ブロッコリーを調理するとき、太い茎の部分を切り落として捨てていませんか。実は、ブロッコリーの茎にはビタミンCやβ-カロテン、カリウムなどの栄養素が含まれており、花蕾(からい)と呼ばれるつぼみの部分に負けない魅力があります。環境省も2024年6月に茎を使ったレシピを紹介し、捨てられがちな部位の有効活用を呼びかけています。
さらに2026年には、日本調理科学会の大会でブロッコリーの茎と花蕾のミネラル含有量を比較した研究が発表されました。茎のカリウム含有量に関する新たな知見も報告されています。この記事では、2026年11月時点の公的資料や研究成果をもとに、ブロッコリーの茎栄養、花蕾との違い、栄養を逃しにくい調理法、保存方法まで詳しく解説します。
【2026年最新】ブロッコリーの茎にはどんな栄養が含まれている?

ブロッコリーの茎は、単なる花蕾を支える部分ではありません。食材として十分に利用でき、複数の栄養素を摂取できる部位です。
特に注目したいのが、ビタミンC、β-カロテン、カリウム、食物繊維です。それぞれ働きが異なるため、茎を食べることには栄養面でのメリットがあります。
ビタミンC:皮膚や粘膜の健康維持をサポートビタミンCは、コラーゲンの生成に必要な水溶性ビタミンです。皮膚や粘膜の健康維持を助けるほか、抗酸化作用を持つ栄養素として知られています。
環境省の情報誌「エコジン」では、料理研究家で食品ロス削減アドバイザーの島本美由紀さんが、ブロッコリーの茎には花蕾と同じくらいビタミンCが含まれると紹介しています。
つまり、花蕾だけを食べて茎を捨てると、せっかく利用できるビタミンCの摂取機会を減らしてしまう可能性があります。
β-カロテン:体内でビタミンAに変換される成分β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるカロテノイドの一種です。皮膚や粘膜、視覚機能の維持に関係しています。
環境省の解説では、茎にも花蕾と同程度のβ-カロテンが含まれるとされています。緑色の野菜に含まれる成分を無駄なく摂取するという意味でも、茎を活用する価値は十分にあります。
カリウム:体内のナトリウムバランスを調整カリウムは、体内の水分バランスや正常な血圧の維持に関係するミネラルです。ナトリウムの排出を促す働きがあり、日々の食事で不足しないようにしたい栄養素の一つです。
2026年9月に公開された日本調理科学会大会の研究発表では、ブロッコリーの茎は花蕾よりもカリウム含有量が有意に多かったと報告されました。
これは、茎を食べるメリットを考えるうえで注目したい新しい研究成果です。
食物繊維:腸内環境を整える食生活に役立つブロッコリーには食物繊維も含まれています。食物繊維は便通を整え、腸内環境の維持を助ける栄養成分です。
茎はしっかりとした繊維質の食感が特徴で、細切りや薄切りにすると食べやすくなります。炒め物やスープに加えることで、普段の食事に野菜を取り入れやすくなります。
ただし、文部科学省の食品成分データベースに掲載されている代表的なブロッコリーの標準成分値は「花序(生)」のものです。茎だけの食物繊維量として、その数値をそのまま当てはめることはできません。
【花蕾と徹底比較】ブロッコリーの茎栄養はどちらが優れている?
ブロッコリーの栄養を考える際、花蕾と茎のどちらが優れているのか気になる人も多いでしょう。
実際には、部位によって特徴が異なります。花蕾には葉酸やビタミンKなどが含まれ、茎にもビタミンCやβ-カロテン、カリウムなどの栄養的な魅力があります。
文部科学省の食品成分データから見るブロッコリー文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に基づく食品成分データベースでは、ブロッコリーの花序・生、可食部100g当たりの代表値は次のようになっています。
- エネルギー:37kcal
- 食物繊維総量:5.1g
- カリウム:460mg
- β-カロテン:900μg
- ビタミンK:210μg
- 葉酸:220μg
- ビタミンC:140mg
これらは花蕾を中心とする花序の数値であり、茎だけの成分値ではありません。ただし、ブロッコリー全体の栄養的な特徴を理解するための参考になります。
花蕾と茎の特徴を比較| 比較項目 | 花蕾 | 茎 |
|---|---|---|
| ビタミンC | 豊富に含む | 花蕾と同程度と紹介されている |
| β-カロテン | 含まれる | 花蕾と同程度と紹介されている |
| カリウム | 含まれる | 2026年の研究で花蕾より多いとの結果 |
| 食物繊維 | 含まれる | 繊維質の食感が特徴 |
| 食感 | 柔らかく、ほろっとした食感 | シャキシャキとして歯応えがある |
| おすすめ料理 | サラダ、温野菜、付け合わせ | 炒め物、スープ、漬物、きんぴら |
この比較から分かるのは、花蕾だけが栄養価の高い部分というわけではないことです。
また、品種や栽培条件、収穫時期、個体差によって栄養成分は変動します。茎と花蕾のすべての栄養素について、常にどちらかが優れていると判断することはできません。
【2026年最新ニュース】茎の栄養に関する研究と指定野菜への追加
2026年は、ブロッコリーにとって注目すべき動きがあった年です。野菜としての流通上の位置づけが変わっただけでなく、茎の栄養特性を調べる研究も発表されています。
2026年4月からブロッコリーが指定野菜に追加農林水産省の作況調査によると、ブロッコリーは2026年4月から指定野菜に追加されました。
指定野菜とは、消費量が多く、国民生活にとって重要な野菜として位置づけられるものです。これまで指定野菜に準ずる野菜として整理されていたブロッコリーが、新たに指定対象となりました。
これはブロッコリーの消費や流通に関する動きであり、茎の栄養価が突然高くなったという意味ではありません。ただ、日常的に利用される野菜として、食材全体を無駄なく活用する意義は大きくなっています。
2026年9月、日本調理科学会で茎のミネラル研究を発表2026年9月1日から2日に同志社女子大学今出川キャンパスで開催された日本調理科学会の第37回大会では、「ブロッコリーの未利用部位の特性―冷凍によるミネラル含有量の変化―」という研究発表が行われました。
発表者には、金城学院大学と東海コープ事業連合の研究者が名を連ねています。
研究では、花蕾と茎を分け、それぞれ生の状態と電子レンジ600Wで2分間ブランチングした状態を用意し、カリウムとカルシウムの含有量を調べました。
発表された主な結果は次のとおりです。
- カリウム含有量は花蕾より茎のほうが有意に多かった。
- 生とブランチングの試料について、冷凍前後でカリウムとカルシウムの含有量に差は認められなかった。
- 冷凍時にはドリップへのミネラル流出の可能性がある。
- 今後は冷凍条件やドリップ中のミネラル量などを調べる必要がある。
この研究は、茎の栄養価を考えるうえで興味深い結果です。ただし、大会発表の要旨であり、すべての栄養素や品種に共通する結果として扱うことはできません。具体的な含有量の数値も、この発表要旨には示されていません。
2026年の最新動向を時系列で整理- 2024年6月:環境省の情報誌「エコジン」が、茎を使った食品ロス削減レシピを紹介。
- 2026年4月:ブロッコリーが指定野菜に追加。
- 2026年9月1日~2日:日本調理科学会大会で茎と花蕾のミネラル特性に関する研究発表。
- 2026年11月:茎のカリウムに関する研究成果が、栄養面での新たな注目材料となっている。
これらの動きを見ると、ブロッコリーは花蕾だけでなく、茎も含めた食品全体の活用が重要なテーマになっています。
【実践編】ブロッコリーの茎の栄養を逃しにくい食べ方
茎の栄養を効率よく摂取するには、調理方法にも気を配りたいところです。特にビタミンCは水に溶けやすく、加熱によって減少しやすい性質があります。
電子レンジで加熱する手軽さと栄養面のバランスを考えるなら、電子レンジ調理がおすすめです。
東京都保健医療局の食品安全FAQによると、ビタミンCは水溶性で、ゆでると水に溶け出します。また、加熱時間が短いほど食品中に残りやすいため、通常は水を使わず短時間で調理できる電子レンジが適しています。
茎を食べやすい大きさに切り、少量の水分を加えて耐熱容器に入れ、ラップをかけて加熱します。加熱時間は切り方や量、電子レンジの出力によって調整してください。
蒸し調理で食感と栄養を両立蒸し調理もおすすめです。茎の水分を保ちながら火を通せるため、硬さを調整しやすく、素材本来の甘みも楽しめます。
特に太い茎は、薄めの輪切りや短冊切りにすると火が通りやすくなります。花蕾と一緒に調理する場合は、火の通りにくい茎を先に加熱し、花蕾を後から加えると仕上がりをそろえやすくなります。
スープや味噌汁に入れる茎をスープや味噌汁に入れる方法も合理的です。
ビタミンCなどの水溶性成分は、ゆで汁や煮汁に移ることがあります。汁ごと食べる料理なら、調理中に溶け出した成分も一緒に摂取できます。
細かく刻んで味噌汁に入れたり、コンソメスープの具材にしたりすると、普段の献立にも取り入れやすくなります。
油を使った炒め物にするβ-カロテンは脂溶性の性質を持つため、油を使った調理とも相性があります。
ごま油で炒めて塩やしょうゆで味付けするだけでも、茎の甘みとシャキシャキした食感を楽しめます。にんじんやきのこ、豚肉などと組み合わせれば、栄養バランスのよい一品になります。
【下処理・保存方法】硬い皮はどこまでむく?冷凍保存はできる?
茎を食べるときに迷いやすいのが、外側の皮をどこまで取り除けばよいのかという点です。
実際には、茎の外側には硬く筋張った部分がありますが、内側はみずみずしく柔らかい食感です。必要以上に厚くむくと食べられる部分まで捨ててしまうため、下処理の方法を覚えておくと便利です。
皮のむき方は黄緑色と白い部分の境目が目安環境省の「エコジン」で料理研究家の島本美由紀さんが紹介している方法は、まず茎を縦半分に切り、黄緑色の部分と白い部分の境目を確認することです。
その境目に沿って外側の硬い皮を取り除けば、食べやすい内側の部分を残せます。
太い茎の場合は、包丁やピーラーを使っても構いません。筋が気になる部分だけを取り除くのがポイントです。
冷凍保存で使い切りやすくする茎を一度に食べ切れない場合は、冷凍保存も選択肢になります。
- 茎の硬い皮をむく。
- 薄切りや短冊切りなど、使いやすい大きさに切る。
- 水分をよく拭き取る。
- 冷凍用保存袋に平らに入れる。
- 空気をできるだけ抜いて冷凍する。
冷凍した茎は、炒め物やスープなどに凍ったまま加えると便利です。解凍時に出た水分も料理に利用できる場合は、捨てずに活用するとよいでしょう。
2026年の日本調理科学会の研究発表でも、冷凍前後のカリウムとカルシウムの含有量に大きな差が認められなかったことが報告されています。ただし、冷凍中の水分流出によってミネラルが失われる可能性は残されています。
鮮度を保つための注意点茎を選ぶときは、切り口がみずみずしく、乾燥していないものがおすすめです。内部に空洞ができている場合でも、異臭や腐敗がなければ食べられることがありますが、傷みやカビがあるものは避けてください。
ブロッコリー全体の保存については、環境省が根元を約1cm切り落とし、水を入れた瓶に立てて、ポリ袋をふんわりとかけて冷蔵する方法を紹介しています。水は3~4日に一度交換する方法です。
なお、保存期間は温度や鮮度によって変わるため、状態を確認しながら早めに食べ切ることが大切です。
【ネットの反応・噂の真相】茎は食べられない?栄養が少ない?
ブロッコリーの茎をめぐっては、「硬くておいしくない」「食べる部分ではない」「栄養が少ない」といったイメージを持つ人もいます。
しかし、こうした見方は必ずしも正確ではありません。環境省が2024年に紹介した食品ロス削減企画でも、茎を捨てがちな食材として取り上げ、実際にドライカレーの材料として活用しています。
噂1:ブロッコリーの茎には栄養がない?これは誤解です。
茎にはビタミンCやβ-カロテンが含まれ、2026年の研究ではカリウムが花蕾より多いという結果も発表されました。
花蕾とは異なる栄養的な特徴があるため、両方を食べることでブロッコリーをより有効に活用できます。
噂2:茎は硬いから食べられない?硬いのは主に外側の皮です。
外皮を適切に取り除けば、内側はみずみずしく、炒め物やスープ、漬物などに利用できます。
環境省の紹介では、薄く切った茎を漬物にする方法や、5mm角に切ってドライカレーに加える方法も紹介されています。
噂3:茎を生で食べるのは危険?新鮮な茎は、硬い皮を取り除いて薄切りにすれば、生食用の料理にも利用できます。環境省の情報誌でも、茎を漬物などで生のまま食べる方法が紹介されています。
ただし、調理前には流水でよく洗い、傷みや異臭がないことを確認してください。胃腸の負担が気になる人や硬い食感が苦手な人は、加熱して食べるとよいでしょう。
ネットの反応で注目されるのは食品ロスと調理の工夫茎をめぐる話題の中心は、栄養があるかどうかだけではありません。「皮をどこまでむくのか」「どうすればおいしく食べられるのか」「捨てずに使い切るにはどうするのか」といった日常的な疑問も大きなポイントです。
環境省や農林水産省も、野菜の未利用部位を使ったレシピを紹介しています。ブロッコリーの茎を食べることは、栄養面だけでなく、家庭から出る食品ロスを減らす取り組みにもつながります。
茎を食べること自体を問題視する大きなニュースや炎上情報と、単なる調理上の疑問は区別して考える必要があります。実際、公的機関が紹介しているのは、茎を安全に下処理して、おいしく食べ切るための具体的な方法です。
【プロの結論】ブロッコリーの茎は捨てずに食べるべき?栄養面から考える活用法
ブロッコリーの茎を食べるかどうか迷っているなら、基本的には食べることをおすすめします。
理由は、茎にも栄養素が含まれていることに加え、花蕾とは異なる食感や料理への使いやすさがあるためです。
茎を積極的に食べたい人- 野菜を無駄なく使い切りたい人
- 食物繊維やミネラルを含む食材を日々の献立に取り入れたい人
- 料理の食感に変化をつけたい人
- 食費や食品ロスを意識している人
- スープや炒め物など、野菜を多く使う料理を作る人
一方、硬い食感が苦手な人や、胃腸の状態によって生野菜を控えている人は、無理に生で食べる必要はありません。皮を厚めに取り除き、細かく刻んで十分に加熱すれば、食べやすくなります。
また、腎臓病などでカリウムの摂取制限を受けている人は、茎にカリウムが多いという研究結果だけを見て積極的に食べるのではなく、医師や管理栄養士の指示に従うことが大切です。
おすすめは茎を含めたブロッコリー全体の活用栄養バランスを考えるなら、花蕾と茎の両方を食べるのが合理的です。
花蕾は温野菜やサラダにし、茎は炒め物やスープ、きんぴらにするなど、部位によって調理法を変えると飽きずに食べられます。
また、ビタミンCを意識するなら電子レンジや蒸し調理、β-カロテンを意識するなら油を使った炒め物など、目的に合わせて調理方法を使い分けることもポイントです。
ブロッコリーの茎栄養に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ブロッコリーの茎と花蕾はどちらが栄養豊富ですか?
A1:栄養素によって異なります。茎にもビタミンCやβ-カロテンが含まれ、2026年の日本調理科学会の研究ではカリウムが花蕾より多いという結果が報告されています。一方、花蕾にも葉酸やビタミンKなどが含まれます。両方を食べるのがおすすめです。
Q2:ブロッコリーの茎は毎日食べても大丈夫ですか?
A2:一般的には、通常の食事の範囲で毎日の献立に取り入れて問題ありません。ただし、特定の栄養素の摂取制限がある人は、医師や管理栄養士に相談してください。
Q3:ブロッコリーの茎の栄養を残すおすすめの調理法は?
A3:電子レンジや蒸し調理がおすすめです。ビタミンCは水に溶けやすいため、長時間ゆでるよりも、短時間で加熱する方法が適しています。スープにして汁ごと食べる方法もあります。
Q4:ブロッコリーの茎は皮まで食べられますか?
A4:外側の硬く筋張った皮は取り除くのがおすすめです。内側の柔らかい部分は食べられます。茎を縦半分に切り、硬い部分と柔らかい部分の境目を目安に皮をむくと、食べられる部分を残しやすくなります。
Q5:ブロッコリーの茎は冷凍すると栄養がなくなりますか?
A5:冷凍しただけで栄養がすべてなくなるわけではありません。2026年の研究発表では、冷凍前後でカリウムとカルシウムの含有量に差が認められなかったと報告されています。ただし、解凍時のドリップにミネラルが流出する可能性があります。
Q6:ブロッコリーの茎を生で食べることはできますか?
A6:新鮮な茎であれば、硬い皮をむいて薄切りにし、よく洗ってサラダや漬物などに利用できます。硬さが気になる場合は加熱調理がおすすめです。
まとめ:ブロッコリーの茎は栄養豊富な食べられる部分!2026年は活用にも注目
ブロッコリーの茎には、ビタミンCやβ-カロテンなどの栄養素が含まれています。さらに2026年9月の日本調理科学会大会では、茎のカリウム含有量が花蕾より多いという研究結果も発表されました。
2026年4月からブロッコリーが指定野菜に追加されたことも、食材としての重要性を考えるうえで注目したい動きです。
茎を食べるときは、外側の硬い皮を取り除き、電子レンジや蒸し調理、炒め物、スープなどに活用するのがおすすめです。冷凍保存も取り入れれば、使い切りやすくなります。
「茎は硬いから捨てる」「花蕾だけ食べれば十分」という考え方を少し変えるだけで、ブロッコリーをより無駄なく楽しめます。
栄養を考えるうえで大切なのは、特定の部位だけに注目することではなく、食材全体の特徴を理解し、日々の食事にバランスよく取り入れることです。これからブロッコリーを調理するときは、ぜひ茎までおいしく活用してみてください。
主な根拠資料
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」および食品成分データベース。
- 環境省「エコジン」2024年6月5日掲載「捨ててしまいがちなブロッコリーの茎」。
- 農林水産省「作況調査(野菜)の概要」「おいしく食べきる!食品ロス削減レシピ」。
- 日本調理科学会「ブロッコリーの未利用部位の特性―冷凍によるミネラル含有量の変化―」2026年度大会発表要旨。
- 東京都保健医療局「電子レンジで加熱調理すると、ビタミンなどの栄養素を破壊する?」。