マーティン・スコセッシ映画は、何から観ればいいのか。『タクシードライバー』『グッドフェローズ』『レイジング・ブル』『ディパーテッド』など、映画史に残る名作を数多く生み出してきた監督だけに、最初の一本を選ぶのも簡単ではない。犯罪映画の巨匠というイメージが強い一方、心理ドラマ、歴史映画、宗教映画、音楽ドキュメンタリーまで、その作品世界は驚くほど幅広い。
2026年11月現在、スコセッシの最新の長編監督プロジェクトとして注目されているのが、レオナルド・ディカプリオとジェニファー・ローレンスが主演する『What Happens at Night』だ。2023年の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』に続く新作として制作が進められている。本記事では、監督作品一覧を年代順に整理し、代表作の見どころ、ロバート・デ・ニーロやディカプリオとの関係、独特の作風、初めて観る人におすすめの作品まで解説する。
【まず知っておきたい】マーティン・スコセッシとは?監督作と出演・製作作品の違い

マーティン・スコセッシは、1942年11月17日生まれのアメリカの映画監督、脚本家、プロデューサー、映画史研究家だ。ニューヨークで育ち、イタリア系アメリカ人の文化やカトリックの宗教観、都市生活の現実を作品に反映させてきた。
1960年代に短編映画を制作し、1967年の『ドアをノックするのは誰?』で長編映画監督としてのキャリアをスタート。1973年の『ミーン・ストリート』で高い評価を獲得し、1976年の『タクシードライバー』によって国際的な名声を確立した。
同作は1976年のカンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを受賞。続く『レイジング・ブル』『グッドフェローズ』などによって、アメリカ映画を代表する作家としての地位を固めていった。
「スコセッシ映画」と呼ばれる作品はすべて監督作なのかここで注意したいのが、映画のクレジットにおける役割の違いだ。スコセッシは監督だけでなく、製作、製作総指揮、脚本、俳優としても活動している。そのため、フィルモグラフィーに名前がある作品をすべて監督作品と考えるのは正確ではない。
例えば、2025年公開の『Die My Love』ではプロデューサーを務めているが、監督はリン・ラムジーだ。ジェニファー・ローレンスとロバート・パティンソンが出演したこの作品を、スコセッシの監督作として分類することはできない。
また、スコセッシ自身が映画に出演することもある。『タクシードライバー』では乗客役として登場しており、監督と出演者という複数の顔を持つ人物でもある。
作品を探す際には、次の3つを区別すると混乱しにくい。
- 監督作品:スコセッシ本人が演出を担当した映画。代表例は『タクシードライバー』『グッドフェローズ』『アイリッシュマン』。
- 製作・製作総指揮作品:企画や制作を支える立場で参加した映画やテレビ作品。『Die My Love』などが該当する。
- 出演作品:俳優として本人が画面に登場する作品。監督作へのカメオ出演も含まれる。
加えて、映画監督としての活動とは別に、映画保存にも力を注いできた。1990年には映画監督仲間とともに映画保存団体「The Film Foundation」を設立。古い映画の修復や映画遺産の保護にも取り組んでいる。
【年代順に完全整理】マーティン・スコセッシ監督作品一覧と歴代の代表作
スコセッシの映画を理解するには、年代順に観るのが効果的だ。初期のニューヨークを舞台にした人間ドラマから、犯罪組織の内幕、アメリカ社会の歴史、宗教的な葛藤へと、テーマと表現の幅が広がっていく。
以下は長編劇映画を中心に整理した監督作品の一覧だ。1989年のオムニバス映画については、担当したエピソードも併記している。
| 年代 | 主な監督作品 | 作品の特徴・位置づけ |
|---|---|---|
| 1960年代 | 1967年『ドアをノックするのは誰?』 | 長編監督デビュー作。若者、恋愛、宗教的葛藤を描く初期作品。 |
| 1970年代前半 | 1972年『明日に処刑を…』、1973年『ミーン・ストリート』、1974年『アリスの恋』 | 犯罪、都市生活、家族や女性の生き方など、異なる題材に挑戦。 |
| 1970年代後半 | 1976年『タクシードライバー』、1977年『ニューヨーク・ニューヨーク』 | 孤独な都市生活者の心理と、音楽を取り入れた映像表現が際立つ。 |
| 1980年代 | 1980年『レイジング・ブル』、1982年『キング・オブ・コメディ』、1985年『アフター・アワーズ』、1986年『ハスラー2』、1988年『最後の誘惑』、1989年『ニューヨーク・ストーリー』(『ライフ・レッスン』編) | スポーツ、名声、欲望、信仰など、人物の内面に焦点を当てる。 |
| 1990年代 | 1990年『グッドフェローズ』、1991年『ケープ・フィアー』、1993年『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』、1995年『カジノ』、1997年『クンドゥン』、1999年『救命士』 | ギャング映画の代表作を確立する一方、歴史劇や宗教的題材にも取り組む。 |
| 2000年代 | 2002年『ギャング・オブ・ニューヨーク』、2004年『アビエイター』、2006年『ディパーテッド』 | 大規模な歴史劇、伝記映画、犯罪サスペンスへと展開。 |
| 2010年代 | 2010年『シャッター アイランド』、2011年『ヒューゴの不思議な発明』、2013年『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、2016年『沈黙-サイレンス-』、2019年『アイリッシュマン』 | 心理サスペンス、ファンタジー、金融犯罪、宗教、老いと後悔など多彩な題材を扱う。 |
| 2020年代 | 2023年『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』、2026年制作『What Happens at Night』 | アメリカの歴史的犯罪を描いた大作から、幻想的な心理ドラマへ。 |
なお、上表は長編劇映画を中心とした一覧であり、短編映画、テレビ作品、ドキュメンタリーを含む全映像作品の完全なリストではない。
劇映画以外にも見逃せないドキュメンタリー作品スコセッシは音楽と映画史への関心が深く、ドキュメンタリーにも重要な仕事を残している。
- 『ラスト・ワルツ』(1978年):ザ・バンドの解散コンサートを記録した音楽ドキュメンタリー。
- 『ノー・ディレクション・ホーム』(2005年):ボブ・ディランの活動と時代背景を追う作品。
- 『シャイン・ア・ライト』(2008年):ローリング・ストーンズのライブを映像化。
- 『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』(2011年):ジョージ・ハリスンの人生と音楽を描く。
- 『ローリング・サンダー・レヴュー』(2019年):ボブ・ディランの1975~76年のツアーを題材にした作品。
犯罪映画のイメージだけでスコセッシを理解すると、こうした音楽・文化・映画史に対する情熱を見落としてしまう。
【おすすめランキング】マーティン・スコセッシ代表作は何から観るべき?
マーティン・スコセッシ映画のランキングには、批評的評価、映画史への影響、娯楽性、初心者への入りやすさなど、複数の判断基準がある。すべての作品に共通する絶対的な順位はない。
ここでは知名度と作家性、初めて観る人への入りやすさを組み合わせ、特におすすめしたい7作品を紹介する。
1位:『グッドフェローズ』(1990年)スコセッシの犯罪映画を最初に観るなら、まず候補にしたい一本だ。
実在のギャングたちの世界を背景に、主人公ヘンリー・ヒルの若き日から犯罪組織での成功、そして転落までを描く。レイ・リオッタ、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシが出演し、裏社会の華やかさと残酷さを同時に映し出している。
特に印象的なのは、テンポのよい編集、ナレーション、音楽の使い方だ。登場人物たちの高揚感が観客にも伝わる一方、物語が進むにつれて、その世界の危うさが浮き彫りになる。
おすすめの人:ギャング映画、実話ベースの犯罪劇、テンポのよい群像劇が好きな人。
2位:『タクシードライバー』(1976年)スコセッシの作家性を知るなら欠かせない代表作。ロバート・デ・ニーロ演じるタクシー運転手トラヴィス・ビックルが、孤独と疎外感を深めていく姿を描く。
舞台は1970年代のニューヨーク。夜の街を走り続ける主人公の視点を通して、都市の荒廃、社会への不信、人間関係の断絶が表現される。
アクション映画というより、ひとりの人間の心理が徐々に変化していく過程を見つめる作品だ。1976年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞したことも、その歴史的評価を物語っている。
おすすめの人:心理描写の深い映画、社会派ドラマ、暗い雰囲気の作品が好きな人。
3位:『ディパーテッド』(2006年)スコセッシの作品のなかでも、娯楽性と緊張感のバランスが優れている一本。
ボストンの犯罪組織と警察を舞台に、組織へ潜入した警察官と、警察内部に入り込んだ犯罪組織の内通者が互いの正体を探り合う。レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソンらの競演も見どころだ。
物語の軸は二重スパイの駆け引き。誰が味方で誰が敵なのか分からない状況が続き、観客を最後まで引き込む。
2007年の第79回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、編集賞、脚色賞を受賞。スコセッシにとって初めての監督賞受賞作品となった。
おすすめの人:サスペンス、警察映画、予測できない展開を楽しみたい人。
4位:『レイジング・ブル』(1980年)ボクシングの世界を舞台に、実在したボクサー、ジェイク・ラモッタの栄光と転落を描く伝記映画だ。
ロバート・デ・ニーロは主人公の肉体的変化を含め、激しい気性、嫉妬、孤独、自己破壊的な性格を圧倒的な存在感で表現している。
試合の迫力だけでなく、リングを離れた主人公の人間関係に注目したい。成功を手に入れても心の安定を得られない人物像が、モノクロ映像と緻密な編集によって際立つ。
おすすめの人:俳優の演技を重視する人、人物の心理や人生の転落を描いた映画が好きな人。
5位:『アイリッシュマン』(2019年)ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシという豪華な顔合わせが実現した犯罪ドラマ。
主人公フランク・シーランの回想を通じて、アメリカの裏社会と労働組合、政治、権力の関係が描かれる。若い頃の成功だけでなく、時間の経過とともに失われていく人間関係や人生の後悔にも焦点が当たる。
上映時間は約3時間29分。一般的なギャング映画よりも長く、物語の後半では老いと孤独をじっくり描いている。
おすすめの人:長編映画に抵抗がなく、人物の人生を時間軸に沿って深く味わいたい人。
6位:『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023年)デヴィッド・グランのノンフィクションを原作とした歴史犯罪ドラマ。1920年代のオクラホマ州を舞台に、石油によって富を得たオセージ族の人々が直面した連続殺人と搾取を描いている。
レオナルド・ディカプリオがアーネスト・バークハート、ロバート・デ・ニーロがウィリアム・ヘイル、リリー・グラッドストーンがモリー・バークハートを演じる。
この映画で重要なのは、単なる犯人探しではなく、富や権力を背景にした構造的な暴力を描いている点だ。先住民族の歴史とアメリカ社会の暗部を見つめる重厚な作品になっている。
上映時間は3時間を超えるため、気軽な娯楽映画を求める人には少し重いかもしれない。しかし、スコセッシの歴史認識と人物描写を理解するうえでは重要な一本だ。
おすすめの人:実話に基づく歴史劇、社会問題を扱う映画、重厚な人間ドラマが好きな人。
7位:『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013年)犯罪組織ではなく、金融市場を舞台にしたスコセッシ流の欲望の物語。
レオナルド・ディカプリオ演じる実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートが、金融業界で成功を手にする一方、詐欺や浪費にのめり込んでいく。
過激な描写やブラックユーモアが多く、犯罪映画でありながらコメディーのような勢いもある。音楽、ナレーション、モンタージュを駆使した演出が印象的だ。
おすすめの人:テンポのよい作品、風刺の効いたブラックコメディー、ディカプリオの演技を楽しみたい人。
好みに合わせた最初の一本の選び方- 最も入りやすい:『グッドフェローズ』
- 心理描写を味わいたい:『タクシードライバー』
- サスペンスを楽しみたい:『ディパーテッド』
- 俳優の演技を堪能したい:『レイジング・ブル』
- 長編の人間ドラマに浸りたい:『アイリッシュマン』
- 歴史と社会問題を考えたい:『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
- ブラックユーモアが好き:『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
なお、犯罪映画が苦手な人には『ヒューゴの不思議な発明』(2011年)もおすすめだ。1930年代のパリを舞台に、少年と映画の歴史をめぐる冒険を描いた作品で、スコセッシの映画愛をより親しみやすい形で体験できる。
【作風を徹底分析】なぜマーティン・スコセッシ映画は人間の心に残るのか
スコセッシの映画は、しばしば暴力的、刺激的、テンポが速いと評される。しかし、その本質は暴力そのものを見せることではない。暴力に向かう人間の心理や、欲望によって人生を壊していく過程を描くところにある。
1. 欲望と罪悪感が同時に存在する人物描写スコセッシ作品の主人公は、必ずしも善人ではない。
『グッドフェローズ』のヘンリー・ヒルは犯罪組織の世界に魅了され、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のジョーダン・ベルフォートは金と成功への欲望に取りつかれている。『タクシードライバー』のトラヴィスは社会との接点を失い、自分なりの正義を追い求める。
彼らは観客が共感しやすい人物であるとは限らない。それでも、どのような理由でその選択に至ったのかを、映画は丁寧に見せていく。
欲望に共感できても、その行動を肯定できるとは限らない。この複雑な感情を生み出すことが、スコセッシの人物描写の特徴だ。
2. 音楽と編集によって感情を動かすスコセッシ映画では、音楽は単なる背景ではない。登場人物の心理や時代の空気を伝える重要な演出手段だ。
『グッドフェローズ』や『カジノ』では、既存の楽曲と映像を組み合わせたモンタージュによって、人物の生活や時代の変化が鮮やかに描かれる。
編集を長年担当してきたのが、セオルマ・スクーンメーカーではなく、正しくはセルマ・スクーンメーカー(Thelma Schoonmaker)だ。彼女との協業はスコセッシ作品を理解するうえで欠かせない。
英国映画協会のインタビューでスコセッシは、編集作業について、どこでカットし、どこでカットしないかを決めることへの強い関心を語っている。映像のリズムだけでなく、登場人物の感情が観客にどう伝わるかを重視しているのだ。
3. カメラワークが登場人物の心理を表す長い移動撮影、突然のカット、スローモーション、主人公の視点に近いカメラ位置など、スコセッシは多彩な映像技法を用いる。
『グッドフェローズ』の有名な長回しは、主人公が犯罪組織の世界に入り込んでいく高揚感を観客に体験させる。一方、『タクシードライバー』では、夜の街を漂うようなカメラが主人公の孤独を強調する。
同じニューヨークを描いても、作品によって街の印象がまったく異なるのは、カメラが単なる風景の記録ではなく、人物の心理を映す役割を担っているからだ。
4. 宗教と信仰を繰り返し問い直すスコセッシの作風を語る際、カトリックの宗教的背景を外すことはできない。
『最後の誘惑』ではイエス・キリストの人間的な葛藤を描き、『沈黙-サイレンス-』では17世紀の日本を舞台に、信仰と迫害、神の沈黙という難しいテーマに向き合った。
宗教を単純に肯定したり否定したりするのではなく、信じることの意味や、人間が罪とどう向き合うのかを問い続ける姿勢が見られる。
犯罪映画と宗教映画は、一見すると異なるジャンルだ。しかし、どちらも人間の弱さ、罪、救済を扱っている点で深くつながっている。
【常連俳優と制作陣】ロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオの関係
スコセッシ映画を特徴づける要素のひとつが、同じ俳優やスタッフと何度も仕事をする制作スタイルだ。特にロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオとの関係は、監督のキャリアを理解するうえで重要である。
ロバート・デ・ニーロとの長年のパートナーシップデ・ニーロとの協業が始まったのは1970年代。1973年の『ミーン・ストリート』をきっかけに、映画史に残る監督と俳優の関係が築かれていった。
その後、『タクシードライバー』『ニューヨーク・ニューヨーク』『レイジング・ブル』『キング・オブ・コメディ』『グッドフェローズ』『ケープ・フィアー』『カジノ』『アイリッシュマン』などで共演・協業を重ねた。
デ・ニーロが演じる人物は、暴力的な男から孤独な男、野心家、老いた犯罪者まで幅広い。外見や行動だけでなく、内側に抱えた矛盾を表現できることが、長年にわたって起用されてきた理由のひとつだ。
レオナルド・ディカプリオとの新しい黄金期2000年代に入ると、スコセッシはディカプリオとの協業を本格化させる。
最初の長編映画でのタッグとなったのが、2002年の『ギャング・オブ・ニューヨーク』。続いて『アビエイター』『ディパーテッド』『シャッター アイランド』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』などで組んでいる。
ディカプリオは、若者の野心から権力者の狂気、犯罪者の欲望、歴史上の人物の葛藤まで、さまざまな役柄を演じてきた。
2026年の新作『What Happens at Night』でも主演を務める予定であり、両者の関係は現在も続いている。
俳優以外にも重要な常連スタッフがいるスコセッシの映画は、監督ひとりの才能だけで完成するものではない。長年の制作パートナーの存在が、独特の映像表現を支えている。
- セルマ・スクーンメーカー:編集者。映像のテンポ、物語の構成、人物の感情をつなぐ重要な存在。
- ポール・シュレイダー:脚本家。『タクシードライバー』などでスコセッシと協業した。
- ニコラス・ピレッジ:作家・脚本家。『グッドフェローズ』『カジノ』に関わった。
- エリック・ロス:脚本家。『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』でスコセッシと共同脚本を担当。
- ロドリゴ・プリエト:撮影監督。『アイリッシュマン』『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』などに参加。
特に編集者との関係は重要だ。英国映画協会のインタビューでも、スコセッシはスクーンメーカーと一緒に編集を進め、人物の感情が観客に正しく伝わるかを検討する過程について説明している。
このような長期的な協業が、作品ごとに題材が変わっても、スコセッシらしい映像のリズムや人物描写が保たれる理由のひとつになっている。
【2026年最新】新作『What Happens at Night』と今後の注目ポイント
2026年のマーティン・スコセッシ映画で最も注目されているのが、Apple Original Filmsの新作『What Happens at Night』だ。
ディカプリオとジェニファー・ローレンスが夫婦役で共演Apple Original Filmsは2026年3月19日、同作の本格的な撮影開始を発表した。撮影はチェコ共和国で行われ、ピーター・キャメロンの同名小説を原作としている。
物語の中心となるのは、養子を迎えるために雪深いヨーロッパの小さな町を訪れたアメリカ人夫婦。幻想的で不穏な雰囲気を持つ物語として紹介されている。
主要キャストは次のとおりだ。
- レオナルド・ディカプリオ:主演・製作。
- ジェニファー・ローレンス:主演・製作。
- マッツ・ミケルセン:出演。
- パトリシア・クラークソン:出演。
- ジャレッド・ハリス:出演。
- ウェルカー・ホワイト:出演。
- マーティン・スコセッシ:監督・製作。
2026年10月23日付のVarietyは、歌手のCharli XCXが同作にカメオ出演すると報じた。ただし、役柄などの詳細は明らかにされていない。
2026年11月時点で公開日は未発表チェコ・フィルム・コミッションの制作情報では、撮影期間は2026年2月27日から4月9日までとされている。3月の制作発表以降、作品の具体的な内容も少しずつ明らかになってきた。
一方、10月23日付のVarietyの報道時点では、公開日は設定されていなかった。したがって、2026年11月2日現在も、公開日が正式発表された作品として扱うことはできない。
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が歴史的な犯罪と社会の構造を描いた大作だったのに対し、『What Happens at Night』は雪に閉ざされた町を舞台にする幻想的な心理ドラマ。スコセッシがどのような映像表現で小説の世界を映画化するのかが注目される。
監督作と製作参加作品を混同しないための2025~2026年の整理この時期のスコセッシ関連作品では、クレジットの違いにも注目したい。
- 『Die My Love』(2025年):リン・ラムジー監督作品。スコセッシはプロデューサーとして参加。
- 『What Happens at Night』(2026年制作):スコセッシが監督・製作を担当する新作長編映画。
- 『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023年):2026年時点での直近の公開済み長編劇映画監督作。
この区別を理解すると、スコセッシの最新作を調べるときにも、出演者や製作会社の情報だけで作品の監督を誤認することがなくなる。
【よくある質問】マーティン・スコセッシ映画に関するFAQ
Q1:マーティン・スコセッシの最高傑作は何ですか?
A1:評価の高い代表作として『タクシードライバー』『レイジング・ブル』『グッドフェローズ』『ディパーテッド』が挙げられる。犯罪映画としての完成度なら『グッドフェローズ』、人物の心理描写なら『タクシードライバー』が有力な候補だ。
Q2:初めて観るならどの映画がおすすめですか?
A2:最初の一本には『グッドフェローズ』がおすすめ。テンポのよい編集、音楽、ナレーション、個性的な登場人物など、スコセッシらしさが凝縮されている。サスペンスが好きなら『ディパーテッド』も入りやすい。
Q3:ロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオは何度も共演していますか?
A3:デ・ニーロは1970年代からスコセッシの重要な協業相手で、『タクシードライバー』『グッドフェローズ』『アイリッシュマン』などに出演している。ディカプリオは2002年の『ギャング・オブ・ニューヨーク』から本格的に組み、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』や新作『What Happens at Night』でも関係が続いている。
Q4:マーティン・スコセッシ映画はすべて犯罪映画ですか?
A4:違う。犯罪映画は代表的なジャンルだが、『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』のような恋愛・社会劇、『ヒューゴの不思議な発明』のような冒険映画、『沈黙-サイレンス-』のような宗教映画も監督している。
Q5:『アイリッシュマン』と『グッドフェローズ』はどちらを先に観るべきですか?
A5:初めてなら『グッドフェローズ』を先におすすめしたい。犯罪組織の世界を勢いよく描く作品で、スコセッシの演出を理解しやすい。その後に『アイリッシュマン』を観ると、同じ犯罪社会を老いと後悔という別の視点から描いた違いが見えてくる。
Q6:2026年の最新作は何ですか?
A6:2026年に制作が進められている『What Happens at Night』が最新の長編監督プロジェクト。レオナルド・ディカプリオとジェニファー・ローレンスが主演する。2026年11月2日時点で公開日は未発表となっている。
Q7:スコセッシが監督したドキュメンタリーには何がありますか?
A7:『ラスト・ワルツ』『ノー・ディレクション・ホーム』『シャイン・ア・ライト』『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』などがある。音楽や映画史に関心がある人には特におすすめだ。
まとめ:マーティン・スコセッシ映画は自分の好みに合わせて選ぶのが正解
マーティン・スコセッシの映画は、犯罪劇というひとつのジャンルだけでは語れない。『タクシードライバー』では都市に生きる人間の孤独を、『グッドフェローズ』では犯罪組織の栄光と転落を、『レイジング・ブル』では自己破壊的な人間の内面を、『ディパーテッド』では裏切りと権力の駆け引きを描いてきた。
ロバート・デ・ニーロとの長い協業から、レオナルド・ディカプリオとの新しい時代へと続く俳優との関係も、スコセッシ映画の大きな魅力だ。加えて、編集者セルマ・スクーンメーカーをはじめとする制作陣との協力が、作品に一貫した映像表現をもたらしている。
初めて観る人は『グッドフェローズ』から始めるとよい。より深い心理描写を求めるなら『タクシードライバー』、俳優の演技を重視するなら『レイジング・ブル』、歴史と社会問題に関心があるなら『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』がおすすめだ。
2026年の新作『What Happens at Night』では、ディカプリオとジェニファー・ローレンスという新たな顔合わせにも期待が集まっている。過去の名作を年代順にたどりながら最新作を待つことで、スコセッシが長年問い続けてきた人間の欲望、罪、孤独、救済というテーマが、より鮮明に見えてくるはずだ。
主な事実確認資料: カンヌ国際映画祭、アメリカ映画協会(AFI Catalog)、米国議会図書館、アカデミー賞公式記録、英国映画協会(BFI)、Apple Original Filmsの制作発表、チェコ・フィルム・コミッション、Variety。