社会人として新たなキャリアを歩み始めている段階と捉えるのが適切だ。
【引退理由を解説】2026年春場所の3勝4敗が決断の引き金に
英乃海が引退を決断した最大の理由は、春場所で負け越し、目標としていた十両復帰を果たせなかったことにある。
単純に一場所の成績が悪かったというだけではない。幕下上位という厳しい番付で、もう一度関取に戻るために勝負していた中での結果だった。
春場所は西幕下3枚目で3勝4敗2026年3月の春場所、英乃海は西幕下3枚目で土俵に上がった。
直前の2026年1月場所では東十両13枚目で5勝10敗となり、幕下への降格が決まっていた。
幕下から十両に戻るには、上位で好成績を残す必要がある。特に幕下上位は十両昇進を狙う力士が集まるため、実力のある力士同士が厳しい星の取り合いを繰り広げる。
英乃海は春場所で再十両を目指したが、結果は3勝4敗だった。
最後の七番相撲では、十両の藤天晴との一番に敗れ、負け越しが決定した。
スポーツ報知や日刊スポーツなどの報道では、この結果によって翌場所の十両復帰が難しくなったことが引退の背景として伝えられている。
引退を決めた本人の言葉2026年4月3日の会見で、英乃海は引退を決断した経緯を説明した。
「先場所で負け越してしまい、取組を終えてから師匠にすっきりした気持ちで『引退させてください』と報告しました」
また、現役生活については「悔いはなくホッとしています」と振り返った。
この発言から読み取れるのは、単に負けた悔しさから引退したのではなく、再十両を目指して臨んだ場所の結果を受け、自分の中で一区切りをつけたということだ。
十両復帰への挑戦は簡単ではなかった引退会見では、関取に戻る難しさについても語っている。
英乃海は、十両で勝つこと以上に幕下上位で勝つことの難しさを実感していた。
関取と呼ばれる十両以上の地位には、待遇面や生活面でも大きな違いがある。幕下に落ちた力士が再び十両に戻ることは、単なる番付の上昇ではなく、力士生活を続けるための重要な目標でもある。
英乃海は、その目標を掲げて春場所に臨んだ。
しかし3勝4敗という結果になり、引退を決断した。
2022年の違法賭博問題が引退理由だったのか英乃海について調べると、2022年の違法賭博問題に関する情報も見つかる。
この問題では、木瀬部屋所属だった英乃海と紫雷が違法賭博への関与を認め、日本相撲協会から処分を受けた。
2022年1月27日の協会理事会で決定された処分は、英乃海が1場所の出場停止と2か月間の報酬20%減額だった。
ただし、これは2022年の別件であり、2026年の引退について本人が会見で説明した直接的な理由とは区別する必要がある。
2026年の引退は、春場所の負け越しと再十両を逃したことを受けた本人の決断として説明されている。
【プロフィール・通算成績】英乃海の本名、最高位、14年間の経歴
英乃海の本名は岩崎拓也。1989年6月11日生まれで、東京都江戸川区出身だ。
埼玉栄高校から日本大学へ進み、その後、木瀬部屋に入門した。
現役時代の最高位は東前頭6枚目。得意技は右四つと寄りで、相手の懐に入り、組んでから前に出る相撲を持ち味としていた。
英乃海の基本プロフィール| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 四股名 | 英乃海 拓也 |
| 読み方 | ひでのうみ たくや |
| 本名 | 岩崎拓也 |
| 生年月日 | 1989年6月11日 |
| 出身地 | 東京都江戸川区 |
| 所属部屋 | 木瀬部屋 |
| 出身高校 | 埼玉栄高校 |
| 出身大学 | 日本大学 |
| 身長 | 186.0cm |
| 体重 | 154.7kg |
| 得意技 | 右四つ・寄り |
| 初土俵 | 2012年5月場所 |
| 新十両 | 2014年11月場所 |
| 新入幕 | 2015年7月場所 |
| 最高位 | 東前頭6枚目 |
| 引退場所 | 2026年3月場所 |
| 通算成績 | 541勝539敗22休(83場所) |
| 幕内成績 | 70勝108敗17休(13場所) |
| 主な優勝 | 十両優勝1回、序二段優勝1回、序ノ口優勝1回 |
出典:日本相撲協会公式プロフィール。
2012年の初土俵から2026年の引退まで英乃海の力士人生は、2012年5月場所の初土俵から始まった。
2014年11月場所には新十両に昇進。さらに2015年7月場所で新入幕を果たし、幕内力士としてのキャリアをスタートさせた。
その後は幕内と十両を行き来しながら、長年にわたって関取として活躍した。
特に十両では53場所を経験しており、安定して関取の地位を維持する難しさを考えると、長期間にわたる競技生活を送ったことが分かる。
2026年3月場所で現役を引退するまで、83場所に出場した。
通算541勝539敗22休という数字の意味英乃海の通算成績は541勝539敗22休。
勝ち星と負け星はほぼ拮抗しているが、これは単純に実力が五分だったという意味ではない。
相撲は番付によって対戦相手の力量が変わり、昇進すればするほど強い相手と戦う機会が増える競技だ。
英乃海は幕内で13場所を経験し、十両でも53場所を戦った。
特に十両で長く戦い続けたことは、関取としての実力を維持する力があったことを示している。
幕内優勝や三賞の受賞こそなかったが、序ノ口、序二段、十両でそれぞれ優勝経験を持つ。
公式プロフィールによれば、十両優勝は1回、序二段優勝は1回、序ノ口優勝は1回となっている。
【翔猿との兄弟関係】英乃海は兄、翔猿は弟!所属部屋は別々
英乃海を語るうえで欠かせない存在が、弟の翔猿(とびざる)だ。
翔猿も大相撲の幕内で活躍する力士であり、兄弟そろって関取になったことでも知られている。
2人は同じ東京都出身で、埼玉栄高校、日本大学という進学経歴も共通している。
兄の英乃海と弟の翔猿は別々の相撲部屋2人の関係で興味深いのは、同じ相撲界に進みながら所属部屋が異なることだ。
- 英乃海:木瀬部屋
- 翔猿:追手風部屋
報道によると、英乃海は弟の翔猿を木瀬部屋に誘っていたが、翔猿は追手風部屋への入門を選択した。
当初は兄として複雑な気持ちもあったようだが、その後は弟の活躍を応援する立場になった。
2026年4月の引退会見でも、英乃海は翔猿について、いつの間にか自分より強くなっていたと振り返っている。
また、周囲から「翔猿のお兄さんなんですよね」と声をかけられることをうれしく感じていたとも語った。
兄弟でありながら、互いに力士として競い合ってきた関係がうかがえる。
2026年10月3日の断髪式で実現した兄弟の最後の一番この日、特に注目されたのが弟の翔猿との最後の一番だった。
大相撲では、一定の親族関係にある力士同士は本場所で対戦しないという内規があるため、兄弟が公式戦で対戦する機会はなかった。
そのため、断髪式で実現した兄弟対決は大きな見どころとなった。
最後の一番では、英乃海が翔猿を寄り切りで下した。
現役幕内力士である弟に対して、兄が最後に白星を挙げるという印象的な場面になった。
英乃海は試合後、弟について「現役バリバリは強い」と笑顔で振り返った。
この日は横綱・豊昇龍や大関・琴桜らを含む約300人がはさみを入れ、最後は師匠の木瀬親方が止めばさみを入れた。
14年間の力士生活を締めくくるにふさわしい一日となった。
【英乃海の得意技と木瀬部屋での歩み】右四つ・寄りを武器にした実力派
英乃海の相撲を理解するうえで重要なのが、得意技の右四つと寄りだ。
日本相撲協会の公式プロフィールにも、得意技として「右四つ・寄り」と記載されている。
右四つとは、相手と組んだ際に自分の右手を相手の左まわし側に差す組み方を指す。
そこから相手の体勢を崩し、前に出て寄り切るのが英乃海の基本的な相撲だった。
得意技の特徴と決まり手日本相撲協会が公開する過去6場所の決まり手傾向では、押し出しが27%、寄り切りが23%、叩き込みが17%となっている。
この数字は過去6場所の取組に基づくもので、生涯すべての取組の割合ではない。
それでも、寄りを得意とする力士としての特徴を理解する参考になる。
右四つから相手を組み止め、前進して勝負を決める相撲は、英乃海の持ち味の一つだった。
木瀬部屋で積み重ねた14年間英乃海は2012年5月場所に初土俵を踏み、木瀬部屋で約14年間にわたって相撲に取り組んだ。
同部屋の同期には志摩ノ海がおり、引退会見では同期の存在が刺激になっていたことも明かしている。
同い年の力士として互いに競争し、番付を意識しながら切磋琢磨してきた。
英乃海は会見で、志摩ノ海に負けたくないという気持ちを持って取り組んでいたと振り返った。
相撲界では同じ部屋の力士同士が日々稽古を重ねる一方、同じ番付で競争することもある。
英乃海にとって木瀬部屋で過ごした年月は、技術だけでなく、力士としての精神面を磨く時間でもあった。
【プロの結論】英乃海の引退から見える力士人生と第二のキャリア
英乃海の引退を振り返る際、注目すべきなのは、最高位や優勝回数だけではない。
541勝539敗22休という記録、幕内13場所、十両53場所という経歴からは、長く関取として戦い続けた力士の姿が見えてくる。
横綱や大関への昇進だけが相撲人生の価値ではない。
十両と幕内を往復しながらも、長年にわたって関取の地位を維持したことも、十分に評価されるべき実績だ。
引退の決断で注目したい3つのポイント1. 目標を明確にしたうえでの引退だった
英乃海は春場所で再十両を目指した。しかし3勝4敗という結果を受け、現役生活に区切りをつけた。
本人が会見で語った経緯からは、目標を達成できなかったことを受け止め、自ら決断した姿勢が読み取れる。
2. 現役時代の経験を次の仕事につなげようとしている
不動産業への挑戦は、相撲とは異なる分野への転身だ。
10歳から相撲に取り組んできた人物が、営業職や宅建資格の勉強に挑戦することには大きな環境の変化がある。
長年培ってきた忍耐力や対人関係の経験を、新しい仕事にどう生かしていくのかが今後の注目点になる。
3. 断髪式で現役生活に正式な区切りをつけた
2026年10月3日の断髪式では、約300人がはさみを入れ、師匠の木瀬親方が最後の一鋏を入れた。
弟の翔猿との最後の一番も実現し、多くの関係者やファンに見送られた。
引退発表だけで終わるのではなく、断髪式という伝統的な儀式を通して14年間の力士生活を締めくくったことは、英乃海にとって大きな節目だった。
今後は不動産業を含め、どのような仕事や活動を選んでいくのかが注目される。
【英乃海に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:英乃海はなぜ2026年3月に引退したのですか?
A1:2026年春場所で西幕下3枚目から3勝4敗となり、目標としていた十両復帰を逃したことが直接の理由です。最後の一番で負け越しが決まり、本人が師匠に引退を申し出ました。
Q2:英乃海の本名は何ですか?
A2:本名は岩崎拓也です。1989年6月11日生まれ、東京都江戸川区出身で、木瀬部屋に所属していました。
Q3:英乃海の最高位と通算成績は?
A3:最高位は東前頭6枚目です。日本相撲協会の公式記録による通算成績は541勝539敗22休、83場所です。
Q4:英乃海と翔猿は本当の兄弟ですか?
A4:はい。英乃海が兄で、翔猿が弟です。英乃海は木瀬部屋、翔猿は追手風部屋に所属していました。
Q5:英乃海は引退後、不動産業に転職したのですか?
A5:2026年4月の引退会見で、都内の同級生が経営する不動産会社で営業職に挑戦する予定を明かしました。宅建資格の取得にも意欲を示しています。ただし、10月時点では将来の活動を模索しているとの報道もあり、資格取得や現在の勤務状況は公表されていません。
Q6:英乃海の断髪式はいつ行われましたか?
A6:2026年10月3日に東京・両国国技館で開催されました。横綱・豊昇龍や大関・琴桜らを含む約300人がはさみを入れ、最後は師匠の木瀬親方が止めばさみを入れました。
Q7:英乃海の得意技は何ですか?
A7:右四つと寄りです。相手と組んで前に出る力強い相撲を持ち味としていました。
まとめ:英乃海は14年間の土俵人生を終え、新たな道へ
英乃海は2026年3月の春場所を最後に現役を引退した。
引退の直接的なきっかけは、西幕下3枚目で臨んだ春場所の3勝4敗という結果だった。十両復帰を目指して戦ったものの、負け越しが決まり、本人が引退を決断した。
本名は岩崎拓也。埼玉栄高校、日本大学を経て木瀬部屋に入門し、最高位は東前頭6枚目。通算541勝539敗22休という成績を残した。
弟の翔猿との関係も注目され、2026年10月3日の断髪式では兄弟による最後の一番が実現。約300人が参加した儀式を通して、14年間の力士人生に正式な別れを告げた。
引退後は不動産業への挑戦を表明し、宅建資格の取得にも意欲を見せている。
長年相撲一筋で歩んできた英乃海にとって、2026年は人生の大きな転換点となった。土俵で積み重ねた経験を新しい社会でどう生かしていくのか。第二の人生にも引き続き注目したい。
主な参照資料
- 日本相撲協会「英乃海 拓也 力士プロフィール」
- 日刊スポーツ(2026年4月3日)引退会見・不動産業への転身報道
- スポニチ(2026年4月3日・4日)引退経緯と第二の人生に関する報道
- 神戸新聞(2026年10月3日)断髪式報道
- スポーツ報知、デイリースポーツ(2026年10月3日)断髪式・翔猿との最後の一番に関する報道
- スポニチ(2022年1月27日)違法賭博問題に関する処分報道