2026年度の女子日本代表を率いるのは、トルコ出身のフェルハト・アクバシュ監督だ。2025年に新監督として就任が発表され、2026年は本格的にチームを率いるシーズンとなった。
アクバシュ監督は、女子トルコ代表や女子クロアチア代表の指導経験を持つ。クラブ指導者としてもルーマニア、ポーランド、トルコなどで実績を積み、2022年のCEVカップ、2023年のクラブ世界選手権を制している。
加えて、2017~2018年には女子日本代表のコーチを務めており、日本バレーの特徴を理解している点も注目される。
37人の登録メンバーをポジション別に整理JVAが2026年4月15日に発表した登録選手は次の37人。初選出14人を含む編成で、ベテランから高校・大学世代まで幅広い選手が選ばれた。
アウトサイドヒッター(14人)
和田由紀子、石川真佑、佐藤淑乃、鴫原ひなた、川添美優、宮部愛芽世、廣田あい、北窓絢音、大森咲愛、大友美空、佐藤彩夏、志摩美古都、忠願寺莉桜、大雲舞子。
ミドルブロッカー(10人)
荒木彩花、島村春世、山田二千華、山口真季、宮部藍梨、本田凜、井上未唯奈、馬場柚希、甲萌香、山下裕子。
セッター(8人)
関菜々巳、栄絵里香、中川つかさ、塩出仁美、花岡千聡、松井珠己、二宮みずき、小林天音。
リベロ(5人)
小島満菜美、岩澤実育、福留慧、西崎愛菜、西村弥菜美。
合計37人という構成だ。
37人全員が大会に出場するわけではないここで押さえておきたいのが、登録メンバーと実際の大会出場メンバーの違いだ。
37人は年間を通じた強化・選考の母集団であり、すべての選手がVNLやアジア選手権、アジア大会に出場するわけではない。
大会ごとにメンバーが選抜されるため、登録されていることと、試合に出場することは別の意味を持つ。
この方式には、選手層を広げながら、コンディションや大会の特性に応じて最適なメンバーを編成できる利点がある。
特に2026年は初選出が14人。将来を見据えた世代交代と、国際大会で結果を求める即戦力の確保を同時に進めるシーズンとなった。
【主将・注目選手】石川真佑、佐藤淑乃、和田由紀子の役割

2026年の女子日本代表を理解するうえで、中心となる選手が石川真佑、佐藤淑乃、和田由紀子の3人だ。
それぞれ異なる特徴を持ち、攻撃の組み立てや得点力という面でチームを支えている。
石川真佑:主将としてチームをまとめる中心選手
アウトサイドヒッター・背番号4
- 生年月日:2000年5月14日
- 身長:174cm
- 所属:エジザジュバシュ(トルコ)
石川真佑は2026年の日本代表で主将を務める中心選手だ。
アウトサイドヒッターとして攻撃に参加するだけでなく、サーブレシーブや守備面でもチームに貢献する。
VNL2026の日本代表メンバー表でも、背番号4の石川には主将を示す「C」が付されている。
国際大会での経験を持つ石川が、若手の多い37人の代表候補をどのようにまとめていくかは、チーム全体の成熟度を測るポイントとなる。
佐藤淑乃:攻撃力を担う注目のアウトサイドヒッターアウトサイドヒッター
- 生年月日:2001年11月12日
- 身長:178cm
- 所属:ヴェロ・バレー・ミラノ(イタリア)
佐藤淑乃は、石川とともに攻撃を担う注目選手だ。
2026年度の代表登録メンバーに名を連ね、VNLやアジア大会でも代表の戦力として起用された。
海外クラブでの経験を重ねることは、異なるプレースタイルや相手のブロックに対応するうえでも意味がある。
特にロサンゼルス五輪を見据えたチームづくりでは、石川に続く攻撃の選択肢を確保することが欠かせない。佐藤がどこまで得点源として存在感を高めるかに注目したい。
和田由紀子:2026年アジア選手権で個人賞を獲得
アウトサイドヒッター・2026年登録
- 生年月日:2002年1月8日
- 所属:UYBAバレー・ブスト・アルシーツィオ(イタリア)
和田由紀子は2026年の日本代表で見逃せない存在だ。
特に第23回アジア女子選手権では、3位決定戦のイラン戦でチーム最多の19得点を記録。大会の個人賞ではベストオポジットに選ばれた。
チームがメダルを獲得する重要な試合で結果を残したことは、和田の攻撃面での存在感を示す実績だ。
アクバシュ体制の日本代表が世界の強豪と戦うためには、複数の選手が得点を取れる攻撃陣の構築が必要になる。和田はその重要な選択肢となっている。
2026年女子日本代表の人物・役割相関表主要人物とチーム内での関係を整理すると、次のようになる。
この関係から見えてくるのは、石川を中心とした経験の蓄積と、佐藤・和田らによる攻撃の多様化、そして新戦力の競争を組み合わせたチーム構造だ。
【2026年の戦績】VNL7位・アジア選手権3位・アジア大会銀メダル
2026年の日本女子代表は、主要3大会でそれぞれ異なる結果を残した。
単純にメダルの数だけを見るのではなく、世界大会とアジア大会での成績を分けて評価する必要がある。
バレーボールネーションズリーグ2026は最終7位VNL2026は、6月から7月にかけて開催された女子日本代表の重要な国際大会だった。
日本は予選ラウンドを戦い抜き、ファイナルラウンドに進出。7月22日の準々決勝ではブラジルと対戦した。
試合結果は次のとおり。
- 第1セット:日本26-24ブラジル
- 第2セット:日本22-25ブラジル
- 第3セット:日本16-25ブラジル
- 第4セット:日本20-25ブラジル
セットカウント1-3で敗戦となり、準決勝進出を逃した。
最終順位は以下のとおりだった。
1. トルコ
2. ブラジル
3. イタリア
4. 中国
5. アメリカ
6. カナダ
7. 日本
8. オランダ
日本は最終7位。世界のトップクラスと戦える力を見せた一方、準々決勝で勝ち切ることができなかった。
第1セットを先取しながら、その後3セットを連続で落とした展開は、試合の流れを維持する難しさを示している。
第23回アジア女子選手権は3位2026年8月21日から30日まで、中国・天津で開催された第23回アジア女子選手権。
日本は準々決勝でチャイニーズタイペイを3-0で下し、準決勝に進出した。
しかし、8月29日の準決勝ではタイに1-3で敗れ、決勝進出を逃す。
翌30日の3位決定戦ではイランを3-0で破り、銅メダルを獲得した。
日本の主な試合結果
準々決勝・8月27日
日本 3-0 チャイニーズタイペイ
準決勝・8月29日
日本 1-3 タイ
3位決定戦・8月30日
日本 3-0 イラン
大会はタイが中国との決勝を3-2で制して優勝。日本は3位に終わった。
また、和田由紀子がベストオポジットに選出されたことも、この大会における日本の収穫だった。
重要なのは、日本が単にアジア3位になったというだけではない点だ。タイとの直接対決で敗れたことは、アジアの勢力図を考えるうえでも見逃せない結果となった。
第20回アジア競技大会は銀メダル9月16日から22日にかけて愛知・名古屋で開催された第20回アジア競技大会。
開催国として臨んだ日本は、地元の声援を受けながら決勝まで勝ち進んだ。
特に準決勝の韓国戦では、3-0のストレート勝ちを収めた。
しかし、9月22日の決勝では中国に0-3で敗れた。
| セット | 日本 | 中国 |
|---|---|---|
| 第1セット | 19 | 25 |
| 第2セット | 20 | 25 |
| 第3セット | 23 | 25 |
| 最終結果 | 0 | 3 |
最終順位は中国が金メダル、日本が銀メダル、タイが銅メダルだった。
日本は決勝までの戦いで韓国などを破り、開催国としての期待に応える結果を残した。ただし、最後の中国戦ではストレート負けとなり、金メダルには届かなかった。
2026年の3大会を比較すると何が見える?| 大会 | 日本の結果 | 評価のポイント |
|---|---|---|
| VNL2026 | 7位 | 世界の強豪との競争力 |
| 第23回アジア選手権 | 3位 | タイとの力関係 |
| 第20回アジア競技大会 | 銀メダル | アジア上位国との接戦 |
3大会を通して浮かび上がるのは、アジア上位の実力を維持しながら、世界の優勝争いに食い込むための上積みが必要だという点だ。
特にタイ、中国、ブラジルといった相手に対し、重要な局面で勝利を引き寄せる力が今後の評価基準になる。
【2026年女子日本代表の試合日程】主要大会を時系列で総まとめ
2026年度の女子日本代表は、春の強化合宿から始まり、VNL、アジア選手権、アジア競技大会へと続く年間スケジュールをこなした。
JVAが公表した年間スケジュールを整理すると次のとおりだ。
| 日程 | 大会・活動 | 開催地 |
|---|---|---|
| 4月27日~5月28日 | 国内合宿 | 東京 |
| 5月18日 | 紅白試合 | 東京 |
| 5月21日 | 紅白試合 | 千葉 |
| 6月3日~7日 | VNL第1週 | カナダ |
| 6月17日~21日 | VNL第2週 | フィリピン |
| 7月8日~12日 | VNL第3週 | 大阪 |
| 7月22日~26日 | VNLファイナル | マカオ |
| 8月21日~30日 | 第23回アジア女子選手権 | 中国・天津 |
| 9月16日~22日 | 第20回アジア競技大会 | 愛知・名古屋 |
※2026年11月3日時点。日程はJVA公表の2026年度スケジュールに基づく。
国内の紅白試合から国際大会へ5月には東京と千葉で代表の紅白試合が行われた。
その後、6月からVNLに参戦し、カナダ、フィリピン、大阪と複数の開催地で試合を経験。
7月のファイナルラウンドを終えると、8月のアジア選手権、9月のアジア競技大会へと続いた。
このスケジュールは、年間を通じて国際経験を積むだけでなく、選手の状態を見極めながらチームの完成度を高める構成だった。
なお、2026年の試合日程を確認するときは、女子日本代表のA代表と、U18・U17などの年代別代表を区別することも大切だ。
同じ「女子日本代表」という表記でも、出場選手や大会のカテゴリーは異なる。
【ロサンゼルス五輪への出場権】日本代表に残された3つの道
2026年の女子日本代表にとって、最大の長期目標は2028年ロサンゼルス五輪だ。
ただし、2026年のアジア選手権で3位になった日本は、アジア枠による直接出場権を獲得していない。
ここは誤解されやすい部分である。
アジア選手権優勝の五輪枠はタイが獲得JVAが公表したLA28の出場国決定プロセスでは、2026年の大陸選手権における最上位チームに、各大陸1枠の出場権が与えられる。
2026年の女子アジア選手権ではタイが優勝した。
つまり、アジア選手権3位の日本は、アジアの直接出場枠を獲得できなかった。
一方、日本は大会3位となったことで、2027年に開催される女子ワールドカップへの出場権を獲得している。
LA28の出場権獲得ルートJVAとFIVBが公表した出場枠決定方式は、次のように整理できる。
ロサンゼルス2028・女子バレー出場枠
12チーム
男女それぞれ12チームが出場
① 2026年大陸選手権:5枠
各大陸の最上位チームが獲得。アジア枠はタイが獲得済み。
② 2027年ワールドカップ:3枠
上位3チームが五輪出場権を獲得。
③ 2028年VNL予選終了時の世界ランキング:3枠
先行する出場枠を獲得していないチームのうち、世界ランキング上位3チームが対象。
④ 開催国枠:1枠
アメリカに出場権を保証。
出典:JVA「ロサンゼルス2028オリンピック出場国決定プロセス」
日本にとって、2027年ワールドカップは非常に重要な大会になる。
アジア選手権の銅メダルによって出場権を得た大会で、世界ランキング上位国と競い、五輪出場権を直接獲得する可能性が残されているからだ。
ロス五輪に向けた日本代表の3つの課題1.強豪国との試合終盤で勝ち切る力
VNLのブラジル戦では第1セットを先取しながら敗れた。アジア選手権ではタイに敗れ、アジア大会では中国にストレート負けを喫した。
こうした結果から、重要な局面で得点を積み重ね、相手に流れを渡さない試合運びが課題として浮かぶ。
2.攻撃の選択肢を増やすこと
石川真佑、佐藤淑乃、和田由紀子らの攻撃力を生かしながら、特定の選手だけに得点が集中しない構成が必要だ。
複数の選手が得点源になることで、相手のブロックや守備の対策も難しくなる。
3.37人の登録枠を生かした選手層の強化
初選出14人という2026年の選考は、次世代の代表候補を広げる意味を持つ。
長期的には、主力選手のコンディションに左右されず、安定した戦力を維持できることが重要になる。
ロサンゼルス五輪を目指すうえでは、主力の個人能力だけでなく、チーム全体の選手層が問われる。
【女子日本代表の歴代メンバー】東洋の魔女から2026年の新世代へ
全日本女子バレーボールの歴史を振り返ると、日本は世界の舞台で何度も輝かしい成績を残してきた。
1964年東京五輪「東洋の魔女」日本女子バレーの歴史を語るうえで欠かせないのが、1964年東京オリンピックだ。
大松博文監督率いる女子日本代表は、回転レシーブなどの技術で注目を集め、「東洋の魔女」と呼ばれた。
そして東京五輪で金メダルを獲得。日本の女子バレーが世界に名を知られる大きな転換点となった。
当時の代表メンバーには、河西昌枝、宮本恵美子、谷田絹子、半田百合子らが名を連ねていた。
1976年モントリオール五輪でも金メダル1976年のモントリオールオリンピックでも、日本女子代表は優勝を果たした。
山田重雄監督のもと、白井貴子、横山樹理、荒木田裕子、飯田高子らが代表メンバーとして戦った。
1964年と1976年の金メダルは、日本女子バレーの歴史を象徴する実績だ。
2012年ロンドン五輪の銅メダル現代のファンにとって印象深いのが、2012年ロンドンオリンピックの銅メダルだ。
眞鍋政義監督率いる代表は、竹下佳江、木村沙織、佐野優子、荒木絵里香、江畑幸子らを擁して大会に臨み、3位に入った。
その後も日本女子代表は国際大会への出場を続け、2024年パリオリンピックにも出場している。
歴代メンバーから2026年へ受け継がれるもの歴代の代表メンバーを比較すると、時代ごとに求められる技術やチームの構成は変わってきた。
かつての日本は、粘り強いレシーブや組織的な守備を武器として世界と戦った。
現在は、守備力に加えて、海外の強豪国に対抗できる攻撃力や高さ、サーブの強さなども必要になる。
2026年の37人登録は、こうした国際バレーの変化に対応するための選手層づくりという意味でも注目される。
歴代メンバーの詳細は、日本バレーボール協会が公開しているオリンピック日本代表メンバーの記録で大会ごとに確認できる。
【全日本女子バレーボールに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年の女子日本代表メンバーは何人ですか?
A1:2026年4月15日に日本バレーボール協会が発表した登録メンバーは37人です。初選出は14人で、石川真佑、佐藤淑乃、和田由紀子らが名を連ねています。なお、37人全員が各大会に出場するわけではありません。
Q2:2026年の女子日本代表のVNL最終順位は何位ですか?
A2:7位です。7月22日の準々決勝でブラジルに1-3で敗れ、準決勝進出を逃しました。
Q3:2026年のアジア選手権とアジア大会の結果は?
A3:第23回アジア女子選手権では3位、第20回アジア競技大会では銀メダルを獲得しました。アジア選手権の3位決定戦ではイランに3-0で勝利しています。
Q4:2026年の女子日本代表の主将は誰ですか?
A4:石川真佑です。VNL2026の日本代表メンバー表でも主将を示す「C」が付されています。
Q5:日本女子代表はロサンゼルス五輪の出場権を獲得しましたか?
A5:2026年のアジア選手権では3位となり、アジアの直接出場枠は獲得していません。優勝したタイがその枠を獲得しました。日本には2027年ワールドカップや2028年VNL終了時の世界ランキングを通じて出場権を得る道が残されています。
Q6:2026年の注目選手は誰ですか?
A6:主将の石川真佑、攻撃を担う佐藤淑乃、アジア選手権でベストオポジットに選ばれた和田由紀子が注目選手です。それぞれの国際大会での活躍が、今後の代表チームの戦力を左右します。
まとめ:全日本女子バレーボールは2027年の世界大会へ
2026年の全日本女子バレーボールは、フェルハト・アクバシュ監督のもと、37人の登録メンバーによる新たなチームづくりを進めた。
主要大会の成績は、VNL7位、アジア選手権3位、アジア競技大会銀メダル。アジアの上位国と競い合う力を示した一方、ブラジル、タイ、中国との重要な試合では勝利を逃した。
特に注目したいのは、石川真佑を主将とする現在の主力選手と、初選出14人を含む新戦力の融合だ。
2027年の女子ワールドカップは、LA28への出場権を獲得する重要な舞台となる。
今後の女子日本代表を評価する際には、単にメダルの有無や順位だけを見るのではなく、次の3点に注目したい。
- 個人の成長: 石川、佐藤、和田らが世界の強豪相手にどこまで力を発揮できるか。
- チームの完成度: 新戦力が加わり、攻撃・守備の両面で選手層を厚くできるか。
- 五輪への競争力: 中国、タイ、ブラジルなどに対し、重要な試合で勝ち切れるか。
1964年東京五輪、1976年モントリオール五輪の金メダル、そして2012年ロンドン五輪の銅メダル。歴代の代表が築いてきた実績を次の世代につなげられるか。
2026年は、そのための土台を築いたシーズンとして位置づけられる。全日本女子バレーボールの次の大きな勝負は、2027年の世界大会、そして2028年ロサンゼルス五輪へと続いていく。