2026年の渡辺翔太の舞台活動を代表する作品が、Bunkamura Production『ウェンディ&ピーターパン』だ。作品の正式名称は「DISCOVER WORLD THEATRE vol.16」。芳根京子と渡辺翔太がダブル主演を務めた。
渡辺が演じたのは、誰もが知る永遠の少年ピーターパン。芳根京子はウェンディを演じ、今回が2人の初共演となった。STARTO ENTERTAINMENTの公演情報でも、渡辺の主演作品として掲載されている。
本作は、J.M.バリーの『ピーターパン』を英国の劇作家エラ・ヒクソンがウェンディの視点から翻案した作品だ。一般的なピーターパンの冒険物語とは異なり、少女が自分の意思で運命を切り開いていく姿を中心に描いている。
物語の舞台は1908年のロンドン。病気の末弟トムがピーターパンによって連れ去られたことをきっかけに、ウェンディたちはネバーランドへ旅立つ。冒険のなかで描かれるのは、友情や家族愛だけではない。成長すること、大人になること、そして自分の人生を選ぶことも大きなテーマになっている。
この作品は2013年に英国で初演され、2021年には日本初演を実現。2026年は5年ぶりの日本再演となった。ダンス、フライング、小道具、美術、映像を組み合わせたフィジカルシアターとしての特徴も見逃せない。
ジョナサン・マンビィ演出が作品にもたらすもの演出を担当したのは、英国の演出家ジョナサン・マンビィ。ブリストル大学で古典戯曲を学び、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなどで経験を積んだ人物だ。
欧米の劇場で古典劇から現代劇、オペラまで幅広く手がけ、日本でも『ロミオ&ジュリエット』『るつぼ』『民衆の敵』などを演出してきた。
マンビィが2021年の日本初演に続いて2026年の再演も担当したことは、作品の世界観を維持しながら新たな表現を追求するうえで大きな意味を持つ。特に、俳優の身体そのものを物語の一部にする演出は、渡辺のダンスやフライング経験を生かせる構成だった。
単純に空を飛ぶだけではなく、役柄の性格や感情を身体の動きで表現する。その点が、今回のピーターパン役における重要な挑戦だった。
【共演者・関係者一覧】芳根京子との初共演と豪華キャストを整理

今回の舞台で注目されたのが、芳根京子と渡辺翔太のダブル主演だ。Bunkamuraの公式紹介によれば、2人が共演するのは本作が初めて。加えて、石丸幹二、池谷のぶえなど、舞台経験豊富な俳優も参加した。
主要な登場人物と出演者の関係を整理すると、次のようになる。
出典:Bunkamura公式キャスト・スタッフ情報。
芳根京子と渡辺翔太の掛け合いが見どころ芳根が演じるウェンディは、弟トムを取り戻すためにネバーランドへ向かう。単に冒険を楽しむ少女ではなく、家族を思い、困難に立ち向かう芯の強い人物だ。
一方、渡辺のピーターパンは、自由奔放でいたずら好き。永遠に子どものままでいたいという無邪気さを持ちながら、物語の奥には孤独や悲しみも抱えている。
2人の関係は、単なる主人公同士の共演ではない。成長していくウェンディと、成長を拒むピーターという対照的な存在が、作品の中心を形作っている。
演劇専門メディア「エントレ」の観劇レビューでは、渡辺と芳根の掛け合いが自然で、互いの距離感が舞台上でよく表現されていたと評価された。芳根についても、可憐さだけでなく、力強さや体力を感じさせる演技が印象的だったと紹介されている。
異なるジャンルで活動してきた2人が、同じ物語のなかで関係性を築いたことは、本作の大きな魅力だった。
【公演日程・会場・チケット料金】東京公演と大阪公演の全情報
『ウェンディ&ピーターパン』は、東京と大阪の2都市で上演された。2026年11月2日現在、全公演は終了している。公演を振り返る際に押さえておきたい基本情報は以下のとおりだ。
東京公演- 公演期間:2026年6月12日(金)~7月5日(日)
- 会場:THEATER MILANO-Za
- 所在地:東京都新宿区歌舞伎町1-29-1
- 会場:東急歌舞伎町タワー6階
- 主催・企画・製作:Bunkamura
東京公演は新宿のTHEATER MILANO-Zaで開催された。歌舞伎町の東急歌舞伎町タワー内に位置する劇場で、東京公演のメイン会場となった。
大阪公演- 公演期間:2026年7月13日(月)~7月20日(月・祝)
- 会場:フェニーチェ堺 大ホール
- 所在地:大阪府堺市堺区翁橋町2-1-1
- 主催:サンライズプロモーション大阪
- 共催:フェニーチェ堺
大阪公演はフェニーチェ堺の大ホールで開催。東京公演の終了から約1週間後に始まり、7月20日に千秋楽を迎えた。
両会場とも公演期間が異なるため、過去の公演情報を調べる場合は、東京と大阪の日程を混同しないようにしたい。
チケット料金の違いチケット料金は東京と大阪で席種の設定が異なっていた。
東京公演
- S席:14,000円
- 注釈付きS席:14,000円
- A席:10,000円
大阪公演
- S席:14,000円
- A席:12,500円
- B席:9,500円
いずれも税込・全席指定。東京の注釈付きS席は、座席や場面によって舞台が見えにくい可能性がある席として案内されていた。
特に注意したいのは、大阪公演のA席が12,500円だった点だ。東京公演のA席10,000円と同じ価格ではない。公演地によって料金体系が違うため、過去のチケット情報を確認する際には区別が必要になる。
上演時間は合計3時間Bunkamuraが2026年6月12日付で公表した上演時間は、次の構成だった。
- 第1幕:1時間20分
- 休憩:20分
- 第2幕:1時間20分
- 合計:3時間
カーテンコールの時間は含まれていない。フライングやダンス、映像を組み合わせた舞台演出を楽しむ作品だけに、一般的な短時間の公演とは異なる観劇体験だった。
なお、これは公式発表時点の上演時間であり、変更の可能性も案内されていた。
【歴代舞台出演歴】『DREAM BOYS』から『ウェンディ&ピーターパン』まで
渡辺翔太の舞台経験を振り返ると、2026年の主演は突然生まれた挑戦ではない。Snow Manとして積み重ねてきた舞台活動に加え、外部の演劇作品や伝統ある帝国劇場の作品で経験を重ねてきた。
2018年『愛と青春キップ』で外部舞台に挑戦2018年の『愛と青春キップ』では、岩本照、阿部亮平とともにトリプル主演を務めた。
作品は、豪華客船でショーを支えるバックダンサーたちが、船の難破によって無人島へ漂着する青春群像劇。渡辺は小笠原役を担当した。
東京のオルタナティブシアターと京都劇場で上演され、ダンスと歌を組み合わせた作品だった。当時の報道では、渡辺にとってジャニーズ以外の俳優やスタッフと本格的に仕事をする外部舞台への初挑戦として紹介されている。
この経験は、グループ内のステージとは異なる演劇の現場に身を置いた節目だった。
2023年・2024年『DREAM BOYS』で主演を続投渡辺の舞台俳優としての存在感を大きく押し上げた作品が『DREAM BOYS』だ。
2004年に滝沢秀明主演で初演された同作は、歴代の主演者に亀梨和也、玉森裕太、岸優太、菊池風磨らを迎えながら受け継がれてきた舞台。ボクシングを軸に、夢や友情、葛藤を描いている。
渡辺は2023年にショウタ役で主演を務め、森本慎太郎がライバルのチャンプ役を担当。演出は堂本光一が手がけた。
翌2024年も渡辺と森本のコンビが続投。10月9日から29日まで帝国劇場で上演され、建て替えに伴う現・帝国劇場最後の『DREAM BOYS』となった。シリーズの節目となる公演を2年連続で任されたことは、渡辺の舞台経験を語るうえで欠かせない。
舞台出演歴とキャリアの転換点主な舞台経験を時系列で整理すると、次のようになる。ここでは、出演記録を確認できる代表的な作品を中心にまとめた。
2018年:『滝沢歌舞伎2018』
Snow Manの一員として出演。身体表現や群舞を含む舞台経験を重ねた。
2018年:『愛と青春キップ』
岩本照、阿部亮平とトリプル主演。小笠原役を担当し、外部舞台に挑戦。
2023年:『DREAM BOYS』
ショウタ役で主演。森本慎太郎との共演、堂本光一演出のもとで作品の中心を担った。
2024年:『DREAM BOYS』
前年に続き主演。現・帝国劇場での同作最終公演を経験。
2026年:『ウェンディ&ピーターパン』
芳根京子とのダブル主演でピーターパン役。身体表現と人物描写を組み合わせた新たな挑戦。
この流れを見ると、渡辺の舞台経験は、グループでのパフォーマンスから外部作品での主演、さらに海外演劇作品の翻案による本格的なフィジカルシアターへと広がってきたことが分かる。
なお、STARTO ENTERTAINMENTの公式バイオグラフィーには、2018年の『滝沢歌舞伎』や『愛と青春キップ』などの出演記録も掲載されている。
【舞台演技の評判】ピーターパン役で見せた新しい表現力
今回の舞台で特に注目されたのは、渡辺のフライングと身体表現だ。
『DREAM BOYS』でもフライングを経験してきた渡辺だが、ピーターパン役で求められたのは、単に空中を移動する技術ではない。少年らしい自由さや無邪気さを、飛び方そのものに反映させる必要があった。
フライングと殺陣で見せた身体能力2026年6月のゲネプロを取材した報道では、渡辺のフライングや高いジャンプ、殺陣などが見どころとして取り上げられた。
観劇レビューでも、空中での姿勢の安定感や、狙った位置で静止する動きのしなやかさが評価されている。ダンスやアクションを含め、身体を使った表現が作品の世界観を支えたという評価だ。
興味深いのは、渡辺本人も取材会で、これまでのフライングと今回の違いについて語っていたことだ。
これまでのフライングは自分自身の身体をどう美しく見せるかという要素が大きかった。一方、今回はピーターという役柄を背負った状態で飛ぶため、姿勢や動き方にも人物としての性格を反映させる必要があったという。
つまり、身体能力を披露するだけでなく、役の感情を身体で表現する段階へ進んだということだ。
コミカルな演技と少年らしいキャラクター演技面で評価されたのは、フライングだけではない。
エントレの観劇レビューでは、渡辺のピーターパンについて、弾むような声や自由奔放な振る舞い、いたずら好きな少年らしさが自然に表現されていたと紹介された。
特に、ウェンディをからかったり、真面目な場面で話題をそらしたりするコミカルな場面では、渡辺らしい飾らない雰囲気が役柄と重なっていたという。
また、芳根との掛け合いも作品の魅力として評価されている。ピーターの子どもっぽさと、ウェンディの成長していく姿が対照的に描かれることで、物語に奥行きが生まれた。
評判を見るときに注目したい3つのポイント今回の舞台の評価を整理すると、次の3点が重要になる。
- 身体表現: フライング、ダンス、殺陣を通してピーターパンの自由さを表現できていたか。
- 人物描写: 無邪気さだけでなく、孤独や優しさを含むピーターの内面を表現できていたか。
- 共演者との関係性: 芳根京子演じるウェンディとの掛け合いに自然な説得力があったか。
一方、観劇レビューには、渡辺と石丸幹二の歌声をもっと聴きたかったという感想も見られた。歌唱中心のミュージカルを期待する人と、身体表現を中心にしたフィジカルシアターを楽しむ人では、作品への期待が異なる可能性がある。
本作の魅力は歌の多さではなく、俳優の動き、映像、舞台美術、フライングが一体となって物語を作り上げる点にある。
【2026年最新】Snow Man渡辺翔太の現在の活動と舞台出演の位置づけ
舞台『ウェンディ&ピーターパン』を終えた渡辺翔太は、Snow Manのメンバーとしての活動も継続している。
2026年11月2日時点で、STARTO ENTERTAINMENTの公式プロフィールやMENT RECORDINGの発表から確認できる主な活動は次のとおりだ。
Snow ManのドームツアーがスタートSnow Manは2026年10月30日から2027年1月7日まで、全国5都市を巡る「Snow Man DOME TOUR 2026-2027 ALL SUITE」を開催している。
北海道の大和ハウス プレミストドーム公演からスタートし、愛知、福岡、東京、大阪へと続くスケジュールだ。11月2日現在、北海道公演を終え、今後の公演が控えている。
舞台での個人活動とグループでの大規模ライブを両立する点も、現在の渡辺の活動を理解するうえで重要だ。
6thアルバム『AMENITY』をリリースSnow Manは2026年10月7日に6thアルバム『AMENITY』を発売した。
グループとしての音楽活動も継続しており、7月6日にはデジタルシングル「グッタイム」も配信リリースされている。
舞台出演による俳優活動だけでなく、音楽やライブというグループの軸も変わらず続いている。
Prime Video『ラブ トランジット 35+』でMCに挑戦個人のメディア活動では、2026年10月22日にPrime Videoで配信が始まった『ラブ トランジット 35+』へのMC出演も注目される。
渡辺にとって恋愛リアリティー番組への出演は初めて。YOU、杏、松井ケムリとともにスタジオMCを務めている。
舞台での俳優活動、Snow Manとしての音楽活動、番組MCという複数の分野で仕事の幅を広げていることが、2026年後半の特徴だ。
【よくある質問】渡辺翔太の舞台に関するFAQ
Q1:渡辺翔太が2026年に主演した舞台は何ですか?
A1:Bunkamura Production『ウェンディ&ピーターパン』です。芳根京子とのダブル主演で、渡辺はピーターパン役を務めました。東京と大阪で上演され、2026年7月20日に全公演が終了しています。
Q2:渡辺翔太と芳根京子は過去にも共演していますか?
A2:『ウェンディ&ピーターパン』が初共演です。芳根はウェンディ、渡辺はピーターパンを演じました。
Q3:渡辺翔太の『DREAM BOYS』出演歴は?
A3:2023年と2024年に主演を務めています。どちらもショウタ役で、森本慎太郎がチャンプ役を担当しました。2024年は現・帝国劇場での最終公演でした。
Q4:『ウェンディ&ピーターパン』のチケット料金はいくらでしたか?
A4:東京公演はS席・注釈付きS席が14,000円、A席が10,000円。大阪公演はS席14,000円、A席12,500円、B席9,500円でした。いずれも税込です。
Q5:『ウェンディ&ピーターパン』の上演時間は何時間でしたか?
A5:公式発表では合計3時間です。第1幕80分、休憩20分、第2幕80分という構成でした。カーテンコールは含まれていません。
【プロの結論】渡辺翔太の舞台挑戦は新しい俳優像への転換点
2026年の『ウェンディ&ピーターパン』は、渡辺翔太の舞台キャリアにおいて大きな意味を持つ作品だった。
2018年の『愛と青春キップ』で外部舞台を経験し、2023年・2024年には『DREAM BOYS』の主演を担当。そして2026年には、芳根京子とダブル主演を務める海外発の舞台作品でピーターパンという象徴的な役に挑戦した。
この変化を理解するうえで重要なのは、舞台で求められる表現が作品ごとに違うという点だ。
『DREAM BOYS』では、夢を追う青年の葛藤や友情を表現することが中心だった。一方、『ウェンディ&ピーターパン』では、永遠の少年という非現実的な存在を、身体表現やフライング、共演者との関係性を通じて成立させる必要があった。
つまり、同じ主演でも求められる演技の質は異なる。過去の経験を生かしながら、別の表現方法を身につけることが今回の挑戦だった。
舞台演技を評価するときは、単純な人気や話題性だけで判断するのではなく、役柄への適応力、身体表現、共演者との相互作用、作品全体への貢献度を見ることが大切だ。
そして、2026年11月現在、渡辺翔太はSnow Manのドームツアーや音楽活動、個人のメディア出演にも取り組んでいる。舞台俳優としての経験が、今後どのような作品選びや表現につながっていくのかにも期待が集まる。
『ウェンディ&ピーターパン』はすでに千秋楽を迎えたが、渡辺翔太の舞台キャリアはそこで終わったわけではない。アイドルとしての表現力を演劇の世界へ持ち込み、さらに役者としての幅を広げた2026年。その経験は、次の舞台作品を考えるうえでも重要な転換点となりそうだ。